おっさんの異世界生活は無理がある。
第618話
「おめでとうございます!こんなにも早く50ポイントを集めきったのは、お2人が初めてだと思いますよ!本当に凄いですね!」
「ありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいですね、九条さん。」
「あぁ、とは言ってもほとんどお前の活躍があったからこそみたいな話だけどな。」
「うふふ、そんな事はありませんよ。2人で頑張ってきたからです。」
「……そうかねぇ。」
イリスの言葉に何となく気恥ずかしさを感じて視線を逸らしながら人差し指で頬を掻いていると、職員をお姉さんが両手をパンっと打ち鳴らした。
「さて、それでは50ポイントを達成したお2人に特別なイベントについてご説明をしたいのですが、お時間はよろしいでしょうか?」
「あっ、はい。お願いします。」
「かしこまりました。それではまず、こちらをお受け取り下さい。」
「……えっと、コレは?」
目の前にスッと差し出された綺麗な金の装飾がされた白色の封筒を手に持って眺めながらそう尋ねると、職員さんは俺達の事を見つめながらニコっと微笑みだした。
「そちらは50ポイントを集めた皆様にお配りしている特別な案内状となります。」
「……招待状、ですか?」
「はい。その中には素敵な思い出が作れる場所が記された地図とイベントに参加する為に必要な1枚のカードが入っています。それが無いと残念ですがもう一度ポイント集めをやり直す事になってしまいますので、紛失しない様にお気を付け下さい。」
「うふふ、分かりました。それで、イベントの内容っていうのは何なんですか?」
「……申し訳ございません、現時点では詳しい事はお話が出来ないんです。」
「えっ?そりゃまたどうして……?」
「うーん、何と言うかですねぇ……何が起きるのかは、実際にお2人の目で確かめて頂きたいから……としか……」
「うふふ、つまりそれだけ期待しても良いって事ですか?」
「えぇ、それはもう!絶対に素敵な思い出が作れるはずです!これまでにイベントへご参加なさった皆様は大変お喜びになられていましたから!」
「そうなんですか?それじゃあ、今この場でイベントの内容を説明されてしまうのは勿体ないかもしれませんね。」
「……だな。とりあえず、当日までのお楽しみって事にしときます。」
「ありがとうございます。それでは次に、イベントに参加する事が出来そうな日時をお尋ねしたいんですが……」
「あーそれって予約しないとイベントには参加出来ないって事ですよね?」
「はい。素敵な思い出を作って頂く為に色々と準備がありまして、一日に数組様しかイベントにご参加出来ないんです。申し訳ございません。」
「いえいえ、謝らないで下さい。それだけ色んな人に楽しんで貰おうと頑張っている証拠なんですから。では、早くて何時頃なら大丈夫そうですか?」
「そうですね、一番早くて明日の夕方5時になります。それ以降ですと……5日後と7日後しかご予約が出来ません。」
「おっとっと、そりゃあちょっとマズいかもなぁ……俺達もそんなに王都に滞在するって訳じゃないし、その間の宿泊費用をアシェンさんに払わせる訳にもいかんし……イリス、明日って大丈夫そうか?」
「えぇ、問題ありませんよ。」
「分かった。それじゃあ明日の夕方5時に予約、お願い出来ますか?」
「はい、かしこまりました。それでは明日の夕方5時に予約で。あっ、イベントにはご家族やご友人をお誘いして頂いても大丈夫ですよ。ただ……個人的な意見としてはお2人だけでご参加なさった方が忘れられない素敵な思い出が作れる気がします。」
「うふふ、貴重なご意見ありがとうございます。参考にさせてもらいますね。では、僕達はこれで失礼します。行きましょうか、九条さん。」
「お、おう。そうだな。」
何とは言わないが絶対に誤解しているであろう職員さんに見送られながら斡旋所を後にした俺達は、皆が待っているセトグリア家を目指して大雪が降っている中を歩き続けるのだった
「ありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいですね、九条さん。」
「あぁ、とは言ってもほとんどお前の活躍があったからこそみたいな話だけどな。」
「うふふ、そんな事はありませんよ。2人で頑張ってきたからです。」
「……そうかねぇ。」
イリスの言葉に何となく気恥ずかしさを感じて視線を逸らしながら人差し指で頬を掻いていると、職員をお姉さんが両手をパンっと打ち鳴らした。
「さて、それでは50ポイントを達成したお2人に特別なイベントについてご説明をしたいのですが、お時間はよろしいでしょうか?」
「あっ、はい。お願いします。」
「かしこまりました。それではまず、こちらをお受け取り下さい。」
「……えっと、コレは?」
目の前にスッと差し出された綺麗な金の装飾がされた白色の封筒を手に持って眺めながらそう尋ねると、職員さんは俺達の事を見つめながらニコっと微笑みだした。
「そちらは50ポイントを集めた皆様にお配りしている特別な案内状となります。」
「……招待状、ですか?」
「はい。その中には素敵な思い出が作れる場所が記された地図とイベントに参加する為に必要な1枚のカードが入っています。それが無いと残念ですがもう一度ポイント集めをやり直す事になってしまいますので、紛失しない様にお気を付け下さい。」
「うふふ、分かりました。それで、イベントの内容っていうのは何なんですか?」
「……申し訳ございません、現時点では詳しい事はお話が出来ないんです。」
「えっ?そりゃまたどうして……?」
「うーん、何と言うかですねぇ……何が起きるのかは、実際にお2人の目で確かめて頂きたいから……としか……」
「うふふ、つまりそれだけ期待しても良いって事ですか?」
「えぇ、それはもう!絶対に素敵な思い出が作れるはずです!これまでにイベントへご参加なさった皆様は大変お喜びになられていましたから!」
「そうなんですか?それじゃあ、今この場でイベントの内容を説明されてしまうのは勿体ないかもしれませんね。」
「……だな。とりあえず、当日までのお楽しみって事にしときます。」
「ありがとうございます。それでは次に、イベントに参加する事が出来そうな日時をお尋ねしたいんですが……」
「あーそれって予約しないとイベントには参加出来ないって事ですよね?」
「はい。素敵な思い出を作って頂く為に色々と準備がありまして、一日に数組様しかイベントにご参加出来ないんです。申し訳ございません。」
「いえいえ、謝らないで下さい。それだけ色んな人に楽しんで貰おうと頑張っている証拠なんですから。では、早くて何時頃なら大丈夫そうですか?」
「そうですね、一番早くて明日の夕方5時になります。それ以降ですと……5日後と7日後しかご予約が出来ません。」
「おっとっと、そりゃあちょっとマズいかもなぁ……俺達もそんなに王都に滞在するって訳じゃないし、その間の宿泊費用をアシェンさんに払わせる訳にもいかんし……イリス、明日って大丈夫そうか?」
「えぇ、問題ありませんよ。」
「分かった。それじゃあ明日の夕方5時に予約、お願い出来ますか?」
「はい、かしこまりました。それでは明日の夕方5時に予約で。あっ、イベントにはご家族やご友人をお誘いして頂いても大丈夫ですよ。ただ……個人的な意見としてはお2人だけでご参加なさった方が忘れられない素敵な思い出が作れる気がします。」
「うふふ、貴重なご意見ありがとうございます。参考にさせてもらいますね。では、僕達はこれで失礼します。行きましょうか、九条さん。」
「お、おう。そうだな。」
何とは言わないが絶対に誤解しているであろう職員さんに見送られながら斡旋所を後にした俺達は、皆が待っているセトグリア家を目指して大雪が降っている中を歩き続けるのだった
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