おっさんの異世界生活は無理がある。
第333話
「皆さん、朝も早いと言うのにお見送りに来て頂いてありがとうございます。」
「いえいえ、色々とお世話になったんですからこれぐらいは当然ですよ!それよりも聞きたい事があるんですけど、こちらの馬車に積まれた荷物って全てフラウさんの物なんですか?」
「えぇ、今回のイベントの為に王都から運び込んだんです。」
「なるほど、大掛かりの舞台装置のほとんどはフラウさんの所持物だったんだね。」
「はい、設置等は街の方達に手伝ってもらいましたけどね。」
「まぁ、これだけの大荷物を1人でどうこう出来るはずもないからのう!……っと、どうやら出発の時刻が近づいてきたみたいじゃな。」
カランカランと鳴り響いてきたベルの音を聞いたレミがそう言うと、フラウさんが俺達の方に向き直ってニコっと微笑みかけてきた。
「うふふ、非常に名残惜しいですがこれでお別れみたいですね。皆さん、またいつかお会い出来る日を楽しみにしていますね。」
「あぁ、それではまたね。フラウさん。」
「ばいばい。」
「王都に向かう道中、モンスターには気を付けるのじゃぞ!」
「今度はきちんとイベントの抽選に参加して見に行ける様に頑張らせて貰うよ。」
「えへへ!それがダメだった時は頼っちゃうかもしれませんけど、その時はよろしくお願いしますね!」
「はい、特等席をご用意させて頂きますね。それでは皆さん、失礼致します。」
そう言ってフラウさんは可憐な笑みを浮かべながらお辞儀をしてみせると、馬車に乗り込んでファントリアスを去って行くのだった。
「……さてと、それじゃあ見送りも終わった事だし宿に……って、あれ?向こうからこっちに来てるのは……ローザさんか?」
「そうみたいだね、真っすぐ私達の方に来ているから何か用事だろうか?」
「さぁな……よく分からんが、とりあえず挨拶はしておくか。」
ついでに昨日の件についてどうなったのか聞いてみるとしますか……ローザさんの事だから、教えてくれるとは限らねぇけどな。
「おはよう、朝早くからここに居るという事はフラウさんの見送りか?」
「えぇ、そっちは……警備隊のお仕事ですよね?」
「その通りだ。それよりもお前達、昨日の情報の提供には感謝する。」
「あぁいえ、お役に立てたのなら……って、どうでしたか?やっぱり俺達が見つけたあの痕跡って、例の行方知れずになっている……」
「恐らくはそうだろう。だが残念な事に、車輪の跡は途中で消失していた為に馬車の存在自体は確認が出来なかったがな。」
「そうですか……」
「しかし馬車が向かっていた先は判明したと言えるだろうな。」
「ふむ、それはもしかしなくても山頂にある城の事か?」
「そうだ。」
「じゃあ、その周囲の探索は……したけど何も出なかったんですね。」
「あぁ……だがまぁ、そんなに心配する必要も無いだろう。あの城の入口には強力な封印が施されているから誰にも立ち入る事が出来ないからな。」
「へぇ、そうなんですか……封印………」
あーあー嫌だなぁ……どうして俺の周りには不吉なフラグばっかりあるんだよ……だけど今回はフラウさんのイベントって言うヤバそうなやつもあったけど、特に何も起きずに終わったし……そんな心配する必要もないのかねぇ?
「さてと、すまないがそろそろ失礼させてもらう。これから街の巡回と昨日の調査の続きをする為の部隊を編成しなくてはいけないんでな。」
「あっ、じゃあ俺達もこれで……お仕事、頑張って下さい。」
「うむ、それではな。」
ビシッと背筋を正して俺達の顔を見回したローザさんは、シッカリとした足取りで歩き去って行くのだった。
「……そんじゃあ、今度こそ宿に戻るとしますかね。」
「そうですね!その後は……」
「お土産でも見て回ろうか。当然だけど、ウィルさん達のお店にも寄ってね。」
「うん、そうだね。」
「はっはっは!そういう事ならばさっさと支度をせねばな!ほれ、駆け足じゃ!」
「はいはい、分かりましたよっと。」
それから俺達はレミに促されるまま小走りで宿屋に戻って行くと、身支度を整えて皆に渡すお土産を買う為に大通りをブラブラと歩き回るのだった。
「いえいえ、色々とお世話になったんですからこれぐらいは当然ですよ!それよりも聞きたい事があるんですけど、こちらの馬車に積まれた荷物って全てフラウさんの物なんですか?」
「えぇ、今回のイベントの為に王都から運び込んだんです。」
「なるほど、大掛かりの舞台装置のほとんどはフラウさんの所持物だったんだね。」
「はい、設置等は街の方達に手伝ってもらいましたけどね。」
「まぁ、これだけの大荷物を1人でどうこう出来るはずもないからのう!……っと、どうやら出発の時刻が近づいてきたみたいじゃな。」
カランカランと鳴り響いてきたベルの音を聞いたレミがそう言うと、フラウさんが俺達の方に向き直ってニコっと微笑みかけてきた。
「うふふ、非常に名残惜しいですがこれでお別れみたいですね。皆さん、またいつかお会い出来る日を楽しみにしていますね。」
「あぁ、それではまたね。フラウさん。」
「ばいばい。」
「王都に向かう道中、モンスターには気を付けるのじゃぞ!」
「今度はきちんとイベントの抽選に参加して見に行ける様に頑張らせて貰うよ。」
「えへへ!それがダメだった時は頼っちゃうかもしれませんけど、その時はよろしくお願いしますね!」
「はい、特等席をご用意させて頂きますね。それでは皆さん、失礼致します。」
そう言ってフラウさんは可憐な笑みを浮かべながらお辞儀をしてみせると、馬車に乗り込んでファントリアスを去って行くのだった。
「……さてと、それじゃあ見送りも終わった事だし宿に……って、あれ?向こうからこっちに来てるのは……ローザさんか?」
「そうみたいだね、真っすぐ私達の方に来ているから何か用事だろうか?」
「さぁな……よく分からんが、とりあえず挨拶はしておくか。」
ついでに昨日の件についてどうなったのか聞いてみるとしますか……ローザさんの事だから、教えてくれるとは限らねぇけどな。
「おはよう、朝早くからここに居るという事はフラウさんの見送りか?」
「えぇ、そっちは……警備隊のお仕事ですよね?」
「その通りだ。それよりもお前達、昨日の情報の提供には感謝する。」
「あぁいえ、お役に立てたのなら……って、どうでしたか?やっぱり俺達が見つけたあの痕跡って、例の行方知れずになっている……」
「恐らくはそうだろう。だが残念な事に、車輪の跡は途中で消失していた為に馬車の存在自体は確認が出来なかったがな。」
「そうですか……」
「しかし馬車が向かっていた先は判明したと言えるだろうな。」
「ふむ、それはもしかしなくても山頂にある城の事か?」
「そうだ。」
「じゃあ、その周囲の探索は……したけど何も出なかったんですね。」
「あぁ……だがまぁ、そんなに心配する必要も無いだろう。あの城の入口には強力な封印が施されているから誰にも立ち入る事が出来ないからな。」
「へぇ、そうなんですか……封印………」
あーあー嫌だなぁ……どうして俺の周りには不吉なフラグばっかりあるんだよ……だけど今回はフラウさんのイベントって言うヤバそうなやつもあったけど、特に何も起きずに終わったし……そんな心配する必要もないのかねぇ?
「さてと、すまないがそろそろ失礼させてもらう。これから街の巡回と昨日の調査の続きをする為の部隊を編成しなくてはいけないんでな。」
「あっ、じゃあ俺達もこれで……お仕事、頑張って下さい。」
「うむ、それではな。」
ビシッと背筋を正して俺達の顔を見回したローザさんは、シッカリとした足取りで歩き去って行くのだった。
「……そんじゃあ、今度こそ宿に戻るとしますかね。」
「そうですね!その後は……」
「お土産でも見て回ろうか。当然だけど、ウィルさん達のお店にも寄ってね。」
「うん、そうだね。」
「はっはっは!そういう事ならばさっさと支度をせねばな!ほれ、駆け足じゃ!」
「はいはい、分かりましたよっと。」
それから俺達はレミに促されるまま小走りで宿屋に戻って行くと、身支度を整えて皆に渡すお土産を買う為に大通りをブラブラと歩き回るのだった。
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