おっさんの異世界生活は無理がある。
第381話
「うわぁ……!ロイドさんのドレス姿、とってもお綺麗ですよ!」
「お嬢様としての気品が溢れてあいる感じがする。」
「ふふっ、どうもありがとう。そんなに褒められると何だか照れてしまうね。でも、2人もメイド服姿がとても可愛らしくて素敵だよ。それに九条さんも執事服姿がよく似合っているね。」
「そりゃどうも……」
ロイドの実家に着いて早々に屋敷の中にある試着室みたいな所に案内された俺達は使用人の方達から有無を言わさずに手渡された服装に着替えると、談話室に集まるとリーパー・アレクシスが来るまで時間を潰す事にしたんだが……
うーん……やっぱり見合いイベントに同席する部外者って言うのはこういう服装をするのがお決まりなのかしら?まぁ、普段の格好じゃ雰囲気ぶち壊しってのは分かるんだけどさぁ……どうにも慣れないなぁ……
「はっはっは!九条よ、服に着られておるぞ!もう少しシャキッとせんか!」
「うっさいわ!……ってか、どうして見合いに参加しないお前がここに居るんだよ?別室で待機してる様にって話じゃなかったか?」
「ふっ、だからこうして別室にて待機をしておるんじゃろうが!そんな事よりも……お主、折角じゃから冒険者を止めてわしに仕えてみる気は無いか?」
「ある訳が無いだろ……それに仕えたとしてもどうやって給料を払う気なんだよ?」
「そこはほれ、そこに居るエリオが支払うに決まっておるじゃろう!」
「アホか!それだと俺はエリオさんに仕えてる事になっちまうじゃねぇかよ!」
「ふふっ、私としてはそれでも構いませんよ。」
「おっと、父さんと言えども九条さんを渡す訳にはいかないかな。」
「そうですよ。九条さんはロイドちゃん達のものなんですから。」
「……あれ、おかしいな……俺の所有権が別人の手にある事が前提になってるぞ?」
「ふっ、愛されておる証拠じゃな!」
「……いやいや、ほんのちょっとだけ納得しかけたけど絶対に違うだろ!?ってか、ロイドはそんなにバチっと決め込む必要はあったのか?」
「あぁ勿論。結婚の申し入れを断る事が前提にあるとはいえウィスリム家の娘として対応をする以上、それ相応の恰好や態度は示しておかないといけないからね。」
「……すまないなロイド、お前にばかり色々と背負わせてしまって……」
「ふふっ、これぐらい何でも無いから大丈夫だよ。それよりも父さん、あれから彼について分かった事はあるかい?」
「ロイド様、それについては私からお話を致します。」
そう言って扉の前に立っていたカームさんは隣に居た執事さんから一枚の紙を受け取ると、こっちに向かって歩いて来て俺達の視線を自分に集めさせた。
「カームさん、何か新しい情報が手に入ったんですか?」
「いえ、残念ながらそういう事ではありません。ですが、リーパーアレクシス周囲でおかしな動きがあったと昨夜に報告が上がってまいりました。」
「ふむ、おかしな動きと言うのはどんな?」
「……リーパー・アレクシスの護衛をしていたと思われる者達についてなのですが、その全員が昨日の内にトリアルを去った様です。」
「……はっ?そ、それって本当なんですか?」
「はい、報告に間違いが無ければ。」
カームさんが真剣な眼差しで俺達の顔を見回しながらそう断言した瞬間、どうにも得体の知れない嫌な予感がしてきて……けど、それだけじゃ何ともな……
「あの、ソレってつまり……ロイドさんとお見合いをする為に……?」
「いや、だったら泊まってる宿に置いて行けば良い話だろ?わざわざ一人残らず街を離れさせる必要は無いと思うんだが……」
頭を軽く掻きながらそう告げた直後、扉が数回ノックされてメイドさんがお辞儀をしながら部屋に入って来た。
「ロイド様、リーパー・アレクシス様がいらっしゃいました。」
「おや、もうそんな時間か。着替えに支度が掛かりすぎたかな……よしっ、それなら外に出て彼を出迎えるとしようか。」
「は、はい!うぅ……何だか緊張してきました……でも、ロイドさんの為に頑張ってメイドさんをやりますね!」
「同じく。」
「うむ!気張るんじゃぞ、お主達!」
「はぁ……お前はお気楽で良いなぁ………仕方ない、そんじゃあ行くとしますか。」
「えぇ、ロイドの事……どうかよろしくお願いします。」
「皆さん!その人が何かしようとしたら遠慮なくやっちゃって良いですからね!」
「ふふっ、それは流石にどうかと思うけど……頼んだよ、皆。」
振り向きながらニコっと微笑みかけてきたロイドの言葉を合図にして談話室を後にした俺達は、互いに目配せをして決意を新たにしながら屋敷の外に向かうのだった。
「お嬢様としての気品が溢れてあいる感じがする。」
「ふふっ、どうもありがとう。そんなに褒められると何だか照れてしまうね。でも、2人もメイド服姿がとても可愛らしくて素敵だよ。それに九条さんも執事服姿がよく似合っているね。」
「そりゃどうも……」
ロイドの実家に着いて早々に屋敷の中にある試着室みたいな所に案内された俺達は使用人の方達から有無を言わさずに手渡された服装に着替えると、談話室に集まるとリーパー・アレクシスが来るまで時間を潰す事にしたんだが……
うーん……やっぱり見合いイベントに同席する部外者って言うのはこういう服装をするのがお決まりなのかしら?まぁ、普段の格好じゃ雰囲気ぶち壊しってのは分かるんだけどさぁ……どうにも慣れないなぁ……
「はっはっは!九条よ、服に着られておるぞ!もう少しシャキッとせんか!」
「うっさいわ!……ってか、どうして見合いに参加しないお前がここに居るんだよ?別室で待機してる様にって話じゃなかったか?」
「ふっ、だからこうして別室にて待機をしておるんじゃろうが!そんな事よりも……お主、折角じゃから冒険者を止めてわしに仕えてみる気は無いか?」
「ある訳が無いだろ……それに仕えたとしてもどうやって給料を払う気なんだよ?」
「そこはほれ、そこに居るエリオが支払うに決まっておるじゃろう!」
「アホか!それだと俺はエリオさんに仕えてる事になっちまうじゃねぇかよ!」
「ふふっ、私としてはそれでも構いませんよ。」
「おっと、父さんと言えども九条さんを渡す訳にはいかないかな。」
「そうですよ。九条さんはロイドちゃん達のものなんですから。」
「……あれ、おかしいな……俺の所有権が別人の手にある事が前提になってるぞ?」
「ふっ、愛されておる証拠じゃな!」
「……いやいや、ほんのちょっとだけ納得しかけたけど絶対に違うだろ!?ってか、ロイドはそんなにバチっと決め込む必要はあったのか?」
「あぁ勿論。結婚の申し入れを断る事が前提にあるとはいえウィスリム家の娘として対応をする以上、それ相応の恰好や態度は示しておかないといけないからね。」
「……すまないなロイド、お前にばかり色々と背負わせてしまって……」
「ふふっ、これぐらい何でも無いから大丈夫だよ。それよりも父さん、あれから彼について分かった事はあるかい?」
「ロイド様、それについては私からお話を致します。」
そう言って扉の前に立っていたカームさんは隣に居た執事さんから一枚の紙を受け取ると、こっちに向かって歩いて来て俺達の視線を自分に集めさせた。
「カームさん、何か新しい情報が手に入ったんですか?」
「いえ、残念ながらそういう事ではありません。ですが、リーパーアレクシス周囲でおかしな動きがあったと昨夜に報告が上がってまいりました。」
「ふむ、おかしな動きと言うのはどんな?」
「……リーパー・アレクシスの護衛をしていたと思われる者達についてなのですが、その全員が昨日の内にトリアルを去った様です。」
「……はっ?そ、それって本当なんですか?」
「はい、報告に間違いが無ければ。」
カームさんが真剣な眼差しで俺達の顔を見回しながらそう断言した瞬間、どうにも得体の知れない嫌な予感がしてきて……けど、それだけじゃ何ともな……
「あの、ソレってつまり……ロイドさんとお見合いをする為に……?」
「いや、だったら泊まってる宿に置いて行けば良い話だろ?わざわざ一人残らず街を離れさせる必要は無いと思うんだが……」
頭を軽く掻きながらそう告げた直後、扉が数回ノックされてメイドさんがお辞儀をしながら部屋に入って来た。
「ロイド様、リーパー・アレクシス様がいらっしゃいました。」
「おや、もうそんな時間か。着替えに支度が掛かりすぎたかな……よしっ、それなら外に出て彼を出迎えるとしようか。」
「は、はい!うぅ……何だか緊張してきました……でも、ロイドさんの為に頑張ってメイドさんをやりますね!」
「同じく。」
「うむ!気張るんじゃぞ、お主達!」
「はぁ……お前はお気楽で良いなぁ………仕方ない、そんじゃあ行くとしますか。」
「えぇ、ロイドの事……どうかよろしくお願いします。」
「皆さん!その人が何かしようとしたら遠慮なくやっちゃって良いですからね!」
「ふふっ、それは流石にどうかと思うけど……頼んだよ、皆。」
振り向きながらニコっと微笑みかけてきたロイドの言葉を合図にして談話室を後にした俺達は、互いに目配せをして決意を新たにしながら屋敷の外に向かうのだった。
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