おっさんの異世界生活は無理がある。
第493話
オレットさんと学園長の手に寄って繰り広げられたイベントをどうにか乗り越えた俺達は、朝早くから迎えに来た馬車に揺られて国王陛下達の前にやって来ていた。
「ナインティアの諸君、昨日までの講師活動ご苦労だった。慣れない事も多かったと思うがクエストの方はどうだっただろうか。」
「あっ、はい!確かに戸惑う事も色々とありましたけど、学べる事も多かったですしかなり充実した時間を過ごす事が出来ました!」
「ふむ、それならば良かった。学園側から届いた報告にも、満足のいく出来だったと報告を受けている。」
「うふふ、ミアさんも皆さんと楽しい思い出が作れたと喜んでいましたものね。」
「はい、本当にどうもありがとうございました。」
「ふふっ、どういたしまして。お姫様のお役に立てたのなら何よりです。」
……絵本から飛び出てきた王子様みたいな仕草でミアに微笑みかけたロイドの姿を横目に見ながら苦笑いを浮かべていると、玉座の傍に立ってた執事さんが国王陛下に近づいていき小声で何かを話し始めた。
「そうか……諸君、申し訳ない。もう少しお喋りに興じていたかったのだが、残念な事に時間がきてしまったようだ。」
「あっ、いえいえそんな!本日はお招き頂いてありがとうございました!」
「うむ。また機会があればクエストを依頼する事があるかもしれかいので、その時はどうかよろしく頼む。」
「えぇ、次もご期待に応えられる様に頑張らせてもらいますよ。」
「……今度のクエストはモンスターと戦う系が良い。」
「ソ、ソフィ!余計な事は言わなくて良いから!そ、それじゃあ俺達はこれで!」
「あっ、お待ち下さい。もしよろしければ馬車の近くまでお見送りさせて頂きたいのですが……お父様、構わないでしょうか?」
「あぁ、好きにしなさい。」
「うふふ、応援していますよミアさん。」
「……何を応援されているのか分かりませんが、それでは失礼致しますね。皆さん、行きましょうか。」
「は、はい……?」
いきなりの申し出に首を捻りながら玉座の間を後にした俺達は、ミアと共に豪勢で入り組んでいてメチャクチャ長い廊下を歩き始めた……
「そう言えば、マホさんのお姿が見当たりませんがどうなさったんですか?もしや、昨日の事で体調が?」
「いえ、体調については問題ありません。ただ帰りの荷造りをしておきますのでって事で留守番してるんdすよ。」
「あっ、そうだったんですか。それは残念ですね、最後にきちんとお別れのご挨拶をしたいと思っていましたのに……」
「ふふっ、その台詞をマホが聞いたら喜びますよ。」
「……後で伝えておく。」
「えぇ、よろしくお願い致します。」
そんな他愛もない雑談をしながら王宮の外にまで来た俺達は、優雅に微笑んでいるミアと目を合わせると改めてお辞儀をするのだった。
「それではお姫様、またお目に掛かれる日が来る事をお待ちしております。」
「はい。もしアレでしたら、また九条さんを執事としてお雇い致しますね。」
「あ、あははは……またまたそんなご冗談を……」
「…………」
「……ミアお嬢様、無言で見つめられても困るんですが……!」
「……気が向いたら遊びに来て。歓迎する。」
「えっ!よろしいのですか?」
「あぁ、勿論だよ。その時は……私達にも素顔を見せてくれると嬉しいかな。」
「っ!……えぇ、その時を楽しみにしてなさい。」
ほんの一瞬だけ素顔を晒したミアに見送られながら再び馬車に乗り込んだ俺達は、少しの間だけ滞在していた王宮を後にするとマホが待つ家に帰って行くのだった。
「ナインティアの諸君、昨日までの講師活動ご苦労だった。慣れない事も多かったと思うがクエストの方はどうだっただろうか。」
「あっ、はい!確かに戸惑う事も色々とありましたけど、学べる事も多かったですしかなり充実した時間を過ごす事が出来ました!」
「ふむ、それならば良かった。学園側から届いた報告にも、満足のいく出来だったと報告を受けている。」
「うふふ、ミアさんも皆さんと楽しい思い出が作れたと喜んでいましたものね。」
「はい、本当にどうもありがとうございました。」
「ふふっ、どういたしまして。お姫様のお役に立てたのなら何よりです。」
……絵本から飛び出てきた王子様みたいな仕草でミアに微笑みかけたロイドの姿を横目に見ながら苦笑いを浮かべていると、玉座の傍に立ってた執事さんが国王陛下に近づいていき小声で何かを話し始めた。
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「えぇ、次もご期待に応えられる様に頑張らせてもらいますよ。」
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「そう言えば、マホさんのお姿が見当たりませんがどうなさったんですか?もしや、昨日の事で体調が?」
「いえ、体調については問題ありません。ただ帰りの荷造りをしておきますのでって事で留守番してるんdすよ。」
「あっ、そうだったんですか。それは残念ですね、最後にきちんとお別れのご挨拶をしたいと思っていましたのに……」
「ふふっ、その台詞をマホが聞いたら喜びますよ。」
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そんな他愛もない雑談をしながら王宮の外にまで来た俺達は、優雅に微笑んでいるミアと目を合わせると改めてお辞儀をするのだった。
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