おっさんの異世界生活は無理がある。
第515話
翌日、朝飯を食べ終えて海に向かう準備を済ませた俺は出発時刻を迎える少し前にリビングに集まっていた皆にとある2つの道具について説明を聞かせていた。
「海の上を自由に歩ける様になるシュダール、それと込める魔力によって発射される水の勢いが変わるウォーシューターですか……」
「あぁ、俺もついさっき思い出したばっかりだからその名前で合ってるのか不安ではあるんだけどさ……もし良かったら海に行く前にソレが借りられる店に寄らないか?どうせ遊ぶなら徹底的に遊びつくしたいだろ?」
「はい!昨日あれだけ頑張ったんですから徹底的に遊び倒してやりますよ!」
「我としてもその意見には賛同だが……しかし、貴様の話では貸し出されている数はそう多くはないのだろう?行くだけ無駄と言う事になるのではないのか。」
「まぁ、それについては否定しない。けど、さっきも言った通り今のはひと夏前の話だから……もしかしたら貸し出されてる数も増えてるかもしれないぞ。」
「うむ、とにかく行ってみなければ分かるまい。それに店がある場所は海の近くじゃから、例え無駄じゃったとしてもそこまで苦労はしないのではないか。」
「うーん……あの、皆さんはどうしたいですか?」
「……ソイツの知り合いがやってる店ってのがどうにも気に掛かるが、込める魔力で威力が上がるウォーシューターってのは気になるな。おもちゃって事はどれだけ人に当てても怪我をする心配はねぇんだろ?だったら寄ってみても良いぜ。」
「僕もそのお店に行ってみたいです。この街でしか体験する事が出来ない遊びなら、一度はやってみたいですから。」
「うふふ、九条さんが僕達の為にしてくれた提案を断るなんてあり得ません。喜んでそのお店に行かせてもらいますよ。」
「勿論!私としても断るだなんて発想はありませんとも!」
「うむうむ!ユキ、お主はどうじゃ?」
「いや、どうじゃも何もそんなの聞かなくても分かるでしょ。皆が行く気になってるのにアタシが我が儘を言う訳ないじゃない。」
「はっはっは、それならば決まりじゃな。」
「えぇ、それにしてもアリシアさんのご両親がやっているお店ですか……九条さん、彼女達は今この街にいらっしゃるんですか?」
「あー……いや、どうですかねぇ……以前も海に行ったら偶然会っただけなので……もしかしたら居るのかもしれませんが、それらしい話を聞いた覚えが無いですね。」
「そうですか……卒業してから会っていないので挨拶だけでもと思ったんですけど、今回は諦めた方が良いのかもしれませんね。」
「……まぁ、そう落ち込む必要も無いんじゃない。生きてさえいれば、会う事なんて何時でも出来るんだから。」
「うむ、それにまだ会えぬと決まった訳でもあるまい。まずは店に足を運び居るかを確認、仮にクアウォートに来ていなかったとしてもトリアルに戻った時にでも会いに行けばよいじゃろう!」
「……ふふっ、お気遣いありがとうございます。」
「別に感謝される程の事じゃないわよ。それよりも……そろそろ出発時刻になるから荷物を持ったらさっさと外に出ましょう。」
「おっ、もうそんな時間か……よしっ、忘れ物は無いな?それじゃあ行くぞ。」
床に置いていたバッグを手にして玄関に向かった俺達は、メイドさんや執事さんに見送られながら馬車に乗り込んで別荘を後にするのだった。
「海の上を自由に歩ける様になるシュダール、それと込める魔力によって発射される水の勢いが変わるウォーシューターですか……」
「あぁ、俺もついさっき思い出したばっかりだからその名前で合ってるのか不安ではあるんだけどさ……もし良かったら海に行く前にソレが借りられる店に寄らないか?どうせ遊ぶなら徹底的に遊びつくしたいだろ?」
「はい!昨日あれだけ頑張ったんですから徹底的に遊び倒してやりますよ!」
「我としてもその意見には賛同だが……しかし、貴様の話では貸し出されている数はそう多くはないのだろう?行くだけ無駄と言う事になるのではないのか。」
「まぁ、それについては否定しない。けど、さっきも言った通り今のはひと夏前の話だから……もしかしたら貸し出されてる数も増えてるかもしれないぞ。」
「うむ、とにかく行ってみなければ分かるまい。それに店がある場所は海の近くじゃから、例え無駄じゃったとしてもそこまで苦労はしないのではないか。」
「うーん……あの、皆さんはどうしたいですか?」
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「僕もそのお店に行ってみたいです。この街でしか体験する事が出来ない遊びなら、一度はやってみたいですから。」
「うふふ、九条さんが僕達の為にしてくれた提案を断るなんてあり得ません。喜んでそのお店に行かせてもらいますよ。」
「勿論!私としても断るだなんて発想はありませんとも!」
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「いや、どうじゃも何もそんなの聞かなくても分かるでしょ。皆が行く気になってるのにアタシが我が儘を言う訳ないじゃない。」
「はっはっは、それならば決まりじゃな。」
「えぇ、それにしてもアリシアさんのご両親がやっているお店ですか……九条さん、彼女達は今この街にいらっしゃるんですか?」
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「そうですか……卒業してから会っていないので挨拶だけでもと思ったんですけど、今回は諦めた方が良いのかもしれませんね。」
「……まぁ、そう落ち込む必要も無いんじゃない。生きてさえいれば、会う事なんて何時でも出来るんだから。」
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「別に感謝される程の事じゃないわよ。それよりも……そろそろ出発時刻になるから荷物を持ったらさっさと外に出ましょう。」
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