おっさんの異世界生活は無理がある。
第532話
「……九条さん……これで……全部が終わったって事なんですか……?」
「えぇ、とりあえずダンジョンの攻略は出来たって感じですかね。後はここを無事に脱出すれば良いだけなんですが、その前にボスのコアになっていた宝箱の中身を見に行きましょうか。」
「は、はい……」
ボスに襲われかけた衝撃が抜けきっていないのか妙に元気のないルゥナさんが気になりながら皆と一緒に歩き始めた俺は、フィオの拳で少しだけひび割れた宝箱を海中から引き上げるとゆっくり蓋を開いていった。
「お、おおおおおお!!!!これは凄いですね!ちょ、ちょっと記録としてカメラで撮っておいても良いですか!良いですよね!?」
「うふふ、やはりボスを形作っていた宝箱なだけはありますねぇ。これだけの宝石があれば全員分の浴衣を購入したとしてもかなりのお釣りが帰ってきますよ。」
「うん、頑張った甲斐があって良かったよ。まぁ、僕達はコレと言って活躍をした訳じゃあないんだけどね。」
「ハッ、そんな事もねぇだろよ。最終的にはテメェら2人があの野郎をぶっ飛ばして隙を作ったから倒せたんだしな。」
「ふーっはっはっはっはっは!まさしくその通り!よく分かっているではないか!」
「……なぁ、コイツに一発ぶち込んでやっても良いか?」
「やめい……無傷のまま終わったんだからそのまま帰ろうぜ……」
「……チッ、今回だけだからな。」
「ん?どうかしたのか?」
「いや、何でもねぇから気にすんな……そんな事よりもさっさと中身を回収して街に帰るぞ。今から換金に向かえば昼飯時までには間に合うだろうかな。」
「あっ、そう言えば私お腹が減ってきました!」
「一応、小腹が空いた時の為に食料品は持ってきていますがそれだけでは流石に足りませんからね。」
「うふふ、そうと決まればルゥナ先生。入手した宝石の管理をお願い出来ますか?」
「え、えっ?私が……ですか?」
「はい、僕達だと戦闘をしている時に落としてしまう可能性がありますからね。主に援護を担当している先生が持ち歩くのが最適だと思います。」
「そ、それはそうかもですが……」
「ちょ、ちょーっと待ったイリスちゃん!それを言うなら私も援護担当だよ?預けるなら私でも良くない?どうしてお宝管理の候補から外れちゃってるのかな?」
「アッ?そんなもん、テメェに落ち着きがねぇからに決まってるだろうが。」
「な、何ですと!?」
「そうだね……オレットはここに来るまでの間、ずっと僕達の戦っている様子を撮影する為に動き回っていたし……やっぱりここは先生にお願いするのが一番かな。」
「な、何と言う信用の無さ……!?私は皆の為に頑張っていたと言うのに……!」
「ふんっ、だからと言って援護対象者が何度も前に出るべきではないのだがな。」
「うぐっ……!」
「……えーっと……そういう訳らしいんで、預かっていてもらっても良いですか?」
「わ、分かりました……この宝石類は、私が責任をもって預からせてもらいます。」
突然の提案に戸惑いを隠しきれていないルゥナさんが宝箱の中に入っていた宝石を回収したその後、俺達は進んで来た道を戻ってダンジョンを脱出するのだった。
「えぇ、とりあえずダンジョンの攻略は出来たって感じですかね。後はここを無事に脱出すれば良いだけなんですが、その前にボスのコアになっていた宝箱の中身を見に行きましょうか。」
「は、はい……」
ボスに襲われかけた衝撃が抜けきっていないのか妙に元気のないルゥナさんが気になりながら皆と一緒に歩き始めた俺は、フィオの拳で少しだけひび割れた宝箱を海中から引き上げるとゆっくり蓋を開いていった。
「お、おおおおおお!!!!これは凄いですね!ちょ、ちょっと記録としてカメラで撮っておいても良いですか!良いですよね!?」
「うふふ、やはりボスを形作っていた宝箱なだけはありますねぇ。これだけの宝石があれば全員分の浴衣を購入したとしてもかなりのお釣りが帰ってきますよ。」
「うん、頑張った甲斐があって良かったよ。まぁ、僕達はコレと言って活躍をした訳じゃあないんだけどね。」
「ハッ、そんな事もねぇだろよ。最終的にはテメェら2人があの野郎をぶっ飛ばして隙を作ったから倒せたんだしな。」
「ふーっはっはっはっはっは!まさしくその通り!よく分かっているではないか!」
「……なぁ、コイツに一発ぶち込んでやっても良いか?」
「やめい……無傷のまま終わったんだからそのまま帰ろうぜ……」
「……チッ、今回だけだからな。」
「ん?どうかしたのか?」
「いや、何でもねぇから気にすんな……そんな事よりもさっさと中身を回収して街に帰るぞ。今から換金に向かえば昼飯時までには間に合うだろうかな。」
「あっ、そう言えば私お腹が減ってきました!」
「一応、小腹が空いた時の為に食料品は持ってきていますがそれだけでは流石に足りませんからね。」
「うふふ、そうと決まればルゥナ先生。入手した宝石の管理をお願い出来ますか?」
「え、えっ?私が……ですか?」
「はい、僕達だと戦闘をしている時に落としてしまう可能性がありますからね。主に援護を担当している先生が持ち歩くのが最適だと思います。」
「そ、それはそうかもですが……」
「ちょ、ちょーっと待ったイリスちゃん!それを言うなら私も援護担当だよ?預けるなら私でも良くない?どうしてお宝管理の候補から外れちゃってるのかな?」
「アッ?そんなもん、テメェに落ち着きがねぇからに決まってるだろうが。」
「な、何ですと!?」
「そうだね……オレットはここに来るまでの間、ずっと僕達の戦っている様子を撮影する為に動き回っていたし……やっぱりここは先生にお願いするのが一番かな。」
「な、何と言う信用の無さ……!?私は皆の為に頑張っていたと言うのに……!」
「ふんっ、だからと言って援護対象者が何度も前に出るべきではないのだがな。」
「うぐっ……!」
「……えーっと……そういう訳らしいんで、預かっていてもらっても良いですか?」
「わ、分かりました……この宝石類は、私が責任をもって預からせてもらいます。」
突然の提案に戸惑いを隠しきれていないルゥナさんが宝箱の中に入っていた宝石を回収したその後、俺達は進んで来た道を戻ってダンジョンを脱出するのだった。
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