おっさんの異世界生活は無理がある。
第464話
「ほっほっほ、そうでしたか。皆様とドクターはお知り合いだったのですね。まさかその様な偶然が起こるとは驚きましたよ。」
「えぇ、本当に……そう言えば、先ほどから気になっていたんですがテーブルの上に大きな紙袋が幾つか置いてありますがアレは……?」
朗らかな笑みを浮かべる学園長を前にガクッと肩を落としてため息を零した俺は、気分を入れ替える為にパッと顔を上げると部屋を出る時には存在していなかった物が何なのかを学園長に尋ねてみた。
「おっと、ご説明がまだしたね。ルゥナ先生、お願いします。」
「はい、分かりました。」
学園長から指示を受けたルゥナさんは小さくお辞儀をしてから紙袋の方に近づいて行き、スッと中に手を入れるとそこから大きめの白い布切れみたいな物を取り出して俺達の目の前で広げて見せた。
「おや、それは学園内で教師陣が羽織っているローブ……なのか?」
「ん?何で疑問形だ?」
「いや、私が在学中に見た覚えのあるローブは黒色だったはずなんだ。それなのに、あのローブは白色だろう?だからどうしてなのかと思ってね。」
「えっと、コレは皆さんの為に用意された専用のローブなんです。」
「……私達の為?」
「はい、私達が普段から羽織っている物と同じ色を用意しては生徒が混乱してしまう可能性がありますので……こうして一目で違いが分かる物をご用意したんです。」
「あぁ、なるほど……」
「それと紙袋の中には学園内に入る時に皆さんの身分を証明するのに必要なカードが入っています。ローブにある胸ポケットの中に入れて無くさない様にして下さいね。コレが無ければ学園に入る事は出来ませんから。」
「ふふっ、授業が行えなければ報酬も減ってしまいますのでお忘れなく。」
「おじさん、シッカリして下さいね。」
「……何で俺だけに言うんだよ。」
まぁ、自覚があるから反論のしようも無いんだけどな……とりあえず家に帰ったら所定の場所を決めてそこに置く様にするか……それと間違っても洗濯とかしてダメにしない様に気を付けておかないとな……流石にコレはうっかりで片付けられん。
「ふふっ、それにしても白いローブか……羽織ってみるのが楽しみだね。」
「えへへ、きっとお似合いになると思いますよ!」
「……大きさ、大丈夫かな。」
「ソフィさん、ご安心下さい。あのローブはきちんと皆様の体格に合う様に調整してありますから問題なく羽織れるはずです。」
「……って事は、アレはミアお嬢様が?」
「はい、正確にはお父様が用意なさった物ですけれどね。あっ、だからと言って別に汚したらいけないという物ではありませんので大丈夫ですからね。」
「ふむ、それなら心置きなく使用する事が出来るね。」
「えぇ、是非そうして下さい。」
そんな事を言ってロイドとミアが微笑み合えってからしばらくした後、俺達は再び学園長を向かい合うのだった。
「さて、名残惜しいですが本日はそろそろ解散すると致しましょうか。ルゥナ先生、色々とありがとうございました。貴女も帰って頂いて構いませんからね。」
「はい、分かりました。皆さん、外までお見送りさせて頂きますね。」
「あっ、どうもすみません……学園長、明日からよろしくお願いします。」
「ほっほっほ、こちらこそよろしくお願い致します。それではまた明日。」
紙袋を持って学園長室を後にして1階に降りて来た俺達は、ルゥナさんに見送られながら馬車に乗り込んで学園を去って行くのだった。
「えぇ、本当に……そう言えば、先ほどから気になっていたんですがテーブルの上に大きな紙袋が幾つか置いてありますがアレは……?」
朗らかな笑みを浮かべる学園長を前にガクッと肩を落としてため息を零した俺は、気分を入れ替える為にパッと顔を上げると部屋を出る時には存在していなかった物が何なのかを学園長に尋ねてみた。
「おっと、ご説明がまだしたね。ルゥナ先生、お願いします。」
「はい、分かりました。」
学園長から指示を受けたルゥナさんは小さくお辞儀をしてから紙袋の方に近づいて行き、スッと中に手を入れるとそこから大きめの白い布切れみたいな物を取り出して俺達の目の前で広げて見せた。
「おや、それは学園内で教師陣が羽織っているローブ……なのか?」
「ん?何で疑問形だ?」
「いや、私が在学中に見た覚えのあるローブは黒色だったはずなんだ。それなのに、あのローブは白色だろう?だからどうしてなのかと思ってね。」
「えっと、コレは皆さんの為に用意された専用のローブなんです。」
「……私達の為?」
「はい、私達が普段から羽織っている物と同じ色を用意しては生徒が混乱してしまう可能性がありますので……こうして一目で違いが分かる物をご用意したんです。」
「あぁ、なるほど……」
「それと紙袋の中には学園内に入る時に皆さんの身分を証明するのに必要なカードが入っています。ローブにある胸ポケットの中に入れて無くさない様にして下さいね。コレが無ければ学園に入る事は出来ませんから。」
「ふふっ、授業が行えなければ報酬も減ってしまいますのでお忘れなく。」
「おじさん、シッカリして下さいね。」
「……何で俺だけに言うんだよ。」
まぁ、自覚があるから反論のしようも無いんだけどな……とりあえず家に帰ったら所定の場所を決めてそこに置く様にするか……それと間違っても洗濯とかしてダメにしない様に気を付けておかないとな……流石にコレはうっかりで片付けられん。
「ふふっ、それにしても白いローブか……羽織ってみるのが楽しみだね。」
「えへへ、きっとお似合いになると思いますよ!」
「……大きさ、大丈夫かな。」
「ソフィさん、ご安心下さい。あのローブはきちんと皆様の体格に合う様に調整してありますから問題なく羽織れるはずです。」
「……って事は、アレはミアお嬢様が?」
「はい、正確にはお父様が用意なさった物ですけれどね。あっ、だからと言って別に汚したらいけないという物ではありませんので大丈夫ですからね。」
「ふむ、それなら心置きなく使用する事が出来るね。」
「えぇ、是非そうして下さい。」
そんな事を言ってロイドとミアが微笑み合えってからしばらくした後、俺達は再び学園長を向かい合うのだった。
「さて、名残惜しいですが本日はそろそろ解散すると致しましょうか。ルゥナ先生、色々とありがとうございました。貴女も帰って頂いて構いませんからね。」
「はい、分かりました。皆さん、外までお見送りさせて頂きますね。」
「あっ、どうもすみません……学園長、明日からよろしくお願いします。」
「ほっほっほ、こちらこそよろしくお願い致します。それではまた明日。」
紙袋を持って学園長室を後にして1階に降りて来た俺達は、ルゥナさんに見送られながら馬車に乗り込んで学園を去って行くのだった。
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