おっさんの異世界生活は無理がある。
第119話
日が傾いて空が赤くなって来た頃に街の案内を終えた俺達は外で飯を済ませると、エルアの宿屋の近くまで来ていた。
「あの、本当にすみません。わざわざ宿屋の近くまで付き添って頂いて・・・」
「いや、別に謝る事じゃねぇよ。俺達がそうしたいからそうしてるだけだしな。」
「え、その、あの・・・あ、ありがとうございます・・・」
んー、今日一日でだいぶ慣れたんだろうとは思うんだがまだ緊張するみたいだな。まぁ後2週間ぐらいあるし、気長に慣れてくれるのを待つとするか。
「・・・にしても、ここら辺に来るのは随分と久しぶりだな。」
「ですね、家を買って以来ですから数ヶ月ぶりになりますかね。」
「おや、2人はこの街の宿屋を利用していた事があるのかい?」
「ん?まぁ数週間くらいだけどな。ほら、そこにある宿屋だよ。」
俺が目を向けた先にはこの街に来た当初、ずっと利用していた宿屋が見えていた。
いやぁ懐かしいなぁ・・・マホに覗かないでくださいね!とか言われたり、ケーキを一緒に食っていたあの日々が・・・あの時は、こんな感じで生活しているなんて予想もして無かったな・・・変われば変わるもんだな。
「ふふっ、どうやらあの宿屋には2人の思い出が詰まっている様だね。」
宿屋を通り過ぎてからも少しばかり懐かしんでいると、後ろを歩いていたロイドが優しい感じの声でそう言ってきた。
「はい!楽しかった事とか苦労した事とかいっぱい詰まってます!」
「・・・そうだな。」
マホの言葉に自然と笑みが浮かびながら返事をした俺は、こっちを見て微笑んでるエルアに気が付いた。そしてエルアも俺が見ている事に気が付いたのか、慌てた様子で小さく頭を下げてきた。
「あっ、すみません。九条さんとマホさんのやり取りを見ていたらつい・・・」
「いやいや、気にしてないから大丈夫だって。それより、エルアが利用してる宿屋はどこら辺にあるんだ?」
「えっと、もうすぐ見えてくると・・・あ、アレが僕が利用している宿屋です。」
「へぇ、あの宿屋・・が・・・え?」
エルアが指さした方向にある宿屋を見てみたんだが・・・何か、俺が使ってた宿屋の倍以上の豪華さがあるんですけど・・・あ、あれ?もしかしてエルアも・・・?
「うわぁ、見てくださいよおじさん!あの宿屋の高級感!あそこだけ周囲の宿屋から浮いて見えます!」
「あ、あぁそうだな・・・てか、え?あそこに泊まってんのか?」
「は、はい。今回の事を父に話したら、あの宿屋を予約してしまって・・・何でも、警備が万全だから安心だって・・・」
「そ、そうか・・・」
いやいやエルアの親父さんよ。確かにエルアは可愛いけど男の子だぞ?正直、俺らが使ってた宿屋で充分だと思うんだが・・・親心ってのはわからんなぁ・・・
なんて思っていると、エルアが恥ずかしそうにしながら俺達の前に出て来た。
「あの、皆さん。ここまで付き添って頂いてありがとうございました。おかげで迷う事無く宿屋に着く事が出来ました。」
「そうかい?なら良かったよ。」
・・・正直、あんな目立つ宿屋なら俺達の付き添いはいらなかったと思うが・・・うん、余計な事は言わず黙っておくのが一番だな。
「さて、そんじゃあ俺達も帰るとするか。そんじゃあエルア、また明日な。」
「は、はい!明日は朝からお世話になります!」
「うん。きちんと装備を忘れずに持ってくるんだよ。」
「わ、分かりました!ちゃんと持っていきます!」
「本、忘れずに読んでね。特にお勧めした方の本を。」
「勿論、ちゃんと読ませて頂きます!」
「エルアさん!お勧めの本、読んだら感想を聞かせてくださいね!楽しみにしてますから!」
「あぁそれとエルア、明日の昼飯は一緒に作ろうと思ってるから今日買った本を見て何を作るか決めといてくれ。それに合わせて食材を買いに行くから。」
「は、はい!お勧めの本を読んでレシピを決めておきます!」
「いや、それごっちゃになってるから・・・まぁ良いけどさ、そんじゃあな。」
「それじゃあエルア、また明日。」
「ばいばい。」
「それではエルアさん、また明日です!」
「は、はい!皆さん、また明日よろしくお願いします!」
緊張しながら頭を下げてきたエルアに別れを告げた俺達は、そのまま家路につくのだった・・・さて、明日からまた騒がしくなりそうだな。とりあえず、俺も帰ったら買った本を読んでレシピを覚えとくか・・・・師匠としてな。
「あの、本当にすみません。わざわざ宿屋の近くまで付き添って頂いて・・・」
「いや、別に謝る事じゃねぇよ。俺達がそうしたいからそうしてるだけだしな。」
「え、その、あの・・・あ、ありがとうございます・・・」
んー、今日一日でだいぶ慣れたんだろうとは思うんだがまだ緊張するみたいだな。まぁ後2週間ぐらいあるし、気長に慣れてくれるのを待つとするか。
「・・・にしても、ここら辺に来るのは随分と久しぶりだな。」
「ですね、家を買って以来ですから数ヶ月ぶりになりますかね。」
「おや、2人はこの街の宿屋を利用していた事があるのかい?」
「ん?まぁ数週間くらいだけどな。ほら、そこにある宿屋だよ。」
俺が目を向けた先にはこの街に来た当初、ずっと利用していた宿屋が見えていた。
いやぁ懐かしいなぁ・・・マホに覗かないでくださいね!とか言われたり、ケーキを一緒に食っていたあの日々が・・・あの時は、こんな感じで生活しているなんて予想もして無かったな・・・変われば変わるもんだな。
「ふふっ、どうやらあの宿屋には2人の思い出が詰まっている様だね。」
宿屋を通り過ぎてからも少しばかり懐かしんでいると、後ろを歩いていたロイドが優しい感じの声でそう言ってきた。
「はい!楽しかった事とか苦労した事とかいっぱい詰まってます!」
「・・・そうだな。」
マホの言葉に自然と笑みが浮かびながら返事をした俺は、こっちを見て微笑んでるエルアに気が付いた。そしてエルアも俺が見ている事に気が付いたのか、慌てた様子で小さく頭を下げてきた。
「あっ、すみません。九条さんとマホさんのやり取りを見ていたらつい・・・」
「いやいや、気にしてないから大丈夫だって。それより、エルアが利用してる宿屋はどこら辺にあるんだ?」
「えっと、もうすぐ見えてくると・・・あ、アレが僕が利用している宿屋です。」
「へぇ、あの宿屋・・が・・・え?」
エルアが指さした方向にある宿屋を見てみたんだが・・・何か、俺が使ってた宿屋の倍以上の豪華さがあるんですけど・・・あ、あれ?もしかしてエルアも・・・?
「うわぁ、見てくださいよおじさん!あの宿屋の高級感!あそこだけ周囲の宿屋から浮いて見えます!」
「あ、あぁそうだな・・・てか、え?あそこに泊まってんのか?」
「は、はい。今回の事を父に話したら、あの宿屋を予約してしまって・・・何でも、警備が万全だから安心だって・・・」
「そ、そうか・・・」
いやいやエルアの親父さんよ。確かにエルアは可愛いけど男の子だぞ?正直、俺らが使ってた宿屋で充分だと思うんだが・・・親心ってのはわからんなぁ・・・
なんて思っていると、エルアが恥ずかしそうにしながら俺達の前に出て来た。
「あの、皆さん。ここまで付き添って頂いてありがとうございました。おかげで迷う事無く宿屋に着く事が出来ました。」
「そうかい?なら良かったよ。」
・・・正直、あんな目立つ宿屋なら俺達の付き添いはいらなかったと思うが・・・うん、余計な事は言わず黙っておくのが一番だな。
「さて、そんじゃあ俺達も帰るとするか。そんじゃあエルア、また明日な。」
「は、はい!明日は朝からお世話になります!」
「うん。きちんと装備を忘れずに持ってくるんだよ。」
「わ、分かりました!ちゃんと持っていきます!」
「本、忘れずに読んでね。特にお勧めした方の本を。」
「勿論、ちゃんと読ませて頂きます!」
「エルアさん!お勧めの本、読んだら感想を聞かせてくださいね!楽しみにしてますから!」
「あぁそれとエルア、明日の昼飯は一緒に作ろうと思ってるから今日買った本を見て何を作るか決めといてくれ。それに合わせて食材を買いに行くから。」
「は、はい!お勧めの本を読んでレシピを決めておきます!」
「いや、それごっちゃになってるから・・・まぁ良いけどさ、そんじゃあな。」
「それじゃあエルア、また明日。」
「ばいばい。」
「それではエルアさん、また明日です!」
「は、はい!皆さん、また明日よろしくお願いします!」
緊張しながら頭を下げてきたエルアに別れを告げた俺達は、そのまま家路につくのだった・・・さて、明日からまた騒がしくなりそうだな。とりあえず、俺も帰ったら買った本を読んでレシピを覚えとくか・・・・師匠としてな。
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