おっさんの異世界生活は無理がある。
第553話
密着取材の件を引き受ける事にしてから数日後、リビングで荷造りをしている皆の姿をボーっと眺めていると急にマホの奴が不安げな表情を浮かべながらこっちに歩み寄って来た。
「ご主人様、改めて確認させて欲しいんですが本当に私とソフィさんもロイドさんのお家に行く必要があるんですか?しかも取材が始まる3日も前から……」
「あぁ、以前も言ったけどアレコレ書かれて面倒事に巻き込まれるのだけは避けたいからな。それにどうせやるんだったら徹底的にやった方が良いだろ?」
「それはそうかもですけど……やっぱり私だけでもこっちに残った方が良いのでは?親戚の子ですって言い訳も出来ると思いますし……ダメですか?」
「はぁ……そんな顔してもダメなもんはダメだ。もう決めた事なんだからいい加減に諦めろ。ってか、家は隣なんだからそこまで不安がられなくても大丈夫だっての。」
「ふふっ、そうは言うが九条さんは私達が目を離してしまうと1人で危険に飛び込む癖があるからね。マホが不安に思ってしまうのも無理は無いんじゃないかな?」
「うん、私としても九条さんを1人にするのは不安。」
「……俺は聞き分けの無い子供かよ……まぁ、思い当たる節が訳じゃ無いから強くは否定出来ねぇんだけどさ……で、でも今回はマジで心配しなくても大丈夫だから!」
「……本当ですか?」
「お、おう!だって密着取材を受けるのはロイドだし、それにしたって普段の様子を見せるってだけなんだろ?それなら危ない事も何も無いじゃねぇか。俺の出番だってクエストに行く時ぐらいしかないだろうからな!」
いやはや、自業自得とは言えここまで信用されてなかったとは……今後はもう少し慎重に動く様に心掛けた方が良いかもしれないな……このままだと僅《わず》かに残っているかもしれない大人の威厳が完全に消え失せてしまうかもしれん……!
「むぅ……分かりました。ご主人様の言う通り、もう決まった事にとやかく言うのは止めにします。で・す・が!私達が見ていないからと言って1人で危ない事をしたらその時は……覚悟して下さいね?」
「は、はいっ!了解しました!」
新機能に笑顔で相手を脅せるって項目があったのかしら?……なんて事を思わせる迫力を見せてきたマホに対してビシッと背筋を伸ばして敬礼をしていると、ロイドがクスクスと微笑みながら自身のバッグを手に持って椅子から立ち上がり始めた。
「それじゃあ九条さん、私達はそろそろ隣の家に行くとするよ。急ごしらえで作った客間に2人を案内しないといけないからね。」
「あ、あぁ!頼んだぞ!ほら、マホも行った行った!」
「……仕方ありませんね。ご主人様、すぐに戻って来ますのできちんとお留守番していて下さいね!」
「はいはい、そんな事を言われなくても大人しく待ってるよ。どうせ今日は出掛ける用事もねぇんだからな。」
そう言いながら3人を玄関まで送り届けた俺は、一人残された家の中で思いっきり体を伸ばしながらこれからの数日間をどうやって過ごそうかと考えを巡らせていくのだった。
「ご主人様、改めて確認させて欲しいんですが本当に私とソフィさんもロイドさんのお家に行く必要があるんですか?しかも取材が始まる3日も前から……」
「あぁ、以前も言ったけどアレコレ書かれて面倒事に巻き込まれるのだけは避けたいからな。それにどうせやるんだったら徹底的にやった方が良いだろ?」
「それはそうかもですけど……やっぱり私だけでもこっちに残った方が良いのでは?親戚の子ですって言い訳も出来ると思いますし……ダメですか?」
「はぁ……そんな顔してもダメなもんはダメだ。もう決めた事なんだからいい加減に諦めろ。ってか、家は隣なんだからそこまで不安がられなくても大丈夫だっての。」
「ふふっ、そうは言うが九条さんは私達が目を離してしまうと1人で危険に飛び込む癖があるからね。マホが不安に思ってしまうのも無理は無いんじゃないかな?」
「うん、私としても九条さんを1人にするのは不安。」
「……俺は聞き分けの無い子供かよ……まぁ、思い当たる節が訳じゃ無いから強くは否定出来ねぇんだけどさ……で、でも今回はマジで心配しなくても大丈夫だから!」
「……本当ですか?」
「お、おう!だって密着取材を受けるのはロイドだし、それにしたって普段の様子を見せるってだけなんだろ?それなら危ない事も何も無いじゃねぇか。俺の出番だってクエストに行く時ぐらいしかないだろうからな!」
いやはや、自業自得とは言えここまで信用されてなかったとは……今後はもう少し慎重に動く様に心掛けた方が良いかもしれないな……このままだと僅《わず》かに残っているかもしれない大人の威厳が完全に消え失せてしまうかもしれん……!
「むぅ……分かりました。ご主人様の言う通り、もう決まった事にとやかく言うのは止めにします。で・す・が!私達が見ていないからと言って1人で危ない事をしたらその時は……覚悟して下さいね?」
「は、はいっ!了解しました!」
新機能に笑顔で相手を脅せるって項目があったのかしら?……なんて事を思わせる迫力を見せてきたマホに対してビシッと背筋を伸ばして敬礼をしていると、ロイドがクスクスと微笑みながら自身のバッグを手に持って椅子から立ち上がり始めた。
「それじゃあ九条さん、私達はそろそろ隣の家に行くとするよ。急ごしらえで作った客間に2人を案内しないといけないからね。」
「あ、あぁ!頼んだぞ!ほら、マホも行った行った!」
「……仕方ありませんね。ご主人様、すぐに戻って来ますのできちんとお留守番していて下さいね!」
「はいはい、そんな事を言われなくても大人しく待ってるよ。どうせ今日は出掛ける用事もねぇんだからな。」
そう言いながら3人を玄関まで送り届けた俺は、一人残された家の中で思いっきり体を伸ばしながらこれからの数日間をどうやって過ごそうかと考えを巡らせていくのだった。
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