おっさんの異世界生活は無理がある。
第185話
「…………はうぁっ!?…………って……へ?」
ここは………俺の部屋?しかもベッドの中……え?おかしくね?さっきまで確かに玄関に居てそこで………赤いレインコートを着た誰かが………
「………ダメだ、顔を見たはずなのに思い出せない。」
雷が光った瞬間に絶対に見たと思うんだが………ぐっ、どうにも記憶があやふやで何があったのか全然分かんねぇぞ……!
「………いや、そもそもあれは………現実だったのか?」
首を傾げながらチラッとベッドの横に置いてる時計に目を向けてみると、そろそろ昼飯の時間になるかという時間になっていた。
「……なるほど、湿気多さと寝すぎのコンボのせいで悪夢を見たって訳か。」
まぁそりゃそうだよな……あんな恐ろしい事が現実に起こる訳が無いっての!
そう結論付けてホッと胸を撫で下ろした直後、俺の腹からぐぅ~という何ともマヌケな音が聞こえて来た。
「はぁ、この時間に起きたって事は朝飯もまだって事だよな………」
さっきのコンボに空腹が加わっちまったのか……うん、これからはなるべく朝飯の時間には起きる様に心掛けるとしよう……そうじゃないと、また悪夢を見る事になりそうだからな。
「………あれ、そう言えば何でこんな時間まで寝れたんだ?」
いつもなら9時過ぎぐらいには必ずマホが起こしに来てたんだが………まさか体調でも崩して寝込んでるのか?
「だとしたら今日の飯の当番は変わってやるかねぇ……ふぁ~………」
腹を軽く掻きあくびをしてベッドから抜け出た俺は、夢の中と同じ様にカーテンを開けてどんよりとした曇り空をぼんやり眺めてから部屋を出て行った……その直後、リビングの方から料理の良い匂いが漂ってきた。
「お、どうやらさっきの心配は必要なさそうだな。」
………だとしたら何で起こしに来なかったんだ?朝飯は勝手に食べる感じになったから別に起こさなくてもいいやってなったのかしら?
なんて考えているとリビングの方からマホが出てきて、俺と目が合うとあぁ!っと驚きの声を上げて早足でこっちに向かって来た。
「おう、おはよーさん。」
「おはよーさん……じゃないですよおじさん!ほら、早く来てください!」
「は、え?」
何故だか怒ってるマホにガッと手首を掴まれてリビングまで引っ張られて行ったのだが……………あれ、おかしいな?髪色が薄紫色で肩ぐらいまでの長さがある誰かがキッチンに立って料理をしている幻覚が見えるぞ?
「イリスさん!おじさんが目を覚ましたので連れて来ましたよ!」
「あら、うふふ……ありがとうございますね、マホさん。」
いつか何処かで聞いた事がある様な甘ったるい声を出して振り返ったそいつの顔を見た瞬間、あやふやだった記憶が鮮明に蘇ってきた!??!?
「お、おまっ!?!」
「えぇ、またお会い出来てとっても嬉しいです………九条透さん。」
一瞬だけ獲物を捉える様な瞳で見られた後に微笑まれた直後、背筋がゾクッとしたのと同時に忘れていた王都での思い出が呼び起こされてきた!!?
「な、なんで……どうしてここに………!?」
「うふふ、決まってるじゃないですか……もう一度、貴方にお会いする為ですよ。」
「ひぃ!?」
もうマジで何なんだよこの子は?!初めて出会った時にも思ったけど色々と怖すぎるんですけども!?
「もうおじさん!そんな態度はイリスさんに失礼ですよ!」
「い、いや、だって!」
「だってじゃありません!ほら、早く席について下さい。今日はイリスさんが私達の為にわざわざお昼を作ってくれたんですから!」
「あ、ちょ!?」
マホに手を引かれて椅子に座らされた俺が食卓の上に並べられていた豪勢な料理の数々をぼんやり眺めていると、いつの間にかロイドとソフィも自分の席に座り………イリスと呼ばれた少女はお客さん用の席にごく当たり前の様に腰を下ろしていた。
「それではお昼を食べる前に、九条さんの為にもう一度だけ自己紹介をしたんですがよろしいですか?」
「はい!勿論ですよ!」
「私も異論は無いよ。」
「お好きにどうぞ。」
「うふふ、ありがとうございます。それでは………」
……どうあがいても逃げる事が出来ないと嫌でも察してしまった俺はゆっくり顔を上げると、満面の笑みを浮かべながらこっちを見つめる少女と目を合わせた。
「初めまして。僕の名前は『イリス・セトグリア』と言います。もしよろしければ、イリスと呼んで頂けると嬉しいです………九条さん。」
「は、はは……ははは………」
………何故だか変な笑いが込み上げてくる中、俺はこれが最後の晩餐になるんじゃないかと感じてしまっていた。
ここは………俺の部屋?しかもベッドの中……え?おかしくね?さっきまで確かに玄関に居てそこで………赤いレインコートを着た誰かが………
「………ダメだ、顔を見たはずなのに思い出せない。」
雷が光った瞬間に絶対に見たと思うんだが………ぐっ、どうにも記憶があやふやで何があったのか全然分かんねぇぞ……!
「………いや、そもそもあれは………現実だったのか?」
首を傾げながらチラッとベッドの横に置いてる時計に目を向けてみると、そろそろ昼飯の時間になるかという時間になっていた。
「……なるほど、湿気多さと寝すぎのコンボのせいで悪夢を見たって訳か。」
まぁそりゃそうだよな……あんな恐ろしい事が現実に起こる訳が無いっての!
そう結論付けてホッと胸を撫で下ろした直後、俺の腹からぐぅ~という何ともマヌケな音が聞こえて来た。
「はぁ、この時間に起きたって事は朝飯もまだって事だよな………」
さっきのコンボに空腹が加わっちまったのか……うん、これからはなるべく朝飯の時間には起きる様に心掛けるとしよう……そうじゃないと、また悪夢を見る事になりそうだからな。
「………あれ、そう言えば何でこんな時間まで寝れたんだ?」
いつもなら9時過ぎぐらいには必ずマホが起こしに来てたんだが………まさか体調でも崩して寝込んでるのか?
「だとしたら今日の飯の当番は変わってやるかねぇ……ふぁ~………」
腹を軽く掻きあくびをしてベッドから抜け出た俺は、夢の中と同じ様にカーテンを開けてどんよりとした曇り空をぼんやり眺めてから部屋を出て行った……その直後、リビングの方から料理の良い匂いが漂ってきた。
「お、どうやらさっきの心配は必要なさそうだな。」
………だとしたら何で起こしに来なかったんだ?朝飯は勝手に食べる感じになったから別に起こさなくてもいいやってなったのかしら?
なんて考えているとリビングの方からマホが出てきて、俺と目が合うとあぁ!っと驚きの声を上げて早足でこっちに向かって来た。
「おう、おはよーさん。」
「おはよーさん……じゃないですよおじさん!ほら、早く来てください!」
「は、え?」
何故だか怒ってるマホにガッと手首を掴まれてリビングまで引っ張られて行ったのだが……………あれ、おかしいな?髪色が薄紫色で肩ぐらいまでの長さがある誰かがキッチンに立って料理をしている幻覚が見えるぞ?
「イリスさん!おじさんが目を覚ましたので連れて来ましたよ!」
「あら、うふふ……ありがとうございますね、マホさん。」
いつか何処かで聞いた事がある様な甘ったるい声を出して振り返ったそいつの顔を見た瞬間、あやふやだった記憶が鮮明に蘇ってきた!??!?
「お、おまっ!?!」
「えぇ、またお会い出来てとっても嬉しいです………九条透さん。」
一瞬だけ獲物を捉える様な瞳で見られた後に微笑まれた直後、背筋がゾクッとしたのと同時に忘れていた王都での思い出が呼び起こされてきた!!?
「な、なんで……どうしてここに………!?」
「うふふ、決まってるじゃないですか……もう一度、貴方にお会いする為ですよ。」
「ひぃ!?」
もうマジで何なんだよこの子は?!初めて出会った時にも思ったけど色々と怖すぎるんですけども!?
「もうおじさん!そんな態度はイリスさんに失礼ですよ!」
「い、いや、だって!」
「だってじゃありません!ほら、早く席について下さい。今日はイリスさんが私達の為にわざわざお昼を作ってくれたんですから!」
「あ、ちょ!?」
マホに手を引かれて椅子に座らされた俺が食卓の上に並べられていた豪勢な料理の数々をぼんやり眺めていると、いつの間にかロイドとソフィも自分の席に座り………イリスと呼ばれた少女はお客さん用の席にごく当たり前の様に腰を下ろしていた。
「それではお昼を食べる前に、九条さんの為にもう一度だけ自己紹介をしたんですがよろしいですか?」
「はい!勿論ですよ!」
「私も異論は無いよ。」
「お好きにどうぞ。」
「うふふ、ありがとうございます。それでは………」
……どうあがいても逃げる事が出来ないと嫌でも察してしまった俺はゆっくり顔を上げると、満面の笑みを浮かべながらこっちを見つめる少女と目を合わせた。
「初めまして。僕の名前は『イリス・セトグリア』と言います。もしよろしければ、イリスと呼んで頂けると嬉しいです………九条さん。」
「は、はは……ははは………」
………何故だか変な笑いが込み上げてくる中、俺はこれが最後の晩餐になるんじゃないかと感じてしまっていた。
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