おっさんの異世界生活は無理がある。
第415話
「もう!温泉を出たら1人で行動しないで私達と合流するまで待っていて下さいって言ったのにどうして先に遊技場に行っちゃうんですか!?私達がどれだけ心配したと思ってるんですか!」
「いや、お前が怒りたくなる気持ちもわかるんだけど……俺も結構待ってたんだぞ?それこそ温まってた体が冷えちまうぐらいにはさぁ……」
「それについては謝ります!ごめんなさい!でも、だからと言って遊技場から戻って来ないのはどうなんですか!?おじさん、絶対に私達の事を忘れてましたよね!?」
「そ、そんな事は無い………とも、言い切れません……はい……すみません……」
アリシアさんやシアンと一緒になって遊技場で遊んでいた俺は現在、遅れてやって来たマホにメチャクチャ怒られていた……
「私達、どれだけ待ってもおじさんが姿を現さないから何か危ない事に巻き込まれたのかもしれないって本当に心配したんですからね!それなのに……!」
「はい……本当に申し訳ありませんでした………」
「あ、あの……マホさん?今回の件は私達にも責任がありますので……」
「そ、そうですよ!そもそも、九条さんをお誘いしたのは私達ですし……その……」
「ふふっ、2人がそんなに負い目を感じる必要は無いよ。マホ、折角こうして楽しい場所に来たんだから、お説教はそれぐらいにして遊技場を満喫しようじゃないか。」
「うん、九条さんも無事だった。今回はそれで良いと思う。」
「……………分かりました。確かに私達が待たせ過ぎてしまったのも原因ですから、お説教はこれぐらいにしておきます。」
「そ、そうか……うおっ!?」
「た・だ・し!私達に黙って何処かへ居なくなるのはこれっきりにして下さいよね!そして移動するならするで、必ず集合場所に戻って来て下さい!分かりましたか!」
「う、うっす……了解しました……」
「……それなら良いです!許してあげましょう!」
「……そりゃどうも。」
苦笑いを浮かべて体を後ろに反らしながら目の前で微笑んでいるマホに対して礼を告げていたら、一足先に屋台を見に行った3人が両手に食べ物を抱えて戻って来た。
「はっはっは!どれもこれもが美味しそうでつい買い過ぎてしまったわい!」
「いやいや、笑い事じゃねぇだろうが……まだ晩飯でも無いってのに、お前どんだけ食うつもりなんだよ?つーか悪いな2人共、コレって全部で幾らぐらいだった?」
「あぁいえ、お金の事でしたらお気になさらないで下さい。昨日のクエストで頂いた報酬分からお支払いしましたから。」
「えぇ、それにレミさんの分だけではなく私達が欲しいと思って購入した物も幾つかありますので。」
「いや、そう言うけどな……」
「まぁまぁ、ここは2人の厚意に甘えておこうじゃないか。」
「えぇ、是非ともそうして下さいませ。それよりも私が気になっているのは……何故アリシアさんとシアンさんがここにいらっしゃるのかという事ですわね。まぁ、以前クアウォートで出会った時と同じ理由だとは思いますけれどね。」
「……貴女に言い当てられるのは非常に面白くありませんが、確かにその通りです。私達は父の仕事に付き添う形でこの街に来ました……ロイドさん、どうしてその様に笑みを浮かべていらっっしゃるんですか。」
「ふふっ、いや……こうしてまた君達と旅先で出会えるなんて、何だかとても運命的だなと思って嬉しくなってしまったんだ。」
「っ!?な、何を恥ずかしい事を言ってるんですか!運命的だなんて……貴方は私のライバルだという事をきちんと自覚して下さい!」
「おっと、まさか怒られてしまうとは。これは失礼したね。」
「ロイド様、謝る必要なんて何処にもございませんわ!むしろ謝るべきはロイド様の素敵なお言葉を恥ずかしいなどと勘違いなさっているアリシアさんの方ですわ!」
「ハッ!素敵なお言葉?リリアさん、以前から思っていましたが貴女の感性は何処かおかしいのではありませんか?」
「いいえ!おかしいのはアリシアさんの方ですわね!自覚症状が無いとは可哀そうで涙が出て来てしまいそうですわ!」
「そ、それはこちらの台詞です!」
「あ、あの!お2人共、落ち着いて下さい!ま、周りの人達が見てますからぁ!」
「………九条よ、アリシアとシアンは何を言い争っておるのじゃ?」
「………さぁ、それは俺にも分からんな。」
「ちょ、ちょっとおじさん!呑気にしてないでライルさんを手伝ってあげて下さい!このままじゃ終わりそうにありませんよ!」
「えぇ……お前、俺にあの戦場に飛び込んで来いって言うのか?マジで?」
「マジですよ!ほら、早く!」
「あぁもう、分かったから……ったく、行きたくねぇなぁ………」
そんな愚痴を零しながらヒートアップしているライバルとファンの間でオロオロとしているライルさんと合流した俺は、どうにかこうにか2人を落ち着かせる事に成功するのだった……
「もう、お姉様ったら……人目のある所で騒いだらいけませんよ。」
「ご、ごめんなさい……」
「リリアさんも、これじゃあロイドさんのご迷惑になっていまいますよ。」
「はい……申し訳ございません……」
「やれやれ……それじゃあこれからどうする?俺達、悪い意味で注目を集めちまったみたいだし次の温泉に行くとするか?」
「あぁ、その方が良いかもしれないね。」
「……賛成。」
「よしっ、そうと決まれば……アリシアさん、シアン、もし時間があるんなら2人も一緒に来るか?」
「……えっ、よろしいんですか?」
「おう、こっちから誘ってるんだから良いに決まってるだろ?皆も構わないよな。」
「はい!勿論です!」
「わしも同意するぞ。温泉は皆で入った方が楽しいからのう。」
「ふふっ、レミの言う通りだね。」
「うん、楽しくなりそう。」
「……ロイド様がそう仰るのなら、異論はありませんわ。」
「わ、私もです!」
「と、いう訳だから……どうだ?時間はありそうか?」
俺がそう尋ねるとアリシアさんは困った様な表情を浮かべながら視線を動かすと、すぐ近くで微笑んでいたシアンと目を合わせると……
「……それではその……よろしくお願い致します。」
「あぁ、よろしくな。」
……なんてやり取りをした直後、俺達は周囲から向けられる視線から逃げ出す様にその場を後にしたのだったとさ!
「いや、お前が怒りたくなる気持ちもわかるんだけど……俺も結構待ってたんだぞ?それこそ温まってた体が冷えちまうぐらいにはさぁ……」
「それについては謝ります!ごめんなさい!でも、だからと言って遊技場から戻って来ないのはどうなんですか!?おじさん、絶対に私達の事を忘れてましたよね!?」
「そ、そんな事は無い………とも、言い切れません……はい……すみません……」
アリシアさんやシアンと一緒になって遊技場で遊んでいた俺は現在、遅れてやって来たマホにメチャクチャ怒られていた……
「私達、どれだけ待ってもおじさんが姿を現さないから何か危ない事に巻き込まれたのかもしれないって本当に心配したんですからね!それなのに……!」
「はい……本当に申し訳ありませんでした………」
「あ、あの……マホさん?今回の件は私達にも責任がありますので……」
「そ、そうですよ!そもそも、九条さんをお誘いしたのは私達ですし……その……」
「ふふっ、2人がそんなに負い目を感じる必要は無いよ。マホ、折角こうして楽しい場所に来たんだから、お説教はそれぐらいにして遊技場を満喫しようじゃないか。」
「うん、九条さんも無事だった。今回はそれで良いと思う。」
「……………分かりました。確かに私達が待たせ過ぎてしまったのも原因ですから、お説教はこれぐらいにしておきます。」
「そ、そうか……うおっ!?」
「た・だ・し!私達に黙って何処かへ居なくなるのはこれっきりにして下さいよね!そして移動するならするで、必ず集合場所に戻って来て下さい!分かりましたか!」
「う、うっす……了解しました……」
「……それなら良いです!許してあげましょう!」
「……そりゃどうも。」
苦笑いを浮かべて体を後ろに反らしながら目の前で微笑んでいるマホに対して礼を告げていたら、一足先に屋台を見に行った3人が両手に食べ物を抱えて戻って来た。
「はっはっは!どれもこれもが美味しそうでつい買い過ぎてしまったわい!」
「いやいや、笑い事じゃねぇだろうが……まだ晩飯でも無いってのに、お前どんだけ食うつもりなんだよ?つーか悪いな2人共、コレって全部で幾らぐらいだった?」
「あぁいえ、お金の事でしたらお気になさらないで下さい。昨日のクエストで頂いた報酬分からお支払いしましたから。」
「えぇ、それにレミさんの分だけではなく私達が欲しいと思って購入した物も幾つかありますので。」
「いや、そう言うけどな……」
「まぁまぁ、ここは2人の厚意に甘えておこうじゃないか。」
「えぇ、是非ともそうして下さいませ。それよりも私が気になっているのは……何故アリシアさんとシアンさんがここにいらっしゃるのかという事ですわね。まぁ、以前クアウォートで出会った時と同じ理由だとは思いますけれどね。」
「……貴女に言い当てられるのは非常に面白くありませんが、確かにその通りです。私達は父の仕事に付き添う形でこの街に来ました……ロイドさん、どうしてその様に笑みを浮かべていらっっしゃるんですか。」
「ふふっ、いや……こうしてまた君達と旅先で出会えるなんて、何だかとても運命的だなと思って嬉しくなってしまったんだ。」
「っ!?な、何を恥ずかしい事を言ってるんですか!運命的だなんて……貴方は私のライバルだという事をきちんと自覚して下さい!」
「おっと、まさか怒られてしまうとは。これは失礼したね。」
「ロイド様、謝る必要なんて何処にもございませんわ!むしろ謝るべきはロイド様の素敵なお言葉を恥ずかしいなどと勘違いなさっているアリシアさんの方ですわ!」
「ハッ!素敵なお言葉?リリアさん、以前から思っていましたが貴女の感性は何処かおかしいのではありませんか?」
「いいえ!おかしいのはアリシアさんの方ですわね!自覚症状が無いとは可哀そうで涙が出て来てしまいそうですわ!」
「そ、それはこちらの台詞です!」
「あ、あの!お2人共、落ち着いて下さい!ま、周りの人達が見てますからぁ!」
「………九条よ、アリシアとシアンは何を言い争っておるのじゃ?」
「………さぁ、それは俺にも分からんな。」
「ちょ、ちょっとおじさん!呑気にしてないでライルさんを手伝ってあげて下さい!このままじゃ終わりそうにありませんよ!」
「えぇ……お前、俺にあの戦場に飛び込んで来いって言うのか?マジで?」
「マジですよ!ほら、早く!」
「あぁもう、分かったから……ったく、行きたくねぇなぁ………」
そんな愚痴を零しながらヒートアップしているライバルとファンの間でオロオロとしているライルさんと合流した俺は、どうにかこうにか2人を落ち着かせる事に成功するのだった……
「もう、お姉様ったら……人目のある所で騒いだらいけませんよ。」
「ご、ごめんなさい……」
「リリアさんも、これじゃあロイドさんのご迷惑になっていまいますよ。」
「はい……申し訳ございません……」
「やれやれ……それじゃあこれからどうする?俺達、悪い意味で注目を集めちまったみたいだし次の温泉に行くとするか?」
「あぁ、その方が良いかもしれないね。」
「……賛成。」
「よしっ、そうと決まれば……アリシアさん、シアン、もし時間があるんなら2人も一緒に来るか?」
「……えっ、よろしいんですか?」
「おう、こっちから誘ってるんだから良いに決まってるだろ?皆も構わないよな。」
「はい!勿論です!」
「わしも同意するぞ。温泉は皆で入った方が楽しいからのう。」
「ふふっ、レミの言う通りだね。」
「うん、楽しくなりそう。」
「……ロイド様がそう仰るのなら、異論はありませんわ。」
「わ、私もです!」
「と、いう訳だから……どうだ?時間はありそうか?」
俺がそう尋ねるとアリシアさんは困った様な表情を浮かべながら視線を動かすと、すぐ近くで微笑んでいたシアンと目を合わせると……
「……それではその……よろしくお願い致します。」
「あぁ、よろしくな。」
……なんてやり取りをした直後、俺達は周囲から向けられる視線から逃げ出す様にその場を後にしたのだったとさ!
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