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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第253話

マホと街中を巡ったりその途中でバッタリ遭遇したロイドとソフィとカレンさんと何故だか可愛らしい洋服を見て回る事になったその次の日……体力と魔力がバッチリ回復した俺は皆と一緒に斡旋所に足を運ぶと、シーナに頼まれてた素材を集める為にクエストを受注してクアウォートの外れにある荒れた海岸に来ていたんだが……

(お、おじさん!早く走って下さい!後ろ、後ろから迫って来てますから!)

「あぁもう!そんな事は言われなくても分かってるってうおっ!?」

大声で叫びながら砂浜を全力疾走していた俺は上空から幾つも襲い掛かって来てる恐ろしい威力の水鉄砲を何度も前転してかわすと、そのままの勢いで再び走り出した!

「ったく!カモメみたいな見た目の癖して攻撃力がおかしすぎるだろうが!?しかも一気に何羽も襲って来やがってマジでふざけんなよ!!」

(そんな事を言ってる暇は無いですっておじさん!別のモンスターが目の前に!!)

「うぇっ?!あぶなっ!?」

海中じゃなくて砂の中を群れとなって泳いでいるサメの様なモンスターの鋭い牙を何回も避けつつ上空から飛んで来る幾つもの水鉄砲から逃げ回っていた俺は、頃合いだと感じて大きな声で合図を出したって言うか助けを求めた!

「ロイド!ソフィ!もうそろそろ限界なんで早く何とかしてくれええええ!!」

走り回りながら思いっきりそう叫んだ直後、背びれを出しながら砂浜を泳いでいたモンスターが地中から吹き飛ばされて上空に浮かび上がってきた!?

その光景を愕然としながら見つめていると、今度は竜巻の様な突風が巻き起こって俺を襲っていたモンスター達が一カ所にまとめられていった!!

「上出来だよ九条さん!後は私達に任せてくれ!ソフィ、頼んだ!」

「了解。」

少し離れた場所にある木々の中に身を隠していたロイドの声が聞こえてきた瞬間、竜巻の中に飛び込んでいく人影が見えたのと同時にモンスターの断末魔がして?!

「う、うわぁ……アレはちょっとヤバすぎるだろ………」

(斬り倒したモンスターを足場にして次のモンスターを斬るだなんて………やっぱりソフィさんは凄い人ですね!)

「いや、もうそんな次元の話じゃないと思うんだが……って、それより砂が当たって痛いんですけど!?」

突風に巻き込まれた海岸の砂が全身にペチペチ当たるのを堪えていると、竜巻の中から飛び出してきたソフィが空中で一回転しながら俺の前に見事に着地しやがった。

「……終わった。」

「お、おう………くっ!」

ソフィのあまりの格好良さにメチャクチャ嫉妬していると、突風が弱まり息絶えたモンスターが地面に次々と落ちて行くのが視界に入ってきた……そしてそのすぐ後、爽やかな笑みを浮かべたロイドが俺達の方に駆け寄って来た。

「九条さん、ソフィ、お疲れ様。これでクエストは達成だね。」

「うん……ちょっと物足りないけど。」

「ふふっ、確かに今回は九条さんに美味しい所を持っていかれたからね。」

「いやいや、そんな所は一切無いからな。モンスターをおびき寄せる為に囮になっていたってだけの話だから。」

(うーん……それにしたって、もうちょっと良い感じで囮になれなかったんですか?)

「良い感じって……あれだけのモンスターに襲われてるってのにカッコつけてる余裕なんてある訳がないだろうが。」

(えぇ?でもでも、おじさんってこれまで何度もボスクラスの相手と戦ったりしてるじゃないですか。)

「あのなぁ、そんなの数ヶ月に一度あるかないかの話だろうが。それ以外は基本的にザコモンスターばっかり相手にしてるんだから、腕も鈍るんだよ。」

「おや、それならば腕が鈍らない様に私達と日頃から鍛錬をしてみたらどうだい。」

「……九条さんと久々に手合わせしてみたい。」

(それ良いじゃないですか!いざという時の為に、シッカリと鍛えておかないと!)

「い、いやいや!それは絶対に断らせてもらうからな!まだ10代のお前達と違って俺はもう30代に突入してるから、体力や魔力の回復がほんの少しだけ遅いんだよ!毎日の様に鍛錬なんてしてたら体が持たないの!分かったか!」

(……おじさん、そんな事を大声で言って恥ずかしくないんですか?)

「恥ずかしくない!断るべき所はちゃんと断る!それが大人としてやるべき事だ!」

「ふふっ、残念だがそうまで言われたら仕方ないね。」

「……今は諦める。」

「うんうん、分かればよろし………ちょっと待てソフィ、今はって言ったか?」

「言ってない。」

(ほらおじさん!それよりも早くモンスターを納品しないとですよ!シーナさんから頼まれてる素材はまだまだ沢山あるんですから!)

「いや、これは俺にとって重大なってソフィ!まだ話は終わっていませんよ!」

「さぁ、それじゃあ私達もモンスターを納品しに行こうじゃないか。」

「ぐっ!コレが終わったら絶対に話の続きをするからな!」

……そんなこんなで納品を終わらせてクエストを無事に達成した俺達は、斡旋所に戻って報酬を受け取るとすぐに新たなクエストを受けて素材を集めに行くのだった。

そうして陽が暮れるまで何度かクエストをやっていたんだが、最終的に集められた素材は頼まれた物の半分にも満たなかった訳でして……こりゃ全て揃えるのにかなり日数が掛かりそうだなぁ…………はぁ……マジで骨が折れそうだわ。

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