おっさんの異世界生活は無理がある。
第81話
ロイドの実家に行ってから数週間、気温は下がり季節は冬へと変わり始めていた。
街を歩く人達も厚着に変わっていって、外に出ると息が白くなるほどだった。
まぁ俺は自分の部屋でベッドに寝転びながらラノベを読んで、ダラダラぬくぬく
ライフを満喫中だけどな!
正直、こんな寒い中わざわざ外に出る奴の気が知れないぜ!だってこの世界の家は、どういう仕組みになっているのか知らないが常に適温で最高なんだからな!
「おじさん、そろそろお昼ですからお願いしまーす。」
部屋でゴロゴロしていたら、マホが扉を開けてその隙間から顔を出して昼飯を作るように言ってきた。
「はいよー・・・さてと・・・」
俺はベッドから起きて立ち上がると、読んでいたラノベをベッドに放り投げて部屋を出た。それからリビングに行くと自分のエプロンを付けて、昼飯の準備を始めた。
「さてとぉ~何を作ろうかなぁ~」
うーん、作れそうなのはスパゲッティかな?いや、パスタ?どっちの言い方が若者っぽいんだろうか・・・まぁどっちでも良いか、とりあえず今日はパスタに決定だ!
後は適当に何か作るとして、始めるとするかな。
「あ、私もお手伝いします!」
俺が料理を始めようとしたら、エプロン姿のマホが笑顔で俺の隣に立ってきた。
「あぁ、じゃあいつも通りよろしくな。」
マホと一緒に昼飯を作り初めてからしばらくして、ロイドとソフィがリビングに顔を出した。その頃にはすでに料理は完成していたので、俺達は昼飯を食べだした。
「そう言えば、アレってどうなったんですかね?」
「・・・アレ?・・・あぁ、旅行の事か?」
「はい、あれから何の音沙汰も無いですし・・・忘れられちゃったんですかね?」
「いやぁーそれはないだろ。でも、確かに何の連絡も無いよな。ロイドは何か聞いてたいのか?」
「うーん、特には何も。」
「そっか・・・まぁ、もう寒くなって来たし、旅行するならもしかして暖かくなってからとかじゃないか?」
まぁ、この寒い時期に旅行とか結構大変そうだもんな。遠出するなら当然馬車だろうし、やっぱり暖かい時期に旅行したいよな!・・・なんて思った瞬間、玄関の方からノックの音が聞こえてきた。
「ん、誰だ?・・・ちょっと行ってくる。」
俺は持っていたフォークをテーブルの上に置くと玄関に行ってを扉を開けた。
誰かと思って開いた扉の向こうを見てみると、そこには数人のメイドさんを従えた
執事服を着た白髪の老人が微笑みながら立っていた・・・え、だ、誰だ?
「どうもこんにちは。九条様でいらっしゃいますか?」
「あ、あぁはい・・・そうですけど・・・どちら様で?」
「初めまして。私はアリシア様の家に仕えさせていただいている執事でございます。本日は、アリシア様よりお預かりした物をお届けにまいりました。」
俺の質問に答えた老人執事がパチンと指を鳴らすと、メイドさんの内の1人が俺の前にやって来て大きめの封筒を手渡してきた。
「こちら、ご旅行の計画書になっております。お受け取り下さい。」
「あ、そうですか。ありがとうございます。」
「いえ、では私達はこれで。失礼いたしました。さぁ、帰りますよ。」
「「「はい。かしこまりました。」」」
老執事は一礼して振り返ると、通りに停めてあった馬車に乗り行ってしまった。
・・・俺はというと、突然の出来事にしばし呆然と立ち尽くしていた。しばらくして外の寒さにハッとした俺は、封筒を手に玄関の扉を閉めるとリビングに戻った。
「ご主人様、おかえりなさい。どちら様でしたか?って言うか、その手に持っている封筒は一体何ですか?」
「これか?何か旅行の計画書だってさ。」
「・・・はい?旅行の計画書・・・って事は!」
マホが俺の持っている封筒をキラキラした目で見てきた。そんな視線を感じながら俺はテーブルの上に封筒を置くと、さっきまで座っていた椅子に座った。
「あぁ。さっき来たのはアリシアさんの所の執事さん達だった。んで、その人が旅行の計画書を持ってきたって訳だ。」
「ついに来たんですね!はやく見ましょうよ!」
「いや、見る前にお昼を食べてしまわないか?折角の昼食が冷めてしまうよ?」
「あ、それはいけません!じゃあ昼食を食べ終わったら皆で見ましょう!」
「ふふっ、一体どんな計画書なのか楽しみだね。」
楽しそうにしている2人を見ながら小さくため息をこぼしているといると、黙々とパスタを食べているソフィと目が合った。
「・・・食べる?」
「いや、自分の分があるから平気だっての。でも、気遣いありがとうな。」
「うん。」
ソフィは俺に向けたパスタの巻かれたフォークを口元に運ぶと、また黙々と食べ始めた。さて、俺もとっとと食べて旅行の計画書を見てみるとするかね。
それから昼飯を食べ終わった俺達は、食器を片付けて綺麗になったテーブルの上に封筒の中身を出した。入っていたのは【ドキドキ!旅行計画書!!】と表紙に書かれた薄い紙の束と、4枚のチケットの様な紙だった。
「これが計画書か・・・タイトルを考えたのはシアンかねぇ?」
「ドキドキですってご主人様!ワクワクしますね!」
「いや、ドキドキしろよ・・・まぁ良い、んでこのチケットは?」
入っていたチケットを手に取ろうとしたら、先にロイドに取られてしまった。
ロイドはチケットをマジマジと眺めると、感心したように息を吐いた。
「へぇーなるほど・・・ここが旅行先という訳か。これは中々楽しそうな旅行になりそうだね。」
「え、ロイドはもう旅行先が分かったのか?」
「あぁ、恐らく旅行先はミューズの街だね。」
「ミューズの街?」
ロイドの推測が正しいのか気になった俺は、表紙を捲って次の紙を見てみた。
するとそこには、ミューズの街への交通方法!という文字がデカデカ書かれていた。
「当たってたみたい。」
「確かにな・・・でも、ミューズの街ってのは・・・」
「はいはい!私がご説明します!」
初めて聞いた街の名前に戸惑っていると、マホが手を挙げて説明したいアピールをしてきた。おぉ、流石俺のサポート妖精。最近その役目もすっかり無くなってたから張り切っていらっしゃるね!
「よし、じゃあ頼んだ。」
「了解です!えーミューズの街というのは、王国の東側ある大きな街です!その街の特徴は!な、何と街の3分の1がテーマパークになっている事です!なのでご家族の居る貴族や商人の方達に大人気の街なんですよ!凄いですよね!」
「ま、街の3分の1がテーマパーク?そ、そんな街が本当にあるのか?」
「えぇ?!ご主人様私の説明を疑うんですか!?」
「い、いやそう言う訳じゃないがにわかには信じがたいし・・・んで、どうなんだ
ロイド?さっきの口ぶりだと知ってるっぽかったけど。行った事あるのか?」
マホの言葉を信じて無い訳じゃないが、やっぱりここは行った事がありそうな奴に聞いてみたいと思うだろ?案の定、ロイドは頷いたしな。
「あぁ、幼い頃に何度か行った事あるよ。確かに、さっきのマホの説明通り街の大半がテーマパークになっているという街さ。」
「ふふーん!」
「いや、別に疑ってないからドヤ顔でこっちを見るな。でもそうか、そこに旅行か・・・あ、さっきのチケットを見て気づいたって事は、そのチケットはその街に関係ある物なのか?」
「あぁそうだね。このチケットは、ミューズの街にある高級ホテルの宿泊券だ。」
ロイドがサラッといった言葉に、俺とマホはガタガタっと椅子から立ち上がって
驚愕の表情を浮かべていた!だ、だってあのロイドが高級って言ってんだぞ?!
「あ、あの・・・高級ってどれくらい・・・」
「ん?そうだね、大体1泊40万G位するんじゃないかな?」
「よ、よ、よ・・・!」
「40万G?!・・・あぁ・・・」
「ご、ご主人様?!」
俺は全身から力が抜けて、ソファーの背もたれにがくっとなだれ込んだ・・・そんな俺を心配して、マホが肩を揺さぶってきたが今はそれを気にしている余裕も無い。
・・・いやだって、軽い気持ちで言った旅行がどんだけ豪勢になってんだよ?!
「だ、大丈夫ですか?ご主人様?」
「あ、あぁ・・・いや・・・あぁ、マジかぁ・・・」
「おや、どうしたんだい九条さん。そんなにガックリとして、嬉しくないのかい?」
「いや、嬉しいけどさ・・・金額のデカさに色んな物が押し寄せてきてる・・・」
「ははっ、まぁそんなに気にする必要はないよ。折角のご厚意だから有難く使わせてもらおうじゃないか。」
俺を見て爽やかに髪をファサっとやるロイドを見て、改めてこいつは貴族のお嬢様なんだと自覚していた・・・
「流石ロイド・・・そのハートの強さを見習いたいぜ・・・」
「お褒め頂きありがとう。さて、それじゃあそろそろ計画書の続きを見ようじゃないか。多分、日取りなんかも書いてあるだろうからね。」
・・・しばらくして何とか落ち着きを取り戻した俺は、マホと一緒に椅子に戻って計画書をパラパラと眺めていった・・・そこには、旅行の日程も書かれていた。
「えっと、初日はこの街を昼過ぎに出て王都で一泊。そんで、翌日の午前中に王都を出てミューズの街に着くと・・・へぇ、ミューズの街には2泊3日居るのか。」
「ご主人様、それでいつ行く事になってるんですか?」
「えーちょっと待てよ・・・・・これ出発するの再来週だな。」
「・・・再来週?って事は・・・」
「ん?ロイドどうかしたのか?」
ロイドがカレンダーを見て何かを考え始めたので、俺はそれが気になって話しかけてみた。するとロイドはハッとして・・・悪戯する時の笑顔で俺の事を見てきた。
「ううん、何でもないよ。ただ、その日程だと王都に行くのが楽しみだなぁって思ってね。」
「・・・おい、王都でなにかあるのか?」
「ははっ、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。ただその日の王都では、とっても楽しい事が起きるからワクワクしているだけだよ。」
「・・・楽しい事?」
「うん、でもそれは王都に行ってからのお楽しみって事でここでは黙っておくよ。」
・・・はぁー、何が起こるのか分からないが一応警戒はしておくかねぇ。そんな事を思いながら、俺達は計画書を念入りに読み込んでいきこれからの計画を立てた。
「よし、とりあえず日程と流れは分かった。それじゃあ色々と準備に取り掛かるかね。」
「そうですね!うぅー、今からワクワクが止まりません!」
「ははっ、まだ時間はあるから落ち着こうかマホ。まぁ、私も楽しみだけどね。」
「行った事ない街だから気になる。」
「きっと、ソフィも気に入ると思うよ。とても楽しい街だからね。」
「うん。ロイドがそう言うなら楽しみ。」
・・・はぁ、何か凄い大変な旅行になりそうだな。それに、街から初めて出るって事で色々と不安もあるが・・・全力で楽しませてもらうとするかね。じゃなきゃ、
折角用意してくれた皆に対して失礼だからな!とりあえず、お土産あったら買って帰ろう!・・・そう考えた俺は、3人にどんなお土産が良いかの相談をしていた。
街を歩く人達も厚着に変わっていって、外に出ると息が白くなるほどだった。
まぁ俺は自分の部屋でベッドに寝転びながらラノベを読んで、ダラダラぬくぬく
ライフを満喫中だけどな!
正直、こんな寒い中わざわざ外に出る奴の気が知れないぜ!だってこの世界の家は、どういう仕組みになっているのか知らないが常に適温で最高なんだからな!
「おじさん、そろそろお昼ですからお願いしまーす。」
部屋でゴロゴロしていたら、マホが扉を開けてその隙間から顔を出して昼飯を作るように言ってきた。
「はいよー・・・さてと・・・」
俺はベッドから起きて立ち上がると、読んでいたラノベをベッドに放り投げて部屋を出た。それからリビングに行くと自分のエプロンを付けて、昼飯の準備を始めた。
「さてとぉ~何を作ろうかなぁ~」
うーん、作れそうなのはスパゲッティかな?いや、パスタ?どっちの言い方が若者っぽいんだろうか・・・まぁどっちでも良いか、とりあえず今日はパスタに決定だ!
後は適当に何か作るとして、始めるとするかな。
「あ、私もお手伝いします!」
俺が料理を始めようとしたら、エプロン姿のマホが笑顔で俺の隣に立ってきた。
「あぁ、じゃあいつも通りよろしくな。」
マホと一緒に昼飯を作り初めてからしばらくして、ロイドとソフィがリビングに顔を出した。その頃にはすでに料理は完成していたので、俺達は昼飯を食べだした。
「そう言えば、アレってどうなったんですかね?」
「・・・アレ?・・・あぁ、旅行の事か?」
「はい、あれから何の音沙汰も無いですし・・・忘れられちゃったんですかね?」
「いやぁーそれはないだろ。でも、確かに何の連絡も無いよな。ロイドは何か聞いてたいのか?」
「うーん、特には何も。」
「そっか・・・まぁ、もう寒くなって来たし、旅行するならもしかして暖かくなってからとかじゃないか?」
まぁ、この寒い時期に旅行とか結構大変そうだもんな。遠出するなら当然馬車だろうし、やっぱり暖かい時期に旅行したいよな!・・・なんて思った瞬間、玄関の方からノックの音が聞こえてきた。
「ん、誰だ?・・・ちょっと行ってくる。」
俺は持っていたフォークをテーブルの上に置くと玄関に行ってを扉を開けた。
誰かと思って開いた扉の向こうを見てみると、そこには数人のメイドさんを従えた
執事服を着た白髪の老人が微笑みながら立っていた・・・え、だ、誰だ?
「どうもこんにちは。九条様でいらっしゃいますか?」
「あ、あぁはい・・・そうですけど・・・どちら様で?」
「初めまして。私はアリシア様の家に仕えさせていただいている執事でございます。本日は、アリシア様よりお預かりした物をお届けにまいりました。」
俺の質問に答えた老人執事がパチンと指を鳴らすと、メイドさんの内の1人が俺の前にやって来て大きめの封筒を手渡してきた。
「こちら、ご旅行の計画書になっております。お受け取り下さい。」
「あ、そうですか。ありがとうございます。」
「いえ、では私達はこれで。失礼いたしました。さぁ、帰りますよ。」
「「「はい。かしこまりました。」」」
老執事は一礼して振り返ると、通りに停めてあった馬車に乗り行ってしまった。
・・・俺はというと、突然の出来事にしばし呆然と立ち尽くしていた。しばらくして外の寒さにハッとした俺は、封筒を手に玄関の扉を閉めるとリビングに戻った。
「ご主人様、おかえりなさい。どちら様でしたか?って言うか、その手に持っている封筒は一体何ですか?」
「これか?何か旅行の計画書だってさ。」
「・・・はい?旅行の計画書・・・って事は!」
マホが俺の持っている封筒をキラキラした目で見てきた。そんな視線を感じながら俺はテーブルの上に封筒を置くと、さっきまで座っていた椅子に座った。
「あぁ。さっき来たのはアリシアさんの所の執事さん達だった。んで、その人が旅行の計画書を持ってきたって訳だ。」
「ついに来たんですね!はやく見ましょうよ!」
「いや、見る前にお昼を食べてしまわないか?折角の昼食が冷めてしまうよ?」
「あ、それはいけません!じゃあ昼食を食べ終わったら皆で見ましょう!」
「ふふっ、一体どんな計画書なのか楽しみだね。」
楽しそうにしている2人を見ながら小さくため息をこぼしているといると、黙々とパスタを食べているソフィと目が合った。
「・・・食べる?」
「いや、自分の分があるから平気だっての。でも、気遣いありがとうな。」
「うん。」
ソフィは俺に向けたパスタの巻かれたフォークを口元に運ぶと、また黙々と食べ始めた。さて、俺もとっとと食べて旅行の計画書を見てみるとするかね。
それから昼飯を食べ終わった俺達は、食器を片付けて綺麗になったテーブルの上に封筒の中身を出した。入っていたのは【ドキドキ!旅行計画書!!】と表紙に書かれた薄い紙の束と、4枚のチケットの様な紙だった。
「これが計画書か・・・タイトルを考えたのはシアンかねぇ?」
「ドキドキですってご主人様!ワクワクしますね!」
「いや、ドキドキしろよ・・・まぁ良い、んでこのチケットは?」
入っていたチケットを手に取ろうとしたら、先にロイドに取られてしまった。
ロイドはチケットをマジマジと眺めると、感心したように息を吐いた。
「へぇーなるほど・・・ここが旅行先という訳か。これは中々楽しそうな旅行になりそうだね。」
「え、ロイドはもう旅行先が分かったのか?」
「あぁ、恐らく旅行先はミューズの街だね。」
「ミューズの街?」
ロイドの推測が正しいのか気になった俺は、表紙を捲って次の紙を見てみた。
するとそこには、ミューズの街への交通方法!という文字がデカデカ書かれていた。
「当たってたみたい。」
「確かにな・・・でも、ミューズの街ってのは・・・」
「はいはい!私がご説明します!」
初めて聞いた街の名前に戸惑っていると、マホが手を挙げて説明したいアピールをしてきた。おぉ、流石俺のサポート妖精。最近その役目もすっかり無くなってたから張り切っていらっしゃるね!
「よし、じゃあ頼んだ。」
「了解です!えーミューズの街というのは、王国の東側ある大きな街です!その街の特徴は!な、何と街の3分の1がテーマパークになっている事です!なのでご家族の居る貴族や商人の方達に大人気の街なんですよ!凄いですよね!」
「ま、街の3分の1がテーマパーク?そ、そんな街が本当にあるのか?」
「えぇ?!ご主人様私の説明を疑うんですか!?」
「い、いやそう言う訳じゃないがにわかには信じがたいし・・・んで、どうなんだ
ロイド?さっきの口ぶりだと知ってるっぽかったけど。行った事あるのか?」
マホの言葉を信じて無い訳じゃないが、やっぱりここは行った事がありそうな奴に聞いてみたいと思うだろ?案の定、ロイドは頷いたしな。
「あぁ、幼い頃に何度か行った事あるよ。確かに、さっきのマホの説明通り街の大半がテーマパークになっているという街さ。」
「ふふーん!」
「いや、別に疑ってないからドヤ顔でこっちを見るな。でもそうか、そこに旅行か・・・あ、さっきのチケットを見て気づいたって事は、そのチケットはその街に関係ある物なのか?」
「あぁそうだね。このチケットは、ミューズの街にある高級ホテルの宿泊券だ。」
ロイドがサラッといった言葉に、俺とマホはガタガタっと椅子から立ち上がって
驚愕の表情を浮かべていた!だ、だってあのロイドが高級って言ってんだぞ?!
「あ、あの・・・高級ってどれくらい・・・」
「ん?そうだね、大体1泊40万G位するんじゃないかな?」
「よ、よ、よ・・・!」
「40万G?!・・・あぁ・・・」
「ご、ご主人様?!」
俺は全身から力が抜けて、ソファーの背もたれにがくっとなだれ込んだ・・・そんな俺を心配して、マホが肩を揺さぶってきたが今はそれを気にしている余裕も無い。
・・・いやだって、軽い気持ちで言った旅行がどんだけ豪勢になってんだよ?!
「だ、大丈夫ですか?ご主人様?」
「あ、あぁ・・・いや・・・あぁ、マジかぁ・・・」
「おや、どうしたんだい九条さん。そんなにガックリとして、嬉しくないのかい?」
「いや、嬉しいけどさ・・・金額のデカさに色んな物が押し寄せてきてる・・・」
「ははっ、まぁそんなに気にする必要はないよ。折角のご厚意だから有難く使わせてもらおうじゃないか。」
俺を見て爽やかに髪をファサっとやるロイドを見て、改めてこいつは貴族のお嬢様なんだと自覚していた・・・
「流石ロイド・・・そのハートの強さを見習いたいぜ・・・」
「お褒め頂きありがとう。さて、それじゃあそろそろ計画書の続きを見ようじゃないか。多分、日取りなんかも書いてあるだろうからね。」
・・・しばらくして何とか落ち着きを取り戻した俺は、マホと一緒に椅子に戻って計画書をパラパラと眺めていった・・・そこには、旅行の日程も書かれていた。
「えっと、初日はこの街を昼過ぎに出て王都で一泊。そんで、翌日の午前中に王都を出てミューズの街に着くと・・・へぇ、ミューズの街には2泊3日居るのか。」
「ご主人様、それでいつ行く事になってるんですか?」
「えーちょっと待てよ・・・・・これ出発するの再来週だな。」
「・・・再来週?って事は・・・」
「ん?ロイドどうかしたのか?」
ロイドがカレンダーを見て何かを考え始めたので、俺はそれが気になって話しかけてみた。するとロイドはハッとして・・・悪戯する時の笑顔で俺の事を見てきた。
「ううん、何でもないよ。ただ、その日程だと王都に行くのが楽しみだなぁって思ってね。」
「・・・おい、王都でなにかあるのか?」
「ははっ、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。ただその日の王都では、とっても楽しい事が起きるからワクワクしているだけだよ。」
「・・・楽しい事?」
「うん、でもそれは王都に行ってからのお楽しみって事でここでは黙っておくよ。」
・・・はぁー、何が起こるのか分からないが一応警戒はしておくかねぇ。そんな事を思いながら、俺達は計画書を念入りに読み込んでいきこれからの計画を立てた。
「よし、とりあえず日程と流れは分かった。それじゃあ色々と準備に取り掛かるかね。」
「そうですね!うぅー、今からワクワクが止まりません!」
「ははっ、まだ時間はあるから落ち着こうかマホ。まぁ、私も楽しみだけどね。」
「行った事ない街だから気になる。」
「きっと、ソフィも気に入ると思うよ。とても楽しい街だからね。」
「うん。ロイドがそう言うなら楽しみ。」
・・・はぁ、何か凄い大変な旅行になりそうだな。それに、街から初めて出るって事で色々と不安もあるが・・・全力で楽しませてもらうとするかね。じゃなきゃ、
折角用意してくれた皆に対して失礼だからな!とりあえず、お土産あったら買って帰ろう!・・・そう考えた俺は、3人にどんなお土産が良いかの相談をしていた。
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