おっさんの異世界生活は無理がある。
第114話
「・・・弟子?」
「は、はい!僕、どうしても弟子になりたくて!お願いします!」
必死になって頭を下げる男の子・・・で、良いんだよな?一人称僕だし。
つうか弟子って・・・あっ、そういう事か。だからこういう格好してる訳ね?
ふぅ、危うく勘違いする所だったぜ・・・そういう事なら後は任せるとしますか。
「うん、分かった。ちょっと待っててくれ。」
「え、あ、はい!分かりました!」
うんうん、礼儀正しい良い子だな。よしっ、それじゃあさっそく呼んで来るか。
俺は男の子に小さく頭を下げると玄関の扉を閉めてリビングに向かった。
「あっ、ご主人様!一体誰が来たんですか?」
「ん、いやちょっとな。」
テーブルに料理を並べながら訪ねてきたマホに軽く返事をしながら、俺はソフィとよく分からないボードゲームをしているロイドに近づいていった・・・いや、本当に何のゲームなんだこれ?いや、まぁそんな事はどうでも良いか。
「ロイド、お前に客人が来てるぞ。」
「私に?」
「あぁ、外で待ってるから行ってみてくれ。」
「ふむ・・・分かった。ソフィ、この続きはまた後で構わないかい?」
「うん。ロイドが対応している間に対策を考えとく。」
「おやおや、それなら少し急がないとまずいかな。じゃあ行ってくるよ。」
ロイドはそう言うとソファーから立ち上がりリビングを出て行った。それを見送った俺は満足しながら頷いて朝飯を食べる為に椅子に座った。そのすぐ後、カップを
持ったマホが不思議そうな顔をしながら隣に座ってきた。
「それでご主人様、訪ねて来たのは誰だったんですか?」
「うーん、それが何て言うか・・・ロイドの弟子になりたいって男の子?」
「はい?弟子?どういう事ですかそれ?」
「いや、俺に聞かれても困るんだが・・・でもまぁ言葉通りの意味じゃないのか?
だって開口一番弟子にして下さいって叫んでたし、それ以外の意味ないだろ。」
俺はそう言いながら手を合わせると、いただきますと呟いてマホが用意してくれた朝食を食べ始めた。その間、マホは考える様に腕を組みながら首をかしげていた。
「その子・・・どうしてここにロイドさんが居るって思ったんでしょうか?」
「は?何言ってんだ?そりゃ・・・・・何でだ?」
あれ?どういう事だ?俺達が一緒に住んでる事はロイドの家族くらいしか知らないはずだよな?だってバレたら確実に騒ぎになるだろうし、俺もファンに・・・ってかリリアさんに確実に消されるだろうし・・・あれ?
「その子、本当にロイドの弟子になりに来たの?」
いつの間にか俺の前に移動してきていたソフィが、不意にそんな事を訪ねて来た。
俺は全身に嫌な汗を感じ始めながらも、いたって平静、冷静にその質問に答えた。
「な、なにを言ってるんだソフィ?そ、そんなの当たり前じゃないか。だって、甲冑着てたんだぞ?それで弟子にして下さいって絶対にロイドの弟子入りだろ?なぁ?」
「ご主人様・・・もしかして・・・やっちゃいました?」
「や、やっちゃったって何をだよ!?」
「つまりですね・・・盛大なる勘違いを・・・」
「ふむ、ご名答だマホ。」
マホの言葉に答える感じでロイドの声が聞こえてきたと思った俺は、そっちの方にバッと視線を向けてみた・・・するとそこには、緊張でガチガチに固まってる男の子の肩に手を置いて微笑んでいるロイドの姿があった・・・っていうか、ご名答って?
「ダメじゃないか九条さん。人の話はきちんと聞かないとね。だからこういった勘違いが起きるんだよ。」
「か、勘違い?・・・って、まさか・・・」
「うん、察しがよくて助かるよ。それじゃあほら、自分の口からもう一度お願いすると良いよ。今度はきちんと伝わるようにね。」
ロイドは爽やかな笑みを浮かべると、男の子の背中をそっと押して俺の前にやって来させた。男の子は俺でも聞こえるぐらいの大きさで喉を鳴らすと、真剣な表情で俺の事を見てきた。そしてビシッと背筋を伸ばすとそのまま勢いよく頭を下げて・・・
「は、初めまして!『エルア・ディムルド』!16歳です!く、九条さん!もしよろしかったら、僕を弟子にして下さい!お願いします!!」
「・・・・えぇ・・・?」
・・・まさかまさかの、いや、予想できそうな、いや、もう何か色々混乱した頭で皆に目を向けてみると、ロイドは満足そうに何度も深々と頷いていて、マホは何故
だか涙を拭うような仕草をしていて、ソフィは俺の朝飯をつまみぐいしていて・・・あぁ、カオスとは、こういう事を、言うのでしょうか?てか・・・・・・何で、俺?
突然現れた弟子志願者によって頭の中を疑問符でいっぱいにされた俺は、目の前の男の子の頭頂部を眺めながらしばし固まるしかなかった・・・
「は、はい!僕、どうしても弟子になりたくて!お願いします!」
必死になって頭を下げる男の子・・・で、良いんだよな?一人称僕だし。
つうか弟子って・・・あっ、そういう事か。だからこういう格好してる訳ね?
ふぅ、危うく勘違いする所だったぜ・・・そういう事なら後は任せるとしますか。
「うん、分かった。ちょっと待っててくれ。」
「え、あ、はい!分かりました!」
うんうん、礼儀正しい良い子だな。よしっ、それじゃあさっそく呼んで来るか。
俺は男の子に小さく頭を下げると玄関の扉を閉めてリビングに向かった。
「あっ、ご主人様!一体誰が来たんですか?」
「ん、いやちょっとな。」
テーブルに料理を並べながら訪ねてきたマホに軽く返事をしながら、俺はソフィとよく分からないボードゲームをしているロイドに近づいていった・・・いや、本当に何のゲームなんだこれ?いや、まぁそんな事はどうでも良いか。
「ロイド、お前に客人が来てるぞ。」
「私に?」
「あぁ、外で待ってるから行ってみてくれ。」
「ふむ・・・分かった。ソフィ、この続きはまた後で構わないかい?」
「うん。ロイドが対応している間に対策を考えとく。」
「おやおや、それなら少し急がないとまずいかな。じゃあ行ってくるよ。」
ロイドはそう言うとソファーから立ち上がりリビングを出て行った。それを見送った俺は満足しながら頷いて朝飯を食べる為に椅子に座った。そのすぐ後、カップを
持ったマホが不思議そうな顔をしながら隣に座ってきた。
「それでご主人様、訪ねて来たのは誰だったんですか?」
「うーん、それが何て言うか・・・ロイドの弟子になりたいって男の子?」
「はい?弟子?どういう事ですかそれ?」
「いや、俺に聞かれても困るんだが・・・でもまぁ言葉通りの意味じゃないのか?
だって開口一番弟子にして下さいって叫んでたし、それ以外の意味ないだろ。」
俺はそう言いながら手を合わせると、いただきますと呟いてマホが用意してくれた朝食を食べ始めた。その間、マホは考える様に腕を組みながら首をかしげていた。
「その子・・・どうしてここにロイドさんが居るって思ったんでしょうか?」
「は?何言ってんだ?そりゃ・・・・・何でだ?」
あれ?どういう事だ?俺達が一緒に住んでる事はロイドの家族くらいしか知らないはずだよな?だってバレたら確実に騒ぎになるだろうし、俺もファンに・・・ってかリリアさんに確実に消されるだろうし・・・あれ?
「その子、本当にロイドの弟子になりに来たの?」
いつの間にか俺の前に移動してきていたソフィが、不意にそんな事を訪ねて来た。
俺は全身に嫌な汗を感じ始めながらも、いたって平静、冷静にその質問に答えた。
「な、なにを言ってるんだソフィ?そ、そんなの当たり前じゃないか。だって、甲冑着てたんだぞ?それで弟子にして下さいって絶対にロイドの弟子入りだろ?なぁ?」
「ご主人様・・・もしかして・・・やっちゃいました?」
「や、やっちゃったって何をだよ!?」
「つまりですね・・・盛大なる勘違いを・・・」
「ふむ、ご名答だマホ。」
マホの言葉に答える感じでロイドの声が聞こえてきたと思った俺は、そっちの方にバッと視線を向けてみた・・・するとそこには、緊張でガチガチに固まってる男の子の肩に手を置いて微笑んでいるロイドの姿があった・・・っていうか、ご名答って?
「ダメじゃないか九条さん。人の話はきちんと聞かないとね。だからこういった勘違いが起きるんだよ。」
「か、勘違い?・・・って、まさか・・・」
「うん、察しがよくて助かるよ。それじゃあほら、自分の口からもう一度お願いすると良いよ。今度はきちんと伝わるようにね。」
ロイドは爽やかな笑みを浮かべると、男の子の背中をそっと押して俺の前にやって来させた。男の子は俺でも聞こえるぐらいの大きさで喉を鳴らすと、真剣な表情で俺の事を見てきた。そしてビシッと背筋を伸ばすとそのまま勢いよく頭を下げて・・・
「は、初めまして!『エルア・ディムルド』!16歳です!く、九条さん!もしよろしかったら、僕を弟子にして下さい!お願いします!!」
「・・・・えぇ・・・?」
・・・まさかまさかの、いや、予想できそうな、いや、もう何か色々混乱した頭で皆に目を向けてみると、ロイドは満足そうに何度も深々と頷いていて、マホは何故
だか涙を拭うような仕草をしていて、ソフィは俺の朝飯をつまみぐいしていて・・・あぁ、カオスとは、こういう事を、言うのでしょうか?てか・・・・・・何で、俺?
突然現れた弟子志願者によって頭の中を疑問符でいっぱいにされた俺は、目の前の男の子の頭頂部を眺めながらしばし固まるしかなかった・・・
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