おっさんの異世界生活は無理がある。
第64話
馬車に揺られながら皆と雑談していると、外から沢山の人の喋り声が聞こえて来た。
「ロイド様、そろそろご実家に到着いたします。」
御者の人が俺達を見ながらそう言うと、ロイドは片手をあげて小さく頷いた。そのやり取りを見たマホが、ワクワクした様子で俺に話しかけて来た。
「うぅー・・・楽しみですね!一体どんなパーティーなんでしょうか!」
「さあなぁ・・・まぁ偉い人達ばかり集まってるっぽいから、メチャクチャ豪勢なんじゃねぇの?」
「おじさんもそう思いますよね!」
マホがそう言って俺にグイッと近寄ってきた!ってか近いって!今のお前どこぞの令嬢みたいだからあんま近寄らないで!心臓に悪いから!それと何か良い匂いがするから!
俺はマホから体を離しつつ視線をそらしながらそんな事を考えていた。。そんな俺達を見て、ロイドが爽やかに微笑みながら話しかけて来た。
「ふふっ。盛り上がっている所申し訳ないが、そろそろ到着するよ。」
ロイドにそう言われ馬車の外を見ると、丁度デカい門の下を通ったらしい。それから少しして馬車が止まると、御者の人がドアを開いてくれた。それを見て、ドアに一番近いロイドがまずは立ち上がった。
「それじゃあ、先に行かせてもらうね。」
そう言って俺達を見ると、ロイドは優雅に馬車の外へと出て行った。その瞬間、女の子の黄色い歓声があちこちから聞こえて来た・・・やっぱりファンクラブの子達も来てるのか・・・なんて思っていると今度はソフィが立ち上がった。
「それじゃあ降りるね。」
ソフィがそう言って降りると、今度は男の声でおぉ~と言う声が聞こえて来た・・・何で?と思っていると、マホが俺に話しかけて来た。
「多分、闘技場の王者だった事を知っている人が多いんじゃないでしょうか。男の人って、そう言うの好きですよね?」
「あぁ、なるほど・・・とりあえず、少し待ってから外に出るか。今出ると色々面倒そうだ。」
「・・・確かにそうですね。」
俺は御者の人にお願いをして少し奥の方に進んでもらうと、そこで馬車を降りた。その時に周囲を見渡してみたんだが、こりゃ凄いな・・・飾りつけも豪勢だが、何よりも来てる人達が凄いわ。何と言うか、全員が貴族らしいというか気品があるというか・・・なんて事を思っていると、後ろからマホに話しかけられた。
「あの、おじさん。手を貸してもらっても良いですか?」
そう言われ振り返ると、マホは困った様な顔をして俺を見ていた。・・・・あぁ、そう言えば今日はヒール履いてたんだっけ。慣れてないと大変なのかね?そんな事を思いながら俺はマホに手を差し出した。
マホは嬉しそうに笑うと俺の手を取って慎重に馬車から降りて来た。まぁ、流石に手を握るくらいではもう緊張しなくなっていた・・・心臓はちょっと高鳴ったけどな・・・そんな事を考えていたら、マホが前の方を見て驚きの声を上げていた。
「うわぁ!凄いですよおじさん!どこも綺麗に飾り付けされています!それに、来ている人も皆さん素敵なドレスやスーツを着ていますね!」
「あぁ、そうみたいだな。」
マホの言葉を聞いて改めて周囲を見渡すと、確かに言われた通りの景色が広がっていた。庭園の方も綺麗にライトアップされていて、前回来た時とは違って椅子もテーブルも複数用意されていた。そしてそこでは、貴族らしき人達が楽しそうにお喋りをしていた。
「まぁ、そんな事よりさっさと会場に入ろうぜ。寒いし。」
俺が腕をさすりながらそう言うと、何故だかマホがむくれながらこっちを見て来た。
「むぅ・・・おじさん感動薄くないですか?」
「いや、凄いと思うし綺麗だとも思うけど感動するか?と聞かれると・・・別にって感じだな。それよりも、さっさと温かい場所に行きたいんだが。」
俺がそう言うと、マホは片手で額を抑えながら呆れる様に深いため息を吐いた。
「はぁ・・・これだからおじさんは・・・・だからモテないんですよ。」
「おい、それとこれとは関係ないだろうが。」
「何を言っているですか、関係大ありですよ!一緒に感動を分かち合えないと、女性に好かれませんよ?ってそんな事より、ロイドさんとソフィさんはどこにいるんですか?」
「いや、そんな事よりって俺には結構大事な事なんだが・・・?まぁ、良いけどさ・・・ロイドとソフィならあそこにいるぞ。」
俺がそう言って指を指した方向には、女の子達に囲まれたロイドと若い男達に囲まれたソフィがいた。ロイドは爽やかな笑顔を浮かべ女の子達と話しているが、ソフィに関しては無表情でそもそも話しているのかどうか・・・って感じだな。
「うわぁ・・・何と言うか、2人共凄い人気ですね・・・」
マホはそう言うと、チラッと俺の事を見て来た。
「ん、どうした?」
「いや、ご主人様も一応は闘技場でソフィさんを倒した凄い人なんですから人気があるかなーと思ったんですが・・・」
マホはそう言って会場や庭園の方を見た・・・勿論、誰一人としてこっちを見ている人なんかいかった。
「まぁ、あの2人の人気には勝てないって事ですね!元気出してくださいねおじさん!」
そう言って笑顔でこっちを見てきたマホを見て、俺はがっくりと肩を落とした・・・
「いや、お前のせいで元気が無くなったんだけど・・・」
てか、元々期待もしてなければ気にもしてなかったってのにマホのせいで無駄にショックを受けちまったじゃねぇか・・・!
「あぁもう!とりあえず会場の中に行くぞ。ここに居たら外の寒さと心の寒さで風邪を引きそうだ・・・!」
「はい!それじゃあ早速行きましょうか!」
そうやって元気に返事をしたマホと一緒に、俺達はパーティー会場に向かった。それから会場の中に入ると、俺とマホは改めて驚きの声を上げた。
「おぉ・・・外もかなりの人がいたが、ここにも結構な人がいるな。」
「そうですね・・・あ!おじさん、あそこにお料理ありますよ!」
マホがそう言って指を指した方向にはテーブルがあり、その上には小さな料理が何種類か置かれていた。
「よし、とりあえず腹ごしらえとするか。・・・良いか、騒いだりするなよ?もし騒いだら、あらいやだ!何て品の無い子なのかしら!とか言って面倒が起きる気がするからな。」
「いや、そんなの本の世界だけだと思いますけど・・・」
「おいおい何を言っているんだ。その本みたいな展開を何度も味わってきたろ?だから、なるべく目立たず騒がず料理を堪能しよう。」
「まぁ、そう言われると否定できませんが・・・分かりました。おじさんの言う通り目立たず行きましょう。」
それから俺達は誰の邪魔にもならない様にテーブルに近づくと料理を次々と堪能していった。どうやら用意されている料理は全て1口サイズに作られているらしく、これといって手間取らずに色んな料理を味わう事が出来た。
「あら、そこにいらっしゃるのは九条さんじゃありませんか?」
マホと料理を食べながらウロウロしていると、突然背後から女性の声で名前を呼ばれた。誰かと思って振り返るとそこにはエリオさんとカレンさんが居て、俺の事を見るとこっちに近寄って来た。2人も貴族らしいと言うか、前にあった時とは違いパーティー用のカッチリとした服を着ていた。
「どうもこんばんわ、九条さん。今日ははよく来てくださいましたね。」
「いえ、本日はお招き頂きありがとうございます。エリオさん、カレンさん。」
エリオさんに挨拶をされた俺は、深々とお辞儀をしながら礼を言って頭を下げた。そして顔を上げると、カレンさんが頬に手を当てながらマホの事をキラキラした目で見ているのに気が付いた。
「あら、もしかしてこちらのお嬢さんが?」
カレンさんがそう言うとマホは手を前の方で組んで、お辞儀をして笑顔で自己紹介をした。
「初めまして!私、おじさんのお家でお世話になっているマホと申します!先日は、おじさんがお世話になりました!それと、こんなに素敵なドレスをありがとうございます!とっても嬉しいです!あとあと、お家周辺の警備を強化してくださってありがとうございました!」
マホがとびきりの笑顔を浮かべながら2人を見て感謝を伝えていた。エリオさんはマホの言葉を聞いて優しい表情をしていたのだが、カレンさんは何故だか胸を押さえながら手の甲を額に当て仰け反っていた?ど、どうしたんだ?
「あ、あぁ!なんて可愛らしいのかしら!きらきらの笑顔がとっても眩しくて愛らしくてたまらないわ!・・・あ、あの・・マホちゃんって呼んでも大丈夫かしら?」
・・・あれ?何だろうこの反応・・・どっかで見た記憶が・・・なんて思っているとエリオさんが悩まし気に額を抑えていた。だがマホはそんな事を気づいていないのか、嬉しそうに笑ってカレンさんを見ていた。
「は、はい!是非とも呼んでください!え、えっと・・・カレンさん!」
マホがそう言ってキラキラの瞳でカレンさんを下から見上げると、カレンさんはよく分からない声を上げて更に仰け反った・・・そして突然つかつかと俺の傍に近寄ると、何だかヤバげな目をして俺の顔を見てきた!?
「く、九条さん・・・ご相談なんですけど、マホちゃんと仲良くなりたいので我が家でしばらくの間お預かりしても」
「はいはい。そろそろ挨拶回りに行くぞカレン。」
「あ、あぁ!ちょっと待ってくださいエリオさん!まだ九条さんと大事なお話しが!」
「大事な話と言うか、自分の欲望を押し付けるだけだろう。九条さん、すまないが我々は外のお客様に挨拶をしてくるよ。まぁ私達の事は気にせず、パーティーを楽しく出くれたまえ。」
「あぁ、そんなぁ~!」
カレンさんは、エリオさんに強引に腕を引かれながら会場の外へと出て行った・・・何と言うか、今までロイドがカレンさんから受け継いでいるのは髪の色だけかと思っていたんが、ああ言う所もしっかり受け継いでいるのね・・・
「おじさん、とっても素敵な人達でしたね!流石ロイドさんのお母さんとお父さんです!」
「あぁ・・・そうだな・・・」
マホの言葉にどう反応するべきか悩みながら、俺は会場の出入り口の方を見て苦笑いを浮かべていた。それからしばらくして、俺は1人で会場の端の方で飲み物の入ったグラスを持ちながらボーっとしていた。マホはどこに行ったのかと言うと・・・
「美味しいデザートを見つけたので、もう一回食べてきます!」
そう言ってデザートを食べに行った。まぁ流石にこの会場内で迷子になる事も無いだろうし、いざという時は脳内で話しかければ大丈夫だろ。そんな事を考えながら、俺は会場内を見渡していた。
「ロイド様、そろそろご実家に到着いたします。」
御者の人が俺達を見ながらそう言うと、ロイドは片手をあげて小さく頷いた。そのやり取りを見たマホが、ワクワクした様子で俺に話しかけて来た。
「うぅー・・・楽しみですね!一体どんなパーティーなんでしょうか!」
「さあなぁ・・・まぁ偉い人達ばかり集まってるっぽいから、メチャクチャ豪勢なんじゃねぇの?」
「おじさんもそう思いますよね!」
マホがそう言って俺にグイッと近寄ってきた!ってか近いって!今のお前どこぞの令嬢みたいだからあんま近寄らないで!心臓に悪いから!それと何か良い匂いがするから!
俺はマホから体を離しつつ視線をそらしながらそんな事を考えていた。。そんな俺達を見て、ロイドが爽やかに微笑みながら話しかけて来た。
「ふふっ。盛り上がっている所申し訳ないが、そろそろ到着するよ。」
ロイドにそう言われ馬車の外を見ると、丁度デカい門の下を通ったらしい。それから少しして馬車が止まると、御者の人がドアを開いてくれた。それを見て、ドアに一番近いロイドがまずは立ち上がった。
「それじゃあ、先に行かせてもらうね。」
そう言って俺達を見ると、ロイドは優雅に馬車の外へと出て行った。その瞬間、女の子の黄色い歓声があちこちから聞こえて来た・・・やっぱりファンクラブの子達も来てるのか・・・なんて思っていると今度はソフィが立ち上がった。
「それじゃあ降りるね。」
ソフィがそう言って降りると、今度は男の声でおぉ~と言う声が聞こえて来た・・・何で?と思っていると、マホが俺に話しかけて来た。
「多分、闘技場の王者だった事を知っている人が多いんじゃないでしょうか。男の人って、そう言うの好きですよね?」
「あぁ、なるほど・・・とりあえず、少し待ってから外に出るか。今出ると色々面倒そうだ。」
「・・・確かにそうですね。」
俺は御者の人にお願いをして少し奥の方に進んでもらうと、そこで馬車を降りた。その時に周囲を見渡してみたんだが、こりゃ凄いな・・・飾りつけも豪勢だが、何よりも来てる人達が凄いわ。何と言うか、全員が貴族らしいというか気品があるというか・・・なんて事を思っていると、後ろからマホに話しかけられた。
「あの、おじさん。手を貸してもらっても良いですか?」
そう言われ振り返ると、マホは困った様な顔をして俺を見ていた。・・・・あぁ、そう言えば今日はヒール履いてたんだっけ。慣れてないと大変なのかね?そんな事を思いながら俺はマホに手を差し出した。
マホは嬉しそうに笑うと俺の手を取って慎重に馬車から降りて来た。まぁ、流石に手を握るくらいではもう緊張しなくなっていた・・・心臓はちょっと高鳴ったけどな・・・そんな事を考えていたら、マホが前の方を見て驚きの声を上げていた。
「うわぁ!凄いですよおじさん!どこも綺麗に飾り付けされています!それに、来ている人も皆さん素敵なドレスやスーツを着ていますね!」
「あぁ、そうみたいだな。」
マホの言葉を聞いて改めて周囲を見渡すと、確かに言われた通りの景色が広がっていた。庭園の方も綺麗にライトアップされていて、前回来た時とは違って椅子もテーブルも複数用意されていた。そしてそこでは、貴族らしき人達が楽しそうにお喋りをしていた。
「まぁ、そんな事よりさっさと会場に入ろうぜ。寒いし。」
俺が腕をさすりながらそう言うと、何故だかマホがむくれながらこっちを見て来た。
「むぅ・・・おじさん感動薄くないですか?」
「いや、凄いと思うし綺麗だとも思うけど感動するか?と聞かれると・・・別にって感じだな。それよりも、さっさと温かい場所に行きたいんだが。」
俺がそう言うと、マホは片手で額を抑えながら呆れる様に深いため息を吐いた。
「はぁ・・・これだからおじさんは・・・・だからモテないんですよ。」
「おい、それとこれとは関係ないだろうが。」
「何を言っているですか、関係大ありですよ!一緒に感動を分かち合えないと、女性に好かれませんよ?ってそんな事より、ロイドさんとソフィさんはどこにいるんですか?」
「いや、そんな事よりって俺には結構大事な事なんだが・・・?まぁ、良いけどさ・・・ロイドとソフィならあそこにいるぞ。」
俺がそう言って指を指した方向には、女の子達に囲まれたロイドと若い男達に囲まれたソフィがいた。ロイドは爽やかな笑顔を浮かべ女の子達と話しているが、ソフィに関しては無表情でそもそも話しているのかどうか・・・って感じだな。
「うわぁ・・・何と言うか、2人共凄い人気ですね・・・」
マホはそう言うと、チラッと俺の事を見て来た。
「ん、どうした?」
「いや、ご主人様も一応は闘技場でソフィさんを倒した凄い人なんですから人気があるかなーと思ったんですが・・・」
マホはそう言って会場や庭園の方を見た・・・勿論、誰一人としてこっちを見ている人なんかいかった。
「まぁ、あの2人の人気には勝てないって事ですね!元気出してくださいねおじさん!」
そう言って笑顔でこっちを見てきたマホを見て、俺はがっくりと肩を落とした・・・
「いや、お前のせいで元気が無くなったんだけど・・・」
てか、元々期待もしてなければ気にもしてなかったってのにマホのせいで無駄にショックを受けちまったじゃねぇか・・・!
「あぁもう!とりあえず会場の中に行くぞ。ここに居たら外の寒さと心の寒さで風邪を引きそうだ・・・!」
「はい!それじゃあ早速行きましょうか!」
そうやって元気に返事をしたマホと一緒に、俺達はパーティー会場に向かった。それから会場の中に入ると、俺とマホは改めて驚きの声を上げた。
「おぉ・・・外もかなりの人がいたが、ここにも結構な人がいるな。」
「そうですね・・・あ!おじさん、あそこにお料理ありますよ!」
マホがそう言って指を指した方向にはテーブルがあり、その上には小さな料理が何種類か置かれていた。
「よし、とりあえず腹ごしらえとするか。・・・良いか、騒いだりするなよ?もし騒いだら、あらいやだ!何て品の無い子なのかしら!とか言って面倒が起きる気がするからな。」
「いや、そんなの本の世界だけだと思いますけど・・・」
「おいおい何を言っているんだ。その本みたいな展開を何度も味わってきたろ?だから、なるべく目立たず騒がず料理を堪能しよう。」
「まぁ、そう言われると否定できませんが・・・分かりました。おじさんの言う通り目立たず行きましょう。」
それから俺達は誰の邪魔にもならない様にテーブルに近づくと料理を次々と堪能していった。どうやら用意されている料理は全て1口サイズに作られているらしく、これといって手間取らずに色んな料理を味わう事が出来た。
「あら、そこにいらっしゃるのは九条さんじゃありませんか?」
マホと料理を食べながらウロウロしていると、突然背後から女性の声で名前を呼ばれた。誰かと思って振り返るとそこにはエリオさんとカレンさんが居て、俺の事を見るとこっちに近寄って来た。2人も貴族らしいと言うか、前にあった時とは違いパーティー用のカッチリとした服を着ていた。
「どうもこんばんわ、九条さん。今日ははよく来てくださいましたね。」
「いえ、本日はお招き頂きありがとうございます。エリオさん、カレンさん。」
エリオさんに挨拶をされた俺は、深々とお辞儀をしながら礼を言って頭を下げた。そして顔を上げると、カレンさんが頬に手を当てながらマホの事をキラキラした目で見ているのに気が付いた。
「あら、もしかしてこちらのお嬢さんが?」
カレンさんがそう言うとマホは手を前の方で組んで、お辞儀をして笑顔で自己紹介をした。
「初めまして!私、おじさんのお家でお世話になっているマホと申します!先日は、おじさんがお世話になりました!それと、こんなに素敵なドレスをありがとうございます!とっても嬉しいです!あとあと、お家周辺の警備を強化してくださってありがとうございました!」
マホがとびきりの笑顔を浮かべながら2人を見て感謝を伝えていた。エリオさんはマホの言葉を聞いて優しい表情をしていたのだが、カレンさんは何故だか胸を押さえながら手の甲を額に当て仰け反っていた?ど、どうしたんだ?
「あ、あぁ!なんて可愛らしいのかしら!きらきらの笑顔がとっても眩しくて愛らしくてたまらないわ!・・・あ、あの・・マホちゃんって呼んでも大丈夫かしら?」
・・・あれ?何だろうこの反応・・・どっかで見た記憶が・・・なんて思っているとエリオさんが悩まし気に額を抑えていた。だがマホはそんな事を気づいていないのか、嬉しそうに笑ってカレンさんを見ていた。
「は、はい!是非とも呼んでください!え、えっと・・・カレンさん!」
マホがそう言ってキラキラの瞳でカレンさんを下から見上げると、カレンさんはよく分からない声を上げて更に仰け反った・・・そして突然つかつかと俺の傍に近寄ると、何だかヤバげな目をして俺の顔を見てきた!?
「く、九条さん・・・ご相談なんですけど、マホちゃんと仲良くなりたいので我が家でしばらくの間お預かりしても」
「はいはい。そろそろ挨拶回りに行くぞカレン。」
「あ、あぁ!ちょっと待ってくださいエリオさん!まだ九条さんと大事なお話しが!」
「大事な話と言うか、自分の欲望を押し付けるだけだろう。九条さん、すまないが我々は外のお客様に挨拶をしてくるよ。まぁ私達の事は気にせず、パーティーを楽しく出くれたまえ。」
「あぁ、そんなぁ~!」
カレンさんは、エリオさんに強引に腕を引かれながら会場の外へと出て行った・・・何と言うか、今までロイドがカレンさんから受け継いでいるのは髪の色だけかと思っていたんが、ああ言う所もしっかり受け継いでいるのね・・・
「おじさん、とっても素敵な人達でしたね!流石ロイドさんのお母さんとお父さんです!」
「あぁ・・・そうだな・・・」
マホの言葉にどう反応するべきか悩みながら、俺は会場の出入り口の方を見て苦笑いを浮かべていた。それからしばらくして、俺は1人で会場の端の方で飲み物の入ったグラスを持ちながらボーっとしていた。マホはどこに行ったのかと言うと・・・
「美味しいデザートを見つけたので、もう一回食べてきます!」
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