おっさんの異世界生活は無理がある。
第400話
退院をしてからあっと言う間に1週間ぐらいが過ぎて旅行の前日を迎えた俺達は、武器が完成したという手紙を貰って加工屋にやって来ていた。
「それじゃあ、はいっ!これが新しく生まれ変わった九条さんの武器だよ!」
「お、おぉ……!黒くて紅い刀身とかマジでカッコよすぎなんですけどっ!?」
「えへへ!九条さんが気に入ってくれたみたいで良かった!あーでも、ちょっとだけ刀身が短くなっちゃったんだけど……それについては平気?」
「あぁ、当たり前だろ!そもそも砕け散った武器の欠片を再利用して、こんなに良い武器を作ってくれた最高の職人に文句なんてあるはずないだろ!」
「え、えへへ……そう?そんなに褒められちゃうと少し照れちゃうんだけど……まぁこれも、師匠の教えが良かった結果かもね!」
「ったく、浮かれてガラにもねぇ事を言いやがって……」
「ふふっ、そう言いながらも顔がほころんでいるみたいだけど?」
「う、うおっほん!そんな事はありませんよ。えぇ、決してありませんとも。」
「ふふーん、親父ったら照れてるぅー!」
「や、やかましい!それと店では親方と呼べって言ってるだろうが!」
「へーんだ!そんな顔で怒られても怖くないもんねー!」
「こ、この!親をからかうんじゃねぇ!」
「まぁまぁ、今日ぐらいは良いじゃないですか!っと、おじさん!武器を作り直してもらったお代を支払わないとですよ!」
「おぉ、そう言えばそうだったな!えっと、今回の依頼料は……」
「あっ、それなら大丈夫だよ!実は壊れた刀身の破片が店に運び込まれて来た時に、エリオさんが払ってくれたから!」
「えっ!そうだったのか?エリオさん、そんな事は一言も……」
「恐らく父さんの事だから、九条さんを気遣って黙っていたのかもしれないね。」
「うん!多分そんな感じだと思うよ!だからお代の方は気にしないで!まぁ、感謝の気持ちをどうしても伝えたいって言ってくれるんなら……はいコレ!ノルウィンドで集めて来て欲しい素材のリストだよ!これを恩返しって考えて欲しいかな!」
「お、おう!それじゃあ、そうさせてもら………………なぁ、ちょっと紙が長い気がするんですけども………どんだけの量を集めて来いって言ってんだ?」
「うーんとね、ザッと数えて30種類ぐらいかな!」
「へぇー!なるほどねぇ!…………あのさ、俺とロイドがついこの間まで寝たきりの生活をしてたって事は……知ってる?」
「もっちろん!でもそのリストに書いてある素材って、私が欲しいのだけじゃなくて親方の分も入ってるんだよね!」
「おや、そうなのかい?」
「……すみません。九条さんとロイドさんのお体については承知しているんですが、もしよろしければ頼まれてくれると助かると言いますか……いかがでしょう?」
親方は本当に申し訳なさそうな表情を浮かべながらこっちを見てきて……その姿を目の当たりにしてどう返事をするべきか戸惑っていると、マホが服の裾をクイクイと引っ張ってきた。
「おじさん……何時もお世話になっているお礼ですから……ね?」
「……まぁ、それもそうだな。全てを集められるかどうかは分かりませんが、期待に応えられる様に全力で頑張りますよ。」
「うん!それじゃあよろしくね!」
「すみませんが、よろしくお願いします。」
「任せて。モンスターをいっぱい倒して来る。」
「ふふっ、体の調子が完全に戻ったのか確かめる良い機会になりそうだね。」
「皆さん、お怪我には気を付けて下さいよね!特におじさんとロイドさんは!」
「はいはい、言われんでも分かってますよ……あぁそうだ、お土産とかも買ってきて欲しい物とかありますか?」
「いえいえ、そこまで面倒をお掛けする訳には……」
「もう!九条さんが折角こう言ってくれてるんだから甘えなきゃ損だよ!そんな訳で私はとびっきり美味しいお菓子とかが欲しいかな!親方は?」
「お、俺か?そ、そうだな……酒に合うツマミ……とか……?」
「あー、親方ってそういうの大好きだもんね。他には?何かないの?」
「他か?いや、うーん……とりあえず美味い物であれば……」
「分かりました!美味しい食べ物、いっぱい買って来ますね!」
「ふふっ、楽しみにしているんだよ。」
「は、はぁ……どうもありがとうございます。」
「あっ、はいはい!私ね、他にもあったら買って来て欲しい物があるんだけど!」
……そんなこんなありながら新しく生まれ変わった俺の武器『黒龍紅蓮《こくりゅうぐれん》』を手に加工屋を後にした俺達は、何処にも立ち寄らず家まで帰って来ると旅行に備えて少し早めに1日を終えて就寝をするのだった。
「それじゃあ、はいっ!これが新しく生まれ変わった九条さんの武器だよ!」
「お、おぉ……!黒くて紅い刀身とかマジでカッコよすぎなんですけどっ!?」
「えへへ!九条さんが気に入ってくれたみたいで良かった!あーでも、ちょっとだけ刀身が短くなっちゃったんだけど……それについては平気?」
「あぁ、当たり前だろ!そもそも砕け散った武器の欠片を再利用して、こんなに良い武器を作ってくれた最高の職人に文句なんてあるはずないだろ!」
「え、えへへ……そう?そんなに褒められちゃうと少し照れちゃうんだけど……まぁこれも、師匠の教えが良かった結果かもね!」
「ったく、浮かれてガラにもねぇ事を言いやがって……」
「ふふっ、そう言いながらも顔がほころんでいるみたいだけど?」
「う、うおっほん!そんな事はありませんよ。えぇ、決してありませんとも。」
「ふふーん、親父ったら照れてるぅー!」
「や、やかましい!それと店では親方と呼べって言ってるだろうが!」
「へーんだ!そんな顔で怒られても怖くないもんねー!」
「こ、この!親をからかうんじゃねぇ!」
「まぁまぁ、今日ぐらいは良いじゃないですか!っと、おじさん!武器を作り直してもらったお代を支払わないとですよ!」
「おぉ、そう言えばそうだったな!えっと、今回の依頼料は……」
「あっ、それなら大丈夫だよ!実は壊れた刀身の破片が店に運び込まれて来た時に、エリオさんが払ってくれたから!」
「えっ!そうだったのか?エリオさん、そんな事は一言も……」
「恐らく父さんの事だから、九条さんを気遣って黙っていたのかもしれないね。」
「うん!多分そんな感じだと思うよ!だからお代の方は気にしないで!まぁ、感謝の気持ちをどうしても伝えたいって言ってくれるんなら……はいコレ!ノルウィンドで集めて来て欲しい素材のリストだよ!これを恩返しって考えて欲しいかな!」
「お、おう!それじゃあ、そうさせてもら………………なぁ、ちょっと紙が長い気がするんですけども………どんだけの量を集めて来いって言ってんだ?」
「うーんとね、ザッと数えて30種類ぐらいかな!」
「へぇー!なるほどねぇ!…………あのさ、俺とロイドがついこの間まで寝たきりの生活をしてたって事は……知ってる?」
「もっちろん!でもそのリストに書いてある素材って、私が欲しいのだけじゃなくて親方の分も入ってるんだよね!」
「おや、そうなのかい?」
「……すみません。九条さんとロイドさんのお体については承知しているんですが、もしよろしければ頼まれてくれると助かると言いますか……いかがでしょう?」
親方は本当に申し訳なさそうな表情を浮かべながらこっちを見てきて……その姿を目の当たりにしてどう返事をするべきか戸惑っていると、マホが服の裾をクイクイと引っ張ってきた。
「おじさん……何時もお世話になっているお礼ですから……ね?」
「……まぁ、それもそうだな。全てを集められるかどうかは分かりませんが、期待に応えられる様に全力で頑張りますよ。」
「うん!それじゃあよろしくね!」
「すみませんが、よろしくお願いします。」
「任せて。モンスターをいっぱい倒して来る。」
「ふふっ、体の調子が完全に戻ったのか確かめる良い機会になりそうだね。」
「皆さん、お怪我には気を付けて下さいよね!特におじさんとロイドさんは!」
「はいはい、言われんでも分かってますよ……あぁそうだ、お土産とかも買ってきて欲しい物とかありますか?」
「いえいえ、そこまで面倒をお掛けする訳には……」
「もう!九条さんが折角こう言ってくれてるんだから甘えなきゃ損だよ!そんな訳で私はとびっきり美味しいお菓子とかが欲しいかな!親方は?」
「お、俺か?そ、そうだな……酒に合うツマミ……とか……?」
「あー、親方ってそういうの大好きだもんね。他には?何かないの?」
「他か?いや、うーん……とりあえず美味い物であれば……」
「分かりました!美味しい食べ物、いっぱい買って来ますね!」
「ふふっ、楽しみにしているんだよ。」
「は、はぁ……どうもありがとうございます。」
「あっ、はいはい!私ね、他にもあったら買って来て欲しい物があるんだけど!」
……そんなこんなありながら新しく生まれ変わった俺の武器『黒龍紅蓮《こくりゅうぐれん》』を手に加工屋を後にした俺達は、何処にも立ち寄らず家まで帰って来ると旅行に備えて少し早めに1日を終えて就寝をするのだった。
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