おっさんの異世界生活は無理がある。
第401話
「ロイド様!本日から始まる旅行!改めてよろしくお願い致しますわね!」
「よ、よろしくお願いします!」
「うん、よろしくね。」
翌日の早朝、毎度お馴染み王都行きの馬車に乗る為に皆と広場までやって来た俺は先ほど買ってきた暖かいお茶を啜《すす》りながらロイド達のやり取りを眺めていた。
「ふぅ……リリアさんもライルさんも朝っぱらから元気だねぇ……つーか、ロイドのファン同士で旅行について行くメンバーを抽選ってどういう事なんだろうな……」
「さぁ……?ロイドさんの事を心配して全員で決めましたとは言ってましたけど……事前に本人の了承も取らずに待っているのは……いかがなものなんでしょうかね?」
「やっぱり……お前もそう思うよなぁ……さっき聞いたあの2人の言い訳としては、偶然にも旅行先が一緒になってしまいましたわねって事だったが……なぁ?」
「……ですよねぇ。」
どう考えてもそんな偶然はあり得ないとは思うんだが……当の本人であるロイドが2人と旅行できる事を喜んでいる以上、これ以上の追求は出来ないんだよなぁ……
「……九条さん、アレが愛の為せる業?」
「まぁ、綺麗な言い方をすればな……ってそういや、レミの奴はまだ来てないのか?もう少しで出発時間になりそうなのに姿が見えないんだが……」
「あっ、そう言えばそうですね。うーん、もしかして遅刻でしょうか?」
「いやいや、流石にソレは………あり得ないって言えないのが恐ろしい所だな……」
「はい……楽しみにしすぎて寝坊したのかも……なんて……」
「これこれ、何を失礼な事を言っておるんじゃお主達は。折角の旅行だと言うのに、わしがそんな愚かな真似をするはずが無いじゃろうが。」
「あっ、レミさん!おはようございます。遅かったですね、どうかしたんですか?」
「いやいや、それがのう……」
「おや、レミじゃないか。おはよう、来ていたんだね。」
「あら、おはようございますわレミ様!本日はよろしくお願い致しますわね!」
「ど、どうもおはようございます!」
「うむ、おはよ…………いや、どうしてお主達がここに居るんじゃ?」
「あー、まぁそれについては後で説明するわ……そんで?どうして来るのがこんなに遅れたんだ?マホの言う通り、楽しみにしすぎて寝付けなかったのか?」
「ふんっ!バカにするでないわ!確かにそんな事が無かったとは言わんが、きちんと時間通りメイドに起こしてもらったぞ!」
「……自分で起きたんじゃあないんだな。」
「そんな事はどうでもよい!大事なのは、出発しようとしたらカレンに呼び留められ荷物を幾つか押し付けられたせいで来るのが遅れたという事じゃ。」
「おや、そうだったのかい?レミ、母さんから一体何を渡されたんだい?」
「そうじゃのう……例えば旅行用の小遣いや皆で食べる弁当、他にも暇になったらとお勧めの本やら……まぁ、要するに色々じゃな。」
「な、なるほど……その光景、何となくだが思い浮かべられるな……」
「やれやれ、母さんにも困ったものだね。」
「いえいえ!レミ様や私達を想う熱い気持ち!私、感動しましたわ!」
「さ、流石はカレンさんですね!とってもお優しいです!」
「ふふっ、そう言って貰えると母さんも喜ぶと思うよ。」
「わしからすれば、荷物が増えて大変になっただけじゃがな……」
「大丈夫?荷物、代わりに持つ?」
「いや、ソフィよりも適任者がここにおるじゃろ。」
「……ったく、しょうがねぇな。ほれ、こっちに寄こせ。」
「うむ、よろしく頼んだぞ。」
「はいよ……おぉ、結構な重量だな……よくこんなの持ってきたな。」
「はっはっは、もっと褒めても良いのだぞ?まぁ、そこまで馬車で送られて来たからそこまで苦労はしておらんがな。」
「……まぁ、そんな事だろうとは思ってたよ。」
キメ顔をしながら見上げて来たレミと目を合わせながら苦笑いを浮かべていると、出発時刻が間近に迫って来ている事を知らせる鐘の音が鳴り響いてきた。
「おっと、そろそろみたいだね。それじゃあ馬車の方に行くとしようか。」
「あぁ、よっこいせっと……」
レミが持っていたバッグを持ち直して歩き出した俺達は、エリオさんが手配をしてくれていた大きくて豪勢な馬車に乗り込んでトリアルを離れていくのだった。
そんでまぁ、当然の様にロイドがリリアさんとライルさんを同じ馬車に誘ったのでノルウィンドまでの道中を共にする事が決まりましたとさ。
「よ、よろしくお願いします!」
「うん、よろしくね。」
翌日の早朝、毎度お馴染み王都行きの馬車に乗る為に皆と広場までやって来た俺は先ほど買ってきた暖かいお茶を啜《すす》りながらロイド達のやり取りを眺めていた。
「ふぅ……リリアさんもライルさんも朝っぱらから元気だねぇ……つーか、ロイドのファン同士で旅行について行くメンバーを抽選ってどういう事なんだろうな……」
「さぁ……?ロイドさんの事を心配して全員で決めましたとは言ってましたけど……事前に本人の了承も取らずに待っているのは……いかがなものなんでしょうかね?」
「やっぱり……お前もそう思うよなぁ……さっき聞いたあの2人の言い訳としては、偶然にも旅行先が一緒になってしまいましたわねって事だったが……なぁ?」
「……ですよねぇ。」
どう考えてもそんな偶然はあり得ないとは思うんだが……当の本人であるロイドが2人と旅行できる事を喜んでいる以上、これ以上の追求は出来ないんだよなぁ……
「……九条さん、アレが愛の為せる業?」
「まぁ、綺麗な言い方をすればな……ってそういや、レミの奴はまだ来てないのか?もう少しで出発時間になりそうなのに姿が見えないんだが……」
「あっ、そう言えばそうですね。うーん、もしかして遅刻でしょうか?」
「いやいや、流石にソレは………あり得ないって言えないのが恐ろしい所だな……」
「はい……楽しみにしすぎて寝坊したのかも……なんて……」
「これこれ、何を失礼な事を言っておるんじゃお主達は。折角の旅行だと言うのに、わしがそんな愚かな真似をするはずが無いじゃろうが。」
「あっ、レミさん!おはようございます。遅かったですね、どうかしたんですか?」
「いやいや、それがのう……」
「おや、レミじゃないか。おはよう、来ていたんだね。」
「あら、おはようございますわレミ様!本日はよろしくお願い致しますわね!」
「ど、どうもおはようございます!」
「うむ、おはよ…………いや、どうしてお主達がここに居るんじゃ?」
「あー、まぁそれについては後で説明するわ……そんで?どうして来るのがこんなに遅れたんだ?マホの言う通り、楽しみにしすぎて寝付けなかったのか?」
「ふんっ!バカにするでないわ!確かにそんな事が無かったとは言わんが、きちんと時間通りメイドに起こしてもらったぞ!」
「……自分で起きたんじゃあないんだな。」
「そんな事はどうでもよい!大事なのは、出発しようとしたらカレンに呼び留められ荷物を幾つか押し付けられたせいで来るのが遅れたという事じゃ。」
「おや、そうだったのかい?レミ、母さんから一体何を渡されたんだい?」
「そうじゃのう……例えば旅行用の小遣いや皆で食べる弁当、他にも暇になったらとお勧めの本やら……まぁ、要するに色々じゃな。」
「な、なるほど……その光景、何となくだが思い浮かべられるな……」
「やれやれ、母さんにも困ったものだね。」
「いえいえ!レミ様や私達を想う熱い気持ち!私、感動しましたわ!」
「さ、流石はカレンさんですね!とってもお優しいです!」
「ふふっ、そう言って貰えると母さんも喜ぶと思うよ。」
「わしからすれば、荷物が増えて大変になっただけじゃがな……」
「大丈夫?荷物、代わりに持つ?」
「いや、ソフィよりも適任者がここにおるじゃろ。」
「……ったく、しょうがねぇな。ほれ、こっちに寄こせ。」
「うむ、よろしく頼んだぞ。」
「はいよ……おぉ、結構な重量だな……よくこんなの持ってきたな。」
「はっはっは、もっと褒めても良いのだぞ?まぁ、そこまで馬車で送られて来たからそこまで苦労はしておらんがな。」
「……まぁ、そんな事だろうとは思ってたよ。」
キメ顔をしながら見上げて来たレミと目を合わせながら苦笑いを浮かべていると、出発時刻が間近に迫って来ている事を知らせる鐘の音が鳴り響いてきた。
「おっと、そろそろみたいだね。それじゃあ馬車の方に行くとしようか。」
「あぁ、よっこいせっと……」
レミが持っていたバッグを持ち直して歩き出した俺達は、エリオさんが手配をしてくれていた大きくて豪勢な馬車に乗り込んでトリアルを離れていくのだった。
そんでまぁ、当然の様にロイドがリリアさんとライルさんを同じ馬車に誘ったのでノルウィンドまでの道中を共にする事が決まりましたとさ。
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