S級魔法士は学院に入学する〜平穏な学院生活は諦めてます〜(仮)
35話
交代で見張りをしたが特に何もなく朝を迎え、昨日の残りを朝食に食べ、野営の片付けを行い今日も目的地に迎え為に歩き出した。
「あー、やっぱ寝慣れてない所で寝るのは疲れるぜ」
「何言ってんのよ。あんたイビキ描いて寝てたわよ。もううるさくて私が寝不足なんだけど!」
「そういうリリスは、寝言でレイって言ってたけどな」
「な!?え、エドー!」
今日の進行も順調といくはずもなかったな──
「みんな」
既にリリスは感知してるのだろう。
さっきまでのふざけた雰囲気はなく警戒を強めていた。
「かなりの数じゃないですか…」
「こりゃすげぇ群れだな」
「ど、どうしましょ」
リリスに僅かに遅れたがカグラが感知した。
リリスまではいかずともかなりの感知能力を持っているなとカグラに対する評価を上げる。
エドとエミリヤも遅れて気づいた。リリス、カグラの探知能力がかなり上なだけであって、二人の探知能力は学生の域で言えば充分だと思う。
「数は三十近くはいるわね」
「迂回するのは、かなり時間ロスだ」
「エミリヤとカグラは私の近くにいて。レイとエドは迎撃を。私は後方からの支援と撃ち漏らした個体を殺るわ」
「ぼ、僕なら大丈夫だよ。魔物相手の接近戦なら僕にもできるから」
「でも…」
「リリス大丈夫だ。もしもの時は俺がフォローするから」
「レイがそういうなら、迎撃は三人に任せる」
俺たちは陣形を整え、ハウンドの群れを迎え撃つ。
「へっ!かなりの数だな!」
エドは槍を構え、突貫していく。
俺もカグラを気にしながらエドに続いて迎撃に向かう。
「はぁぁー!!!」
カグラの身体に揺らぎが見える。
あれは魔力を放出して纏っているのか。
前に見た魔闘術の纏衣という技だったはず。
脚に力を入れたと思ったら一歩踏み出す。踏み出された地面は抉れ、脚力の凄さがわかる。
そのスピードは先に動いていたエドを追い抜き、群れの先頭のハウンドに先制攻撃を仕掛ける。
「は、え?」
エドは足を止め、今起きた出来事を理解出来ていなかった。多分、後ろの二人もそうだろう。
「エド、足が止まってるぞ。出番なくなっちまっても文句いうなよ」
「ちょ、レイ!」
俺にも先を越されたエドは慌てて俺に追いつくように駆け出した。
俺は、魔法剣と放出系魔法を駆使しながらハウンドを仕留めていく。
エドは、得意の風魔法でハウンドの動きを止めたり上昇気流でハウンドの体制を崩し底を槍で射殺す。
「魔闘波!六連!」
カグラの拳から放たれた鋭い魔力の衝撃波は魔物を捉え六連にも重なった衝撃波は、かなりの貫通力を持っており魔物に、どデカい穴を開けていく。
三十近くいたハウンドの群れはどんどんその数を減らしていき、ついに殲滅する事ができた。
「案外呆気なかったな」
「みんな怪我なく片付けられてよかったです」
「私の出番はなかったわね」
「それにしても、カグラ強すぎね?」
エドのカグラ強すぎね?発言によりみんなの視線がカグラに向く。俺も予想以上に強かったカグラに驚きもしたので俺も視線を向ける。
「そんだけ強ければ、無能なんてレッテルすぐなくなるだろ?」
「僕のは格闘術ですからね。学院の実技はあくまで格闘戦ではなく魔法戦ですから。魔法戦となると僕は、皆さんに手も足も出ません」
カグラは、ハハハと笑うとそう言い、頭をかいていた。
確かに学院では魔法を学び、魔法戦の技術を学ぶ所で格闘戦をしては何のために学院に入学したのだという事にもなるかもしれないが。
「別にカグラの魔闘術は格闘戦になるかもしれないが、魔法を魔力を使ってるんだ。それは立派な魔法戦になるんじゃないか?」
「うーん、まぁそうとも捉えられるけど。僕は魔闘術ではなく魔法を学びたいと思って学院に通ってるから」
カグラにはカグラの考えがあるのだろう。
「でも、そんな我儘で皆に迷惑かけるつもりはないから、この演習では魔闘術を使わせてもらうよ」
予想外の戦力にみな、びっくりしたが嬉しい誤算であった。
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