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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第299話

使い終わった食器を洗ったり風呂に入って1日の疲れを取ったりしながらまったり夜を過ごしていた俺は、何の気なしにスマホを手に取るとそのままソファーに座って久方ぶりにスリープ機能を解除してみた。

「あれ、スマホを起動するなんて珍しいですねご主人様。どうかしたんですか?」

「いや、別にどうしたって事も無いんだが……俺もそれなりにレベルが上がってきたから、そろそろお前の新しい機能についてのお知らせが……………あった。」

「えっ?!ほ、本当ですか!?ちょっと私にも見せて下さいよ!」

「おう……ほら、ここの所だ。」

「えっと、どれどれ……って、このお知らせ3ヶ月前の物じゃないですか!?」

「あぁ、つまり変異種モンスターを討伐した辺りでお前の機能はアップデートされていたって訳だ!うんうん、良かったなマホ!」

「良かったなマホ、じゃありませんよ!どれだけスマホを放置してたんですか!?」

「うーん………お前の髪型が自由に変えられる様になった辺りからだと思うぞ。」

「いや、それってロイドさんのご実家が襲撃された数週間ぐらい前の話ですよね!?もしかしてその日からずっと起動してなかったんですか?!」

「まぁそう言う事になるだろうなぁ……でもしょうがなくね?数ヶ月前ぐらいから、本当にレベルが上がらなくなってきてるからアップデートの確認をする必要性が……っていうか、お前も俺がスマホを見ようとするまですっかり忘れてただろっての!」

「あいてっ!むぅ……確かにそうかもしれませんけどぉ……それだけほったらかしにされてると、私の事なんてどうでも良いのかなーとか思っちゃったりして……」

マホはチョップをされた頭を両手で押さえながら口を尖らせると、いじけた感じでそっぽを向いてしまった。

……その姿を見て大きくため息を零した俺は、これが大きな面倒事に発展するのを防ぐ為に込み上げて来る恥ずかしさを押し殺しながら自分の後頭部を軽く撫でた。

「……どうでも良いだなんて思うはずがないだろうが……スマホに関しては言い訳のしようがないけど……その……お前の事は……本当に大事に想ってる……」

「ご、ご主人様……!ありがとうございます!私もご主人様が大好きです!」

「うぇっ?!ちょっ、いきなり抱き着いてくんなって!つーか大好きとは言ってねぇからな!オイ、聞いてんのか!?」

「おやおや、私達がお風呂に入っている間に随分と盛り上がっているみたいだね。」

「ロ、ロイド?!それにソフィまでいつの間に!?いや、それよりもマホ!頼むから早く離れてくれ!ほら、お前のアップデートされた機能もまだ確かめてないだろ!」

「あっ、そう言えばそうでしたね!」

とびっきりの笑顔を浮かべながら離れて行ったマホから目を逸らしながら落ち着く為に深呼吸を繰り返して……ちょっぴり残った甘い香りに心臓が激しく脈打っていた俺は、両頬をペチペチと叩きながら何とか平静を取り戻すのだった……!

「アップデート?もしかしてマホの出来る事が増えたという事なのかい?」

「はい!って言っても、増えるのはこれからなんですけどね!さぁ、ご主人様!早くスマホにあるお知らせを確認して私に新しい機能を追加して下さい!」

「ったく、誰のせいでこんな状況になってると………まぁ良い、それよりお知らせを開いてみるとするか……」

俺は『NEW』と小さなアイコンが出ている横にある文字をタップして、開かれた画面に書かれた文章に目を通してみた……

「おぉ……きました……きましたよ…………はい!新しい機能が加わりました!」

「マホ、どんな事が出来る様になったの?」

「えへへ、それがですねぇ………むむむむっ!」

目を閉じて両手をグッと握り締めたマホが唸り出してから数秒後、ピンク色だった髪の毛が少しずつ俺と同じ黒色に染まり始めた。

「ふふっ、もしかしてソレが新しく出来る様になった事なのかい?」

「はい!いつでも好きな時に髪の毛の色を変えられる様になりました!どうですか?ご主人様と同じ髪色にしてみたんですけど、似合ってますか?」

「あぁ、とっても可愛いよ。」

「……その髪色だと、九条さんと父娘みたいだね。」

「えっ、本当ですか!そう言って貰えると何だか嬉しくなっちゃいますね!」

「……俺としては、自称娘がこれ以上増えるのは勘弁してもらいたいですね。」

「あっ、そう言えばレミちゃんもご主人様の娘を名乗っていましたね!むむむ………これはどっちがお姉ちゃんが決める必要がありそうですね……」

「そんな事を決める必要は一切ないから!それにお前はいつものピンクの髪色が一番似合ってるんだから、さっさと元の髪色に戻しなさい……って、何だその目は?」

「い~え……んふふ……そうですかぁ……ご主人様はいつもの私が大好きっと……」

「なぁ、アップデートのせいでどっかに不具合でも起きてるんじゃねぇのか?さっきから言ってない言葉がお前に伝わっている気がするんだが……」

「まぁまぁ、そんなに恥ずかしかる事は無いだろう。九条さんが私達を想う気持ちが伝わっているだけなんだからさ。」

「……アレ、もしかしてロイドもおかしくなってんのか?」

「九条さん、ありがとう。」

「……うん、恥ずかしいから真っすぐ俺を見つめて来るのは止めてくれません?」

そんなこんなで使い道が全く無さそうなアップデートの話題で一通り盛り上がった俺達は、眠くなったので自室に戻って終えるのだった。

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