3Rの魔法師〜魔力零の異端児は今日も誰かの魔力を糧にする〜
第16話 本気
双子ショックから立ち直れていないニックを引きずっていくのに苦労したが、なんとか最初の授業に間に合うことができた。ギリギリなんて言うと聞こえは悪いが、僕にとっては好都合だ。出来る限り自由時間を教室で過ごしたくない。グレイスからどんな追及があるかわかったもんじゃないからね。その点、授業中は安心できる。幸い、彼女とは席が離れているから、教師の目を盗んで話しかけられることもない。
まぁ、でも、最初の授業は屋外だから席云々はあまり関係ないんだけど。
僕達は適度に動きやすい服に着替えると、修練場へと移動する。武術の授業は教室での座学ってことも偶にあるけど、基本的には修練場での実戦形式がほとんどだった。
正直、この授業が一番楽だ。授業としては偶に名の売れた冒険者などを特別講師として招き、様々な武器の扱い方や戦い方を教えてもらうというものだ。でも、最高学年の僕達は既に自分の得意武器というものがわかっているため、特別講師を呼ぶことなく、自由に自己鍛錬に励む時間になっていた。
修行マニアのニックは誰彼構わず、模擬戦を挑み、皆に迷惑がられるタイプだが僕は違う。二人一組にならなければいけない時はレベルⅠ仲間のジェラールとチャンバラに興じ、それ以外は一人静かに素振りをしていた。
ファルとファラの二人に触発されたのか、今のニックはいつも以上に熱血モードに入っている。誰彼構わずと言っても、硬派な彼は女子生徒に絡まないため、このモードのニックを相手しなくてはいけないのは男子生徒ということになる。
だが、悲しいかな、僕のクラスは女子の方が強者が多い。レベルⅢのニックに対抗できる男子などおらず、それでも平民に負けるわけにはいかない、とプライドだけは一丁前に高い貴族の集まりなので、授業後はいつも燃え尽きた本人も含め、死屍累々の惨状が広がっていた。
今日はいつも以上にひどいことになりそうだ。僕はジェラールと木剣をぶつけ合いながら、ハッスルしているニックをぼーっと見つめていた。
「──ねぇ、相手をしてくれないかしら?」
だから、話しかけられたことにまったく気づかなかった。
クラスの空気が固まる。それまで、思い思いに武器を振るっていた生徒達が動きを止め、なぜか驚愕の表情を浮かべながらこちらを見ていた。
ここにきて初めて違和感を抱いた僕が、同じく心底驚いているジェラールから視線を外し、後ろへと振り返る。そして、クラスが変調をきたした原因をこの目で確認した。
「えーっと……グレイス、さん?」
状況が理解できなかったのも一瞬、こうなることを想像できなかった自分を呪いながら、こちらをじっと見つめているグレイスから背後で困惑しているエステルとクロエに視線を滑らせる。表情から察するにどうしてこうなったかは二人もよくわかっていない感じだな。はっきり言って僕は分かる。『零の魔法師』の疑いがある僕の実力を試したいのだ。
「相手をしてって……僕はまだ死にたくないんだけど?」
「大丈夫よ。お互い木刀でやれば致命傷は避けられるかもしれないわ」
そこはかもなんだね。致命傷を与える気満々ってことだな。まぁ、木刀だってうまく使えば人の命くらい奪えるし、無理ないか。
会話をする僕達二人を見てどよめくクラスメート達。
「お、おい……あのグレイスが平民風情に模擬戦を挑んでなかったか?」
「そんなことより、俺は彼女が自分から男に話しかけるの初めて見たぞ……」
「っていうか、'氷の女王'を相手にするとか……死んだろ、あいつ」
「何やらかしたんだよ、一体……」
オーディエンスは楽でいいよね。僕も見物する側にいけたらどんなに幸せだろうか。
さて、現実逃避の時間は終わりだ。今考えるべきことは、このいかんともしがたい状況を最小限の被害で乗り切ること。彼女に話しかけられた時点で被害なしという選択肢は消滅した。
とりあえず、手ごろな策から試してみる。
「エステルさん……これは?」
僕もみんなと同じで何が起こっているのかさっぱりわかりません、本当に困っています、という顔でエステルに助けを求めた。
「いや……私もびっくりしているのよ。グレイスが私かクロエ以外と模擬戦をやろうとしているところなんて見たことがなかったから」
うん、まぁそうだろうね。このクラスで彼女と模擬戦をして意味があるのはエルテルとクロエ、それとニックくらいだ。クロエ王女は自衛のために城で鍛えられているから、あぁ見えて結構戦えるんだよね。
他は実力差がありすぎて、お互いに無意味な時間を過ごす事を彼女はしっかりと理解している。そうはいってもニックは女子とは戦わない、グレイスは男とは関わらないせいで、結局彼女の相手はその二人以外にはあり得ない。
「ねぇ、グレイス。いつもみたいに私とやろう?」
「私も付き合うよ!」
エステルと一緒にクロエも僕を助けるため笑顔で、グレイスは軽く首を左右に振った。
「偶には他の人とやってみたくなったのよ。いけないことかしら?」
「い、いや……いけなくはないけど……」
ふむ、第一案は没だな。まぁ、それで乗り切れるとは思っていない。何とも言えない表情でこちらに視線を向けるエステルを見ながら、僕は必死に頭を巡らせる。
「おいおい氷の女王さんよぉ……そんなド三級な平民とやりあっても面白くねぇだろ? このガルダン様が代わりに付き合ってやってもいいぜ?」
おっ、これは意外な伏兵が現れたな。レベルⅡの魔法師であるガルダン・ドルーであればグレイスもやる価値が三ミリ程度出てくる。ニックに比べれば見劣りするが、男子の中ではそこそこやる方だ。なぜかやる気なのは大好きなクロエにいいところを見せたいのか、はたまた、美人なグレイスと繋がりを持ちたいのか……どちらにせよこれを第二案としてもいいかもしれ……。
「誰あなた? 気安く話しかけないでもらえるかしら」
知ってた。ガルダンが相手にされないことも、とるに足らない案であることも。
絶対零度の視線を浴びて、すごすごとガルダンが引き下がっていく。なんというか、上級貴族だというのに残念な男だ。
気を取り直して本来の第二案を実行しよう。
「なんで僕なのかわからないけど、グレイスさんが模擬戦をやりたいっていうなら付き合うよ」
そう言いながら、僕は木刀を両手で持ち、正眼の構えを取った。ここにきて模擬戦を回避することは不可能。それならば、さっさと僕の力を見せつけてやればいいだけの話。
「……いつ来ても構わないわ」
同じく木刀を構えながら、グレイスがしっかりとこちらを見据える。僕から仕掛けていいなんて随分サービスがいいんだね。それなら僕の本気を見せてあげようかな。
クラス中が固唾をのんで見守る中、僕は勢いよく地面を蹴った。
「おぉ……まずまずのスピードだな」
みんなと一緒になって見ていたニックが小さく呟く。そう、「まずまず」なのだ。それが重要。
セントガルゴ学院はクラス対抗戦がある兼ね合いで、入学してから一切クラス替えをしない。そのため、二年間も一緒にいればクラスメートの戦闘力をある程度熟知している。だから、このクラスの平均が僕にはわかるのだ。
今は、このクラスの平均的なスピードよりも少し速い速度で動いている。理由としては、速すぎても遅すぎても目立ってしまうからだ。
「ふっ!! はっ!!」
僕は#そこそこ__・__#強い力で、#それなりに__・__#速く斬りかかる。そんな僕の木刀を華麗に受け流しながら、グレイスは怪訝な表情を浮かべていた。
そう、これこそがグレイス程の実力者に効果覿面な僕のごまかし術。
彼女レベルになると、相手が本気で戦っているかなんてすぐにわかってしまう。だが、ばれることはない。なぜなら僕は本気で戦っているからだ。
本気でブレーキをかけている、本気で抑えつけている、本気で自分に抵抗している。その結果、僕の身体から出る気迫は本気以外の何物でもない。
「…………」
だが、クラス平均より少し強いかな? くらいではレベルⅤの神童に勝てるわけもない。グレイスは何も言わずに、攻撃の速度を上げた。そのままあっさりと手を打たれ木刀を落とすと、突き立てられた剣を前に思わず尻もちをつく。
「あちゃー……やっぱダメだったか。まぁ、当然か」
ニックが苦笑しながら自分の頭をかいた。その隣にいるジェラールはいつものようにニコニコと笑っている。
「レイ! 大丈夫?」
エステルとクロエが駆け寄ってきた。エステルは本気で心配しているみたいだけど、クロエは眉をハの字にしながら、困ったような顔をしている。僕の実力を知っている手前、どう反応していいのか迷っているんだろうね。ボロが出そうだから、黙っていてくれると助かる。
「大丈夫だよ、エステルさん。なんだかんだ言ってグレイスさんは手加減してくれていたから」
ね?と視線を向けると、グレイスは腑に落ちない顔で僕を睨んでいた。だが、僕が本気だったことを一番感じているのは彼女なのだ。「本気でやりなさい」などと、言えるわけがない。
「ふんっ! 平民らしい無様な試合をしやがって! グレイス! 次は俺様とやるぞ!」
「僕とやりましょう!」
「いやいや! 私とはどうですか?」
これまで取り付く島もなかったグレイスが毛嫌いしているはずの男、しかも平民と模擬戦をしたことによって難攻不落の要塞に一筋の光明を見出したのか、クラスの男子共がこぞってグレイスのもとに押し寄せる。彼女は何か言いたげな表情をしていたが、口を真一文字に結ぶと、そのまま僕に背を向け、群がってくる男どもから離れていった。僕は自分の作戦がうまくいったことを確信し、内心にやりと笑みを浮かべる。
とりあえず、最小限の被害でこの局面を乗り越えたのは言うまでもなかった。
まぁ、でも、最初の授業は屋外だから席云々はあまり関係ないんだけど。
僕達は適度に動きやすい服に着替えると、修練場へと移動する。武術の授業は教室での座学ってことも偶にあるけど、基本的には修練場での実戦形式がほとんどだった。
正直、この授業が一番楽だ。授業としては偶に名の売れた冒険者などを特別講師として招き、様々な武器の扱い方や戦い方を教えてもらうというものだ。でも、最高学年の僕達は既に自分の得意武器というものがわかっているため、特別講師を呼ぶことなく、自由に自己鍛錬に励む時間になっていた。
修行マニアのニックは誰彼構わず、模擬戦を挑み、皆に迷惑がられるタイプだが僕は違う。二人一組にならなければいけない時はレベルⅠ仲間のジェラールとチャンバラに興じ、それ以外は一人静かに素振りをしていた。
ファルとファラの二人に触発されたのか、今のニックはいつも以上に熱血モードに入っている。誰彼構わずと言っても、硬派な彼は女子生徒に絡まないため、このモードのニックを相手しなくてはいけないのは男子生徒ということになる。
だが、悲しいかな、僕のクラスは女子の方が強者が多い。レベルⅢのニックに対抗できる男子などおらず、それでも平民に負けるわけにはいかない、とプライドだけは一丁前に高い貴族の集まりなので、授業後はいつも燃え尽きた本人も含め、死屍累々の惨状が広がっていた。
今日はいつも以上にひどいことになりそうだ。僕はジェラールと木剣をぶつけ合いながら、ハッスルしているニックをぼーっと見つめていた。
「──ねぇ、相手をしてくれないかしら?」
だから、話しかけられたことにまったく気づかなかった。
クラスの空気が固まる。それまで、思い思いに武器を振るっていた生徒達が動きを止め、なぜか驚愕の表情を浮かべながらこちらを見ていた。
ここにきて初めて違和感を抱いた僕が、同じく心底驚いているジェラールから視線を外し、後ろへと振り返る。そして、クラスが変調をきたした原因をこの目で確認した。
「えーっと……グレイス、さん?」
状況が理解できなかったのも一瞬、こうなることを想像できなかった自分を呪いながら、こちらをじっと見つめているグレイスから背後で困惑しているエステルとクロエに視線を滑らせる。表情から察するにどうしてこうなったかは二人もよくわかっていない感じだな。はっきり言って僕は分かる。『零の魔法師』の疑いがある僕の実力を試したいのだ。
「相手をしてって……僕はまだ死にたくないんだけど?」
「大丈夫よ。お互い木刀でやれば致命傷は避けられるかもしれないわ」
そこはかもなんだね。致命傷を与える気満々ってことだな。まぁ、木刀だってうまく使えば人の命くらい奪えるし、無理ないか。
会話をする僕達二人を見てどよめくクラスメート達。
「お、おい……あのグレイスが平民風情に模擬戦を挑んでなかったか?」
「そんなことより、俺は彼女が自分から男に話しかけるの初めて見たぞ……」
「っていうか、'氷の女王'を相手にするとか……死んだろ、あいつ」
「何やらかしたんだよ、一体……」
オーディエンスは楽でいいよね。僕も見物する側にいけたらどんなに幸せだろうか。
さて、現実逃避の時間は終わりだ。今考えるべきことは、このいかんともしがたい状況を最小限の被害で乗り切ること。彼女に話しかけられた時点で被害なしという選択肢は消滅した。
とりあえず、手ごろな策から試してみる。
「エステルさん……これは?」
僕もみんなと同じで何が起こっているのかさっぱりわかりません、本当に困っています、という顔でエステルに助けを求めた。
「いや……私もびっくりしているのよ。グレイスが私かクロエ以外と模擬戦をやろうとしているところなんて見たことがなかったから」
うん、まぁそうだろうね。このクラスで彼女と模擬戦をして意味があるのはエルテルとクロエ、それとニックくらいだ。クロエ王女は自衛のために城で鍛えられているから、あぁ見えて結構戦えるんだよね。
他は実力差がありすぎて、お互いに無意味な時間を過ごす事を彼女はしっかりと理解している。そうはいってもニックは女子とは戦わない、グレイスは男とは関わらないせいで、結局彼女の相手はその二人以外にはあり得ない。
「ねぇ、グレイス。いつもみたいに私とやろう?」
「私も付き合うよ!」
エステルと一緒にクロエも僕を助けるため笑顔で、グレイスは軽く首を左右に振った。
「偶には他の人とやってみたくなったのよ。いけないことかしら?」
「い、いや……いけなくはないけど……」
ふむ、第一案は没だな。まぁ、それで乗り切れるとは思っていない。何とも言えない表情でこちらに視線を向けるエステルを見ながら、僕は必死に頭を巡らせる。
「おいおい氷の女王さんよぉ……そんなド三級な平民とやりあっても面白くねぇだろ? このガルダン様が代わりに付き合ってやってもいいぜ?」
おっ、これは意外な伏兵が現れたな。レベルⅡの魔法師であるガルダン・ドルーであればグレイスもやる価値が三ミリ程度出てくる。ニックに比べれば見劣りするが、男子の中ではそこそこやる方だ。なぜかやる気なのは大好きなクロエにいいところを見せたいのか、はたまた、美人なグレイスと繋がりを持ちたいのか……どちらにせよこれを第二案としてもいいかもしれ……。
「誰あなた? 気安く話しかけないでもらえるかしら」
知ってた。ガルダンが相手にされないことも、とるに足らない案であることも。
絶対零度の視線を浴びて、すごすごとガルダンが引き下がっていく。なんというか、上級貴族だというのに残念な男だ。
気を取り直して本来の第二案を実行しよう。
「なんで僕なのかわからないけど、グレイスさんが模擬戦をやりたいっていうなら付き合うよ」
そう言いながら、僕は木刀を両手で持ち、正眼の構えを取った。ここにきて模擬戦を回避することは不可能。それならば、さっさと僕の力を見せつけてやればいいだけの話。
「……いつ来ても構わないわ」
同じく木刀を構えながら、グレイスがしっかりとこちらを見据える。僕から仕掛けていいなんて随分サービスがいいんだね。それなら僕の本気を見せてあげようかな。
クラス中が固唾をのんで見守る中、僕は勢いよく地面を蹴った。
「おぉ……まずまずのスピードだな」
みんなと一緒になって見ていたニックが小さく呟く。そう、「まずまず」なのだ。それが重要。
セントガルゴ学院はクラス対抗戦がある兼ね合いで、入学してから一切クラス替えをしない。そのため、二年間も一緒にいればクラスメートの戦闘力をある程度熟知している。だから、このクラスの平均が僕にはわかるのだ。
今は、このクラスの平均的なスピードよりも少し速い速度で動いている。理由としては、速すぎても遅すぎても目立ってしまうからだ。
「ふっ!! はっ!!」
僕は#そこそこ__・__#強い力で、#それなりに__・__#速く斬りかかる。そんな僕の木刀を華麗に受け流しながら、グレイスは怪訝な表情を浮かべていた。
そう、これこそがグレイス程の実力者に効果覿面な僕のごまかし術。
彼女レベルになると、相手が本気で戦っているかなんてすぐにわかってしまう。だが、ばれることはない。なぜなら僕は本気で戦っているからだ。
本気でブレーキをかけている、本気で抑えつけている、本気で自分に抵抗している。その結果、僕の身体から出る気迫は本気以外の何物でもない。
「…………」
だが、クラス平均より少し強いかな? くらいではレベルⅤの神童に勝てるわけもない。グレイスは何も言わずに、攻撃の速度を上げた。そのままあっさりと手を打たれ木刀を落とすと、突き立てられた剣を前に思わず尻もちをつく。
「あちゃー……やっぱダメだったか。まぁ、当然か」
ニックが苦笑しながら自分の頭をかいた。その隣にいるジェラールはいつものようにニコニコと笑っている。
「レイ! 大丈夫?」
エステルとクロエが駆け寄ってきた。エステルは本気で心配しているみたいだけど、クロエは眉をハの字にしながら、困ったような顔をしている。僕の実力を知っている手前、どう反応していいのか迷っているんだろうね。ボロが出そうだから、黙っていてくれると助かる。
「大丈夫だよ、エステルさん。なんだかんだ言ってグレイスさんは手加減してくれていたから」
ね?と視線を向けると、グレイスは腑に落ちない顔で僕を睨んでいた。だが、僕が本気だったことを一番感じているのは彼女なのだ。「本気でやりなさい」などと、言えるわけがない。
「ふんっ! 平民らしい無様な試合をしやがって! グレイス! 次は俺様とやるぞ!」
「僕とやりましょう!」
「いやいや! 私とはどうですか?」
これまで取り付く島もなかったグレイスが毛嫌いしているはずの男、しかも平民と模擬戦をしたことによって難攻不落の要塞に一筋の光明を見出したのか、クラスの男子共がこぞってグレイスのもとに押し寄せる。彼女は何か言いたげな表情をしていたが、口を真一文字に結ぶと、そのまま僕に背を向け、群がってくる男どもから離れていった。僕は自分の作戦がうまくいったことを確信し、内心にやりと笑みを浮かべる。
とりあえず、最小限の被害でこの局面を乗り越えたのは言うまでもなかった。
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