S級魔法士は学院に入学する〜平穏な学院生活は諦めてます〜(仮)

マッサン

21話





「出て来なさい!隠れても無駄よ!」

リリス!?何突然叫んでるんだよ…
それで大人しく出てくるはず──あ、出てきた

そこには黒ずくめで顔も目元以外隠した正体を隠した姿をした敵が現れる。

「貴方達に聞きたい事があります」

会長の言葉に誰も言葉を発しない。
答える気が更々ないのだ。

「会長下がってて下さい──」
「いえ、レイさん大丈夫ですよ。ここは私の所有地そしてその侵入者に対処するのは私の役目です」

そこにはいつもの優しい笑顔の会長の姿はなかった。

「貴方達はここで拘束させてもらいます」

会長の身体から小さな雷が弾ける
それはまさに一瞬の出来事であった。

襲撃者達は一斉に会長に迫るために動き出したその一瞬に襲撃者達の頭上に魔法式が展開され雷柱が襲撃者達を埋め尽くす。

電柱が途切れた後には戦闘不能になり電気が迸っている襲撃者達の姿があった。

なんていう魔法演算速度だ
速度だけでいえばリリスを超えている

前回の帝国学院魔法大会の優勝者
帝国内の学生トップに相応しい実力だな

「へ、へぇー中々やるじゃない」

リリスさんよ棒読みじゃないか
それに口元引きつってるよ

「いえいえ私は少しばかり演算速度かま速いだけですよ」

あの演算速度で5つの魔法を同時発動させといてこの謙遜は嫌味にも聞こえなくもないが。

「見たかい!あの会長の魔法を!」

副会長がドヤ顔で俺たちに会長の魔法を自慢してくるが余程副会長は会長が好きなようだ。

「とりあえずこの襲撃者達らドレッセル家で預からせてもらい情報を引き出させてもらいます」
「ドレッセル家で大丈夫なわけ?なんならエドラス家で吐かせてあげてもいいわよ」

ちょっとちょっとリリスさんなに張り合ってるの



◇◇◇


生徒総会当日になる。

「結局あまり情報は引き出せませんでした…」
「会長それは仕方ないですよ。相手ももしもの事を考えて実行部隊にはあまり情報を渡してないんじゃないんですかね。今日の生徒総会について話しましょう」

「生徒総会まで一時間を切ったので生徒は少しずつ会場に集まりつつあります。風紀委員は警備として式典中、ニグブル委員長の指示の元配置についてるそうです。一応私の方でも戦闘に特化した信頼できる学生達に声を掛けています。ですがこの広い学院をカバーするのは難しく会場を中心にそれとなく警備についてもらってます。やはり狙ってくるとしたら生徒総会中の全生徒が集まった時が確率が高いとおもうので」

「セレーネ王女には伝えてあるんですよね?」
「それは伝えています。王女も宮廷魔法士団の団長に事の経緯を伝えています。ただ表立って学院に魔法士団を配備できないので有事の際は即座に対応できるように帝城に即応の魔法士団を待機させてもらっているそうです」
「なら何かあれば魔法士団が駆けつけるまで耐えればいいと言うことですね」

この場で話し合いに参加しているのは会長、副会長、俺、リリス、3年生の先輩2人が同席し5人で話し合っていた。

「貴族派の先輩達の動きはどうです?」
「それがニグブル、ユレドイラ、アメディックの姿がみえないんだよ」

俺の問に答えたのは会長が連れてきた3年の先輩だった。

「3人とも所在不明なんて絶対何か企んでるわよ」
「確実に何か仕掛けてくるだろうな」

リリスの意見に俺は同意し考える。
どんな妨害をしてくる?
反貴族グループを煽って生徒総会を中心に追い込むつもりか
大規模な暴動でも起きれば更に溝が深まり貴族派に流れる貴族生徒は更に増えるだろうし。

「会長やはり──」

───ドゴォォォン!!!

大きな複数の爆発音とまるで地震のような揺れが俺たちを襲う。

「学院内に設置されてる監視用の魔道具を作動させて!」

会長の咄嗟の指示に副会長は敷地内の映像を映しだす。

「これは!?!?」

その映し出された画面に映っていたのは魔武器なので武装した襲撃者達だった。

「まさか革命軍自ら攻めてくるなんてね」
「ララム!直ぐに魔法士団に連絡を!」
「──ッ、ダメです会長!魔力妨害を受けてるのか通信ができません!」
「妨害されてしまいましたか…。ここは一刻も早く非戦闘系の学生の安全の確保と防衛の体制を整えないとですね」

会長はそういい指示を出すために学院内の監視用魔道具で現状の把握を始める。

ノックなしで会長室の扉が勢いよく開かれる。

「か、会長はいますか!?」

突然開かれたドアから乗り込んできたのは息を切らした見たことのある女子生徒だった──



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