おっさんの異世界生活は無理がある。
第358話
どうしたら良いのか分からないまま街まで戻って来た俺は、念の為クエストを達成した報告を済ませる為に斡旋所に向かって行った。
そこでガドルさんがまだ来ていない事を聞いた後に報酬の入った袋を受け取る事になった後、俺は寄り道もせずに帰路を歩て行くのだった。
「ただいまでーす!おじさん、帰りましたよー!」
「おう!すぐそっちに行く。」
家に帰って来てから数時間近くが過ぎて夕飯の用意をしていると、玄関からマホの声が聞こえてきたので俺は返事をしながら皆を出迎えに向かった。
「えへへ、おじさん!今日はですね、とっても充実した1日だったんですよ!」
「あぁ、お前達が両手に抱えている紙袋を見ればよく分かるよ……つーか、どんだけ買い込んで来たんだよ……」
「そうだね、ざっと数えて20着ぐらいかな。」
「うふふ、ちょっと多すぎでしたかね。」
「こんなに要らないって言ったのに……」
「な、なるほど……ほとんどソフィの服って事か……」
「はい!色々な種類の服を買いましたから、楽しみに待っていて下さいね!」
「……待っていた所で、機会が訪れるとは思えないけどな。」
これまでにも結構な服を買ってきた気がするけど、ソフィがそれらを着ているのを見た覚えはほとんど無いからなぁ……
「うふふ、ソフィちゃんならきっと着てくれますよ。ね?」
「……九条さんが見たいって言うなら。」
「あはは……それじゃあ、何時になるか分らんがお願いさせてもらおうかねぇ。」
「……うん、分かった。」
小さな笑みを浮かべたソフィを見ながら自然と口角が上がっていた俺は、森の中でガドルさんとしたやり取りを改めて思い返してみた。
……あの時からずっと彼の言っていた事が正しいのかどうか考えていたが、俺にはどうしてもソフィが孤高でいなければならないとは思えないんだよな……だってさ、こんなにも幸せそうに笑っているんだから。
「っとそうだ、皆はもう晩飯は食べたのか?もしまだならすぐに用意するけど。」
「あっ!それじゃあお願いします!実はもうお腹がペコペコでして……ソフィさんとサラさんもご一緒に食べていかれますか?」
「あぁいえ、お誘いして頂いたのは嬉しいんですが今日は家族で食事をと思っていた所でしたので……」
「そうなんですか……では、機会がありましたらまた!」
「はい、それでは皆さん。失礼させていただきます。」
「えぇ、それではまた。ソフィ、いってらっしゃい。」
「うん、いってきます。」
そう言ってサラさんと手を繋いで去って行ったソフィを見送った後に皆とリビングまで戻って行った俺は、途中だった夕食作りに取り掛かった。
「ご主人様!私も手伝いますよ!」
「おう、じゃあそっちにある食材を切っておいてくれ。」
「はい、分かりました!そう言えばご主人様、今日はどんな風に過ごしてたんです?もしかしてずうっとゴロゴロしてたんですか?」
「はっはっは、実はな……今日は闘技場に行って来たんだよ。」
「おや、そうなのかい?」
「あぁ、そうしたら偶然ガドルさんに会ってな……その流れで討伐クエストを受ける事になったんだよ。」
「えっ!どうしてそんな流れに…………ってまさかとは思いますが……」
「……それ以上は……聞かないでくれるかな。」
「はぁ、そういう事でしたか……ご主人様、きちんとガドルさんにお礼を言わないとダメですよ。」
「……機会があればな。」
変に包み隠そうとすれば必ずその裏であった事がバレだろうと思った俺は、適度に真実を織り交ぜながら今日の出来事を2人に話ていくのだった。
……もし仮に何があったのかをこいつ等に教えれば、ガドルさんに対してよくない印象を持っちまうだろうからな……彼の意図が分かるまでは、今日の事は自分の胸の内に隠しておくとしますかね。
そこでガドルさんがまだ来ていない事を聞いた後に報酬の入った袋を受け取る事になった後、俺は寄り道もせずに帰路を歩て行くのだった。
「ただいまでーす!おじさん、帰りましたよー!」
「おう!すぐそっちに行く。」
家に帰って来てから数時間近くが過ぎて夕飯の用意をしていると、玄関からマホの声が聞こえてきたので俺は返事をしながら皆を出迎えに向かった。
「えへへ、おじさん!今日はですね、とっても充実した1日だったんですよ!」
「あぁ、お前達が両手に抱えている紙袋を見ればよく分かるよ……つーか、どんだけ買い込んで来たんだよ……」
「そうだね、ざっと数えて20着ぐらいかな。」
「うふふ、ちょっと多すぎでしたかね。」
「こんなに要らないって言ったのに……」
「な、なるほど……ほとんどソフィの服って事か……」
「はい!色々な種類の服を買いましたから、楽しみに待っていて下さいね!」
「……待っていた所で、機会が訪れるとは思えないけどな。」
これまでにも結構な服を買ってきた気がするけど、ソフィがそれらを着ているのを見た覚えはほとんど無いからなぁ……
「うふふ、ソフィちゃんならきっと着てくれますよ。ね?」
「……九条さんが見たいって言うなら。」
「あはは……それじゃあ、何時になるか分らんがお願いさせてもらおうかねぇ。」
「……うん、分かった。」
小さな笑みを浮かべたソフィを見ながら自然と口角が上がっていた俺は、森の中でガドルさんとしたやり取りを改めて思い返してみた。
……あの時からずっと彼の言っていた事が正しいのかどうか考えていたが、俺にはどうしてもソフィが孤高でいなければならないとは思えないんだよな……だってさ、こんなにも幸せそうに笑っているんだから。
「っとそうだ、皆はもう晩飯は食べたのか?もしまだならすぐに用意するけど。」
「あっ!それじゃあお願いします!実はもうお腹がペコペコでして……ソフィさんとサラさんもご一緒に食べていかれますか?」
「あぁいえ、お誘いして頂いたのは嬉しいんですが今日は家族で食事をと思っていた所でしたので……」
「そうなんですか……では、機会がありましたらまた!」
「はい、それでは皆さん。失礼させていただきます。」
「えぇ、それではまた。ソフィ、いってらっしゃい。」
「うん、いってきます。」
そう言ってサラさんと手を繋いで去って行ったソフィを見送った後に皆とリビングまで戻って行った俺は、途中だった夕食作りに取り掛かった。
「ご主人様!私も手伝いますよ!」
「おう、じゃあそっちにある食材を切っておいてくれ。」
「はい、分かりました!そう言えばご主人様、今日はどんな風に過ごしてたんです?もしかしてずうっとゴロゴロしてたんですか?」
「はっはっは、実はな……今日は闘技場に行って来たんだよ。」
「おや、そうなのかい?」
「あぁ、そうしたら偶然ガドルさんに会ってな……その流れで討伐クエストを受ける事になったんだよ。」
「えっ!どうしてそんな流れに…………ってまさかとは思いますが……」
「……それ以上は……聞かないでくれるかな。」
「はぁ、そういう事でしたか……ご主人様、きちんとガドルさんにお礼を言わないとダメですよ。」
「……機会があればな。」
変に包み隠そうとすれば必ずその裏であった事がバレだろうと思った俺は、適度に真実を織り交ぜながら今日の出来事を2人に話ていくのだった。
……もし仮に何があったのかをこいつ等に教えれば、ガドルさんに対してよくない印象を持っちまうだろうからな……彼の意図が分かるまでは、今日の事は自分の胸の内に隠しておくとしますかね。
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