おっさんの異世界生活は無理がある。
第181話
「ふっふーん!ふっふふーん!えへへー!」
「ふふっ、随分と楽しそうだねマホ。」
「はい!とっても楽しいです!こうしておじさんと一緒に過ごせるなんて、とっても久しぶりですからね!」
「うん、そうだね。」
「……あの、マホはともかくロイドとソフィはもう少し離れてくれませんかね!?」
「おや、マホは良くて私達はダメなのかい?」
「差別、良くない。」
「いや、そうは言うけど2人共近すぎなんだよ!何なんだこの包囲網は!?ロイドは左肩に何度か触れそうになってるし、ソフィはずっと俺の服を掴んでるしでどういう状況なんだよこれは?!」
「もうおじさん、大声で叫んでると周りの人達に変な目で注目されちゃいますよ。」
「ぐっ、そう言うんだったらロイドとソフィにもう少し距離を取って歩く様にいってくれませんかね?もうそろそろ俺の精神と体力が持たないんだよ!」
「まったく、情けないおじさんですね。お姫様に仕えている間にそういう部分は鍛えられなかったんですか?」
「鍛えられなかったから何とかしてくれって言ってんだよ!」
「………はぁ、分かりましたよ。それではロイドさん、ソフィさん、おじさんをからかうのもこれぐらいにしておきましょうか。」
小さく首を横に振ってやれやれみたいな表情をしたマホがそう言って繋いでた手をパッと離したそのすぐ後、ロイドとソフィは示し合わせたかの様にあっさりと俺から距離を取った……って、まさか!?
「おいお前ら、俺の事をからかって遊んでやがったな!?」
「いえいえ、そんな事はありませんって!」
「そうだね、それは流石に考えすぎだよ……ふふっ。」
「……私はもう少し続けたかった。」
「な、なんて分かりやすい嘘を吐く連中なんだ……!ってか、ソフィに関してはほぼ自白してる様なもんだよな?!」
「………そんな事無い。」
「いや、それは流石にバレバレだっての……はぁ、なんかどっと疲れたわ……」
「あはは……すみませんでしたおじさん。久しぶりに再会する事が出来たので、ついはしゃいじゃいました。」
「……ったく、謝るぐらいなら最初からからかうなってのっ。」
「いたっ……うぅ、すみません……」
デコピンをされたマホは額を両手で押さえながらしょんぼりとしてしまったので、俺はため息を零しながら頭をぽんぽんと軽く叩いてやった。
「まぁ、怒ってる訳じゃないからそう落ち込むな。俺も何だかんだ言って楽しかったからな。」
「ふふっ、それは良かった。」
「……九条さん、楽しかったなら続行する?」
「いや、それは止めとく。色々と耐えられないからな。」
「そう、それは残念。」
「残念ってどういうこっちゃ………」
ソフィの言葉を聞いて思わず脱力しそうになっていると、そんな俺達のやり取りを見ていたマホがおかしそうにくすくすと笑い出した。その姿を見てホッと一息ついていると、頭の中にふっと質問したい事が浮かんできた。
「そう言えば3人に聞きたい事があったんだが、俺がいない間ってどんな感じで過ごしてたんだ?手紙には女子会をしてたとか書いてあったけど。」
「あっ、そうなんですよおじさん!私達とライルさんとリリアさんとで女子会をして本当に楽しかったんですよ!」
「へぇ、そりゃ良かったな。」
「はい!朝にロイドさんのお家に集合してから皆さんでお買い物に行って、その後は少しお高めのお店で食事をして、夜になったら皆さんと一緒にお夕食を作ってお風呂に入って同じお部屋で寝て……とっても満喫してました!」
「そりゃそうだろうな………他には?何かなかったのか?」
「うーん、そうだね。他の事となると私の実家から高級食材が送られてきて、それを皆で美味しく頂いたって事ぐらいかな。」
「こ、高級食材……?」
「うん、肉と魚介類。最高に美味しかった。」
「そ、そうか………ほ、他には?」
「えーっと、後はアリシアさんとシアンちゃんが美味しいケーキを持ってきてくれたので一緒にお茶会をしたって事ぐらいですかね!」
「な、なるほど……」
……高級な肉と魚介類と美味しいケーキでお茶会だと?俺が死に物狂いでお姫様に奉仕してる間になんて羨ましい事をしてるんだ!ちきしょう!!
「九条さんは、お城でどんな事をしてたの?」
「ん?どんな事って……」
「私も気になります!お姫様にお仕えするって何をするんですか?ちょっと聞かせて下さいよ!」
「ふむ、私も興味があるな。」
「あぁそうか………まぁ別に話しても大丈夫だよな?」
どんな奉仕をしてたのか話すなって言われた訳じゃないし……とりあえずお姫様の傍若無人っぷりは隠したまま簡単に説明するか。昼時が近くなって良い感じに人通りも少なくなってきてるからな。
……それから城での生活や学園でどう過ごしてたのかを3人に説明すると、何故か物凄いキラキラした瞳のマホが俺の事を見てきた。
「うわぁ!お姫様ってそんなに沢山の事をしてるんですね!本当に凄いです!」
「そうだね。流石の私もそこまで詰め込まれた予定をこなす自信は無いかな。」
「それにかなり強いみたいだね。」
「……先に言っておくが、戦って見たいとか言うなよ。」
「………」
「おい、無言で顔を逸らすんじゃない。」
ぷいっと横を向いたソフィの頭に軽くチョップしていると、それを見て微笑んでたマホが急に何かを考えるかの様に小首を傾げた?
「そう言えばおじさん、どうして奉仕義務の期間が延長になったんですか?これまでの話を聞いてると、延長される様な要素が無かった様に思うんですけど……」
「えっ、そ、それは…その……」
な、なんでこのタイミングでその話をしてきたんだよ!?ヤバい………何とかして話を誤魔化さないと……でもどうやって言い訳すれば良いんだ?!ぐっ、こんな事になるなら昨日の夜にちゃんと考えておけばよかった!は、早く何か言わないと!
「あっ!もしかして大怪我をして帰れなかったなんて事は」
「へっ!?」
「ある訳が……‥無い………ですよね……?」
満面の笑みで冗談っぽく聞いてきたマホは………どんどんと口角を下げていって、最終的にはスッと目を細めて何だから物凄い圧を放ち始めた……‥!?
「………おじさん?」
「い、いや落ち着け!そうじゃない!さっきの反応はいきなり変な事を言われたから思わず驚いただけだ!」
「………ふふっ。」
「………マ、マホ?何でそんな怖い感じで笑いながら俺を見るんだ?」
目を見開いた状態で笑ったマホを見て思わず後ずさってしまったその瞬間、何故かロイドとソフィが左右から俺の両腕をガッと掴んで来た!?
「な、何すんだよ!?」
「いや、私も奉仕期間が延長になった理由に興味があるからね。」
「九条さん、どんな強敵と戦ったの?」
「いや、だから戦ってないから!って、ひっ!?」
悪戯っ子の様に微笑んでるロイドと目をキラキラさせてるソフィを見た後にマホの方を見てみると、物凄い至近距離から俺を見上げてるマホと目が合った!?
「まぁ、詳しい話はこの後でじっくりと聞かせて貰いますよ。時間はたっぷりとあるんですからね………」
「は、はは……ははは………」
マホに幽霊と遭遇した時とは違う恐怖を感じた俺は、理由は分からないが変な笑いがいきなり込み上げてきていた………
「ふふっ、随分と楽しそうだねマホ。」
「はい!とっても楽しいです!こうしておじさんと一緒に過ごせるなんて、とっても久しぶりですからね!」
「うん、そうだね。」
「……あの、マホはともかくロイドとソフィはもう少し離れてくれませんかね!?」
「おや、マホは良くて私達はダメなのかい?」
「差別、良くない。」
「いや、そうは言うけど2人共近すぎなんだよ!何なんだこの包囲網は!?ロイドは左肩に何度か触れそうになってるし、ソフィはずっと俺の服を掴んでるしでどういう状況なんだよこれは?!」
「もうおじさん、大声で叫んでると周りの人達に変な目で注目されちゃいますよ。」
「ぐっ、そう言うんだったらロイドとソフィにもう少し距離を取って歩く様にいってくれませんかね?もうそろそろ俺の精神と体力が持たないんだよ!」
「まったく、情けないおじさんですね。お姫様に仕えている間にそういう部分は鍛えられなかったんですか?」
「鍛えられなかったから何とかしてくれって言ってんだよ!」
「………はぁ、分かりましたよ。それではロイドさん、ソフィさん、おじさんをからかうのもこれぐらいにしておきましょうか。」
小さく首を横に振ってやれやれみたいな表情をしたマホがそう言って繋いでた手をパッと離したそのすぐ後、ロイドとソフィは示し合わせたかの様にあっさりと俺から距離を取った……って、まさか!?
「おいお前ら、俺の事をからかって遊んでやがったな!?」
「いえいえ、そんな事はありませんって!」
「そうだね、それは流石に考えすぎだよ……ふふっ。」
「……私はもう少し続けたかった。」
「な、なんて分かりやすい嘘を吐く連中なんだ……!ってか、ソフィに関してはほぼ自白してる様なもんだよな?!」
「………そんな事無い。」
「いや、それは流石にバレバレだっての……はぁ、なんかどっと疲れたわ……」
「あはは……すみませんでしたおじさん。久しぶりに再会する事が出来たので、ついはしゃいじゃいました。」
「……ったく、謝るぐらいなら最初からからかうなってのっ。」
「いたっ……うぅ、すみません……」
デコピンをされたマホは額を両手で押さえながらしょんぼりとしてしまったので、俺はため息を零しながら頭をぽんぽんと軽く叩いてやった。
「まぁ、怒ってる訳じゃないからそう落ち込むな。俺も何だかんだ言って楽しかったからな。」
「ふふっ、それは良かった。」
「……九条さん、楽しかったなら続行する?」
「いや、それは止めとく。色々と耐えられないからな。」
「そう、それは残念。」
「残念ってどういうこっちゃ………」
ソフィの言葉を聞いて思わず脱力しそうになっていると、そんな俺達のやり取りを見ていたマホがおかしそうにくすくすと笑い出した。その姿を見てホッと一息ついていると、頭の中にふっと質問したい事が浮かんできた。
「そう言えば3人に聞きたい事があったんだが、俺がいない間ってどんな感じで過ごしてたんだ?手紙には女子会をしてたとか書いてあったけど。」
「あっ、そうなんですよおじさん!私達とライルさんとリリアさんとで女子会をして本当に楽しかったんですよ!」
「へぇ、そりゃ良かったな。」
「はい!朝にロイドさんのお家に集合してから皆さんでお買い物に行って、その後は少しお高めのお店で食事をして、夜になったら皆さんと一緒にお夕食を作ってお風呂に入って同じお部屋で寝て……とっても満喫してました!」
「そりゃそうだろうな………他には?何かなかったのか?」
「うーん、そうだね。他の事となると私の実家から高級食材が送られてきて、それを皆で美味しく頂いたって事ぐらいかな。」
「こ、高級食材……?」
「うん、肉と魚介類。最高に美味しかった。」
「そ、そうか………ほ、他には?」
「えーっと、後はアリシアさんとシアンちゃんが美味しいケーキを持ってきてくれたので一緒にお茶会をしたって事ぐらいですかね!」
「な、なるほど……」
……高級な肉と魚介類と美味しいケーキでお茶会だと?俺が死に物狂いでお姫様に奉仕してる間になんて羨ましい事をしてるんだ!ちきしょう!!
「九条さんは、お城でどんな事をしてたの?」
「ん?どんな事って……」
「私も気になります!お姫様にお仕えするって何をするんですか?ちょっと聞かせて下さいよ!」
「ふむ、私も興味があるな。」
「あぁそうか………まぁ別に話しても大丈夫だよな?」
どんな奉仕をしてたのか話すなって言われた訳じゃないし……とりあえずお姫様の傍若無人っぷりは隠したまま簡単に説明するか。昼時が近くなって良い感じに人通りも少なくなってきてるからな。
……それから城での生活や学園でどう過ごしてたのかを3人に説明すると、何故か物凄いキラキラした瞳のマホが俺の事を見てきた。
「うわぁ!お姫様ってそんなに沢山の事をしてるんですね!本当に凄いです!」
「そうだね。流石の私もそこまで詰め込まれた予定をこなす自信は無いかな。」
「それにかなり強いみたいだね。」
「……先に言っておくが、戦って見たいとか言うなよ。」
「………」
「おい、無言で顔を逸らすんじゃない。」
ぷいっと横を向いたソフィの頭に軽くチョップしていると、それを見て微笑んでたマホが急に何かを考えるかの様に小首を傾げた?
「そう言えばおじさん、どうして奉仕義務の期間が延長になったんですか?これまでの話を聞いてると、延長される様な要素が無かった様に思うんですけど……」
「えっ、そ、それは…その……」
な、なんでこのタイミングでその話をしてきたんだよ!?ヤバい………何とかして話を誤魔化さないと……でもどうやって言い訳すれば良いんだ?!ぐっ、こんな事になるなら昨日の夜にちゃんと考えておけばよかった!は、早く何か言わないと!
「あっ!もしかして大怪我をして帰れなかったなんて事は」
「へっ!?」
「ある訳が……‥無い………ですよね……?」
満面の笑みで冗談っぽく聞いてきたマホは………どんどんと口角を下げていって、最終的にはスッと目を細めて何だから物凄い圧を放ち始めた……‥!?
「………おじさん?」
「い、いや落ち着け!そうじゃない!さっきの反応はいきなり変な事を言われたから思わず驚いただけだ!」
「………ふふっ。」
「………マ、マホ?何でそんな怖い感じで笑いながら俺を見るんだ?」
目を見開いた状態で笑ったマホを見て思わず後ずさってしまったその瞬間、何故かロイドとソフィが左右から俺の両腕をガッと掴んで来た!?
「な、何すんだよ!?」
「いや、私も奉仕期間が延長になった理由に興味があるからね。」
「九条さん、どんな強敵と戦ったの?」
「いや、だから戦ってないから!って、ひっ!?」
悪戯っ子の様に微笑んでるロイドと目をキラキラさせてるソフィを見た後にマホの方を見てみると、物凄い至近距離から俺を見上げてるマホと目が合った!?
「まぁ、詳しい話はこの後でじっくりと聞かせて貰いますよ。時間はたっぷりとあるんですからね………」
「は、はは……ははは………」
マホに幽霊と遭遇した時とは違う恐怖を感じた俺は、理由は分からないが変な笑いがいきなり込み上げてきていた………
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