S級魔法士は学院に入学する〜平穏な学院生活は諦めてます〜(仮)

マッサン

第5話



「レイお昼行くわよ!」

午前中の講義が終わるとリリスが俺の所に来てお昼を誘ってきたのだが、さっきの休憩時間にエドに昼食を誘われていたのを思いだしエドの方を気にしながら返事が遅れてしまう。

「あぁ…リリスそのお昼なんだがエドも一緒にいいだろうか?」

エドは自分の名前が出て来たことに気まづそうな顔をしていた。

「ん?エド?レイの後ろの子かしら?別に大丈夫よ。私もこの子を誘ってるし」

そう言うとさっきからリリスの後ろであたふたとしていたリリスよりも小柄でショートカットの眼鏡っ子の女の子をリリスが俺たちの前に腕を引いて出てきた。

「あ、あああぁのわ私その、えっと…エミリヤ・アルベルトと言います…えっとそのあの、よろしくお願いちます」

エミリヤは勢いよく頭を下げたが自分が最後に噛んでしまった事に気づいたのだろうプルプル震えだし上げた顔には今にも涙が浮かびそうであった。

そう言えば自己紹介の時もものすごく緊張して声も震えながら自己紹介してた子がいたなと思いだしそれがリーナだったんだなと思いだしリリスとは真逆な子だなと思ってしまった。

「俺はレイ・グラスティスだ。よろしく頼む」
「俺はエド・グローリーだ。よろしく頼むぜ!」

俺の挨拶の後に会話の入りに困っていたエドはここだと思ったのだろう俺の後にすぐ様自己紹介をしていた。

「エドね、分かったわ。私の事はリリスで構わないわ」
「じゃ遠慮なくリリスと呼ばせてもらうけど、そのいいのか…?ほらリリスは六魔公のエルドラ家のご令嬢だし…」
「自己紹介でも言ったでしょ。それにこの学院内では貴族も士族も平民も関係ない対等な立場なはずよ。気にせず接してちょうだい」
「了解だじゃこれからよろしく!」

自己紹介も終わった事で俺たちは食堂の方へとむかった。

流石にお昼時の食堂は人が多く注文する所には結構な行列が出来ていたがそこは仕方ないからその列に並び世間話しながら自分達の順番を待つ。

「やっぱり講義は眠くなるわね。私的には実技の方がいいわ」
「俺も身体動かすの好きだし実技の方がいいわ〜ただ座ってるのは性に合わねぇ」
「わ、私はその実技よりかは座学の方が好きで…それに今日は凄く興味を惹かれる講義も聞けたので…」
「エミリヤは卒業後は研究者とかを目指してたりするの?」

エミリヤの実技より座学派と聞いて研究者の方を目指してるのかとふと気になり聞いてみる。

「私はその研究者というよりかは魔道具等の開発の方に興味があってそっちの方に進みたいと思っています…なので今日の魔道具についての講義はすごく楽しかったです…」

魔道具とは魔法を組み込んだ武器から生活の質を向上させる為の便利な物から多岐に渡り自分達の生活には無くてはならない物になってきておりその需要はどんどん高まってきている。

「お!いい夢じゃないか!じゃ将来エミリヤが作った物が国を変えていくかもな!」

エドはニカッと笑い俺は応援してるぜと言うような表情をみせていた。

「エドは将来何するだよ?」
「俺かぁ〜俺はな軍に入りてぇな!ほら俺ん家没落士族だから軍にでも入って手柄立ててグローリー家をまた有名にさせてぇのよ!」
「ふーん軍ね〜」
「ふーん軍ね〜って、そう言うレイは将来何してぇんだよ?」
「俺はー……」

自分が聞いといていざ自分が聞かれると自分が将来何をしたいのか考えてなかった。
兵器として生み出され兵器として育てられた俺はあの時から軍人として戦場に立ってきた。そのまま軍人として過ごすものだと思っていた俺は今は学生なんてやってる。

卒業したらまた軍に入るのかそれとも他の進路に進まされるのかそれかエルドラ家の仕事をやらされるのかどの道俺に選択肢はないのだろう。俺は兵器でありエルドラ家当主に所有権があるエルドラ家の所有物に過ぎないのだ。

「ほら私たちの番がそろそろ来るわよ。みんな注文は決めてるの?」

夢を聞かれ答えられなかった俺を見て話題を代えたのはリリスだった。ふとリリスの方を見ると俺を見ていた。一瞬目が合うがリリスは目を逸らし身体事注文する為に注文口の方に身体を向ける。

注文しそれぞれが食事を手にすると4人で座れそうな所を見つけそこに座り食事を始めた。

「な、なぁリリスそれは…?」

俺の目の前に座っているリリスの元におる更にはご飯の上に半分が白いルー、半分が茶色いルーがかかっていた。

「シチューカレーよ」
「シチューカレーね…」
「なに?シチューもカレーも両方とも食べたかったのよ!これなら両方たべるじゃない」

ドヤ顔だものすごいドヤ顔
私頭いいと声が聞こえて来そうだ
2人とも苦笑いである。

「これはこれは六魔公エルドラ家のリリス様ではないですか」

俺たちが食事してるとそう話しかけてきたのは後ろに子分のような2人組をつけた男であった。

面倒くさい匂いしかしない──




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