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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第103話

突然の事に驚き戸惑っていると、仮面のメイドが腕を組みながらテーラー・パークの事を見上げて一歩前に出た。

「お久しぶりって事は、貴方はテーラー・パークさんよね。随分派手な登場じゃ
ないの。」

「えぇえぇ!モニターを見ている皆さんに楽しんで頂くために全力を出させて頂きました!どうでしたか?お二人もお楽しみいただけましたか!」

「い、いやいや!楽しめる訳ないだろうが!」

俺は勢い付けて立ち上がるとテーラー・パークを睨みつける!そうしたら半透明のガラスの中からニタニタしながらこっちを見てきやがった!

「おやぁ、どうかなさまいましたか?そんな怒った表情で私の事を睨みつけて!」

「いやそりゃ怒るだろ!後少し避けるのが遅かった大怪我してた所なんだぞ!」

「まぁまぁ、そうなったらそうなったですよ!運が悪かったという事ですね!」

「なっ・・・!」

凄いあっさりと俺の文句を流したテーラー・パークは笑顔を浮かべて機械を操作
すると、階段の前に向かって行った。そしてグルンと俺達の方に振り返ると、両手を高く上げて2回手を叩いた。

『それではステージの準備も整いました所でルール説明をさせて頂きます!
ですが今回もルールは簡単!テーラー・パーク氏が乗っているディザイア君を打ち
倒して扉の前にある端末に腕輪をつけるだけです!』

「う、打ち倒すってどうやってやるんだよ!こっちには武器も何も無いぞ!」

『おっと慌てないでくださいね!武器ならしっかり用意してありますから!』

実況がそう言った途端、背後で何かが落ちてきた様な音が聞こえてきた!?
ビックリして振り返ると、そこにはカイちゃんとトウくんが持っていたのと同じ武器が転がっていた・・・え、まさかこれが?

『弓は魔力を込めて引くと電撃が放てる優れ物!そして警棒はスイッチ1つで電気が流れる素晴らしい武器です!好きな方を相談してお持ちください!』

いや、相談も何も仮面のメイドの背後に弓が落ちて警棒が俺の後ろに落ちたって事はそういう事だろ。現に仮面のメイドは弓を手に引き具合を確かめてるし・・・

俺は落ちてる警棒を拾い上げると持ち手にあったスイッチを入れてみると、確かに実況の言う通りバチバチと電気が流れだした・・・てか、これ屋敷で使ってたのと
似た感じの警棒だな・・・って、そうじゃなくて!

「な、なぁ!武器ってこれだけか!?」

『その通りです!お二人が今持っている武器や魔法を駆使して、ディザイア君を打ち
倒してくださいね!でないと扉の前の端末は起動しませんから!』

「なるほど、先に進むにはあのバカでかい機械を倒すしかない訳ね。中々歯ごたえのありそうなイベントね。」

「いや、歯ごたえ所の話じゃないだろ!こんなしょぼい武器でどうたってあんなのを倒すんだよ!」

「さぁ?それは後で考えれば良いんじゃないかしら。それよりも・・・」

仮面のメイドが言葉を途切れさせて階段の方に集中しだしたので、俺もつられて
そっちに目を向けた。するとテーラー・パークがうつ向きながら肩を震わせていた?

「くっくっくっ・・・いやぁ、良いですねぇ・・・絶望的状況に追い込まれた人達を見るのは実に面白い・・・では、更に絶望を与えてあげましょうかねぇ!」

テーラー・パークは歯を見せながら高笑いをして手を高く振り上げた!そしてそのまま下の方に振り下ろして何かを押す様な動作を見せた・・・その次の瞬間、機械が白い蒸気を吐き出しながら変形を始めた?!

何も無かった両腕の部分はガトリング砲の様な形状になって、背後からは電気が流れる巨大な警棒の様な物が十数本出て来やがった!?

「おいおいおいふざけんなよ!」

「ほーっほっほっほ!良いですねぇ!貴方の焦りや不安が手に取る様に分かります!
実に素晴らしいです!その絶望を打ち破って見事私に打ち勝ってくださいよ!
そうすればモニターを見ている皆さんも大変に盛り上がりますからねぇ!!」

「いや絶対に勝たせる気ないだろ!?そんな重武装しといてふざけた事言ってんじゃねぇよ!!」

『さぁ!挑む者と挑まれる者の準備が整いました!それではブザーが鳴ったら
スタートです!』

「おい!まだ話は」

「いつまでも文句を言ってないで覚悟を決めなさい!もう始まるわよ!」

「あぁクソッ!」

仮面のメイドの言葉を聞いた俺は武器を構えるとテーラー・パークを睨みつける!その瞬間、部屋の中にブザーの音が鳴り響いてきた!そして・・・・!

「それではまず小手調べと行きましょうか!ポチッとな!」

テーラー・パークが何かのボタンを押した途端、ガトリング砲がゆっくりと回りだしながら俺達の方に向いて来た!

「バラバラに逃げるわよ!走って!」

「わ、分かった!」

左右に分かれる様に俺達が走り出しすと、ガトリング砲から拳ほどの大きさの何かが発射されてきた!何かと思って見ていると、それがぶつかった所が濡れている事に気が付いた・・・まさかこれって!

「どうですか!高速で発射される水風船の威力と言う物は!当たれば腕輪は機能停止してしまいますよぉ!ほらほらぁ!」

2つのガトリング砲から凄い速さで発射され水風船を、俺と仮面のメイドは走りながら何とかかわし続けていた!そして一瞬の隙をついて、仮面のメイドが電撃をテーラー・パークに向けて放った!

「おやおや良いですねぇ!ですが!」

仮面のメイドが放った電撃はディザイアの後ろでうごめいていた触手に叩き潰されてしまった!だがそのおかげでガトリング砲の勢いが弱まってきた。どうやら2つの武器を同時には使えない様だな!

「だったら!」

俺は勢いがなくなってきた水風船をかいくぐりガトリング砲の下に滑り込むと、
立ち上がるのと同時に警棒を叩きつけた!これでカイくん同様動きが鈍ってくれれば良いんだが・・・そう思っていたら、薙ぎ払うような感じで触手が一本襲ってきた!

「くっ、ぐうぇ!」

どう避けるか考えていると急に胴体に何かが巻き付いて来て、物凄い力で後ろに
向かって引っ張られた!そしてそのまま引きずられる様にして部屋の端に来ると、
ワイヤーを手に巻いた仮面のメイドが俺の事を見降ろしていた。

『おぉっと!間一髪という所で仮面のメイドが男性の事を救い出しました!
これは思いやりの溢れた素晴らしい展開ですね!モニターを見ている皆さんからも、大きな歓声があがっております!』

「お帰り、上手く隙を突いて攻撃できたみたいね。」

「お、お前・・・」

「あら、お礼は良いのよ。勿論感謝してくれても構わないけどね。」

「だ、誰が感謝何かいででで!締まってる!ワイヤーが締まってるから!」

「感謝、してくれても構わないけどね。」

「ありがとう感謝してます!」

「いえいえどういたしまして。」

仮面のメイドは満足そうにして俺の腹に絡まっていたワイヤーをする解いた。
全く、どうやって操ってんだよそのワイヤー・・・・って、それよりもだ・・・

「おやおや、まさか攻撃を受けるとは想定外ですね。中々素晴らしい連携でしたよ
お二人共・・・ですが残念でしたね!ディザイア君は電気を通さない性質で出来ていますので残念ながら攻撃は無効です!それとついでにご忠告差し上げますが、私の
周囲にある半透明のガラスは強化ガラスとなっていますからご注意を!!」

嫌みったらしく笑ったテーラー・パークは再度ボタンを押してガトリング砲を回転させ始めた!その直後、仮面のメイドが俺の前にしゃがみ込んで床に両手をつけた。

「お、おい何を・・・」

「まぁ見てなさい!」

仮面のメイドがそう言った直後、目の前の地面が盛り上がって俺達を隠す壁に
なった!そのすぐ後、大量の水風船が出来上がった壁にぶつかる様な音が聞こえて
きた。

『何という事でしょうか!仮面のメイドが出現させた壁が2人を護るように出現しました!ですが水風船の威力を考えると、そう長くは持たないかもしれません!
壁が壊れるまでの間にどうにかしないと、今年の優勝者は出ないかもしれません!』

実況の煽る様な声が響き渡る中、仮面のメイドがしゃがんだまま振り返って俺の事を見てきた。

「これで少しは時間が稼げるでしょう。それじゃあ作戦会議をしましょうか。」

「作戦会議?」

「えぇ、あの機械は電気を通さないって事は私達が持っている武器は役に立たない
って事よ。随分と舐めた真似してくれてるけど、だからって諦めるつもりはないわ。貴方もそうでしょ?」

「・・・あぁ、虚仮にされたまま終わってたまるか。絶対にぶっ倒してやる。」

「ふふっ、それで良いわ。さて、どうやってアイツを倒しましょうかね。」

「そうだな・・・あの体に電撃が効かないってなると、直接テーラー・パークを
潰すしかないだろうな。」

「確かにね。だとしたらアイツを護ってる強化ガラスが邪魔ね。何とかしてアレを
壊さないと。」

「あぁ、だけどどうする?魔法を撃っても触手に叩き潰されて終わりだろうし。」

「・・・だったら、叩き潰されない程デカい物をぶつけてやれば良いんじゃない?」

「デカい物?でもそんな魔法を撃つとしたら多少時間もかかるし隙も生まれるぞ。」

「あら、誰がそんな魔法を撃つ何て言ったかしら?」

「は?じゃあ一体何をぶつけるんだ?」

「ふふっ。アレよアレ。」

「・・・アレ?」

仮面のメイドが人差し指を上に向けたので、何があるのかと見てみたらそこに
あったのは・・・

「シャンデリア?」

「そう、あれだけデカかったら重量もそれなりにあるでしょ。それをぶつけたらあの強化ガラスも壊れると思うわ。」

「いや、あんなの下手したら死ぬだろ!」

「大丈夫よ強化ガラスって言ってたんだから。」

「いやでも・・・」

「もうグダグダ言わない!他に案も無いんでしょ?だったら私の作戦に乗りなさい!じゃないと私達どっちも終わるわよ!」

た、確かに仮面のメイドの言う通りだけど・・・どうする、普通の攻撃は通用しないだろうし強化ガラスを壊さないとテーラー・パークは倒せない・・・でも、
シャンデリアなんか落としたら最悪の結果が・・・あれ?でもアイツ、最初俺達の事をあのデカい物体で踏みつぶそうとしたよな?・・・よしっ!決めた!

「分かった、その作戦に乗ってやる!俺は何をすればいいんだ!」

まぁ先にあっちが俺達の命を無視する様な攻撃をして来たんだもんな!だったら
こっちがそれをやったって文句は言われないはずだ!うん!

「うん、それで良いわ。じゃあシャンデリアの下に誘導よろしくね!」

「は、ちょ!?」

仮面のメイドに急に立たされた俺は背中を押されて壁の外に出されてしまった!
驚いてよろけつつも体勢を直してテーラー・パークに目を向けると、片目を釣り上げニタニタしながら俺の事を見ていた。

「おやおやもしかして仲間割れですか?まぁ何でも良いですがね!」

叫ぶ様にボタンが押されると、2つのガトリング砲がゆっくりと回りだした!
その直後に仮面のメイドの方に目を向けると、何故だか俺に指を向けてパチンと鳴らしてきた!その瞬間、辺り一面が真っ白で冷たい煙に包み込まれた・・・もしかしてこの煙って霧か?

「な、何ですかこれは!」

『これはどうした事でしょうか!?突然白い煙が出現して2人の姿が見えなくなってしまいました!一体どこに消えてしまったのでしょうか!』

実況の声が響き渡る中、俺は身を隠す様にして屈みながら仮面のメイドが居た所を見てみた。どうやらあっちはシャンデリアを落とす為に移動を始めたらしいな・・・じゃあ俺も、囮としての役割を果たすとするか!

俺は霧の中に身を隠しながらテーラー・パークに接近していくと、地面を蹴って
ディザイアの上に立つとニヤリと笑いながら強化ガラスを思いっきり踏みつける!

「うおっ!舐めた真似をしてくれますね!」

驚きと怒りの混じった表情を浮かべたテーラー・パークは、ディザイアを激しく
揺さぶって俺を振り落とそうとしてきた!それと同時に複数の触手を勢いよく振り下ろしてきたので、俺はそれをかわして背後に降りると足元をくぐり抜けて入って来た扉に近い中央付近に向かって行く!

「ど、何処だ!何処に行ったんですか!」

暴れながら俺を探すテーラー・パークに注意を払いつつ、俺は床に手をついて仮面のメイドが作ったのと同じ様な壁を作り上げる。

「そこにいましたか!」

壁に気が付いたテーラー・パークが大声を出しながら水風船を壁に向かって発射
してきた!それと同時に俺は空中に鋭利な氷を無数に作り上げて、強化ガラス目掛けて撃ち出した!

「ほーっほっほっほ!こんな物は無駄ですよ!いい加減に理解したらどうですか!」

テーラー・パークは俺が撃ち出した氷を触手を使って次々と壊してく、そうするとガトリング砲の回転が収まってきて水風船が撃ち出されなくなった!よしっ!

氷を壊す事に集中しているテーラー・パークの視界に入らない様に気を付けながらガトリング砲に接近すると、俺は2つの銃口に両手を当てて装填されていた水風船を破裂させる!そして溢れ出してきた水を一気に凍らせた!

「なっ、いつ間にこんな所に!えぇい邪魔ですよ!」

テーラー・パークは俺に気が付くとまた触手を突き刺す感じで振り下ろしてきた!それらを後ろに下がりながらかわした俺は、先ほど作った壁の上に立って口元だけで笑って見せる。

『おぉっと一体どうしたんでしょうか!さっきまで霧の中から奇襲を仕掛けていま
したが、突然堂々と姿を現しました!これはどういった心境の変化でしょうか!』

「おやおや、もしかしてもう勝てないと観念したんでしょうか?それならば残念で
仕方ありませんねぇ・・・まぁ諦めたのならば派手にやられてくださいよ!」

ディザイアのガトリング砲の銃口が俺に向いて来たが、俺はその場から一切動かずテーラー・パークの事を見ていた。

「な、ど、どうして動かないんですか!?」

『な、何が起きているのでしょうか!先ほどまで動いていたガトリング砲が全くと
言っていいほど回転しなくなりました!これでは水風船が発射できません!』

よしっ、これで遠距離攻撃は潰せたな!アレがあると動かないまま攻撃出来るから誘導が面倒だと思ってたんだよなぁ・・・でもこれで、後は触手を相手にしながら
シャンデリアの下に誘導するだけだな!

そう思いつつチラッと上を見てみると、仮面のメイドがシャンデリアの上に立ち
ながら俺の事を見降ろしていた・・・はぁ、やっぱりスカートの中は見えないか。
てか、いつあんな場所に移動してたんだ?

・・・まぁ良い、とりあえずあっちの準備は終わってるっぽいから後は俺が上手いやるだけだな・・・ってなったらこの霧邪魔だな・・・・吹き飛ばすか!

「ぐっ!い、一体何をしているんですか!」

『これは凄いです!男性が自身の周囲に竜巻を発生させて、部屋を覆っていた白い煙を巻き上げて行きます!そして・・・!竜巻は部屋の窓ガラスを割ってそのまま消えてしまいました!』

まぁ窓くらい壊しても良いよね?大丈夫!ちゃーんと窓の下にある水のある堀の中に向かわせてから!・・・まぁ上手くいったかは分からないけどな!

「このっ・・・よくも私の大切な屋敷を壊してくれましたね!」

「いやいや、この部屋が壊れたのは大半アンタのせいだろうが。俺が壊したのは窓
だけだから。」

「黙りなさい!もう許しませんよ!」

おぉ、随分とご立腹な事で・・・そう思っていたら、ディザイアが触手を振り回しながらこっちに向かって来た!俺は急いで壁から飛び降りるとテーラー・パークから離れる様に走り出した!

さぁこっからが問題だ。後はシャンデリアの下に誘導するだけだが、その場で少しだけ制止してもらわないと避けられる可能性がある。だから俺がやる事は2つ・・・テーラー・パークをシャンデリアの下に誘導する事、そしてその場から動けない様にする事だ。誘導に関しては問題なさそうだが、どうやって動きを止めるか・・・・

「くっ!ちょこまかと動いて!いい加減やられなさい!」

デタラメな動きをした触手をかわしながら、俺は次の一手を考える。
早くしないと仮面のメイドに意識がいくかもしれないから、早い所考えないと・・・でもどうする?どうやって動きを止める?

電気を流して止めることは出来ない。氷で関節を固めて動きを止めるにはかなり
接近しないと難しいだろうし、風を使うってのも厳しそうだ・・・さて、どうする?

「うわっ!」

足止めの方法を考えていると、突然俺の足元に何かが絡みついて来やがった!
あっと言う間に宙釣りになった俺は、テーラー・パークの目の前で吊るされる事に
なった・・・チッ、考えすぎて注意力が散漫になってたか。

『あぁっと!ここまで触手の攻撃を逃げ続けていましたが、惜しくも捕まってしまいました!これは万事休すか!それとも仮面のメイドが助けに来るのでしょうか!?
っていうか、彼女は一体どこに?』

・・・どうやら実況は一足先に仮面のメイドが居ない事に気が付いたらしいが、
テーラー・パークはそんな事を気にした様子も無い様だ・・・なら、まだチャンスはあるな。

「おやおや、何とも情けない姿ですねぇ。どうですか?逆さまになった気分は。」

「・・・そうだな、中々笑えて来るよ。」

「ほーっほっほっほ!そうですか!ならばもっと笑わせてあげますよ!」

テーラー・パークは全ての触手を動かして俺を取り囲む様にしてきた。
・・・周囲からはバチバチと電気の流れる音がひっきりなしに聞こえてくる。

「さぁこれで肩が震える程笑えますよ。まぁ、心の底から笑えるかどうかは分かり
ませんがねぇ!」

とても楽しそうに笑顔を浮かべるテーラー・パークを見て、俺は苦笑いを浮かべながら窓の外をチラッと見る。

「おいおい、こんなシーンを流したら批判が殺到するんじゃねぇのか?」

「さぁ、それはどうでしょうねぇ。少なくとも、モニターを見ている皆さんは
ハラハラドキドキして楽しんでいると思いますよ!」

「そうか・・・・・じゃあもっとハラハラドキドキしてもらおうか!」

俺は宙釣りになりながら真上にあるシャンデリアの上に目を向けた。そこに立って居た仮面のメイドは俺を見て小さく頷くと、右手を高く掲げてパチンと指を鳴らす。その瞬間、シャンデリアを繋いでいた鎖が全て外れてゆっくりと落下してきた!

「なっ!」

テーラー・パークはシャンデリアが落ちてきた事に気が付いた瞬間、俺を放り投げて触手でシャンデリアを支えようとした!俺はどうなったのかと言うと・・・

「ぐうぇ!」

投げられた瞬間にワイヤーで絡めとられてそのまま地面に叩きつけられましたよ!
確かに衝撃は減ったんだろうけどもうちょっと優しく投げてもらえますかね!
投げられた痛みを感じたままテーラー・パークに目を向けると・・・ヤバい!
シャンデリアが押し返されそうになってる!あれが失敗したらもう勝ち目が!

「安心して、もう終わらせるから。」

スタッと俺の隣に華麗に着地した仮面のメイドはワイヤーを投げ飛ばし、触手を
巻き上げていった!

「し、しまっ!」

触手を封じられた結果、シャンデリアは支えを失ってテーラー・パークの真上に
落ちていった!そして激しい衝突音を響かせながら、シャンデリアは壊れディザイアはぶっ倒れていった・・・

『これは驚きの展開です!まさかまさかシャンデリアを落下させるとは!
これにはモニターを見ている皆さんも釘付けになっている様です!』

俺はシャンデリアの明かりが消えて、間接照明だけになった薄暗い部屋の中で
ゆっくりと立ち上がって土埃が舞い上がっている場所を目を凝らして見る。

「こ、これで終わったのか?」

「・・・まだね。」

仮面のメイドが呟く様にそう言った瞬間、ワイヤーが引き千切られる様な音が聞こえてきてディザイアがバチバチと音を鳴らして土埃を舞い上げながら立ち上がった!

「よ、よくも・・よくも私の大事なディザイアちゃんを!もう絶対に許しませんよ!後悔させてあげます!」

「・・・へぇ、後悔か。それはとても気になるが、まぁ無理だろうな。」

「そうね。貴方が私達を後悔させるのは無理だと思うわよ。」

「な、何を根拠にそんな事を!」

「いやだって・・・もうお前を護る強化ガラスは無くなったみたいだしな。」

「な、何ですって!?ぐわっ!」

「どうやら薄暗い部屋の中で気が動転していては分からなかったみたいね。」

仮面のメイドは淡々とそう告げると、ワイヤーを使ってテーラー・パークを縛り
上げた・・・そしてそのワイヤーを俺に渡してきた。

「さぁ、後は任せたわよ。」

「そうか?なら遠慮なく・・・」

俺はワイヤーを持っている手にバチバチと電気を流し始める・・・うん、中々良い電気が出来上がったんじゃないか?

「は、放してくれ!私が悪かった降参だ!」

「・・・そうか・・・降参か・・・」

「あぁ!その通りだ!」

「・・・でもさ。」

「で、でも?」

「モニターを見ている皆さんは、そんな結末納得しないんじゃないかな?」

ニッコリと笑ってワイヤーに思いっきり電気を流すと、テーラー・パークは一瞬
叫び声をあげて地面に倒れていった・・・これで、やっと終わったか・・・・

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