おっさんの異世界生活は無理がある。
第377話
「なるほど……エリオさんの方も名前とご主人様がやっつけた悪い人と繋がりがあるかもしれないって事しか分からなかったんですか……」
「あぁ、ロイドの為に頑張ってくれてはいたみたいだけど……ぶっちゃけこれ以上の情報を手に入れるのは難しいんじゃねぇかなぁ……エリオさんもカームさんも使える手段は既に試しているだろうし……」
マホとソフィが用意してくれていた晩飯を食べながらエリオさんに教えてもらった情報を2人に話した俺は、ため息を零しながら背もたれに寄りかかるのだった……
「ふむ……2人はリリアとライルと一緒に過ごしていたんだよね。彼女達から新しい情報は聞いて無いかな。どんな些細な事でも構わないんだけど。」
「うーん、残念ながらって感じですね……リリアさんもライルさんもご両親にお願いしてロイドさんの為にって何とか情報を集めようとしてくれてたみたいなんですが、流石に相手が悪いみたいで……」
「守りが厳しいらしい。」
「まぁ、そうだろうな……相手は王都でも高名な貴族様だし、そう易々と深い部分を調べられたりはしないか……」
だがそうなると、マジでどうしたら良いんだか……相手が善人だって分かってればこっちもそんなに警戒しなくても済むんだが、あの野郎と繋がっている可能性がある以上は油断する訳にもいかねぇし……ったく、困ったもんだぜ……
「……ふふっ。」
「ん?……どうしたんだロイド、何かおかしい事でもあったか?」
「いや、そうでは無いんだ。ただ何と言うか、皆が私の為に真剣になってくれている姿を見ていたら嬉しくなってしまってね。」
「え、えへへ……そうですか?そう言われると恥ずかしくなっちゃいますね!でも、ロイドさんの為に真剣になるのは当然の事ですよ!」
「うん、当然。」
「ふふっ、どうもありがとう。本当に感謝しているよ。」
「いえいえ、お礼なんて良いですよ!それよりも、本当にどうしましょうかねぇ……せめてリーパー・アレクシスさんがどんな人なのか分かれば良いんですけど……」
「貴族の間では優秀で人当たりが良くて誰からも好かれる奴って評判らしいんだが、ここに至るまでの経緯で考えると……それが全てって訳でも無いだろうな。」
「うん。それにどうしてロイドを狙っているのか分からない。」
「はい……ロイドさん、本当に心当たりはないんですよね?幼い頃にその人と婚約をしたとかそんな事も……」
「私の記憶の限りではそんな相手は居なかったと思うよ。それにそんな話があれば、父さんか母さんが私に話しているだろうからね。」
「ですよねぇ……だとしたら、その人はロイドさんのファンの方なんでしょうかね?それで好きって思いを拗《こじ》らせてしまって暴走している……とか?」
「それならそれで痛い奴だなぁってだけで終わるんだが……肝心なのは……」
「ロイドの実家の襲撃を企てた犯人。その人と繋がりがある可能性。」
「あぁ、そこが解決しないと話が先に進まねぇんだよなぁ……こればっかりは新しい情報が入らん事にはどうにもならん。」
堂々巡りになってきた話し合いに困り果ててちょっとした沈黙がリビングに流れてからしばらくして、ロイドがいきなり手を叩いて俺達の視線を自分に集めさせた。
「さてと、これ以上はどうにもならなさそうだから話はここで終わりにしようか。」
「……ふぅ、それもそうだな。よしっ!そんじゃあ俺は飯を食べ終わったし風呂でも沸かしてくるとしますかね。」
「あっ、はい!よろしくお願いしますね、ご主人様!」
「ロイド、昨日の夜に借りた本の続きが読みたい。」
「うん、分かった。後で持ってくるよ。」
……ちょっとした不安を残しながら日常に戻って行った俺達は、その後もダラダラ過ごしながら夜を迎えて1日を終えて行くのだった。
「あぁ、ロイドの為に頑張ってくれてはいたみたいだけど……ぶっちゃけこれ以上の情報を手に入れるのは難しいんじゃねぇかなぁ……エリオさんもカームさんも使える手段は既に試しているだろうし……」
マホとソフィが用意してくれていた晩飯を食べながらエリオさんに教えてもらった情報を2人に話した俺は、ため息を零しながら背もたれに寄りかかるのだった……
「ふむ……2人はリリアとライルと一緒に過ごしていたんだよね。彼女達から新しい情報は聞いて無いかな。どんな些細な事でも構わないんだけど。」
「うーん、残念ながらって感じですね……リリアさんもライルさんもご両親にお願いしてロイドさんの為にって何とか情報を集めようとしてくれてたみたいなんですが、流石に相手が悪いみたいで……」
「守りが厳しいらしい。」
「まぁ、そうだろうな……相手は王都でも高名な貴族様だし、そう易々と深い部分を調べられたりはしないか……」
だがそうなると、マジでどうしたら良いんだか……相手が善人だって分かってればこっちもそんなに警戒しなくても済むんだが、あの野郎と繋がっている可能性がある以上は油断する訳にもいかねぇし……ったく、困ったもんだぜ……
「……ふふっ。」
「ん?……どうしたんだロイド、何かおかしい事でもあったか?」
「いや、そうでは無いんだ。ただ何と言うか、皆が私の為に真剣になってくれている姿を見ていたら嬉しくなってしまってね。」
「え、えへへ……そうですか?そう言われると恥ずかしくなっちゃいますね!でも、ロイドさんの為に真剣になるのは当然の事ですよ!」
「うん、当然。」
「ふふっ、どうもありがとう。本当に感謝しているよ。」
「いえいえ、お礼なんて良いですよ!それよりも、本当にどうしましょうかねぇ……せめてリーパー・アレクシスさんがどんな人なのか分かれば良いんですけど……」
「貴族の間では優秀で人当たりが良くて誰からも好かれる奴って評判らしいんだが、ここに至るまでの経緯で考えると……それが全てって訳でも無いだろうな。」
「うん。それにどうしてロイドを狙っているのか分からない。」
「はい……ロイドさん、本当に心当たりはないんですよね?幼い頃にその人と婚約をしたとかそんな事も……」
「私の記憶の限りではそんな相手は居なかったと思うよ。それにそんな話があれば、父さんか母さんが私に話しているだろうからね。」
「ですよねぇ……だとしたら、その人はロイドさんのファンの方なんでしょうかね?それで好きって思いを拗《こじ》らせてしまって暴走している……とか?」
「それならそれで痛い奴だなぁってだけで終わるんだが……肝心なのは……」
「ロイドの実家の襲撃を企てた犯人。その人と繋がりがある可能性。」
「あぁ、そこが解決しないと話が先に進まねぇんだよなぁ……こればっかりは新しい情報が入らん事にはどうにもならん。」
堂々巡りになってきた話し合いに困り果ててちょっとした沈黙がリビングに流れてからしばらくして、ロイドがいきなり手を叩いて俺達の視線を自分に集めさせた。
「さてと、これ以上はどうにもならなさそうだから話はここで終わりにしようか。」
「……ふぅ、それもそうだな。よしっ!そんじゃあ俺は飯を食べ終わったし風呂でも沸かしてくるとしますかね。」
「あっ、はい!よろしくお願いしますね、ご主人様!」
「ロイド、昨日の夜に借りた本の続きが読みたい。」
「うん、分かった。後で持ってくるよ。」
……ちょっとした不安を残しながら日常に戻って行った俺達は、その後もダラダラ過ごしながら夜を迎えて1日を終えて行くのだった。
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