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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第323話

遅れて屋敷から出て来た皆を引き連れて早足で大通りの方まで戻って行った俺は、激しく動いている鼓動を鎮める為に膝の上に手を置いて深呼吸を繰り返すのだった。

「おじさん、大丈夫ですか?近くのお店で飲み物でも買って来ますか?」

「いや、しばらく休んでれば落ち着くと思うからそんなに気を遣わなくても良い……それよりも皆さん、色々と騒がしくてしまって本当にすみませんでした。」

「あぁいえ、私達もドクターがああいった方だと説明するのを忘れていましたし……本当にすみませんでした。」

「ふふっ、このままだと2人がずっと謝り続ける展開になりそうだからこういう時はお互いが悪かったという事で決着を付けるとしようか。」

「……そう言うのは、もう2,3回ぐらい謝罪を続けた後に言われるもんだと思っていたんだけどな。」

「はっはっは、そんなのは時間の無駄というものじゃぞ!それよりも九条よ、わしは腹が減ってきたぞ!」

「はぁ?そんな事を言われても、こんな時間に何か食ったら昼飯が入らねぇだろ……いや、お前の場合はそんな心配する必要は無いか……」

「うむ!そう言う訳じゃから九条、何処かで飯を食べよう!それが無理ならそこらの店で何か買ってくれ!それもダメならお主が持っておる土産をじゃな……!」

「アホか!これはフラウさんに渡す土産だって言ってんだろうが!ったく……あの、すみませんがここら辺で手軽に何か食べられるお店ってありますかね?」

「あぁ、そういう事でしたらすぐ近くにレストランがありますんでご案内しますよ。そこで少し早いですがお昼ご飯にしましょうか。」

「き、気を遣って下さってありがとうございます……」

「はっはっは、礼を言うぞ!それでは、早速じゃが店に向かうとするかのう!」

「はぁ……案内される側のお前が仕切ってどうすんだよ………」

つーか、本当に食欲旺盛だなこの神様は……もしかして信仰心で集められない力を飯を食って蓄えてるのか?もしそうなら……いや、そんな事はどうでも良いか……

精神的な疲労感のせいで考えるのが面倒になった俺は、静かにため息を零しながらクラリスと手を繋ぐキャシーさんの後について行きファミレスっぽい店に足を運ぶと朝飯を食ってからそんなに経ってないが料理を注文して昼飯を食べ始めるのだった。

「……そう言えば、九条さん達はこの後の予定はどうなさるおつもりなんですか?」

「あぁ、知り合いがこの街でイベントを開催するらしいのでその会場でも見に行こうかと思っていて……皆さんは?この後は何かご予定はあるんですか?」

「いえ、私達は特に何かあるって訳じゃ無いんですけど……もしご迷惑でなければ、私達も皆さんにご同行させて頂いてもよろしいですか?実は、私達もそのイベントを見に行く事になっているので……」

「えっ、そうだったんですか!?」

「ふふっ、これは凄い偶然……いや、必然かな?フラウさんのイベントは凄いから、誰もが拝見してみたいと思っているはずだからね。」

「はい、だから2週間程前に抽選会には街中の人が集まって来たんですよ。」

「へぇ、それなら今度のイベントはきっと大盛り上がり間違いなしですね!」

「あぁ、ミューズの街でも大盛況だったからなぁ……って考えると、そんな凄い人に気軽に会いに行って良いのか悩んじまう所だが……」

「そんな心配しなくても大丈夫ですって!だってフラウさんはそんな事で怒る様な、心の狭い人じゃ無いんですからね!」

「それにイベントの準備に追われている可能性が高いから、そもそも会えるかどうかすら怪しいぐらいだからね。」

「それもそうだな……まぁ、その時はその時で関係者の方に持ってきた土産を渡して俺達が来てるって事を伝えてもらうとするか。」

「ですね!よしっ、そうと決まれば早くお昼ご飯を食べてイベントを開催する会場に行ってみましょうか!運が良ければフラウさんに会えるかもですし!」

「えへへ!それじゃあどっちがごはんをはやくたべられるのか、きょうそうだね!」

「はい!負けませんよ!」

「はっはっは、そういう事ならわしも本気を出させてもらうとしようかのう!」

「クラリス、ご飯はよく噛んで食べないとダメでしょ。」

「お前達もそんなに急いだってしょうがないんだから、落ち着いて食べなさい。」

そんなしょうもない注意をしながら少し早めに昼飯を食べ終えた俺達は、さっさと会計を済ませるとイベントの会場に行く為にファントリアス正門の反対側に位置する大きな建物の方に歩いて向かうのだった。

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