おっさんの異世界生活は無理がある。
第482話
「九条さん!そういう面白い事があったんだったらすぐに私を呼んで下さいよ!」
「いや、こっちとしてはソレ所じゃ無かったんですけど……」
放課後になった新聞部の部室で取材を受けていた俺は流れで昼休み中にあった事をオレットさんに話してみたんだが……うん、マジで教えなくて良かったな!あの場にもし彼女を呼んでたら更に面倒な事になっていたと思うし……
「むむむぅ~……それじゃあ話が終わった後は本当に何も無かったんですね?」
「あ、あぁ……アレから屋上に戻って来る事も無かったし、その後も別に会ったりはしてないからな。」
「なるほど……では、フィオちゃんとの一件はもう片付いちゃった感じなんですか?私の見ていない所で?」
「……どう考えてもオレットさんに見られている必要性は感じないが、とりあえずはそう考えても良いんじゃないかと思うぞ。まぁ、そうあって欲しいっていう俺の願望でもあるんだけどな。」
「ふふっ、きっと大丈夫だよ。」
「うん、九条さんは良い人。」
「はいはい、どうもありがとうよ。」
「うむむぅ、折角の美味しいスクープを見逃してしまうだなんて……オレット記者、一生の不覚です!」
「はぁ……こっちとしては見逃されて大助かりだよ……」
(もしオレットさんにご主人様とフィオさんが密着してる所を撮られてしまったら、それはそれで新たな騒動の火種になっていたかもしれませんね。)
(あぁ、確実にそうなってただろうな……)
両腕で顔を隠す様にテーブルに突っ伏して悔しがっているオレットさんの姿を眺めながらため息を零した俺は、彼女が用意してくれた紅茶に口を付けるのだった。
「オレット、そんなに落ち込まなくても大丈夫だよ。九条さんと一緒に行動すれば、すぐに次の記事に出会えるだろうからね。」
「おい、サラッと不吉な事を言うんじゃねぇよ。オレットさん、ロイドの言った事は冗談だから真に受けない様にしてくれ」
「ああっ!」
「うおおっ!?い、いきなりどうしたんだ?」
急に大きなな声を上がてガバッと顔を上げたオレットさんに驚いていると、彼女はしばらく硬直していた後にこっちをゆっくり見つめて来て……
「ふっふっふ~ん……あのぉ~皆さんにちょ~っとだけお尋ねしたい事があるんですけれども、よろしいでしょうか?」
「……なに?」
「えっとですね、皆さんが講師活動をする最終日の事なんですけどもぉ、その日って用事があったりしますかねぇ?」
「よ、用事?いや、どうだったっけなぁ……」
「ふむ、確かその日は教職員の方々と話し合いがあるんだったんじゃないかな。」
「あっ、そう言えばそうだったな。授業を通してどんな事を感じたのかとか、今後に講師活動をやる冒険者に助言を残すとかそんな感じの事があったな。」
「なるほどなるほど……それはどのぐらいお時間が掛かりますかね?」
「時間って言われてもなぁ……まぁ、1時間か2時間ぐらいじゃないか?」
「そうですかそうですか……その後に何かご予定は?」
「特には無いかな。これまでと変わらず王都にある家に帰るだけだと思うよ。まぁ、翌日は王宮に呼び出されているせいで時間の都合を取るのは難しいと思うけれどね。オレット、それがどうかしたのかい?」
「はい!実はですね、最終日に皆さんの送別会をやらないかってエルアちゃん達から言われているんです!」
「送別会……って、まさか俺達のか?」
「勿論ですよ!で、で、もしよろしかったら最終日にお時間を頂けると凄く嬉しいんですけれども……いかがですかね?」
こっちの反応を探《さぐ》る様な表情を浮かべているオレットさんに小首を傾げられながらそう尋ねられた俺達は、数秒間だけ視線を合わせて同時に小さく頷くと…‥
「ふふっ、そういう事ならば喜んで送別会にお呼ばれさせてもらうよ。」
「ほ、本当ですか!」
「うん。お呼ばれされる。」
「あ、ありがとうございます!皆さん、絶対に忘れられない思い出を作ってあげますから楽しみにしていてくださいね!……あはっ……」
「……?」
「皆さん!詳細につきましては当日にご説明させて頂きますので、今は取材の続きを始めてしまってもよろしいでしょうか!」
「お、おう……」
さっきまで落ち込んでいたとは思えないぐらいのハイテンションになったオレットさんにそう言われた俺は、そのまま彼女に勢いに飲まれてしまって言おうとしていた事を忘れてしまうのだった……
「いや、こっちとしてはソレ所じゃ無かったんですけど……」
放課後になった新聞部の部室で取材を受けていた俺は流れで昼休み中にあった事をオレットさんに話してみたんだが……うん、マジで教えなくて良かったな!あの場にもし彼女を呼んでたら更に面倒な事になっていたと思うし……
「むむむぅ~……それじゃあ話が終わった後は本当に何も無かったんですね?」
「あ、あぁ……アレから屋上に戻って来る事も無かったし、その後も別に会ったりはしてないからな。」
「なるほど……では、フィオちゃんとの一件はもう片付いちゃった感じなんですか?私の見ていない所で?」
「……どう考えてもオレットさんに見られている必要性は感じないが、とりあえずはそう考えても良いんじゃないかと思うぞ。まぁ、そうあって欲しいっていう俺の願望でもあるんだけどな。」
「ふふっ、きっと大丈夫だよ。」
「うん、九条さんは良い人。」
「はいはい、どうもありがとうよ。」
「うむむぅ、折角の美味しいスクープを見逃してしまうだなんて……オレット記者、一生の不覚です!」
「はぁ……こっちとしては見逃されて大助かりだよ……」
(もしオレットさんにご主人様とフィオさんが密着してる所を撮られてしまったら、それはそれで新たな騒動の火種になっていたかもしれませんね。)
(あぁ、確実にそうなってただろうな……)
両腕で顔を隠す様にテーブルに突っ伏して悔しがっているオレットさんの姿を眺めながらため息を零した俺は、彼女が用意してくれた紅茶に口を付けるのだった。
「オレット、そんなに落ち込まなくても大丈夫だよ。九条さんと一緒に行動すれば、すぐに次の記事に出会えるだろうからね。」
「おい、サラッと不吉な事を言うんじゃねぇよ。オレットさん、ロイドの言った事は冗談だから真に受けない様にしてくれ」
「ああっ!」
「うおおっ!?い、いきなりどうしたんだ?」
急に大きなな声を上がてガバッと顔を上げたオレットさんに驚いていると、彼女はしばらく硬直していた後にこっちをゆっくり見つめて来て……
「ふっふっふ~ん……あのぉ~皆さんにちょ~っとだけお尋ねしたい事があるんですけれども、よろしいでしょうか?」
「……なに?」
「えっとですね、皆さんが講師活動をする最終日の事なんですけどもぉ、その日って用事があったりしますかねぇ?」
「よ、用事?いや、どうだったっけなぁ……」
「ふむ、確かその日は教職員の方々と話し合いがあるんだったんじゃないかな。」
「あっ、そう言えばそうだったな。授業を通してどんな事を感じたのかとか、今後に講師活動をやる冒険者に助言を残すとかそんな感じの事があったな。」
「なるほどなるほど……それはどのぐらいお時間が掛かりますかね?」
「時間って言われてもなぁ……まぁ、1時間か2時間ぐらいじゃないか?」
「そうですかそうですか……その後に何かご予定は?」
「特には無いかな。これまでと変わらず王都にある家に帰るだけだと思うよ。まぁ、翌日は王宮に呼び出されているせいで時間の都合を取るのは難しいと思うけれどね。オレット、それがどうかしたのかい?」
「はい!実はですね、最終日に皆さんの送別会をやらないかってエルアちゃん達から言われているんです!」
「送別会……って、まさか俺達のか?」
「勿論ですよ!で、で、もしよろしかったら最終日にお時間を頂けると凄く嬉しいんですけれども……いかがですかね?」
こっちの反応を探《さぐ》る様な表情を浮かべているオレットさんに小首を傾げられながらそう尋ねられた俺達は、数秒間だけ視線を合わせて同時に小さく頷くと…‥
「ふふっ、そういう事ならば喜んで送別会にお呼ばれさせてもらうよ。」
「ほ、本当ですか!」
「うん。お呼ばれされる。」
「あ、ありがとうございます!皆さん、絶対に忘れられない思い出を作ってあげますから楽しみにしていてくださいね!……あはっ……」
「……?」
「皆さん!詳細につきましては当日にご説明させて頂きますので、今は取材の続きを始めてしまってもよろしいでしょうか!」
「お、おう……」
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