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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第144話

厳重に警備された城門を通り抜けた先で馬車を降ろされた俺達は、目の前で圧倒的な存在感を放つ城を見上げながら感嘆のため息を漏らしていた。

「うわっ、やっぱ間近で見ると城って迫力が凄いんだな…」

「あぁ、そうだな…」

ゲームとかでは何度も見た事があるけど、実際に見るとこんなにデカいんだな…
それに中庭の広さもロイドの実家の倍ぐらいあるし、警備兵の数もかなり多いし……正直、ここまでスケールがデカすぎると驚く以外の感情が全く出てこないんだが。

「すまない、通してもらえるか。」

「あっ、悪かったな隊長さん。」

ヒイロと一緒に馬車から離れた直後、スタッと隊長さんが荷台から降りてきた。
そして周囲に居た警備兵を引き連れて前方に歩いて行くと、城内に続くメチャクチャデカい階段の前に立って眼鏡を上げながら俺達の事を見てきた。

「皆さん!これより国王陛下達と面会してもらう事になっているが、その前に我々の指示に従って整列してもらい身体検査を行わせてもらう!その際、武器等の危険物は一度預からせてもらうのでそのつもりで!」

有無を言わさぬ迫力でそう告げた隊長さんは、周りの警備兵に目配せをして小さく頷いた。その直後、警備兵がイケメン達を横一列の5人1組に整列させ始めた。
それを見ていた俺とヒイロは一番後方で同じ様に並ぶと、身体検査の順番が来るのをじっと待っていた。

しばらくして、特に問題も無く身体検査が終わった事を報告された隊長さんは満足そうに頷くともう一度眼鏡を上げて俺達の事を見てきた。

「皆さんのご協力に感謝する!それではこれより、国王陛下達がいらっしゃる玉座の間に向かうので列を崩さずついて来てくれ!」

颯爽と階段を昇ってバカでかい城の扉に向かって行く隊長さんの後に続き、俺達も周囲を警備兵に囲われながらついて行った……てか、時々思うんだがどうして城内に入る為の扉ってこんなに派手でデカいんだろうな…もうちょい小さくても良くない?

そんな事を呑気に考えながら足を踏み入れた先には、複数の巨大な柱に支えられた高い天井と巨大なシャンデリア……そして真っ赤な絨毯の先に続く長くて広い階段と廊下が存在してた……え?城の中ってこんな凄かったの?ヤバすぎじゃね?

「うわっ、どんだけ広いだよここ……なんか迷子になりそうだな…」

「では、この奥に国王陛下達がいらっしゃいるので静かについてきてくれ。」

隊長さんの言葉に誰も何も言わず、黙ったまま絨毯の先に向かって歩き続けた。
…3回ぐらい階段を上がり、更に廊下の奥に進んで行った先に2人の警備兵に護られている巨大な両開きの扉が見えてきた。

「なぁ九条のおっさん、あの先に居るんだよな…」

「あぁ、間違いなくな。」

「だよな…ふぅ、なんか緊張してきぜ…国王陛下達ってどんな人達なんだろうな。」

「……さぁ、会ってみればわかるだろうよ。」

「…そうだよな。よしっ、気合入れ行くぞ。」

順調にフラグを築き上げるヒイロに心の中で最大限の感謝を送っていると、扉の前に居た警備兵が隊長さんに向かってビシッと敬礼をしてきた。それを見て深く頷いた隊長さんは、立ち止まって俺達の方に振り返って来た。

「皆さん、この先には国王陛下達がいらっしゃるのでくれぐれも無礼の無い様に。」

静かな声でそう告げた隊長さんは、警備兵の人達の方を見てもう一度深く頷いた。
その直後、2人の警備兵は静かに振り返ると重々しい音を立てながら巨大な扉を押し開いていった。

…完全に開ききった扉の先には荘厳な雰囲気を漂わせる空間が広がっていて、その奥の方では派手でデカい椅子に座った国王陛下達がこっちを見ているのだった。

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