おっさんの異世界生活は無理がある。
第490話
学園内に居るとは思えないぐらい異質な空間の中、俺とヤン子は周囲を警戒しつつ目を覚ましたルゥナさんにこの場所に至るまでの経緯を説明していった。
「そ、そうだったんですね……あの、本当に申し訳ありませんでした……肝心な時にお役に立つ事が出来なくて……私、完全にお荷物でしたよね……」
「いえいえ!そんな風に思わなくても大丈夫ですって!な?」
「……あぁ、身の危険を感じた時なんてほとんど無かったからな。ルゥナ先生が気絶してた所で別に問題じゃなかったよ。」
「そ、そうそう!だからあんまり気にしないで下さい!それよりも今は、どうやってこの騒動を終わらせるかを考えましょう!」
「……わ、分かりました!九条さんとフィオさんに情けない所を見せてしまった分、きちんと挽回させてもらいますね!」
「は、はい!期待していますよルゥナさん!」
「えぇ、任せて下さい!」
両手をグッと握り締めて自分を鼓舞しているルゥナさんに合わせてガッツポーズをしていると、不意にこっちを見つめ……いや、睨んできているヤン子と目が合った。
「あー……えっと……ど、どうしたんだ……?」
「……この場所を調べる前に聞かせろ。どうやってそこの壁を開きやがった。」
「壁……あ、あぁなるほど!いや、別にそんな難しい事じゃないぞ。俺は七不思議の通りに鏡を合わせただけだからな。」
「だから、その合わせたってのはどう言う意味なんだよ。あの時、あの場所には他の鏡なんて存在してなかっただろうが。」
「まぁ、そうだな。うーん……簡単に言っちまうと、俺が合わせた鏡ってのはここの反対側にあるもう1つの鏡の方なんだよ。」
「……それってつまり、テメェが最初に調べてたヤツか。」
「あぁ、覚えてるか?あの鏡が建物の内側に向けて置いてあった事。」
「……そうだったか?」
「そ、そうだったんだよ!……そんでもしかしたらと思って、鏡の裏側を合わせたらどうにかなるんじゃないかと考えてみたんだが……いやぁ、運良く正解したみたいで本当に良かったよ。間違ってたら今頃は人形達と戦う事になってただろうからな。」
「ハッ、それはそれで見てみたい気もするけどなぁ。それなりに楽しめそうだ。」
「……お前を楽しませる為にあの人形達と戦うつもりは無いからな。」
「分かってるよ。テメェをボコボコにするのはこのオレだからなぁ。あんな人形共に先を越されてたまるかってんだ。」
「ヤベェ、どっちにしたって俺が傷つけられる運命が決まっている……!」
「……ふふっ。」
「ん?どうしたんだルゥナ先生、何か面白い事でもあったか?」
「い、いえ……何と言うか、私が気を失っている間に九条さんとフィオさんが仲良くなった事が嬉しくなってしまって。」
「……はい?」
「……はぁ?」
口元に手を当ててクスクスと微笑んでいるルゥナさんの言葉に俺とヤン子は揃って素っ頓狂な声を上げてしまい……
「ル、ルゥナ先生!オレはコイツと仲良くなった覚えは微塵もねぇからなっ!ただ、今はその……この状況を何とかしなくちゃいけねぇから、仕方なく手を組んでるってだけの話だから!勘違いしないでくれ!」
「……まぁ、そういう事らしいです。」
「ふふっ、分かりましたよ。今はそういう事にしておきますね。」
「だ、だから……!あぁもう、テメェのせいだからな!」
「は、はぁ!?何で俺のせい?!」
「うるせぇ!オラッ、とっとと行くぞ!どうせあの曲がり角を進んだ先に、人形共を操ってる奴が居るんだろうからな!」
「あっ、コラ待て!先走って1人で行くなっての!」
恐らくこういう感じでからかわれる事に慣れていないからなんだろうが、ツンデレヒロインみたいなリアクションをしているヤン子の後を、俺とルゥナさんは小走りで追いかけて行くのだった。
「そ、そうだったんですね……あの、本当に申し訳ありませんでした……肝心な時にお役に立つ事が出来なくて……私、完全にお荷物でしたよね……」
「いえいえ!そんな風に思わなくても大丈夫ですって!な?」
「……あぁ、身の危険を感じた時なんてほとんど無かったからな。ルゥナ先生が気絶してた所で別に問題じゃなかったよ。」
「そ、そうそう!だからあんまり気にしないで下さい!それよりも今は、どうやってこの騒動を終わらせるかを考えましょう!」
「……わ、分かりました!九条さんとフィオさんに情けない所を見せてしまった分、きちんと挽回させてもらいますね!」
「は、はい!期待していますよルゥナさん!」
「えぇ、任せて下さい!」
両手をグッと握り締めて自分を鼓舞しているルゥナさんに合わせてガッツポーズをしていると、不意にこっちを見つめ……いや、睨んできているヤン子と目が合った。
「あー……えっと……ど、どうしたんだ……?」
「……この場所を調べる前に聞かせろ。どうやってそこの壁を開きやがった。」
「壁……あ、あぁなるほど!いや、別にそんな難しい事じゃないぞ。俺は七不思議の通りに鏡を合わせただけだからな。」
「だから、その合わせたってのはどう言う意味なんだよ。あの時、あの場所には他の鏡なんて存在してなかっただろうが。」
「まぁ、そうだな。うーん……簡単に言っちまうと、俺が合わせた鏡ってのはここの反対側にあるもう1つの鏡の方なんだよ。」
「……それってつまり、テメェが最初に調べてたヤツか。」
「あぁ、覚えてるか?あの鏡が建物の内側に向けて置いてあった事。」
「……そうだったか?」
「そ、そうだったんだよ!……そんでもしかしたらと思って、鏡の裏側を合わせたらどうにかなるんじゃないかと考えてみたんだが……いやぁ、運良く正解したみたいで本当に良かったよ。間違ってたら今頃は人形達と戦う事になってただろうからな。」
「ハッ、それはそれで見てみたい気もするけどなぁ。それなりに楽しめそうだ。」
「……お前を楽しませる為にあの人形達と戦うつもりは無いからな。」
「分かってるよ。テメェをボコボコにするのはこのオレだからなぁ。あんな人形共に先を越されてたまるかってんだ。」
「ヤベェ、どっちにしたって俺が傷つけられる運命が決まっている……!」
「……ふふっ。」
「ん?どうしたんだルゥナ先生、何か面白い事でもあったか?」
「い、いえ……何と言うか、私が気を失っている間に九条さんとフィオさんが仲良くなった事が嬉しくなってしまって。」
「……はい?」
「……はぁ?」
口元に手を当ててクスクスと微笑んでいるルゥナさんの言葉に俺とヤン子は揃って素っ頓狂な声を上げてしまい……
「ル、ルゥナ先生!オレはコイツと仲良くなった覚えは微塵もねぇからなっ!ただ、今はその……この状況を何とかしなくちゃいけねぇから、仕方なく手を組んでるってだけの話だから!勘違いしないでくれ!」
「……まぁ、そういう事らしいです。」
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「だ、だから……!あぁもう、テメェのせいだからな!」
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「あっ、コラ待て!先走って1人で行くなっての!」
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