おっさんの異世界生活は無理がある。
第469話
精神力をすり減らしながらも何とか1時間目の授業を終わらせた俺達は、イリスに捕まる前に教室から逃げ出すと急いで次のクラスへと向かって行った訳なんだが……
「九条透!貴様と再び相まみえる日を待っていたぞ!さぁ、我と勝負だっ!」
「ふふっ、本日は執事としてではなくて先生としてよろしくお願い致しますね。」
「お、おはようございます!皆さんにまたお会い出来て本当に嬉しいです!」
何処でフラグが立ったのかは知らないが2時間目にはクリフ、3時間目にはミア、そして4時間目にはエルアと連続して知り合いと顔を合わせる事になってしまった。
……その度に色々と厄介な目に遭いながらもどうにかこうにか昼休みを迎える事が出来た俺は、学生達で賑わっている廊下を1人寂しく歩いていた。
(ご主人様、本当に良かったんですか?ロイドさんとソフィさんと一緒じゃなくて。)
(はぁ……良かったも何も無いだろ?あの女の子達は2人に話があるから声を掛けてきたんだからさ……つーか、そもそもの話として俺があの場に混ざれると思うのか?あっちは女子が合計で6人も居るんだぞ。)
(……すみません、どう考えても無理ですね。ご主人様には耐えられないです。)
(だろ?だからこれで良いんだよ……とは言え、これからどうすっかな。あの子達に気を遣わせる訳にはいかないから学食には行けないし……あぁもう、こんな事になるなら弁当を用意しとけば良かったぜ……そういやマホ、腹の具合はどんな感じだ?)
(あっ、私の事なら大丈夫ですよ!今日はずっとスマホの中で大人しくしていたのでエネルギーは全然減っていませんから!)
(そうか?それなら……うん、とりあず購買にでも寄ってパンでも買うとするか。)
(良いですね!それじゃあ、お昼ご飯は中庭で食べる事にしましょうよ!ほら、本にそういうシーンがよくあるじゃないですか!アレ、体験してみたかったんですよ!)
(……分かってるとは思うが、出て来るのは人が居なかった時だけだからな。)
(はい!了解しました!)
ビシッと敬礼しているであろうマホの姿を思い浮かべながら階段を降りて1階までやって来たその直後、背後から急に肩を叩かれたので反射的に振り返って見ると……
「んぶっ………ドクター……痛いんで頬から人差し指をどけて下さい……」
「うふふ、ごめんなさい。九条さんの無防備な背中を見たらつい……ね?それよりも九条さん、こんな所で何をしているのかしら?ロイドさんやソフィさんは?」
「あぁ、あの2人なら女子生徒に誘われて学食に向かいましたよ。そんで俺は空気を読んで、購買で飯を買ってぼっち飯でもしようかと思ってた所です。」
「あら、そうだったの?それなら……お昼、一緒に食べましょう。」
「うおっ!?ちょ、どうして腕を引っ張るんですか?!」
「まぁまぁ、そんな事はどうでも良いじゃない。さぁ、行きましょう……あら?」
「へっ?」
右腕に抱き着いてきたドクターに引っ張られた次の瞬間、反対側にある腕にも似た様な感触があってそっちに顔を向けて……みると……!?
「うふふふふふ………貴女……ナニヲシテイルンデスカ……?」
「ひ、ひぃっ!?」
「うふふふふふ、何をしているって……九条さんとお食事に行こうとしているのよ。そう言う貴女は一体何をしているのかしら?」
「分かりませんか?九条さんと食事に行くのは僕の役目……いいえ、運命なんです。それを理解したのなら早く何処かに行ってくれませんか?」
「あら、ごめんなさいね。その運命は貴女じゃなくて私のモノなのよ。だからね……邪魔を……シナイデクレルカシラ……」
「うふふふ、邪魔をしているのは……アナタデスヨネ……?」
「す、すみません!誰でも良いのでこの2人を止めて……って誰も居ねぇ!?さっきまであんなに学生で溢れてたのにっ?!」
(……皆さん、凄い逃げ足でしたよ。)
(いや、そんな感想は要らないから!マホ、頼むから助けてくれ!)
(スミマセン、ツウシイ、エラーデス。)
(オイ!なんだその片言は!?お前そんなキャラじゃなかっただろうが!ご主人様がピンチなんだぞ!どうにかして助けてあげようとは思わないのか?!)
(………ぷつん………)
(マ、マホさぁん!?お願いだから……この状況を何とかしてくれええええ!!!)
「うふふふふふ………」
「うふふふふふ………」
ガッツリと両腕をホールドされた状態で禍々しいオーラと殺気に挟まれてしまった俺は、2人の笑い声を聞きながら頭の中で必死にマホに助けを求め続けるのだった!
「九条透!貴様と再び相まみえる日を待っていたぞ!さぁ、我と勝負だっ!」
「ふふっ、本日は執事としてではなくて先生としてよろしくお願い致しますね。」
「お、おはようございます!皆さんにまたお会い出来て本当に嬉しいです!」
何処でフラグが立ったのかは知らないが2時間目にはクリフ、3時間目にはミア、そして4時間目にはエルアと連続して知り合いと顔を合わせる事になってしまった。
……その度に色々と厄介な目に遭いながらもどうにかこうにか昼休みを迎える事が出来た俺は、学生達で賑わっている廊下を1人寂しく歩いていた。
(ご主人様、本当に良かったんですか?ロイドさんとソフィさんと一緒じゃなくて。)
(はぁ……良かったも何も無いだろ?あの女の子達は2人に話があるから声を掛けてきたんだからさ……つーか、そもそもの話として俺があの場に混ざれると思うのか?あっちは女子が合計で6人も居るんだぞ。)
(……すみません、どう考えても無理ですね。ご主人様には耐えられないです。)
(だろ?だからこれで良いんだよ……とは言え、これからどうすっかな。あの子達に気を遣わせる訳にはいかないから学食には行けないし……あぁもう、こんな事になるなら弁当を用意しとけば良かったぜ……そういやマホ、腹の具合はどんな感じだ?)
(あっ、私の事なら大丈夫ですよ!今日はずっとスマホの中で大人しくしていたのでエネルギーは全然減っていませんから!)
(そうか?それなら……うん、とりあず購買にでも寄ってパンでも買うとするか。)
(良いですね!それじゃあ、お昼ご飯は中庭で食べる事にしましょうよ!ほら、本にそういうシーンがよくあるじゃないですか!アレ、体験してみたかったんですよ!)
(……分かってるとは思うが、出て来るのは人が居なかった時だけだからな。)
(はい!了解しました!)
ビシッと敬礼しているであろうマホの姿を思い浮かべながら階段を降りて1階までやって来たその直後、背後から急に肩を叩かれたので反射的に振り返って見ると……
「んぶっ………ドクター……痛いんで頬から人差し指をどけて下さい……」
「うふふ、ごめんなさい。九条さんの無防備な背中を見たらつい……ね?それよりも九条さん、こんな所で何をしているのかしら?ロイドさんやソフィさんは?」
「あぁ、あの2人なら女子生徒に誘われて学食に向かいましたよ。そんで俺は空気を読んで、購買で飯を買ってぼっち飯でもしようかと思ってた所です。」
「あら、そうだったの?それなら……お昼、一緒に食べましょう。」
「うおっ!?ちょ、どうして腕を引っ張るんですか?!」
「まぁまぁ、そんな事はどうでも良いじゃない。さぁ、行きましょう……あら?」
「へっ?」
右腕に抱き着いてきたドクターに引っ張られた次の瞬間、反対側にある腕にも似た様な感触があってそっちに顔を向けて……みると……!?
「うふふふふふ………貴女……ナニヲシテイルンデスカ……?」
「ひ、ひぃっ!?」
「うふふふふふ、何をしているって……九条さんとお食事に行こうとしているのよ。そう言う貴女は一体何をしているのかしら?」
「分かりませんか?九条さんと食事に行くのは僕の役目……いいえ、運命なんです。それを理解したのなら早く何処かに行ってくれませんか?」
「あら、ごめんなさいね。その運命は貴女じゃなくて私のモノなのよ。だからね……邪魔を……シナイデクレルカシラ……」
「うふふふ、邪魔をしているのは……アナタデスヨネ……?」
「す、すみません!誰でも良いのでこの2人を止めて……って誰も居ねぇ!?さっきまであんなに学生で溢れてたのにっ?!」
(……皆さん、凄い逃げ足でしたよ。)
(いや、そんな感想は要らないから!マホ、頼むから助けてくれ!)
(スミマセン、ツウシイ、エラーデス。)
(オイ!なんだその片言は!?お前そんなキャラじゃなかっただろうが!ご主人様がピンチなんだぞ!どうにかして助けてあげようとは思わないのか?!)
(………ぷつん………)
(マ、マホさぁん!?お願いだから……この状況を何とかしてくれええええ!!!)
「うふふふふふ………」
「うふふふふふ………」
ガッツリと両腕をホールドされた状態で禍々しいオーラと殺気に挟まれてしまった俺は、2人の笑い声を聞きながら頭の中で必死にマホに助けを求め続けるのだった!
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