おっさんの異世界生活は無理がある。
第188話
「ただいまー!悪いんだけどタオルを持ってきてくれるか!」
魔法で出現させた大量の水で武器と全身に付いた泥を洗い流した俺が、玄関の所でそう大声を出すとリビングの方から留守番をしていた2人が顔を出してきた。
「おじさん、お帰りなさい!」
「うふふ、お帰りなさい九条さん。」
「……………」
「おじさん?ボーっとしてどうかしたんですか?」
「……はっ!な、何でもない!ちょっと寒くて頭が働かなかっただけだ!」
「そうなんですか?じゃあ、このタオルで早く体を拭いて下さい!」
「お、おう、ありがとうな。」
あ、危ねぇ……!満面の笑みで駆け寄って来たマホとエプロン姿のイリスをを見た瞬間、一瞬だけだが嫁と娘が出迎えてくれた錯覚に陥っちまってた!こ、こんな考えがイリスにバレたらあっと言う間に色々と終わっちまうぞ!!警戒心を緩めても隙を見せるんじゃないこのバカタレが!
心臓をバクバクさせながらタオルで髪や顔を拭いて表情を読み取られない様にしていると、イリスが小首を傾げて不思議そうな表情でこっちを見てきた。
「そう言えば九条さん、ロイドさんとソフィさんはどちらへ?」
「あ、あぁ……あの2人ならロイドの家にある風呂に入りに行ったよ。こっちの家の風呂より断然広いからな。」
「なるほど、そういう事でしたか。」
「あっ、それだったらおじさんもお風呂に入りますか?さっきイリスさんがお風呂を沸かしてくれましたから!」
「そうか…‥じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな。体も冷えちまったしさ。」
それから廊下に水が垂れない様に全身をタオルで軽く拭いた俺は、脱衣所で濡れた服を脱いで浴室の中に入って行くと浴槽に張られたお湯にゆっくり入れてみた。
「あっつつ……はぁ、やっぱ冷えた体に温かい風呂は厳しいか。」
少し熱めの湯船に触れた指を軽く振りながら魔力を込めてシャワーから凄くぬるいお湯を出した俺は、全身を洗いながら少しずつ温まってその後にゆっくり風呂の中に浸かっていった………
「あぁ………いぎがえるわぁ…………」
やっぱ冷えた体には熱い風呂が一番だよなぁ……うん、これについては後でイリスに礼を言うかねぇ……なんて思っていると、脱衣所の方から物音が聞こえて来た?
「九条さん。」
「イ、イリス!?何してんだそんな所で!?」
「うふふ、お着替え用の服を持ってきたんですよ。」
「そ、そうだった……のか……わざわざありがとうな。」
「いえいえ、それよりもお湯加減はいかがですか?」
「えっと、まぁちょうどいい感じだよ。」
「うふふ、それなら良かったです。」
……あ、あれ?おかしいな……会話が終わって数十秒経ったのに何故だかイリスが出て行かないぞ?ま、まだ何か用があるのか?ってうぇ!??!?!扉越しに見えるシルエットが服を脱ぎだしたんですけど!?
「ちょ、お、おまっ!?何してんだよ!?」
「何って……九条さんの背中を流してあげる為に準備をしてるんだよ。」
「準備って?!ま、待て!俺はもう体を洗ったからっ?!」
止める間もなくガチャッと目の前の扉が開いた瞬間、俺は急いで体を回転させると脱衣所に背を向けて目を思いっきり閉じた!
「九条さん、ちゃんとこっちを見て下さいよ。」
「み、見れる訳が無いだろうが!だ、だって服を脱いで!」
「うふふ……大丈夫ですよ、ちゃんと服は着ていますから。」
「…………へ?」
「ほら、どうですか?」
恐る恐る目を開けてゆっくりと振り返ってみると、そこには半袖のシャツと短パンを履いたイリスが手を広げてニッコリと微笑んで立っていた……
「実はこんな事があるんじゃないかと思って、服の下にこれを着ていたんですよ。
どうですか、これで安心出来ましたか?」
「……いや安心する訳がないだろ!?そっちは服を着てても俺は素っ裸だぞ!?」
「あぁ、そう言えばそうでしたね………うふふ……やっぱり素敵な体ですねぇ。」
「ひっ?!」
恍惚な笑みを浮かべながらジットリと俺の体を舐め回すかの様に見てきたイリスに思わず息を呑んだ俺は、両手で大事な所を隠しながらこの状況を打開する為に説得をしようとしてみた!
「イ、イリス!こういうのはやっぱりマズいと思うんだよ!ほら、分かるだろ?!」
「うふふ、男同士なんだからそんなに気にする事はありませんよ。」
「いや、男同士だからって言ってもやっぱりっ!…………………………って、え?」
「はい?」
……イマ……イリスハ………ナンテ………イイマシタカ………?モシカシテ………ダケド………モシカシテ…………
「……あの……俺の聞き間違いじゃなければなんだけど……今……男同士って……」
「えぇ、聞き間違いじゃありませんよ。」
「…………と言う事は………イリスって………男の子?」
「はい、そうですよ。」
「……え、え、え…………えええええええええええええええええ?!??!?」
「イリスさん!戻って来るのが遅いと思ったら何をしてるんですか!」
いきなり知らされた衝撃の事実に我を忘れて大絶叫していると、マホがぷんすかと怒って脱衣所からやって来た!?その姿を見たイリスはニコッと笑って振り返った。
「あっ、マホさん。何をしてるって、九条さんのお背中を流してあげようかと。」
「そんなの絶対にダメに決まってるじゃないですか!ほら、早く出て下さい!」
「あらら、これは残念です。それでは九条さん、ごゆっくり。」
「おじさん、イリスさんには私が厳しく言っておきますから安心して下さい!」
……こうして1人ぽつんと風呂場に残された俺は、ぶくぶくと息を吐き出しながら湯船の中に沈んでいくのだった……ってか、もう俺のキャパはオーバーですよ……
魔法で出現させた大量の水で武器と全身に付いた泥を洗い流した俺が、玄関の所でそう大声を出すとリビングの方から留守番をしていた2人が顔を出してきた。
「おじさん、お帰りなさい!」
「うふふ、お帰りなさい九条さん。」
「……………」
「おじさん?ボーっとしてどうかしたんですか?」
「……はっ!な、何でもない!ちょっと寒くて頭が働かなかっただけだ!」
「そうなんですか?じゃあ、このタオルで早く体を拭いて下さい!」
「お、おう、ありがとうな。」
あ、危ねぇ……!満面の笑みで駆け寄って来たマホとエプロン姿のイリスをを見た瞬間、一瞬だけだが嫁と娘が出迎えてくれた錯覚に陥っちまってた!こ、こんな考えがイリスにバレたらあっと言う間に色々と終わっちまうぞ!!警戒心を緩めても隙を見せるんじゃないこのバカタレが!
心臓をバクバクさせながらタオルで髪や顔を拭いて表情を読み取られない様にしていると、イリスが小首を傾げて不思議そうな表情でこっちを見てきた。
「そう言えば九条さん、ロイドさんとソフィさんはどちらへ?」
「あ、あぁ……あの2人ならロイドの家にある風呂に入りに行ったよ。こっちの家の風呂より断然広いからな。」
「なるほど、そういう事でしたか。」
「あっ、それだったらおじさんもお風呂に入りますか?さっきイリスさんがお風呂を沸かしてくれましたから!」
「そうか…‥じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな。体も冷えちまったしさ。」
それから廊下に水が垂れない様に全身をタオルで軽く拭いた俺は、脱衣所で濡れた服を脱いで浴室の中に入って行くと浴槽に張られたお湯にゆっくり入れてみた。
「あっつつ……はぁ、やっぱ冷えた体に温かい風呂は厳しいか。」
少し熱めの湯船に触れた指を軽く振りながら魔力を込めてシャワーから凄くぬるいお湯を出した俺は、全身を洗いながら少しずつ温まってその後にゆっくり風呂の中に浸かっていった………
「あぁ………いぎがえるわぁ…………」
やっぱ冷えた体には熱い風呂が一番だよなぁ……うん、これについては後でイリスに礼を言うかねぇ……なんて思っていると、脱衣所の方から物音が聞こえて来た?
「九条さん。」
「イ、イリス!?何してんだそんな所で!?」
「うふふ、お着替え用の服を持ってきたんですよ。」
「そ、そうだった……のか……わざわざありがとうな。」
「いえいえ、それよりもお湯加減はいかがですか?」
「えっと、まぁちょうどいい感じだよ。」
「うふふ、それなら良かったです。」
……あ、あれ?おかしいな……会話が終わって数十秒経ったのに何故だかイリスが出て行かないぞ?ま、まだ何か用があるのか?ってうぇ!??!?!扉越しに見えるシルエットが服を脱ぎだしたんですけど!?
「ちょ、お、おまっ!?何してんだよ!?」
「何って……九条さんの背中を流してあげる為に準備をしてるんだよ。」
「準備って?!ま、待て!俺はもう体を洗ったからっ?!」
止める間もなくガチャッと目の前の扉が開いた瞬間、俺は急いで体を回転させると脱衣所に背を向けて目を思いっきり閉じた!
「九条さん、ちゃんとこっちを見て下さいよ。」
「み、見れる訳が無いだろうが!だ、だって服を脱いで!」
「うふふ……大丈夫ですよ、ちゃんと服は着ていますから。」
「…………へ?」
「ほら、どうですか?」
恐る恐る目を開けてゆっくりと振り返ってみると、そこには半袖のシャツと短パンを履いたイリスが手を広げてニッコリと微笑んで立っていた……
「実はこんな事があるんじゃないかと思って、服の下にこれを着ていたんですよ。
どうですか、これで安心出来ましたか?」
「……いや安心する訳がないだろ!?そっちは服を着てても俺は素っ裸だぞ!?」
「あぁ、そう言えばそうでしたね………うふふ……やっぱり素敵な体ですねぇ。」
「ひっ?!」
恍惚な笑みを浮かべながらジットリと俺の体を舐め回すかの様に見てきたイリスに思わず息を呑んだ俺は、両手で大事な所を隠しながらこの状況を打開する為に説得をしようとしてみた!
「イ、イリス!こういうのはやっぱりマズいと思うんだよ!ほら、分かるだろ?!」
「うふふ、男同士なんだからそんなに気にする事はありませんよ。」
「いや、男同士だからって言ってもやっぱりっ!…………………………って、え?」
「はい?」
……イマ……イリスハ………ナンテ………イイマシタカ………?モシカシテ………ダケド………モシカシテ…………
「……あの……俺の聞き間違いじゃなければなんだけど……今……男同士って……」
「えぇ、聞き間違いじゃありませんよ。」
「…………と言う事は………イリスって………男の子?」
「はい、そうですよ。」
「……え、え、え…………えええええええええええええええええ?!??!?」
「イリスさん!戻って来るのが遅いと思ったら何をしてるんですか!」
いきなり知らされた衝撃の事実に我を忘れて大絶叫していると、マホがぷんすかと怒って脱衣所からやって来た!?その姿を見たイリスはニコッと笑って振り返った。
「あっ、マホさん。何をしてるって、九条さんのお背中を流してあげようかと。」
「そんなの絶対にダメに決まってるじゃないですか!ほら、早く出て下さい!」
「あらら、これは残念です。それでは九条さん、ごゆっくり。」
「おじさん、イリスさんには私が厳しく言っておきますから安心して下さい!」
……こうして1人ぽつんと風呂場に残された俺は、ぶくぶくと息を吐き出しながら湯船の中に沈んでいくのだった……ってか、もう俺のキャパはオーバーですよ……
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