おっさんの異世界生活は無理がある。
第90話
俺の様に委縮していない皆の後についてホテルの中に入っていくと、入り口の近くにいたボーイの人が俺達に向かって深々とお辞儀をしてきた。
「いらっしゃいませ。本日はようこそおいでくださいました。」
俺達は軽く会釈をしながらボーイの人の目の前を通り過ぎると、正面にある受付に向かった。そこで俺達の応対をしてくれたのは、物腰が柔らかそうな男性だった。
その男性は俺達に向かってお辞儀をすると、笑顔で顔を上げた。
「本日はようこそいらっしゃいました。ご予約のお客様でしょうか。」
「あ、はい。九条って名前で予約してると思うですけど。」
「九条様ですね。少々お待ちください。」
・・・このホテルには俺の名前で予約してあるから受付で九条と言えば大丈夫!
って旅行計画には書かれてたけど・・・本当に大丈夫なんだろうか?その様な服装では当ホテルはご利用できません。とか言われないだろうな?
なんて不安を抱きながらしばらくすると、男性が操作を止めて俺達の事を見て
きた。
「はい、確かにご予約承っております。九条様、マホ様、ロイド様、ソフィ様の4名でお間違えございませんね?」
「あ、そうです。」
「かしこまりました。それでは宿泊券の方をお預かりしてもよろしいでしょうか?」
俺達は小さく頷いて荷物の中から宿泊券と取り出すと、それを受付の上に置いた。
男性はそれを手に取ってしっかり確認すると、小さく頷いて俺達の事を見てきた。
「はい、ご確認させて頂きました。それではルームキーをご用意いたしますので少々お待ちください。」
振り返った男性は鍵棚の上の方にある鍵を手に取ると、それを受付の上に置いたのだが・・・え、いやちょっと待ってくれ。
「こちらが九条様達がご宿泊される部屋のルームキーになります。くれぐれもご紛失なさならいようにお気を付けください。それと、お部屋に向かう際にはあちらのエレベーターにお乗り頂き最上階である5階のボタンを押してください。」
「分かりました!それじゃあ皆さん、早速行きましょう・・・っておじさん、どうかしたんですか?顔が引きつっていますけど。」
「・・・・いや、それが・・・」
俺は背後で不思議がるマホの声を聞いて、受付の前からどいて置かれた鍵を見せた。そこにはVIPルームと刻印されたストラップの付いた鍵が・・・1つだけ置かれていた・・・それを見たマホは、目をキラキラさせながらルームキーを手に取った。
「うわぁ!皆さん見てくださいVIPルームって書いてありますよ!」
「ふふっ、喜ぶ気持ちも分かるけど少し落ち着こうね。」
「わくわく。早く行こう。」
鍵を手に持ったマホを先頭に皆がエレベーターにい向かおうとしたので、俺は慌ててその前に回り込んだ!
「い、いやいやちょっと待てって!これは流石にまずいだろ!」
「はい?まずいって何の事ですか?」
「いやだから、鍵が1つしかないんだぞ?つまり今日、俺達は同じ部屋に泊まる事になるんだぞ!」
流石にそれは問題だろ!ってな感じで3人の顔を見たのだが、皆はきょとんとした後に同時に首をかしげていた!?
「え、それの何が問題なんですか?」
「いやだから、若い男女が同じ部屋とかまずいだろ!色々と!」
「別に同じ屋根の下に住んでいるんだから平気じゃないですか?気にしすぎですよ。それにおじさんはヘタレですから私達が警戒する必要も無いですし。」
マホは呆れた様にそう言うと、俺の隣を通り過ぎてエレベーターに歩いて行った!しょうがない、それじゃあ次はロイドを説得だ!
「なぁロイド、1つ屋根の下と1つ同じ部屋は意味合いが違うって分かるだろ?」
「ふむ、確かに分かるがささいな違いだろ?なら気にする事も無いさ。」
ロイドは爽やかに微笑むと、そのまま俺の隣を通り過ぎていった・・・えぇ?
仕方ない、今度はソフィを・・・って、もうマホ達の所に行っちゃったのね。
・・・何なんだろう、もしかして俺って自意識過剰なのか?同じ部屋ってだけで
意識しすぎなのか?・・・だ、だってアッチ系の本はこういう展開になるとすぐに
あーんな事やこーんな事をさ・・・だからもしかして俺もそう言う展開に?!
なんて思ってしまった訳なんだけど・・・俺、本当に馬鹿なんじゃないのかな?
なんでそんな事考えじゃったんだろうね!妄想ばっかりしてるからかな?それを基準に考えて勝手に焦って皆の前に立って・・・・ああぁあ!これは歴史が生まれたぞ!凄い真っ黒な歴史がなぁ!これは家に帰って1人になった瞬間、ベッドでジタバタ
するぞぉ!・・・1回くたばればいいのにね・・・
「おじさーん!エレベーターが来ましたよ!早く来てくださーい!」
「はーい、今行くー・・・うん、切り替えよう!死にたくなるのは後で良い!」
今この時を全力で楽しむことを決意した俺は、さっきの失態の心の奥底に捨て去ると皆と合流してエレベーターに乗り込んで5階に上がっていく。その途中、俺達しかいないエレベータの中でマホが興奮しながら俺の事を見上げてきた。
「おじさん!VIPルームってどんな感じなんですかね!きっと凄いお部屋なんですよね!」
「まぁ、VIPってわざわざ書いてあるほどだしな。ロイドは泊った事あるのか?」
「まぁかなり昔にね。だからどんな部屋か聞かれても、記憶が曖昧だから答えるのは難しいかな。」
「そっか、じゃあとりあえずは部屋に着いてからのお楽しみって事だな。」
「はい!はっやく着かないかなぁ~」
心の底から楽しみにしているマホの事を見ながら微笑ましい気持ちになっていると、チンッというベルの音と共にエレベーターが止まった。それから静かに扉が開いて行ったので、俺達はエレベーターを降りて5階の廊下に出た。
「いらっしゃいませ。本日はようこそおいでくださいました。」
俺達は軽く会釈をしながらボーイの人の目の前を通り過ぎると、正面にある受付に向かった。そこで俺達の応対をしてくれたのは、物腰が柔らかそうな男性だった。
その男性は俺達に向かってお辞儀をすると、笑顔で顔を上げた。
「本日はようこそいらっしゃいました。ご予約のお客様でしょうか。」
「あ、はい。九条って名前で予約してると思うですけど。」
「九条様ですね。少々お待ちください。」
・・・このホテルには俺の名前で予約してあるから受付で九条と言えば大丈夫!
って旅行計画には書かれてたけど・・・本当に大丈夫なんだろうか?その様な服装では当ホテルはご利用できません。とか言われないだろうな?
なんて不安を抱きながらしばらくすると、男性が操作を止めて俺達の事を見て
きた。
「はい、確かにご予約承っております。九条様、マホ様、ロイド様、ソフィ様の4名でお間違えございませんね?」
「あ、そうです。」
「かしこまりました。それでは宿泊券の方をお預かりしてもよろしいでしょうか?」
俺達は小さく頷いて荷物の中から宿泊券と取り出すと、それを受付の上に置いた。
男性はそれを手に取ってしっかり確認すると、小さく頷いて俺達の事を見てきた。
「はい、ご確認させて頂きました。それではルームキーをご用意いたしますので少々お待ちください。」
振り返った男性は鍵棚の上の方にある鍵を手に取ると、それを受付の上に置いたのだが・・・え、いやちょっと待ってくれ。
「こちらが九条様達がご宿泊される部屋のルームキーになります。くれぐれもご紛失なさならいようにお気を付けください。それと、お部屋に向かう際にはあちらのエレベーターにお乗り頂き最上階である5階のボタンを押してください。」
「分かりました!それじゃあ皆さん、早速行きましょう・・・っておじさん、どうかしたんですか?顔が引きつっていますけど。」
「・・・・いや、それが・・・」
俺は背後で不思議がるマホの声を聞いて、受付の前からどいて置かれた鍵を見せた。そこにはVIPルームと刻印されたストラップの付いた鍵が・・・1つだけ置かれていた・・・それを見たマホは、目をキラキラさせながらルームキーを手に取った。
「うわぁ!皆さん見てくださいVIPルームって書いてありますよ!」
「ふふっ、喜ぶ気持ちも分かるけど少し落ち着こうね。」
「わくわく。早く行こう。」
鍵を手に持ったマホを先頭に皆がエレベーターにい向かおうとしたので、俺は慌ててその前に回り込んだ!
「い、いやいやちょっと待てって!これは流石にまずいだろ!」
「はい?まずいって何の事ですか?」
「いやだから、鍵が1つしかないんだぞ?つまり今日、俺達は同じ部屋に泊まる事になるんだぞ!」
流石にそれは問題だろ!ってな感じで3人の顔を見たのだが、皆はきょとんとした後に同時に首をかしげていた!?
「え、それの何が問題なんですか?」
「いやだから、若い男女が同じ部屋とかまずいだろ!色々と!」
「別に同じ屋根の下に住んでいるんだから平気じゃないですか?気にしすぎですよ。それにおじさんはヘタレですから私達が警戒する必要も無いですし。」
マホは呆れた様にそう言うと、俺の隣を通り過ぎてエレベーターに歩いて行った!しょうがない、それじゃあ次はロイドを説得だ!
「なぁロイド、1つ屋根の下と1つ同じ部屋は意味合いが違うって分かるだろ?」
「ふむ、確かに分かるがささいな違いだろ?なら気にする事も無いさ。」
ロイドは爽やかに微笑むと、そのまま俺の隣を通り過ぎていった・・・えぇ?
仕方ない、今度はソフィを・・・って、もうマホ達の所に行っちゃったのね。
・・・何なんだろう、もしかして俺って自意識過剰なのか?同じ部屋ってだけで
意識しすぎなのか?・・・だ、だってアッチ系の本はこういう展開になるとすぐに
あーんな事やこーんな事をさ・・・だからもしかして俺もそう言う展開に?!
なんて思ってしまった訳なんだけど・・・俺、本当に馬鹿なんじゃないのかな?
なんでそんな事考えじゃったんだろうね!妄想ばっかりしてるからかな?それを基準に考えて勝手に焦って皆の前に立って・・・・ああぁあ!これは歴史が生まれたぞ!凄い真っ黒な歴史がなぁ!これは家に帰って1人になった瞬間、ベッドでジタバタ
するぞぉ!・・・1回くたばればいいのにね・・・
「おじさーん!エレベーターが来ましたよ!早く来てくださーい!」
「はーい、今行くー・・・うん、切り替えよう!死にたくなるのは後で良い!」
今この時を全力で楽しむことを決意した俺は、さっきの失態の心の奥底に捨て去ると皆と合流してエレベーターに乗り込んで5階に上がっていく。その途中、俺達しかいないエレベータの中でマホが興奮しながら俺の事を見上げてきた。
「おじさん!VIPルームってどんな感じなんですかね!きっと凄いお部屋なんですよね!」
「まぁ、VIPってわざわざ書いてあるほどだしな。ロイドは泊った事あるのか?」
「まぁかなり昔にね。だからどんな部屋か聞かれても、記憶が曖昧だから答えるのは難しいかな。」
「そっか、じゃあとりあえずは部屋に着いてからのお楽しみって事だな。」
「はい!はっやく着かないかなぁ~」
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