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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第308話

【どんな人でもすぐ分かる!ファントリアスの歴史!】……というたった数ページしかなくて激安だった本を何とも言えない複雑な感情を抱きながら渋々開いた俺は、初っ端からイラスト付きで書かれている内容を皆と一緒に読み進めていった。

「ファントリアスが誕生したのは今から数百年前の事で、人とは異なる種族の者達が寄り集まって築き上げられたと言われているんです!って、何でこっちに呼びかける感じの文章なんだよ……いや、それより異なる種族ってのはどう言う意味なんだ?」

「おや、もしかして九条さんは知らないのかい?魔人種と呼ばれる存在の事を。」

「ま、魔人種?何だソレ………マホ、知ってるか?」

「はい!魔人種と言うのはですね、人とは異なる種族の総称みたいなものなんです!簡単に言ってしまえば、私もそう呼ばれる存在って事ですね!」

「な、なるほど……でも総称って事は、色々な種族が存在しているって事なのか?」

「うん、そうだね。代表的な所で言えばドワーフ族やエルフ族、ドラゴン族や悪魔族といった者達が存在しているよ。」

「おぉ……!」

まさかそんな異世界ファンタジー代表みたいなのがこの世界に存在していたとは!でも、こっちに来てから結構経つけどそれらしいのを見かけた覚えが無いんだが……

「それじゃあご主人様、本の続きを見てみましょうよ!」

「あ、あぁ……」

浮かび上がって来た疑問が残ったまま次のページに進んだ俺は、そこに書いてある文章を読んで思わずマホと揃って顔をしかめてしまうのだった。

「人とは違う容姿の為に迫害を受けたり……心無い人達に捕まってしまい商品として売られたりした過去がありって………これ、本当だとしたら最悪ですね……」

「そうだな……なんつーか、ドロドロとした歴史の闇を見た感じがするな……」

そんな事を呟きながら次のページに進んで行くと、そこには更にビックリする様な事が記されていた。

「ふむ、授業で習ってはいたが……本当に人間と戦争状態になりかけていたのか。」

「うへぇ……どんだけヤバい歴史を積み重ねて来てんだよこの街は……」

「今はそんな敵対する関係ではないって書いてありますけど……ちょっとだけ不安になってきましたね……」

「あぁ……フラウさんもよくこの街でイベントを開催する気になったもんだな……」

「ふふっ、彼女が平和への架け橋になっているのかもしれないね。」

「……もし仮にそうだとしたら、俺はフラウさんを女神様として認定するわ。」

「えぇ、私もそうします……」

一応、本物の神様が身近に存在しちゃいるが……あっちは何と言うか、お子様感が抜けきって無いからそういう風には見れないんだよな。

「まぁ、それはどうでも良いか……そんで次のページはっと……そんな歴史がある街みたいなので、この本を読んでいる皆さんがファントリアスに行く時はこういう事があったんだよというのを忘れないで下さいね!……はぁ、最後までこの口調かよ。」

「あはは……この先に載っているのは、ファントリアスにある宿屋さんやお店の情報みたいですね。」

「ったく、どういう本なんだよコレは……まぁ、助かるっちゃ助かるけどさ。」

「ふふっ、これで泊まる為の宿は探せそうだね。」

「……しゃあない、コレを使って旅行の計画を立てるとしますかね。」

「はい!そうと決まればまずは……」

歴史書なのか観光雑誌なのかよく分からない本を見ながらあーだこーだ言い合って皆と話を進めていきながら、俺は心の中で今回こそは何も起きず平和な旅が出来ますようにと知り合いの小さな神様にお祈りをするのだった……!

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