おっさんの異世界生活は無理がある。
第217話
「おはようございますご主人様、どうやら早起き対決は私の勝ちみたいですね!」
「……そう……みたいだな……」
勝ち誇った様な笑みを浮かべながら部屋を出て行ったマホの後姿をぼんやりとした頭で見送った俺は、あくびをしながら起き上がり意識を覚醒させる為に浴室に向かいシャワーを浴びて無理やり目を覚ましてからリビングに向かった。
「おはよう九条さん。どうやらマホとの勝負には負けてしまったみたいだね。」
「あぁ、特に残念とは思っちゃいないけどな。」
既に出掛ける準備が整っているロイドを見ながらいつもの椅子に座った俺は、皆の顔を見回した後に手を合わせて朝飯を食べ始めるのだった。
「……そう言えばマホ、家に残ってる食材で腐る様な物って食っちゃったよな?」
「はい!昨日の晩御飯と今日食べるお弁当用で全て使い切りました!」
「そうか、なら良いんだ。バカンスから帰って来た日に腐った食材を破棄するなんて事はしたくないからな。」
「ふふっ、それは確かにね。」
「……マホ、今日のお弁当のおかずは何?」
「ふっふっふ!それはですね………食べる時のお楽しみという事で!」
「……昨日の時点で残ってた食材を考えれば、ある程度は予想出来るけどな。」
「まぁそうなんですが、やっぱりその時まで秘密です!あ、そう言えば他の皆さんのお昼ってどうなってるんですか?」
「あぁ、恐らく母さんがお弁当を用意していると思うよ。」
「へぇ、カレンさんがねぇ……てっきり専属のシェフとかが弁当を作るのかと思ってたんだけどな。」
「基本的にはそうなんだけど、家族で旅行をする時は母さんがお弁当を作るんだよ。皆に食べて貰いたいからと言ってね。」
「なるほどね……」
「……ちょっと興味ある。どんなお弁当なのか。」
「私も気になります!」
「ふむ、だったら私の方から少し分けて貰える様に頼んでみよう。」
「ありがとうございます!それじゃあお返しに、私が作ったお弁当のおかずをお分けしますね!」
「あぁ、きっと母さんも喜んでくれると思うよ。マホの料理は美味しいからね。」
「えへへ!そう言って貰えると嬉しいです!……ちらっ!」
「……声に出しながら俺をチラ見するんじゃない。」
「むぅ!」
「そう膨れんなっての……はいはい、いつも美味しいご飯をありがとうございます。今日の弁当も期待していますよ。」
「……まぁ良いでしょう!」
「それはどうも……」
そんな他愛もないやり取りをしながら朝飯を食べ終えた俺達は何時もより念入りに戸締りや忘れ物をしてないかの確認をすると、時間に余裕がある間に集合場所に行く事にした。
「さてと……全員、心残りになってる事は無いな?」
「あぁ、大丈夫だよ。」
「問題ない。」
「バッチリです!そう言うおじさんは大丈夫ですか?忘れ物はしてませんか?」
「…………た、多分な!」
「え、いやいやそこは断言して下さいよ!不安になるじゃないですか!」
「ま、まぁ大丈夫だって!昨日の夜、必要な物は全部このバッグに入れたんだから!マホだって確認しただろ?」
「それはしましたけど………」
「それに加工したポーチにスマホも武器もある!……うん、大丈夫のはずだ!」
「はぁ……まったくもう………」
呆れながら見つめて来るマホと目を合わせ思わず苦笑いを浮かべた俺は、その視線から逃げるかの様に集合場所である街の正門前に向かって歩き出すのだった。
「……そう……みたいだな……」
勝ち誇った様な笑みを浮かべながら部屋を出て行ったマホの後姿をぼんやりとした頭で見送った俺は、あくびをしながら起き上がり意識を覚醒させる為に浴室に向かいシャワーを浴びて無理やり目を覚ましてからリビングに向かった。
「おはよう九条さん。どうやらマホとの勝負には負けてしまったみたいだね。」
「あぁ、特に残念とは思っちゃいないけどな。」
既に出掛ける準備が整っているロイドを見ながらいつもの椅子に座った俺は、皆の顔を見回した後に手を合わせて朝飯を食べ始めるのだった。
「……そう言えばマホ、家に残ってる食材で腐る様な物って食っちゃったよな?」
「はい!昨日の晩御飯と今日食べるお弁当用で全て使い切りました!」
「そうか、なら良いんだ。バカンスから帰って来た日に腐った食材を破棄するなんて事はしたくないからな。」
「ふふっ、それは確かにね。」
「……マホ、今日のお弁当のおかずは何?」
「ふっふっふ!それはですね………食べる時のお楽しみという事で!」
「……昨日の時点で残ってた食材を考えれば、ある程度は予想出来るけどな。」
「まぁそうなんですが、やっぱりその時まで秘密です!あ、そう言えば他の皆さんのお昼ってどうなってるんですか?」
「あぁ、恐らく母さんがお弁当を用意していると思うよ。」
「へぇ、カレンさんがねぇ……てっきり専属のシェフとかが弁当を作るのかと思ってたんだけどな。」
「基本的にはそうなんだけど、家族で旅行をする時は母さんがお弁当を作るんだよ。皆に食べて貰いたいからと言ってね。」
「なるほどね……」
「……ちょっと興味ある。どんなお弁当なのか。」
「私も気になります!」
「ふむ、だったら私の方から少し分けて貰える様に頼んでみよう。」
「ありがとうございます!それじゃあお返しに、私が作ったお弁当のおかずをお分けしますね!」
「あぁ、きっと母さんも喜んでくれると思うよ。マホの料理は美味しいからね。」
「えへへ!そう言って貰えると嬉しいです!……ちらっ!」
「……声に出しながら俺をチラ見するんじゃない。」
「むぅ!」
「そう膨れんなっての……はいはい、いつも美味しいご飯をありがとうございます。今日の弁当も期待していますよ。」
「……まぁ良いでしょう!」
「それはどうも……」
そんな他愛もないやり取りをしながら朝飯を食べ終えた俺達は何時もより念入りに戸締りや忘れ物をしてないかの確認をすると、時間に余裕がある間に集合場所に行く事にした。
「さてと……全員、心残りになってる事は無いな?」
「あぁ、大丈夫だよ。」
「問題ない。」
「バッチリです!そう言うおじさんは大丈夫ですか?忘れ物はしてませんか?」
「…………た、多分な!」
「え、いやいやそこは断言して下さいよ!不安になるじゃないですか!」
「ま、まぁ大丈夫だって!昨日の夜、必要な物は全部このバッグに入れたんだから!マホだって確認しただろ?」
「それはしましたけど………」
「それに加工したポーチにスマホも武器もある!……うん、大丈夫のはずだ!」
「はぁ……まったくもう………」
呆れながら見つめて来るマホと目を合わせ思わず苦笑いを浮かべた俺は、その視線から逃げるかの様に集合場所である街の正門前に向かって歩き出すのだった。
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