話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第99話

謎のメイドを喜びながらも不思議に思って見ていると、部屋全体に明かりが点いた。突然の眩しさに耐えながら周囲を見てみると、全員膝に手をつきながら覗き込むような体勢を取っていた・・・な、何てマヌケな光景何だ!

『おぉっと、これはどうした事でしょう!明かりが点いたと思ったら参加者全員が
同じ体勢を取って2階に続く階段の上に熱い視線を送っています!一体彼らは何を
見ているのか!そう、ミニスカメイドの足元です!もしくは・・・おっと、これ以上は野暮って物ですね!ですが同じ男として気持ちは分かります!』

(・・・ご主人様。)

(ハッ!・・・もしかして・・・・見てた・・・のか?)

(はい、目の前に置かれた大きなモニターでバッチリと見させていただきました。
ご主人様がメイドさんのスカートの中を覗き込もうとしている所を。)

(い、いやそれはその!)

(・・・ふふふ、大丈夫ですよご主人様。私は怒っていませんから。)

(へ?)

(だって、ご主人様だって男の人ですもんね・・・そういう事に興味があるのは
分かってますから・・・うぅっ!)

(マホ?マホッ!分かってるなら泣き真似を止めてくれ!怒られるよりも精神的に
くるんですけど!返事をしてくれマホッ!)

何て事だ!アイツ俺の精神の追い詰め方を確実に分かって来ている!これじゃあ
戻った時にどんな怒られ方するか分からないじゃないか!嫌な成長しやがって!
マホの怒り方にバリエーションが増えた事に恐怖していると、階段の上に居た仮面のメイドが座っていた豪勢な椅子から立ち上がってゆっくりと降りてきた。

『さぁ!参加者達の今後がどうなるのかは気になりますが、メイド服姿の彼女の正体を私からご紹介させていただきましょう!それではご注目下さい!彼女こそ、前年度のイベントの優勝者!仮面メイドさんなのです!』

・・・仮面メイド?なんじゃそりゃ、名前が見た目通り過ぎるだろ。てか前年度の優勝者?・・・色々と設定あり過ぎだろ!

「初めまして皆さん。先ほど紹介してもらった仮面のメイドです。訳あって素性は
明かせないので、気軽にメイドさんと呼んでちょうだい。」

俺達の目の前まで降りてきた仮面のメイドは手を前で組みながら丁寧にお辞儀をして来た。そのメイドの前に、白髪のイケメンが戸惑いながら出てきた。

「え、えっと・・・メイドさん。さっき前年度の優勝者って紹介されてたけど、今年も抽選が当たって参加してるのか?」

「いえ、そうではないわ。大会に優勝すると翌年もイベントに参加する権利が貰えるの。その権利を使って今年も参加しているって訳ね。」

「な、なるほど・・・ははっ、これは手強そうな相手だな。」

「ふふっ、そうかしら?」

・・・おいおい何だこの主人公と謎のヒロインのやり取りは!こんなシーンを間近で見られるなんて最高じゃないか!

『楽しそうにお話ししている所申し訳ありませんが、そろそろ最初のステージに向かって頂きましょう!ですがその前に、皆さん右手をご覧ください!』

男の声・・・あぁ、もうこの声も実況で良いや。実況がそう言ったので右側を見てみると、キーパッドのある小さなロッカーが並んでいた。

『これから始まるイベントでは激しく!それでいて過激な事が起こり得ます!ですので、身につけているアクセサリーなどが紛失する事もあるかもしれません!その際、私達は一切の責任を負えませんので心配な方はそちらのロッカーにアクセサリーの類をお預け下さい!使い方は簡単!中に入れたら暗証番号を4桁入れるだけ!
さぁ、どうぞご自由にお使いください!』

実況の声が聞こえなくなると、周囲に居た人達はぞろぞろとロッカーに向かった。まぁ、俺もネックレスを無くすと面倒そうだし入れておくとするか・・・

(え、えっとマホ?これからネックレスを預けるから会話できなくなるから・・・
説教は戻った時に聞くよ・・・な?)

(ご主人様、お説教だなんてそんな・・・そんな・・・そんな事言われたら・・・)

(マ、マホ?)

(張り切ってお説教したくなっちゃうじゃないですか!)

(お、おぅ!・・・おぅ?)

(頑張ってくださいねご主人様!帰ってきたらいっぱい褒めてお説教してあげますから!)

(いやあの、どっちかにしてもらえると助かるんだけど・・・)

(ふむ、それは是非とも見てみたいね。褒められてお説教か。ワクワクしてきたね。)

(ロイド、ワクワクされても非常に困るんだが!)

(頑張って。初戦で敗退しない様に。)

(ソフィ、そんなフラグになりそうな事をサラッと言ったら駄目だろ!凄い不安に
なるだろうが!あぁもう!そんじゃあまた後でな!)

俺は返事も聞かずにネックレスを取り外すと、ロッカーに入れて暗証番号を入力
した。そしてロッカーに向かった連中が全員部屋の中央に戻った段階で、また実況の声が聞こえてきた。

『それでは無くしたくない物を預け終わったという事で!皆様、階段を上がって正面にある扉の前にお立ち下さい!』

実況の声が響き渡るのと同時に、近くに居た主人公が決意の固まった表情を浮かべて扉に向かって行く。そしてその後に参加者達も続々と続いて行った。

・・・おぉ、何か凄い主人公感あるな!あいつはきっと最後まで残るんだろうな。そして最終的に、俺か誰かと優勝争いをするんだな!間違いない!・・・って、俺もそろそろ行かないと。

「ねぇ、そこの貴方。」

階段の1段目に足を掛けた瞬間、後ろに居た仮面のメイドから声を掛けられた。

「ん?何か用か?」

「いえ、ちょっと面白そうな人だと思ってね。」

「・・・初対面なのに中々失礼な奴だな。てか、面白いのはアンタの格好だろうが。俺はごく平凡なおっさんだ。だから面白いとかないから。」

「そうかしら?・・・まぁ良いわ、お互い最後まで残れる様に頑張りましょうね。」

そう言うと、仮面のメイドは俺に対して握手を求めてきた・・・ナイスバディで
色気もあるけど、仮面と声が男女入り混じってる感じが不気味なんだよなぁ・・・
まぁ、それだけで握手を断る理由もないんだけどさ。

「あぁ、どうなるか分からんが残れるように努力はするさ。」

仮面のメイドの握手をしながら苦笑いを浮かべていると、相手も仮面の奥で笑っているような感じがした。それから握手を終えると、仮面のメイドは颯爽と階段を
上がっていった。その後に続いて行くと、目の前に大きな扉が見えた。

『さぁ!それでは全員が扉の前に辿り着いたという事で!オープンです!』

実況の合図と共に、目の前の扉がゆっくりと開いた・・・のだが、またしても扉の奥は真っ暗闇だった。

『それでは皆さん!ゆっくりと中にお入りください!くれぐれも奥に行きすぎない様に注意して下さいね!』

実況の言葉に軽くイラつきと不安を抱いていると、白髪の主人公が先頭を切って
部屋の中に入っていった!おぉ流石主人公だ!真っ先に入っていくなんて凄すぎる!
なーんて思いながら、その後に続く参加者の後ろから俺も中に入っていった。
そして一番最後に、仮面のメイドが部屋の中に足を踏み入れた。その瞬間、背後の扉がゆっくりと閉まって明かりが完全に無くなった。

「さて、一体なにがあるのかああああぁぁぁぁぁ・・・・・・」

・・・・え!?なんか急に主人公の声が遠くなったんですけど!一体何が?!

『あぁっと!奥に進みすぎないでと言ったのに!残念!一名脱落してしまいました!まぁ彼の事は仕方ないと諦めて、早速明かりを点けましょう!』

実況が叫び声が暗闇の中に響き渡ると、明かりが点いた・・・のだが・・・・

「・・・・な、なんだこれ・・・・」

驚く俺の視界に入ってきたのは、何も無い地面だった・・・・いや、マジで何も
ってか床が無いんだが!ど、どうなってんだコレ?!

「おっさんの異世界生活は無理がある。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く