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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第262話

襲い掛かって来る敵を何十体も斬り倒しながら扉の先に伸びてる幅広い廊下を奥に向かって突き進んできた俺は、途切れる事の無い敵の数に嫌気がさしてきていた!

「あぁクソ!倒しても倒してもキリがねぇってうおっ?!」

「九条さん、廊下の奥に弓兵。」

「何だと!?盾持ちだけでも厄介だってのにまた増えたのかよっと!!」

次の矢を放とうとして弓を構えていた鎧に向けて手の平をかざした俺とソフィは、前方に魔方陣を出現させてナイフの形をした氷を無数に射出して水人形をズタズタに切り裂いてやった!

その直後に背後からガシャガシャと鎧が歩いて来る足音が聞こえてきたが、バッと振り返った瞬間にはもう既にロイドとリリアさんによって斬り倒された後だった。

「おーっほっほっほ!私とロイド様に敵う者などおりませんわ!」

「ふふっ、確かにそうだけど油断しすぎない様に気を付けるんだよ。」

「はい!かしこまりましたわ!」

「うん、それじゃあライル。」

「わ、分かりました!」

杖を強く握りしめたライルさんが静かに目を閉じた直後、体を失い床に崩れ落ちた鎧が次々と氷漬けにされていった………これも時間稼ぎにしかならないとは思うが、放っておいたら復活したのが後から大量に追って来るからなぁ。

「……それにしても、かなり走って来たってのにまだ最奥が見えてこないな。」

(そうですね……廊下自体は一本道でしたから、迷子になったという訳では無いはずですし……階段も2回程上がって来たのでもうそろそろだとは思うんですが……)

「ふふっ、ここまで何事も無く来れたんだからこの調子で進んで行けばきっとすぐに辿り着けるはずさ。」

「そ、そうですよね!恐らく、目的の場所はこの上の階に…………」

「あら、急に振り返ってどうかしたのですかライルさん。」

「い、いえその……何か………聞こえてきませんか?」

「………確かに……コレ、何の音だ?」

「氷漬けにした鎧が復活して追いかけて来た……なんて感じの音ではないね。」

「うん。それと廊下と窓も微かに震えている。」

「おいおい……どうにも嫌な予感がしてきたんだが………」

カタカタと微妙に揺れている窓を気に掛けながら皆と一緒に後ろの方に目を向けてジッと廊下の先を見つめていると………聞こえてくる音が少しずつ大きくなってきて何故か振動も激しくなって………うぇええええ!?!??!

「な、な、何なんだよあのバケモノは!?」

「見当もつかないが、非常に危険な存在である事には間違いないね!」

「……戦ってみる。」

「む、無理ですよソフィさん!」

「そうですわ!流石に危険すぎます!」

廊下の奥から突然姿を現したのは、これまで倒してきた鎧とそいつらが持っていた武器や盾が巨大な塊となっている存在だった!

その塊は下部分から生えているバカでかい水の様な手を2本も使って壁にガンガンぶつかりながら物凄い勢いで俺達の方に迫って来ていた!?

「おい、こんな所であんなのに押し潰されたらマジでヤバい!さっさと逃げるぞ!」

「いえ!その前に足止めをしますので、皆さんあのモンスターに向かって大量の水を撃って下さい!」

「分かった!ライルの案に乗らせてもらうよ!」

「ライルさん、頼みましたわよ!」

「いつでも行ける。」

「よしっ!そんじゃあ撃てええええ!!」

俺達はライルさんの前に立って両手をモンスターにかざし魔方陣を出現させると、そこから大量の水を出して廊下を埋め尽くしてやった!!

それに真正面からぶち当たったモンスターは一瞬だけ動きを止めた様に見えたが、本当に一瞬だけで激しく抵抗しながら少しずつこっちに向かって来ていた!

「皆さん、ありがとうございます!はああああああああ!!!!」

ライルさんの気合の入った声と共に廊下とほぼ同じサイズの魔方陣が目の前に出現したと思ったら、俺達が出していた水が一気に凍りつき始めた!

そしてそのまま水に抗いながら進んでいたモンスターも一緒に凍らせてしまい……やがてその動きは完全に静止するのだった。

「お、おぉ……凄いなライルさん!」

「あ、あはは……少しはお役に立てたでしょうか?」

「ふふっ、少し所の話じゃないよ。」

「えぇ、本当によくやりましたわね。」

「あ、ありがとうございます……ふぅ……ちょっと疲れちゃいましたね。」

「まぁ、これだけ凄い魔法を使えばな……ライルさん、魔力はどうだ?ヤバかったらアイテムを使って回復しておいた方が良いぞ。」

「そうですね……すみませんが、ちょっとだけ待っていて下さい。」

「おう。そんじゃあ俺達は他の鎧が襲ってこない様に警戒をしておくか。」

「了解。」

最初の隊列通り進行方向に向かってソフィと並び立った俺は、小さなため息を零しながら前方を警戒して…………ん、なんだ?

(ご主人様、さっきから何か聞こえてきませんか?)

(……そうだな、何かが削れる様な音が聞こえて)

「九条さん、どうやらのんびり休憩している暇は無さそうだよ。」

「何……って、はぁ?!」

ロイドの声に反応して振り返ってみると………さっき凍り付いたはずの鎧が防壁になっている氷を武器や盾を使って削りながら動き始めていた?!

「ちゃ、ちゃんと凍らせたはずなのにどうしてもう!?」

「そんな事を気にしてる場合じゃないって!ライルさん、もう魔力の回復は!?」

「あ、だ、大丈夫です!」

「分かった!そんじゃあ行くぞ!あのペースだとすぐにこっちに来ちまう!」

背後から迫りつつあるモンスターから逃げ出す様に慌てて走り出した俺達は、上の階にあるであろう最奥の部屋を目指して廊下の更に奥へと向かって行くのだった!

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