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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第239話

翌朝、いつもと変わらずマホに叩き起こされる事になった俺は廊下で合流した皆と1階のリビングに向かいエリオさんとカレンさんと挨拶を交わしてから全員で朝食を食べつつ軽く雑談をしていたのだが……

「えっ、ディオスさん達やファーレスさん達も海に行く事になったんですか?」

「はい。私達の予定が決まったら教えて欲しいと2人から言われていたので、先ほど警護隊の者を連絡に行かせたのですが……」

「うふふ、そうしたら自分達も海に行く予定だったから一緒に行きましょうっていうお返事を頂いたんですよ。」

「あぁ、なるほど……」

恐らくだけどその返事を率先して出したのは、リリアさんとライルさんの様な気がするんだよなぁ………だって……

「おや、私の顔をジッと見つめてどうかしたのかい九条さん。」

「……いや、何でもない。」

爽やかに微笑みを浮かべるロイドから顔を逸らして目の前の朝飯を食べようとしていると、何故かニコニコしながら俺の方を見ていたカレンさんと目が合った……?

「あの……どうかしましたか?」

「い~え、お気になさらないで下さい。」

「そ、そうですか?」

なんかよく分からんけど……まぁ、何でもないなら別に気にしなくても良いのか?それより今は、この後の予定をしっかり聞いておかないとな。

「エリオさん、皆さんとは何処で合流する事になって………エリオさん?」

「…………」

「えっと………その………」

え、何で無言のまま睨みつけて来るの?何か気に障る様な事をしちまったか?でもそんな事をした覚えは全然無いんですけど?!

「……エリオさん。」

「っ?!お、おほん……いや失礼、つい考え事を……それで何だったかな?」

「いや……皆さんと何処で合流するのかなって……」

「そ、その事ですか。彼らとは別荘の前で10時頃に合流する事になっています。」

「って事は……30分後って所ですかね。」

「え、えぇそうですね……さて、それでは急いで朝食を食べてしまいましょうか。」

「は、はぁ………」

どういう訳か動揺しているエリオさんを見て不思議に思いながら朝飯を食べようとしていると、俺の隣に座っていたマホがわざとらしいため息を吐き出していた。

「……何だよ。」

「いえいえ、可愛い娘さんを持つとお父さんって苦労するんだなと思いまして。」

「はぁ?なんじゃそりゃ。」

「まぁ、おじさんにも分かる日が…………」

「……おい、どうしてそこで黙るんだよ。」

「だって……ねぇ?」

「こら、残念な人を見る様な目つきを向けて来るんじゃない。俺のハートはガラスで出来ていると何度言わせれば気が済むんだ。」

……ってな感じの話をしながら朝飯を食べ終えた俺達は自室に戻って出掛ける為の準備を済ませると、再びリビングに集まって約束の時間が来るまで待機をしていた。

それからしばらくして10時を迎えると別荘の扉がノックされる音が聞こえてきたので、用意した荷物を持って全員で外に出て行くと………

「がっはっはっは!どうやら全員揃っている様だな!」

「おーっほっほっほ!海に行く支度は万全の様ですわね!」

夏の男!って感じの服装をしているディオスさんと太陽が反射するぐらい真っ白なワンピースにデカい帽子とサングラスといった格好をしているアムルさんと……

「ロイド様!あぁ、何ともお美しいお姿でございます!」

「ふふっ、どうもありがとうリリア。君の姿もとっても素敵だよ。」

「はぅっ?!む、胸のトキメキが抑えられませんわ!」

夏の令嬢と言った感じの服装……にも関わらず首からゴツイカメラをぶら下げてるリリアさんがロイドの姿を見て興奮している訳で……その奥の方では……

「ふぅ、やっぱりディオスの家族は彼を含めて朝から元気だね。」

「えぇ、ですが私も同じ気持ちです。皆さんと一緒に海に行けるだなんてこんなにも素敵な事はありませんからね。」

「……うん、確かにそうだね。」

夏らしい爽やかな服装をしているファーレスさんと似た感じの系統の服を着ているリタさんが穏やかな笑みを浮かべていて………

「ロ、ロイドさん!ほ、本日はよろしくお願いします!」

「あぁ、よろしくねライル。ふふっ、今日の君の恰好もよく似合っているよ。」

「あ、ありがとうございましゅ!」

いつの間にかリリアさんの隣にやって来てたライルさんはロイドの言葉にドキッとしていて…………ははっ、朝から色々と濃すぎじゃありませんかねぇ!?

「……おじさんも、いつかロイドさんぐらいモテる日がきっと来ますよ。」

「がんば。」

「特に気にして無いんだから、変な慰めをするんじゃない……!」

背中をトントンと優しく叩いて来たマホとソフィの方を見ない様に口元をヒクヒクさせていると、ディオスさんが右手の拳を左手の平にパンっと勢いよく叩きつけた。

「よぉし!それじゃあ早速、海に向かうとするか!」

「そうですわね!さぁ皆さん!馬車に乗り込みますわよ!」

ディオスさんとアムルさんの言葉を合図に荷物を持って馬車に乗り込んだ俺達は、太陽が降り注ぐ窓の外の景色を見ながら海水浴場に向かって行くのだった。

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