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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第346話

 ファントリアスでかなりの戦闘経験を積んできたおかげで帰りの道中に襲って来たモンスターを楽々と討伐しまくる事が出来た俺達は、予定時刻よりも少しだけ早めに目的の村に到着するとのんびりしながら時間を過ごして宿屋で夜を迎えるのだった。

「ふぅ、この調子なら何事も無いまま王都に辿り着けそうだね。」

「あぁ……そうだな………」

「おや、声に元気が無いがどうしたんだい九条さん。何か心配事でもあるのかい?」

「……まぁ、あるっちゃあるな。」

 ロイドの問いかけに返事をしながらチラッと真正面を見てみると、そこには大きなマップを広げながら楽しそうに話をしているマホとレミの姿があって……

「ふっふっふ、明日はいよいよ王都じゃな……マホよ、それなりに値段のする菓子を扱っている店の場所は把握しておるじゃろうな?」

「えぇ、勿論ですよ!既に幾つか候補は見つけてあります!」

「うむ、それは頼もしい限りじゃな!それならば、何処から行くかの相談を……」

「……そこの2人さん、確かに何でも買ってやるって言ったけど限度があるからな?クエストでそれなりに稼ぎはあったけど、そこら辺は考えろよマジで。」

「はっはっは!そんな事を言われずとも分かっておるわ!……まぁ、だからと言って遠慮をする訳ではないがな。」

「安心して下さいご主人様!お財布の中身がギリギリ残る様に配慮しますから!」

「……ねぇ、それでどうやって安心すれば良いのか教えてくれませんかね?」

「まぁまぁ、もしもの時は私に頼ってくれれば良いからさ。」

「いや、流石にそれは大人として情けなさすぎるから……ってそうだ、お前達に提案したい事があるんだった。」

「……なに?」

「明日、王都に付いたら闘技場に寄ろうと思ってるんだ。ほら、もしかしたら戻って来てるかもしれないだろ?」

「ふむ、確かにその可能性はあるかもしれないね……私は賛成するよ。」

「私もです!」

「言わずもがな、わしも賛成しよう。」

「……良いの?」

「あぁ、俺としてもいい加減に挨拶しておきたいと思ってた所だったからな。大事な娘さんを預かっている身としては、きちんと報告しときたいしさ。」

「……ありがとう。」

「おう、別に礼を言われる事でもないんだけどな……そう言えば、ソフィの両親ってどんな感じの人達なんだ?やっぱり雰囲気はお前に似てるのか?」

「それは……よく分からない。そんな事、誰かに言われた覚えが無いから。」

「おや、そうなのかい?ご両親と共に過ごしていた時はどうなんだい?」

「その時はぱぱとままに鍛えてもらってばっかりだったから、知らない人と関わった記憶が無い。」

「へぇー……って言うか、そんなに幼い頃から強くなるのに夢中だったのかよ……」

「うん、この世界で生き抜く為には強くならなきゃダメって言われてたから。」

「そうだったんですか……それじゃあソフィさんが強くなりたいって思う様になったのは、ご両親の影響なんですね!」

「多分、そうだと思う。」

「……だとしたら、親御さんも戦闘が大好きって事か……俺、殺されないかな?」

「………大丈夫?」

「ソフィ……そこは出来れば即答をしてほしかった……!」

「ま、まぁまぁ!きっと大丈夫ですよ!それよりもほら、もう良い時間になりましたからそろそろ寝るとしましょう!出発時間に遅れる訳にはいきませんからね!」

「……不安だ……」

 最下級のEランクとは言え、そこで王者を続けられるぐらいにソフィを育て上げたご両親だろ……そんな人達に一緒に暮らしている事がバレたりしたら…………うん、明日は闘技場に寄る前に菓子折りを買いに行かなくては!俺の命を護る為にっ!

 そんな固い決意を胸にしながら自分の部屋にあるベッドに素早く潜り込んだ俺は、不安を感じない内に寝ようと必死になって目を閉じ続けるのだった!

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