おっさんの異世界生活は無理がある。
第413話
「…………あー………暇だ…………」
確かに色んな種類の温泉があったからそれなりに満喫はした……でも、だからって男一人で長風呂をしろって言うのは無理があるっての……
「はぁ……マジでどうすっかねぇ……」
かれこれ30分ぐらい待ってるけど、あいつ等が出て来る気配が微塵もねぇし……けど、マホから1人で勝手に動くなって言われちまったからなぁ……
「………仕方ない、一足先に遊技場の方へ行くとするか。建物の中から出なけりゃ、そこまで文句も言われないだろう。」
誰に聞かすでもない言い訳を呟きながら座っていたベンチから立ち上がった俺は、賑わう声が聞こえてくる方に向かって歩き始めた。
それからしばらくして俺の視界に飛び込んで来たのは、数多くの屋台が並んでいて真ん中に飲食スペースが大量にある広々とした空間だった。
「あぁなるほどね、飯を食う場所を祭り会場っぽくしてるって感じなのか。」
それなら適当にブラブラして小腹を見たしつつ、ミニゲームとかで遊びながら皆が来るまで時間を潰すとしますかねぇ。
何て事を考えながら壁際の方に連なっている屋台をボーっと眺めながらブラブラと歩き回っていたら、急に何処からともなく女の子が騒ぐ様な声が聞こえてきて……?
「もう!どうしてこんなに当たんないのよ!ちょっとアンタ!もしかして、不良品を渡したんじゃないでしょうね!」
「いやいやお嬢ちゃん、幾ら的に当たらないからって言い掛かりは止してくれよ。」
「ハァ!?それじゃあどうして矢が当たらないのか説明してみなさいっての!」
「だから何度も言ってるだろ?こっちの遠い的はお嬢ちゃんにはまだ早いってさぁ。ここは無理せず、そっちの距離が近い的を狙っちゃどうだい?」
「い・や・よ!だってこっちの的じゃ私の欲しい景品が貰えないじゃない!ってか、どう考えてもこんなのズルくない!?あの的、どう見たって遠すぎるじゃない!」
「はっはっは、だから豪華な景品が貰えるんだよ!」
「ちょっと!笑い事じゃないんだからね!こうなったら……アンタの店が潰れる様に天罰を与えてやるんだから!」
「おっと、それは流石に困っちまうなぁ!……よしっ!そんじゃあお嬢ちゃんにだけ特別サービスだ!もう一回、料金を払って挑戦してくれるって言うならそっちの近い的でも景品を渡させてもらうよ!」
「えっ!ソレって本当なの!?嘘だったら承知しないわよ!」
「あぁ!男に二言はねぇよ!ただし、ど真ん中をビシッと撃ち抜いてくれよ!」
「ふんっ!上等じゃない!ほら、受け取りなさい!」
「おっ、毎度あり!それじゃあ……ほれ、追加の矢だ。頑張りなよ、お嬢ちゃん。」
「ふふーん!調子に乗っていられるのも……今の内……よっ!」
「おぉ!一発で命中とはやるじゃないかお嬢ちゃん!」
「ふふっ!まぁ、アタシが本気を出せばこんなもんよ!それよりも約束!まさかとは思うけど、破るつもりじゃないでしょうね?」
「はっはっは!そんな事、あるはずないだろ?それじゃあ……ほら、持ってきな!」
「えへへ、どうもありがと!お礼に天罰じゃなくて、この店が繁盛する様にご利益をあげるわ!感謝しなさいよね!」
「あぁ、感謝するよ!それでどうする?他の景品も狙って行くかい?」
「いえ、今日はコレぐらいにしといてあげるわ!」
「そうかい!なら、また今度来てくれよな!待ってるからさ!」
「えぇ!良い景品が置いてあればね!それじゃあまた………ん?」
「っ!」
あ、危ねぇ……もう少しであの子と目が合っちまう所だったぞ……!君子危うきに近寄らず……天罰だとか加護だとか言う奴はもう間に合ってるんだっつうの!
「と、とりあずさっさとこの場から移動して……うおっと!」
「あうっ!」
「あぁもう、だから走らないでって言ったのに……すみません、妹がご迷惑をお掛けしてしま……って………えっ?」
「ん?………はっ?」
急いで歩き出そうとした瞬間に小さな女の子とぶつかってしまったらしくて思わず立ち止まってしまった直後、その子のお姉さんらしき人が小走りでこっちに近寄って来たんだが……………
「な、なな!なんっ!ど、どうしてっ!?」
「あっ!九条さんではありませんか!どうも、ご無沙汰しております!」
「お、おう……ひ、久しぶり……だな……シアンに……アリシアさん……」
トリアルから遠く離れた地で偶然再会した姉妹を前にした俺は……苦笑いを浮かべながらぎこちない挨拶をする事になるのだった…………
確かに色んな種類の温泉があったからそれなりに満喫はした……でも、だからって男一人で長風呂をしろって言うのは無理があるっての……
「はぁ……マジでどうすっかねぇ……」
かれこれ30分ぐらい待ってるけど、あいつ等が出て来る気配が微塵もねぇし……けど、マホから1人で勝手に動くなって言われちまったからなぁ……
「………仕方ない、一足先に遊技場の方へ行くとするか。建物の中から出なけりゃ、そこまで文句も言われないだろう。」
誰に聞かすでもない言い訳を呟きながら座っていたベンチから立ち上がった俺は、賑わう声が聞こえてくる方に向かって歩き始めた。
それからしばらくして俺の視界に飛び込んで来たのは、数多くの屋台が並んでいて真ん中に飲食スペースが大量にある広々とした空間だった。
「あぁなるほどね、飯を食う場所を祭り会場っぽくしてるって感じなのか。」
それなら適当にブラブラして小腹を見たしつつ、ミニゲームとかで遊びながら皆が来るまで時間を潰すとしますかねぇ。
何て事を考えながら壁際の方に連なっている屋台をボーっと眺めながらブラブラと歩き回っていたら、急に何処からともなく女の子が騒ぐ様な声が聞こえてきて……?
「もう!どうしてこんなに当たんないのよ!ちょっとアンタ!もしかして、不良品を渡したんじゃないでしょうね!」
「いやいやお嬢ちゃん、幾ら的に当たらないからって言い掛かりは止してくれよ。」
「ハァ!?それじゃあどうして矢が当たらないのか説明してみなさいっての!」
「だから何度も言ってるだろ?こっちの遠い的はお嬢ちゃんにはまだ早いってさぁ。ここは無理せず、そっちの距離が近い的を狙っちゃどうだい?」
「い・や・よ!だってこっちの的じゃ私の欲しい景品が貰えないじゃない!ってか、どう考えてもこんなのズルくない!?あの的、どう見たって遠すぎるじゃない!」
「はっはっは、だから豪華な景品が貰えるんだよ!」
「ちょっと!笑い事じゃないんだからね!こうなったら……アンタの店が潰れる様に天罰を与えてやるんだから!」
「おっと、それは流石に困っちまうなぁ!……よしっ!そんじゃあお嬢ちゃんにだけ特別サービスだ!もう一回、料金を払って挑戦してくれるって言うならそっちの近い的でも景品を渡させてもらうよ!」
「えっ!ソレって本当なの!?嘘だったら承知しないわよ!」
「あぁ!男に二言はねぇよ!ただし、ど真ん中をビシッと撃ち抜いてくれよ!」
「ふんっ!上等じゃない!ほら、受け取りなさい!」
「おっ、毎度あり!それじゃあ……ほれ、追加の矢だ。頑張りなよ、お嬢ちゃん。」
「ふふーん!調子に乗っていられるのも……今の内……よっ!」
「おぉ!一発で命中とはやるじゃないかお嬢ちゃん!」
「ふふっ!まぁ、アタシが本気を出せばこんなもんよ!それよりも約束!まさかとは思うけど、破るつもりじゃないでしょうね?」
「はっはっは!そんな事、あるはずないだろ?それじゃあ……ほら、持ってきな!」
「えへへ、どうもありがと!お礼に天罰じゃなくて、この店が繁盛する様にご利益をあげるわ!感謝しなさいよね!」
「あぁ、感謝するよ!それでどうする?他の景品も狙って行くかい?」
「いえ、今日はコレぐらいにしといてあげるわ!」
「そうかい!なら、また今度来てくれよな!待ってるからさ!」
「えぇ!良い景品が置いてあればね!それじゃあまた………ん?」
「っ!」
あ、危ねぇ……もう少しであの子と目が合っちまう所だったぞ……!君子危うきに近寄らず……天罰だとか加護だとか言う奴はもう間に合ってるんだっつうの!
「と、とりあずさっさとこの場から移動して……うおっと!」
「あうっ!」
「あぁもう、だから走らないでって言ったのに……すみません、妹がご迷惑をお掛けしてしま……って………えっ?」
「ん?………はっ?」
急いで歩き出そうとした瞬間に小さな女の子とぶつかってしまったらしくて思わず立ち止まってしまった直後、その子のお姉さんらしき人が小走りでこっちに近寄って来たんだが……………
「な、なな!なんっ!ど、どうしてっ!?」
「あっ!九条さんではありませんか!どうも、ご無沙汰しております!」
「お、おう……ひ、久しぶり……だな……シアンに……アリシアさん……」
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