おっさんの異世界生活は無理がある。
第478話
いきなり発生したイベントのせいで不必要に目立ってしまってから数時間後、俺は食べ損ねていたエルアの弁当とイリスがくれたおかず入りの使い捨て容器を手にして皆と一緒に報道部の部室へと足を運んでいた。
「いやぁ、それにしても凄かったですね!まさか講師活動2日目にしてあんな騒動を巻き起こすだなんて、流石は九条さんです!記事の提供、ありがとうございます!」
「はぁ……好きで提供した訳じゃ無いから礼なんていらねぇよ……」
「おっと、それは失礼致しました!ではでは、これから今日の取材に移りたいと思いますが……九条さん!まずはフィオちゃんとの関係について教えて下さい!」
「……誰だそれ?」
「またまたぁ!とぼけても無駄ですよっ!お昼休みにアレだけ激しくぶつかりあっていたんですから、知らないなんて言葉は通用しません!さぁ、一体どういったご関係なのか詳しく!」
「いや、詳しくって言われても……そもそもの話、俺だって初対面だよ。」
「もう!冗談ばっかり言っちゃって!さぁ、本当の事を……あれ?その表情、まさか本当に初めて会ったんですか?」
「あぁ、だから名前についても今知ったぐらいだよ。」
俺が弁当を食べながらそう答えるとオレットさんは戸惑った様な表情を浮かべて、唸り声を上げながら明後日の方向を見て小首を傾げ始めた。
「ふむ、それならばどうして彼女と戦う事になってしまったんだい?」
「さぁな、それについては俺が知りたいぐらいだよ。いきなり絡まれてキレられて、そこに主人公が助けに来たけどアッサリやられてくれちゃって……そこから先は皆の知っている通りの展開だよ。」
「う~ん、そうなんですかぁ………って事はもしかして……?」
「……オレット、心当たりがあるの?」
「あっ、はい!実は私、彼女についても調べていた事があるんです。それで……」
「待った!オレットさん、それ以上は言わなくていい。」
「えっ?いやでも、知りたくないんですか?どうして絡まれちゃったのか。」
「……知りたい気持ちはある。だけど、オレットさんが俺達に教えようとしてた事はアイツの家庭に何か問題があるとかって話だろ?それも父親絡みの厄介なやつが。」
俺がそう告げるとオレットさんは大きく目を見開いて、胸ポケットから取り出して広げていたメモ帳をわなわなと震えながら握り締め……
「な、何で分かったんですか!?もしかして、私の心を読んだんですか!?」
「いやいや、そんな事が出来る訳ないだろ?今のは俺の人生経験から導き出された、簡単な予想みたいなもんだよ。」
「お、おぉ……!九条さんは名探偵ですね!あっでもでも、それが分かっているなら聞きたいって思いませんか?フィオちゃんの家庭の事。」
「思わんな。初めて会って互いの素性も知らない様な相手の事を詳しく知った所で、俺にはどうするも出来んしな。それに……どうせもう絡まれる事も無いだろうし。」
「えっ!?ど、どうしてそう思うんですか?今日のアレを見たら、どう考えてもまた九条さんに勝負を挑んでくる気がするんですけど……」
「ん~それは無いと思うぞ。あの手のタイプは人目をかなり気にするからな。だから学園内でまた絡んで来るなんて事は流石にしないはずだ……多分。」
「……自信なさげですね。」
「……うん……さっき言ったのはほとんど願望みたいなもんだ……俺にはああいった不良みたいな子が考える事はよく分からん……出来ればもう関りたくない……」
「おやおや、どんどん元気がなくなって来てしまったね。」
「あ、あはは……えっと!それじゃあ気分を変えて取材の続きをしましょうか!」
どうしよう……不良に目を付けられた……今日は何とかなったけど、今度は仲間を連れて来たらどうしたら良いんだ?……嫌だ……そんなのは絶対に嫌だ………あぁ、何で俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだよぉ……!
そんな後悔にも似た思いを抱きながら若干涙目になってテーブルの上に突っ伏した俺は、明日からの事を考えて恐怖に震える事になるのだった……
「いやぁ、それにしても凄かったですね!まさか講師活動2日目にしてあんな騒動を巻き起こすだなんて、流石は九条さんです!記事の提供、ありがとうございます!」
「はぁ……好きで提供した訳じゃ無いから礼なんていらねぇよ……」
「おっと、それは失礼致しました!ではでは、これから今日の取材に移りたいと思いますが……九条さん!まずはフィオちゃんとの関係について教えて下さい!」
「……誰だそれ?」
「またまたぁ!とぼけても無駄ですよっ!お昼休みにアレだけ激しくぶつかりあっていたんですから、知らないなんて言葉は通用しません!さぁ、一体どういったご関係なのか詳しく!」
「いや、詳しくって言われても……そもそもの話、俺だって初対面だよ。」
「もう!冗談ばっかり言っちゃって!さぁ、本当の事を……あれ?その表情、まさか本当に初めて会ったんですか?」
「あぁ、だから名前についても今知ったぐらいだよ。」
俺が弁当を食べながらそう答えるとオレットさんは戸惑った様な表情を浮かべて、唸り声を上げながら明後日の方向を見て小首を傾げ始めた。
「ふむ、それならばどうして彼女と戦う事になってしまったんだい?」
「さぁな、それについては俺が知りたいぐらいだよ。いきなり絡まれてキレられて、そこに主人公が助けに来たけどアッサリやられてくれちゃって……そこから先は皆の知っている通りの展開だよ。」
「う~ん、そうなんですかぁ………って事はもしかして……?」
「……オレット、心当たりがあるの?」
「あっ、はい!実は私、彼女についても調べていた事があるんです。それで……」
「待った!オレットさん、それ以上は言わなくていい。」
「えっ?いやでも、知りたくないんですか?どうして絡まれちゃったのか。」
「……知りたい気持ちはある。だけど、オレットさんが俺達に教えようとしてた事はアイツの家庭に何か問題があるとかって話だろ?それも父親絡みの厄介なやつが。」
俺がそう告げるとオレットさんは大きく目を見開いて、胸ポケットから取り出して広げていたメモ帳をわなわなと震えながら握り締め……
「な、何で分かったんですか!?もしかして、私の心を読んだんですか!?」
「いやいや、そんな事が出来る訳ないだろ?今のは俺の人生経験から導き出された、簡単な予想みたいなもんだよ。」
「お、おぉ……!九条さんは名探偵ですね!あっでもでも、それが分かっているなら聞きたいって思いませんか?フィオちゃんの家庭の事。」
「思わんな。初めて会って互いの素性も知らない様な相手の事を詳しく知った所で、俺にはどうするも出来んしな。それに……どうせもう絡まれる事も無いだろうし。」
「えっ!?ど、どうしてそう思うんですか?今日のアレを見たら、どう考えてもまた九条さんに勝負を挑んでくる気がするんですけど……」
「ん~それは無いと思うぞ。あの手のタイプは人目をかなり気にするからな。だから学園内でまた絡んで来るなんて事は流石にしないはずだ……多分。」
「……自信なさげですね。」
「……うん……さっき言ったのはほとんど願望みたいなもんだ……俺にはああいった不良みたいな子が考える事はよく分からん……出来ればもう関りたくない……」
「おやおや、どんどん元気がなくなって来てしまったね。」
「あ、あはは……えっと!それじゃあ気分を変えて取材の続きをしましょうか!」
どうしよう……不良に目を付けられた……今日は何とかなったけど、今度は仲間を連れて来たらどうしたら良いんだ?……嫌だ……そんなのは絶対に嫌だ………あぁ、何で俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだよぉ……!
そんな後悔にも似た思いを抱きながら若干涙目になってテーブルの上に突っ伏した俺は、明日からの事を考えて恐怖に震える事になるのだった……
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