おっさんの異世界生活は無理がある。
第295話
襲い掛かって来たモンスターを適当に倒して納品しながらダンジョンの出入口付近までやって来た俺は、息を切らしてるエルアとイリスが落ち着きを取り戻すのを待つ間にロイドとソフィと周囲の状況を確認してみた。
「……どうやらこのダンジョンに、誰かが挑んでるってのは間違いなさそうだな。」
「あぁ、ここに向かう道中に残っていた戦闘の痕跡がまだ新しかったからね。可能性としては充分に考えられると思うよ。」
「それに道端にあったモンスターの血もまだ乾き切って無かった。」
(それってつまり、クリフさんがダンジョンに入ってからそんなに時間が経ってない可能性があるって事ですよね!)
(……アイツが本当にここに来ていればの話だけどな。もしかしたら、俺達とは全無関係の無い誰かがここら辺で戦闘をしてたって可能性もあるしな。)
(あっ、確かにそうですね……)
(まぁ、実際の所がどうなのかはダンジョンに入ってみれば分かるさ。)
(そうだな……ってか本当に大丈夫なのか?俺達、ダンジョンに挑む事を申請せずにここに入ろうとしてるけど……)
(ふふっ、そんなに心配する必要は無いよ。例え無断でダンジョンに挑んだって事がバレたとしても、規則違反として罰金を払わされるだけだからね。)
(げっ、マジかよ……それって幾らぐらいするんだ?)
(さぁ?正確な金額は分からないけど、そこそこするんじゃないかな。)
(うへぇ……そこそこって響きがメチャクチャ不穏なんですけど……)
こうなったら急いでアイツを連れ戻して街に戻るしかないな!そんでもし、俺達の知らない人達がここに居るのが分かったら、バレる前にとっとと撤退してやる!
「み、皆さん!お待たせしてすみませんでした!」
「いや、そんなに待ってないから大丈夫だよ。それよりも体力の方はもう問題は無いのかい?」
「はい、皆さんのおかげで戦闘が出来るくらいには回復しました。」
「そうか……なら、とっととダンジョンに入るぞ。」
「わ、分かりました!……クリフ君、頼むから無事でいてくれよ……!」
エルアの鬼気迫る声を耳にしながら草木で造られた通路に足を踏み入れた俺達は、アイツの姿を探しながら奥の方に向かって歩いて行った。
「……そう言えば、そもそもどうしてこのダンジョンに挑むなんて話になったんだ?どうせアイツが言い出しのが切っ掛けなんだろうけどさ。」
「あ、あはは……やっぱりバレちゃってましたか……」
「ふふっ、ダンジョンが危険な場所だと知っている2人が率先して挑もうなんて言うとは思えないからね。」
「それにこのダンジョン、推奨レベルは3人のレベルよりも少し高い。」
「そんな所に行こうだなんて言い出す奴は、どう考えても1人しかいないからな……そんで?どういう流れでこんな事に?」
「それがその……クリフ君、九条さんとの勝負に負けた事がどうしても納得する事が出来なかったみたいでして……」
「勝負って……先週の闘技場でやったアレか?」
「はい。あの時の勝負は自身の魔力不足が起こした不幸な事故であって、九条さんに斬られて負けた訳ではないと言っていました。」
「はぁ……もしかしてと予想してたが、マジでそんな言い訳をしてたのかよ……」
「えぇ、他にも色々と……流石にソレはどうかと思うと注意はしてみたんですけど、聞いてはくれなくて……そうしたらイリスさんが……」
「そんなに勝負の結果に不満に感じているのなら、レベルあげて魔力不足をどうにかすれば良いんじゃないかと提案してみたんです。」
「そうしたら……こんな結果に……」
「なるほど……確かにレベルが上がれば魔力量も増えるだろうけど、それにしたってどうしてこのダンジョンなんだ?もうちょい推奨レベルが低いのがあっただろ。」
「より高見を目指すのならば、今の自分よりも強い者と戦うのが手っ取り早い………って、クリフ君がいつもの調子て言い出したんです。」
「いやいや……流石にバカすぎるだろ……」
「九条さんもそう思いますよね……だから僕達は今日、ダンジョンに行こうとしてたクリフ君を何度も説得して止めようとしたんですけど……」
「そんな忠告を聞くのが鬱陶しくなったのか、クリフ君は僕達を残して1人で勝手にダンジョンに挑んでしまったという感じなんです。」
「おやおや、それは何とも自分勝手な少年だね。」
「危険な所に黙って行くのは感心しない。」
「……アレ、おかしいな。背中に圧力の様な物を感じるぞ?」
(はぁ……そういう所もそっくりって事なんですかね。)
(おい、それってどういう意味だ?……マホ、返事をしなさい!)
微妙に居心地が悪くなった気がしながら戦闘の痕跡を追ってダンジョンの奥の方に向かっていたその時、通路全体がいきなり激しく揺れ始めた!?
「っ!こ、これってまさか?!」
「チッ!どうやらマズイ事態が発生したみたいだな!」
「あぁ、どうやらその様だ!九条さん、先頭は任せたよ!」
「分かってる!」
俺は虎徹丸と名付けた日本刀をグッと握り締めるとダンジョンの更に奥を目指して一直線に走って行った!
それからしばらくして通路の先にボス部屋に続いてる植物で造られてる巨大な扉が閉まっているのを見つけた俺はその前に辿り着いた直後、日本刀で人が通れるだけの大きさの穴を斬って開けてボス部屋の中に足を踏み入れた!するとそこには……!
「ぐっ!この!は、離せ!我を誰だと思っている!!」
天井からぶら下がっている巨大な植物の塊に取り込まれかかっているアイツの姿がって、おいおい!いきなりこの状況ってマジでヤバすぎるだろうが!?
「……どうやらこのダンジョンに、誰かが挑んでるってのは間違いなさそうだな。」
「あぁ、ここに向かう道中に残っていた戦闘の痕跡がまだ新しかったからね。可能性としては充分に考えられると思うよ。」
「それに道端にあったモンスターの血もまだ乾き切って無かった。」
(それってつまり、クリフさんがダンジョンに入ってからそんなに時間が経ってない可能性があるって事ですよね!)
(……アイツが本当にここに来ていればの話だけどな。もしかしたら、俺達とは全無関係の無い誰かがここら辺で戦闘をしてたって可能性もあるしな。)
(あっ、確かにそうですね……)
(まぁ、実際の所がどうなのかはダンジョンに入ってみれば分かるさ。)
(そうだな……ってか本当に大丈夫なのか?俺達、ダンジョンに挑む事を申請せずにここに入ろうとしてるけど……)
(ふふっ、そんなに心配する必要は無いよ。例え無断でダンジョンに挑んだって事がバレたとしても、規則違反として罰金を払わされるだけだからね。)
(げっ、マジかよ……それって幾らぐらいするんだ?)
(さぁ?正確な金額は分からないけど、そこそこするんじゃないかな。)
(うへぇ……そこそこって響きがメチャクチャ不穏なんですけど……)
こうなったら急いでアイツを連れ戻して街に戻るしかないな!そんでもし、俺達の知らない人達がここに居るのが分かったら、バレる前にとっとと撤退してやる!
「み、皆さん!お待たせしてすみませんでした!」
「いや、そんなに待ってないから大丈夫だよ。それよりも体力の方はもう問題は無いのかい?」
「はい、皆さんのおかげで戦闘が出来るくらいには回復しました。」
「そうか……なら、とっととダンジョンに入るぞ。」
「わ、分かりました!……クリフ君、頼むから無事でいてくれよ……!」
エルアの鬼気迫る声を耳にしながら草木で造られた通路に足を踏み入れた俺達は、アイツの姿を探しながら奥の方に向かって歩いて行った。
「……そう言えば、そもそもどうしてこのダンジョンに挑むなんて話になったんだ?どうせアイツが言い出しのが切っ掛けなんだろうけどさ。」
「あ、あはは……やっぱりバレちゃってましたか……」
「ふふっ、ダンジョンが危険な場所だと知っている2人が率先して挑もうなんて言うとは思えないからね。」
「それにこのダンジョン、推奨レベルは3人のレベルよりも少し高い。」
「そんな所に行こうだなんて言い出す奴は、どう考えても1人しかいないからな……そんで?どういう流れでこんな事に?」
「それがその……クリフ君、九条さんとの勝負に負けた事がどうしても納得する事が出来なかったみたいでして……」
「勝負って……先週の闘技場でやったアレか?」
「はい。あの時の勝負は自身の魔力不足が起こした不幸な事故であって、九条さんに斬られて負けた訳ではないと言っていました。」
「はぁ……もしかしてと予想してたが、マジでそんな言い訳をしてたのかよ……」
「えぇ、他にも色々と……流石にソレはどうかと思うと注意はしてみたんですけど、聞いてはくれなくて……そうしたらイリスさんが……」
「そんなに勝負の結果に不満に感じているのなら、レベルあげて魔力不足をどうにかすれば良いんじゃないかと提案してみたんです。」
「そうしたら……こんな結果に……」
「なるほど……確かにレベルが上がれば魔力量も増えるだろうけど、それにしたってどうしてこのダンジョンなんだ?もうちょい推奨レベルが低いのがあっただろ。」
「より高見を目指すのならば、今の自分よりも強い者と戦うのが手っ取り早い………って、クリフ君がいつもの調子て言い出したんです。」
「いやいや……流石にバカすぎるだろ……」
「九条さんもそう思いますよね……だから僕達は今日、ダンジョンに行こうとしてたクリフ君を何度も説得して止めようとしたんですけど……」
「そんな忠告を聞くのが鬱陶しくなったのか、クリフ君は僕達を残して1人で勝手にダンジョンに挑んでしまったという感じなんです。」
「おやおや、それは何とも自分勝手な少年だね。」
「危険な所に黙って行くのは感心しない。」
「……アレ、おかしいな。背中に圧力の様な物を感じるぞ?」
(はぁ……そういう所もそっくりって事なんですかね。)
(おい、それってどういう意味だ?……マホ、返事をしなさい!)
微妙に居心地が悪くなった気がしながら戦闘の痕跡を追ってダンジョンの奥の方に向かっていたその時、通路全体がいきなり激しく揺れ始めた!?
「っ!こ、これってまさか?!」
「チッ!どうやらマズイ事態が発生したみたいだな!」
「あぁ、どうやらその様だ!九条さん、先頭は任せたよ!」
「分かってる!」
俺は虎徹丸と名付けた日本刀をグッと握り締めるとダンジョンの更に奥を目指して一直線に走って行った!
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