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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第367話

「ふぅ、これでやれる事はやったし……この後はどうすっかねぇ……」

 あいつ等はサラさんと最後の女子会をしてくるって出掛けて行ったからしばらくは帰って来ないだろうし……だからって何も無い家の中で1人寂しく過ごすのも流石に時間を無駄にしている感が凄いし……

「ってこの状況、前にもあった気が……」

 その時は暇つぶしになればと思って闘技場に足を運んで……あっと言う間に財布の中がすっからかんになっちまったんだよなぁ……

「うーん、それじゃあ今日は負けた分を取り返す為にリベンジを……いやいや、俺にギャンブルの才能が無いのはあの時に嫌ってぐらい分かったじゃねぇか……よしっ、とりあえず本屋にでも行って未開拓のラノベでも探してみるか……」

 そんな独り言を呟きながら予定を決めてちゃっちゃと出掛ける支度を済ませた俺は必要最低限の荷物だけをポーチに詰めると、玄関の扉に掛かっていた鍵を外して家を出て行くのだった。

 それから数十分ぐらいが経った後、思いのほか収穫のあった本屋を後にして近場にあった店で昼飯を食べた俺は………

「ま、またここに来てしまった……」

 俺は自分自身に呆れながら目の前にそびえ立っている闘技場を見上げると、熱気に溢れている観客達にジッと視線を送って……

「い、いやダメだ!どう考えても負け戦だろうが!それに今日の試合はメチャクチャ荒れているって話だから、掛けた所でまた………まぁ、見物するだけなら……ね?」

 そう!これは別に賭け事をやりに行く訳ではない!ただその……対人戦の参考に?ちょっとでもなれば良いかなって思っているだけだ!

 自分自身に言い聞かせる様に心の中で何度も同じ言葉を繰り返しながら闘技場内に入って行った俺は、すぐさま観客席に向かい行われる試合を見て行ったんだが……!

「ぐっ……この試合も俺の予想していた方が勝った……!おい!これで3連続だぞ?もしガッツリ掛けてたら……いやいや、ダメだっ!そもそもの話、俺の財布には金が無い……訳じゃ……ないけど………」

 ガドルさんに渡しそびれている報酬がポーチに入ってるからソレを……って、俺は何を考えているんだ!?うん、やっぱりこの場所は俺にとっては悪影響だな!そうと分かったらとっとと帰ろう………って、えっ?!

「こんにちは九条さん。まさか、またここでお会いするとは思いませんでしたよ。」

「ガ、ガドルさん!?ど、どうしてここに……」

「ははっ、そう言う九条さんはどうしてですか?もしかして、また勝負を?」

「い、いやいや!勝負はしてません!今日はその……ちょっとした見学に……」

「なるほど、そういう事でしたらお時間は空いていますよね?」

「え、えぇまぁ……どうしてですか?」

 まさかの出会いを果たしたガドルさんに驚き戸惑いながらそう尋ねると、彼は俺に向かってニコっと微笑みかけてきて……

「……九条さん、もしよろしければ……私とクエストに行きませんか?」

「…………えっ?」

 ガドルさんの口から以前と似た様な台詞が飛び出してきた次の瞬間、心臓が跳ねる様な感覚が全身を駆け巡ってきてさっきまで聞こえていたはずの歓声が耳に届かなくなってしまい………

「いかがですか……九条さん。」

「………………分かりました、行きましょう。」

 どれだけの時間が経ったのか分からないぐらいの時に再びガドルさんに尋ねられた俺は、覚悟を決めると彼に言葉に同意をして闘技場を後にして斡旋所に向かった……

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