おっさんの異世界生活は無理がある。
第368話
以前はかなり危険な討伐クエストを受ける事になったから、今回はのんびり出来る感じのクエストにしましょう!って、ガドルさんと相談して決めたってのにさ……!
「いやぁ、顔が知れ渡ってしまっていると言うのも困りものですね。まさか似た様なクエストを受ける事になってしまうなんて……九条さん、大丈夫ですか?」
「はぁ……はぁ……だ、大丈夫です……」
受付のお姉さんめぇ……俺達にしか頼めないんですとか言って可愛らしく微笑んできやがって……思わず引き受けちまったじゃねぇかこんちきしょう!
「それにしても、またこの辺りにしては珍しく強いモンスターでしたね。」
「え、えぇ……本来なら、もっと森の奥深くに生息しているはずの奴らですから……って言うか、前も疑問に思いましたが何でこんな危険な奴が街の近くに……」
「うーん……斡旋所で聞いた話では怪しい格好の人物達がその付近の森に出入りしていてそれが関係しているらしいとの事でしたけど……詳しい事はまだ分かっていないみたいですね。」
「はぁ……随分と迷惑な連中が居たものですね……」
「ははっ、本当ですね。さてと、それではそろそろ納品作業を」
「ガドルさん!……その前に、俺に話があるんじゃないですか?」
「……やはり、分かっていましたか。」
「まぁ、この間と全く同じ展開に遭遇すれば誰だってそうなんじゃないかって予想をすると思いますよ……それで、俺に一体何の用なんですか?」
もし仮に……本当に仮にの話になるが、またこの人が敵対する様な行動を取るって言うんなら……俺も本当に覚悟を決めるしかないだろうな。
そんな風に腹をくくってガドルさんを見据えた俺は、真剣な眼差しを浮かべている彼と目を合わせながら警戒心を高めていき……
「九条さん………もう少し、仲間を頼るという事を覚えないとダメですよ。」
「……………へっ?」
「ソフィやロイドさんを危険な事に巻き込みたくないという想いは承知してますが、そうだとしてもやはり1人で」
「ちょちょちょ、ちょっと待って下さい!あ、あの!いきなり何の話ですか!?」
「いえ、ですからもう少し仲間を頼るという事を覚えて下さいと言う話です。色々と心当たりがあるんじゃないですか。」
「あっ、まぁ、あるっちゃありますけど………」
「そうですよね?貴方は大切な人の為ならば危険だと分かっている場所に1人で乗り込んでしまう……それは素晴らしい事だとは思いますが、後に残された者からすればとても辛い事なんですよ。自分の大切な人が自分の知らない所で傷を負って」
「あ、あの!言われている事は心にグサグサと刺さってくるんですけど……どうしてソレをガドルさんの口から聞かされないといけないんですか!?
「……実はその、ソフィから頼まれてしまいまして……」
「ソ、ソフィが!?一体何を頼んだって……」
「……九条さんはすぐに1人で無茶をするから何度もお説教をしているけど、私達が何度言ってもソレが治らない。だからぱぱから言って欲しいと……」
「な、なんじゃそりゃ………ま、まさかとは思いますが……その為に……ここに?」
「……そうですね、街中で説教をするという訳にもいきませんでしたので。」
「…………ガドルさん……頼みますから……そんなお願いは断って下さいよ……」
「すみません……今の私はソフィとサラさんに逆らえませんので……」
「「……はぁ~……」」
ガドルさんと揃って肩を落としながらため息を零した俺は緊張感が無くなった事にドッと疲れてしまい、思わず両膝に手を置いて地面に崩れ落ち掛けていた……
「何と言うか………ご迷惑をお掛けしてしまってすみませんでした……」
「いえいえ……ですが九条さん、私も多少ですがソフィの意見に同意しています。」
「……え?」
「九条さん、貴方は覚悟を決めたら止まらずに突き進んでいく人ですよね。」
「それは……どうなんですかね。自分ではよく分かりませんが……」
「自覚が無い……だからこそ、ソフィはその事をとても心配しているんです。自分の知らない所で九条さんが無茶をしているんじゃないかと思って……そんな訳なので、あんまりあの子や仲間の方を悲しませない様に何かあれば頼ってあげて下さい。」
「………頑張ります。」
「ははっ、約束をしてくれない所が九条さんの性格を表していますよね。」
「むぅ………」
どうにも反論する事が出来ずにただ唸り声を上げているとガドルさんが気を遣ってくれたのかどうなのか分からないが、納品作業を始めましょうを言い出してくれた。
その言葉に甘えてネットを取り出して彼の言葉に同意をした俺は、居心地の悪さを微妙に感じながら倒したモンスターを納品してくのだった。
それから数分後、無事に全てのモンスターを転送した俺達は陽が暮れる前に急いで森を抜け出すとそのまま街まで戻って行くのだった。
「いやぁ、顔が知れ渡ってしまっていると言うのも困りものですね。まさか似た様なクエストを受ける事になってしまうなんて……九条さん、大丈夫ですか?」
「はぁ……はぁ……だ、大丈夫です……」
受付のお姉さんめぇ……俺達にしか頼めないんですとか言って可愛らしく微笑んできやがって……思わず引き受けちまったじゃねぇかこんちきしょう!
「それにしても、またこの辺りにしては珍しく強いモンスターでしたね。」
「え、えぇ……本来なら、もっと森の奥深くに生息しているはずの奴らですから……って言うか、前も疑問に思いましたが何でこんな危険な奴が街の近くに……」
「うーん……斡旋所で聞いた話では怪しい格好の人物達がその付近の森に出入りしていてそれが関係しているらしいとの事でしたけど……詳しい事はまだ分かっていないみたいですね。」
「はぁ……随分と迷惑な連中が居たものですね……」
「ははっ、本当ですね。さてと、それではそろそろ納品作業を」
「ガドルさん!……その前に、俺に話があるんじゃないですか?」
「……やはり、分かっていましたか。」
「まぁ、この間と全く同じ展開に遭遇すれば誰だってそうなんじゃないかって予想をすると思いますよ……それで、俺に一体何の用なんですか?」
もし仮に……本当に仮にの話になるが、またこの人が敵対する様な行動を取るって言うんなら……俺も本当に覚悟を決めるしかないだろうな。
そんな風に腹をくくってガドルさんを見据えた俺は、真剣な眼差しを浮かべている彼と目を合わせながら警戒心を高めていき……
「九条さん………もう少し、仲間を頼るという事を覚えないとダメですよ。」
「……………へっ?」
「ソフィやロイドさんを危険な事に巻き込みたくないという想いは承知してますが、そうだとしてもやはり1人で」
「ちょちょちょ、ちょっと待って下さい!あ、あの!いきなり何の話ですか!?」
「いえ、ですからもう少し仲間を頼るという事を覚えて下さいと言う話です。色々と心当たりがあるんじゃないですか。」
「あっ、まぁ、あるっちゃありますけど………」
「そうですよね?貴方は大切な人の為ならば危険だと分かっている場所に1人で乗り込んでしまう……それは素晴らしい事だとは思いますが、後に残された者からすればとても辛い事なんですよ。自分の大切な人が自分の知らない所で傷を負って」
「あ、あの!言われている事は心にグサグサと刺さってくるんですけど……どうしてソレをガドルさんの口から聞かされないといけないんですか!?
「……実はその、ソフィから頼まれてしまいまして……」
「ソ、ソフィが!?一体何を頼んだって……」
「……九条さんはすぐに1人で無茶をするから何度もお説教をしているけど、私達が何度言ってもソレが治らない。だからぱぱから言って欲しいと……」
「な、なんじゃそりゃ………ま、まさかとは思いますが……その為に……ここに?」
「……そうですね、街中で説教をするという訳にもいきませんでしたので。」
「…………ガドルさん……頼みますから……そんなお願いは断って下さいよ……」
「すみません……今の私はソフィとサラさんに逆らえませんので……」
「「……はぁ~……」」
ガドルさんと揃って肩を落としながらため息を零した俺は緊張感が無くなった事にドッと疲れてしまい、思わず両膝に手を置いて地面に崩れ落ち掛けていた……
「何と言うか………ご迷惑をお掛けしてしまってすみませんでした……」
「いえいえ……ですが九条さん、私も多少ですがソフィの意見に同意しています。」
「……え?」
「九条さん、貴方は覚悟を決めたら止まらずに突き進んでいく人ですよね。」
「それは……どうなんですかね。自分ではよく分かりませんが……」
「自覚が無い……だからこそ、ソフィはその事をとても心配しているんです。自分の知らない所で九条さんが無茶をしているんじゃないかと思って……そんな訳なので、あんまりあの子や仲間の方を悲しませない様に何かあれば頼ってあげて下さい。」
「………頑張ります。」
「ははっ、約束をしてくれない所が九条さんの性格を表していますよね。」
「むぅ………」
どうにも反論する事が出来ずにただ唸り声を上げているとガドルさんが気を遣ってくれたのかどうなのか分からないが、納品作業を始めましょうを言い出してくれた。
その言葉に甘えてネットを取り出して彼の言葉に同意をした俺は、居心地の悪さを微妙に感じながら倒したモンスターを納品してくのだった。
それから数分後、無事に全てのモンスターを転送した俺達は陽が暮れる前に急いで森を抜け出すとそのまま街まで戻って行くのだった。
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