おっさんの異世界生活は無理がある。
第489話
「……どうだ、下の階からあいつ等の足音は聞こえてくるか?」
「いや、今の所は何も聞こえねぇけど……なぁ、本当にこんな階段の途中に人形共を動かしてる原因があんのかよ?」
「……た、多分。」
「多分って……オイ、こんな逃げ場のない場所であいつ等にに囲われたら逃げる場所なんて何処にもねぇんだぞ。」
「わ、分かってるって!大丈夫だ、俺に任せとけ……!」
「……やっぱりコイツと一緒に来たのは間違いだったかもしんねぇな。」
職員室を抜け出して屋上まで続いている不自然に長い階段の踊り場までやって来た俺は、後ろから聞こえてくるバカでかいため息と愚痴に心を折られそうになりながら目の前にある大きな姿見を様々な角度から調べていたんだが……!
「ぐぅ……!この学園にある七不思議の中で一番ヤバいって言われてるこの謎を解きさえすれば、きっと何とかなるはずなんだ……!」
「はぁ……もし仮にテメェの言ってる事が正しいんだとしたら、こっち側じゃなくて反対側にある階段の方に何かがあるんじゃねぇのかよ。」
「いやでも、それで行ってみたらやっぱりこっちが正解だったみたいな事になってもソレはソレで困るし……」
「あぁもう!ゴチャゴチャうっせぇな!ほら、とっとと行くぞ!」
「ちょっ!?か、勝手に行くなって!あいつ等に見つかったらどうすんだよ!」
「ハッ、その時はテメェが全部ぶっ壊せば済む話だろうが。」
「え、えぇ!?どうして俺がそんな事をしないといけないんだよ?!」
「それはテメェが自分で言ったからだろ?……俺に任せとけってな。」
「……ヤベェ……このままだと、マジでどんだけ居るかも分からない人形達の相手をする事になっちまう……!」
ルゥナさんを抱えながら顔だけこっちに向けてニヤリを微笑みかけてきたヤン子と目が合って背筋がゾクゾクッとした俺は、急いで2人の後を追いかけるのだった!
「ほら、さっさと七不思議の謎ってヤツを解きやがれ。」
「そ、そうやって急かされなくてもちゃんと解くから少しだけ待っててくれ!」
えっと、確かここの七不思議の内容は……鏡が合わさった時、存在無き教室へ続く道が現れて異次元へ迷い込むだっけか?って事は、やっぱりコレをどうにかしなきゃいけないはずなんだが……ったく、マジでどうすりゃ良いんだよ!?
「……オイ、もうそろそろ時間切れみたいだぞ。下の階から人形共の足音が少しずつ近づいて来てやがる。」
「なっ!?タイミングが悪い奴らだな!もうちょい時間を掛けてから来いよな!」
「はぁ、そんな文句を言った所でどうにもなんねぇだろ。それよりも……」
「はいはい!急いで七不思議の謎を解けば良いんですよねお任せ下さい!」
考えろ……考えろ!鏡が合わさる時……合わさる時ってなんだ?もしかして合わせ鏡の事を言ってるのか?でも、ここには目の前にある姿見以外の鏡は見当たら……!
「ん?どうしたその顔、もしかして何か思いついたのか?」
「あ、あぁ!確信は無いけどな……!」
「ハッ?何でこんな時に鏡なんて動かしてんだよ。」
「ちょっと待ってろ、俺の仮説が正しければ……」
カチャリ……と、音を立てながら外れた大きな鏡を両手に持って反対側の壁の前にやって来た俺は、祈る様な気持ちでさっきと同じ様に姿見を立て掛けた……すると!
「っ!?か、壁が……動きやがった?!」
「よしっ!やっぱりそういう事だったか!」
「オ、オイ!これは一体どういう事だよ!」
「説明は後だ!それよりも……うおっ!」
「チッ、どうやら見つかっちまったみたいだな!さっさとその中に入るぞ!」
「最初からそのつもりだよっと!」
すぐ横の壁にぶつかって床に落下した人形の腕らしき物を掴み上げた俺は、眼下に集まっている連中に思いっきりソレを投げつけると扉の様に開いた壁の向こうに逃げ込んで行った!
その直後に取っ手らしき物を視界の端に見つけた俺は、急いでそれを握り締めると思いっきり壁を閉めるのだった!
「はぁ…はぁ……あー……マジで心臓に悪い……ったく、もしかしてミアに関わるとコレ系のイベントが発生する決まりなのか?だとしたら、もうちょい距離感を考えて接しないと……いや、そんな事をしたら後でどうなるか……」
「……ん……うぅ………」
「ル、ルゥナ先生!」
「……ぁ………フィオ……さん……?」
「良かった、目を覚ましたんだな。どうだ、痛い所とかないか?」
「え、えぇ……大丈夫……だけれど……この状況は……?それに……ここは……?」
「あぁ、ここは……オイ、何処なんだよ。」
「……学園に隠されてた秘密の場所……かな?」
こっちを見てくる2人から静かに視線を逸らした俺は……煌びやかな照明が見せる王宮の様な廊下を見渡して苦笑いを浮かべるのだった……
「いや、今の所は何も聞こえねぇけど……なぁ、本当にこんな階段の途中に人形共を動かしてる原因があんのかよ?」
「……た、多分。」
「多分って……オイ、こんな逃げ場のない場所であいつ等にに囲われたら逃げる場所なんて何処にもねぇんだぞ。」
「わ、分かってるって!大丈夫だ、俺に任せとけ……!」
「……やっぱりコイツと一緒に来たのは間違いだったかもしんねぇな。」
職員室を抜け出して屋上まで続いている不自然に長い階段の踊り場までやって来た俺は、後ろから聞こえてくるバカでかいため息と愚痴に心を折られそうになりながら目の前にある大きな姿見を様々な角度から調べていたんだが……!
「ぐぅ……!この学園にある七不思議の中で一番ヤバいって言われてるこの謎を解きさえすれば、きっと何とかなるはずなんだ……!」
「はぁ……もし仮にテメェの言ってる事が正しいんだとしたら、こっち側じゃなくて反対側にある階段の方に何かがあるんじゃねぇのかよ。」
「いやでも、それで行ってみたらやっぱりこっちが正解だったみたいな事になってもソレはソレで困るし……」
「あぁもう!ゴチャゴチャうっせぇな!ほら、とっとと行くぞ!」
「ちょっ!?か、勝手に行くなって!あいつ等に見つかったらどうすんだよ!」
「ハッ、その時はテメェが全部ぶっ壊せば済む話だろうが。」
「え、えぇ!?どうして俺がそんな事をしないといけないんだよ?!」
「それはテメェが自分で言ったからだろ?……俺に任せとけってな。」
「……ヤベェ……このままだと、マジでどんだけ居るかも分からない人形達の相手をする事になっちまう……!」
ルゥナさんを抱えながら顔だけこっちに向けてニヤリを微笑みかけてきたヤン子と目が合って背筋がゾクゾクッとした俺は、急いで2人の後を追いかけるのだった!
「ほら、さっさと七不思議の謎ってヤツを解きやがれ。」
「そ、そうやって急かされなくてもちゃんと解くから少しだけ待っててくれ!」
えっと、確かここの七不思議の内容は……鏡が合わさった時、存在無き教室へ続く道が現れて異次元へ迷い込むだっけか?って事は、やっぱりコレをどうにかしなきゃいけないはずなんだが……ったく、マジでどうすりゃ良いんだよ!?
「……オイ、もうそろそろ時間切れみたいだぞ。下の階から人形共の足音が少しずつ近づいて来てやがる。」
「なっ!?タイミングが悪い奴らだな!もうちょい時間を掛けてから来いよな!」
「はぁ、そんな文句を言った所でどうにもなんねぇだろ。それよりも……」
「はいはい!急いで七不思議の謎を解けば良いんですよねお任せ下さい!」
考えろ……考えろ!鏡が合わさる時……合わさる時ってなんだ?もしかして合わせ鏡の事を言ってるのか?でも、ここには目の前にある姿見以外の鏡は見当たら……!
「ん?どうしたその顔、もしかして何か思いついたのか?」
「あ、あぁ!確信は無いけどな……!」
「ハッ?何でこんな時に鏡なんて動かしてんだよ。」
「ちょっと待ってろ、俺の仮説が正しければ……」
カチャリ……と、音を立てながら外れた大きな鏡を両手に持って反対側の壁の前にやって来た俺は、祈る様な気持ちでさっきと同じ様に姿見を立て掛けた……すると!
「っ!?か、壁が……動きやがった?!」
「よしっ!やっぱりそういう事だったか!」
「オ、オイ!これは一体どういう事だよ!」
「説明は後だ!それよりも……うおっ!」
「チッ、どうやら見つかっちまったみたいだな!さっさとその中に入るぞ!」
「最初からそのつもりだよっと!」
すぐ横の壁にぶつかって床に落下した人形の腕らしき物を掴み上げた俺は、眼下に集まっている連中に思いっきりソレを投げつけると扉の様に開いた壁の向こうに逃げ込んで行った!
その直後に取っ手らしき物を視界の端に見つけた俺は、急いでそれを握り締めると思いっきり壁を閉めるのだった!
「はぁ…はぁ……あー……マジで心臓に悪い……ったく、もしかしてミアに関わるとコレ系のイベントが発生する決まりなのか?だとしたら、もうちょい距離感を考えて接しないと……いや、そんな事をしたら後でどうなるか……」
「……ん……うぅ………」
「ル、ルゥナ先生!」
「……ぁ………フィオ……さん……?」
「良かった、目を覚ましたんだな。どうだ、痛い所とかないか?」
「え、えぇ……大丈夫……だけれど……この状況は……?それに……ここは……?」
「あぁ、ここは……オイ、何処なんだよ。」
「……学園に隠されてた秘密の場所……かな?」
こっちを見てくる2人から静かに視線を逸らした俺は……煌びやかな照明が見せる王宮の様な廊下を見渡して苦笑いを浮かべるのだった……
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