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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第57話

家に戻ってリビングに入ると、俺はソファーに倒れこんだ。

「あぁー・・・疲れたぁ・・・」

「ふふっお疲れ様。」

「ご主人様、紅茶をお入れしますね。」

そんな俺をねぎらいながらロイドは反対側のソファーに座り、マホは紅茶を入れる為にキッチンへと向かった。そしてソフィはテーブル近くの椅子に座った。俺は倒れこんだまま、マホの言葉に甘えることにした。

「あぁ、頼む・・・はぁ、なんでこんな目に遭うのかねぇ・・・」

「本当に、どうしてだろうね。狙われたのは間違いなく私だろうけど、目的が分からないな・・・」

俺の言葉に対し、ロイドは真剣な表情で悩む様にそう言った。その時、頭の中にとある考えが浮かんだのでロイドにその内容を言ってみた。

「・・・ロイドに心当たりがないとなると、もしかしてロイドの実家の方に何かあるんじゃないのか?」

「私の実家に?」

「あぁ。例えば実家の方で何かがあったとかさ。何か思い当たる事は無いのか?」

「・・・少し待ってくれ、考えてみる。」

そう言って、ロイドは口元に手を当て考え始めた。その間にマホは全員分の紅茶を入れ終え、それぞれの前に置いた。そしてそのままソフィの近くの椅子に座った。俺は体を起こしてしっかり座ると、マホが入れてくれた紅茶を飲んだ。

「はぁー・・・やっぱりマホが入れてくれた紅茶は美味いねぇ・・・」

「えへへー、ありがとうございます。」

マホは笑顔になりながら俺の事を見て礼を言う。何というか、さっきまで俺を心配して泣いていたかと思えば、今は嬉しそうに笑ったり本当に感情豊かだよなぁ・・・何というか、これが若さなのか?・・・俺はもう感情を表に出すのが若干恥ずかしいって思っちまうからなぁ・・・

「・・・そう言えば。」

そんなこと考え若干へこんでいると、ロイドが何かを思い出したのか真剣な表情で俺の事を見てきた。

「ん?どうした、何か心当たりがあったのか?」

「あぁ。実は少し前の事なんだが、実家の方で何かの事件を解決する為に手を貸したと聞いた気がするが・・・すまない、うろ覚えで詳しく思い出せないんだ。」

「そうなのか・・・でも、それは調べてみる価値はあるかもな。」

俺がそう言うと、ロイドが突然俺の事を見て微笑んできた。何だ?その悪戯を思いついた子供の様な笑顔は・・・そんな不安を抱いていると、ロイドが俺に話しかけてきた。

「そうだね。それで九条さんに1つ提案、と言うよりお願いがあるんだが良いかい?」

「・・・お願い?どんな内容だ。」

「何、とっても簡単な事だよ。」

「いやだから、どんな内容なんだよ。」

俺が不信感を隠そうともせずにそう言うと、ロイドは何故だか俺から視線をそらし恥ずかしそうに願いの内容を言った。

「明日、私と一緒に実家に行って・・・・両親に会って欲しいんだ。」

「・・・は?」

ロイドのその言葉と態度に驚いると、後ろにいたマホが突然大きな声を出した。

「ど、どどどどいうことでしゅか!?な、なんでご主人様がロイドさんのご両親にあうんですか?!一体全体どうして!」

マホは椅子から勢いよく立ち上がるとロイドの方へ早足に向かって行こうとした。俺はそんなマホの腕を掴み、慌てて引き留める!

「ちょ、ちょちょ落ち着けって!急にどうした!?」

「だってご両親に会って欲しいってそういう事じゃないですか?!一体いつの間にご主人様とそんな仲に!?っていうか、ロイドさんに何をしたんですか!このロリコン野郎!」

そう言いながら、マホは俺に襲い掛かって来た!いやちょ、力強ぇな!てかロイドは笑ってるんじゃない!俺はマホの手首を掴みながら、必死に弁解をする!

「な、何にもしてないから!っていうか、ロイドはさっさと詳しい説明をしろ!早くしないと、ご主人様からロリコン野郎になっちまうだろ!」

ロイドは俺達を見ながら笑いを堪えていた!っていうか、こいつ確実に確信犯じゃねぇか!

「ふふっ、ごめんごめん。じゃあ説明させてもらうけど、今回の事は確実の私の父に報告が行くだろう。そうなれば、詳しい話をする為に必ず呼び出される事になる。ならば早々にこちらから出向いた方が、時間の無駄がなくて良いだろう?」

「それは・・・!分かったから!何で俺が一緒に行くのかの説明を・・・!って言うかマホもいい加減落ち着けっての!さっきのはロイドの冗談だから!」

俺はマホの手首を掴みながら必死の抵抗を続ける!っていうか、一体どこにこんな力があるんだよ!?そんな俺達を見ながら、ロイドは話を続ける。

「九条さんに両親に会って欲しい理由は1つ。父と母がそう望んでいるからさ。」

「・・・ロイドさんのご両親が?」

ロイドの言葉を聞いてマホはやっと落ち着きを取り戻し、俺を襲う事を止めてくれた。そして俺から離れると、そのまま隣に座った。あぶねぇ・・・後一歩でロリコン野郎と呼ばれるところだった・・・俺は安堵しながらロイドの事をジト目で見る。

「あぁそうなんだ。ってその前に・・・すまなかったね九条さん、ついついからかってしまった。」

ロイドは俺の視線を感じたのか、こっちを見て謝ってきた。俺はため息を吐きながら、ロイドの事を見る。

「はぁ・・・マジで勘弁してくれ。危うくロリコン野郎だぞ?」

「本当に申し訳なかったね・・・許してもらえないかな?」

ロイドはそう言いながら何とも言えない表情で俺の事を見てきた。・・・はぁ、俺はこういう顔に弱いんだよなぁ・・・いや、単にロイドが美少女だから弱いだけだな。

「いや、もういいよ。マホの誤解も解けた事だしな。」

「うぅ・・・すいませんでした・・・」

マホは俺達の話の内容から、ロイドにからかわれていたと理解しシュンとして謝った。俺はそんなマホを見て、苦笑いを浮かべながら話しかけた。

「気にすんなって、もう終わった事だからな。それよりもだ、ロイドのご両親は何で俺に会いたがってるんだ?なにか用事があるのか?」

「いや、ただ会って話がしたいとしか言っていなかったが。」

「そうか・・・」

何の用事だろうか・・・もしかして、お前が娘にまとわりつく害虫か!とか言って斬られたりするのだろうか・・・いや、流石にそんな事は無いだろうけど。そんな事を考えていると、ロイドは笑顔で俺の事を見る。

「それでどうだろう、実家に一緒に行ってくれるかな?」

何というか・・・この笑顔をみる限り、俺が断るとは考えて無い訳ね。まぁ今回の事についてロイドの思い当たる事とやらも調べたいし、断る理由は初めから無いんだけどな。

「・・・分かった。明日、ロイドの実家に一緒に行くよ。」

「そうか、ありがとう九条さん。」

「はいはい・・・あ、そうしたらマホとソフィはどうするんだ?一緒に来るんだよな?」

俺はそう言いながら後ろを向きつつ、マホとソフィに尋ねる。すると、隣にいるマホが申し訳なさそうな表情で俺の事を見てきた。

「それなんですが、私とソフィさんは明日お出かけの用事がありまして・・・」

「お出かけ?」

「うん。私の服を買うらしい。」

「そうなんです。ソフィさんって服を全然持ってなくって、その話を街で偶然出会ったリリアさんにお話ししたら、一緒にお買い物に行きませんか?と誘われまして。」

「なるほど、じゃあ明日は別行動になる訳か。」

「はい、申し訳ありません・・・」

「いや、謝らなくていいって。前からしてた約束だろうし、ソフィの為でもあるんだろ?ならこっちは気にせず行って来いよ。俺達は俺達で情報を集めとくからさ。」

「ご主人様・・・ありがとうございます!」

「ありがとう、九条さん。」

「ただ!出かけるなら絶対に1人になるなよ?まさか街中で襲撃されるとは思わないが念の為にな。」

「それは勿論です!戦う力のない私は1人になったら確実にさらわれますからね!」

「うん。本の通りになる。」

「いや、確実にそうなるって訳でもないが・・・注意はしといてくれ。お前達に何かあったら俺は犯人を消し炭にする自信があるから。」

「もぅ・・・ご主人様ったら心配性なんですから!大丈夫です、ちゃんと護ってもらいますから!」

「うん。絶対に護り抜く。そして皆で無事に帰ってくる。」

「あぁ、気を付けてな。」

話が一段落して、ふと時計を見るとすでにかなり遅い時間になっていたようだ。

「さて、話もまとまったようだし明日に備えて寝るよしようか。」

「そうだな。今日は色々あって疲れたからとっとと寝たいし・・・」

それから俺達は立ち上がり、それぞれの部屋へと戻って行った。俺は自室に戻る前にトイレに行き、用を足して廊下に出ると何故だか落ち込んでいるマホに話しかけられた。

「あの、ご主人様。先ほどは取り乱してすみませんでした・・・」

「いや、あれはロイドの悪戯のせいだろ?だからそんな気にする事じゃないって。」

「それでも、もう一度謝っておきたかったんです・・・」

「・・・分かったよ。その謝罪を受け入れる。だから今日はもう寝ろ、明日を無事に過ごす為にもな。」

俺がそう言うと、マホは途端に笑顔になり元気を取り戻したようだ。

「は、はい!ありがとございます!じゃあお休みなさい!」

「あぁお休み。」

それから部屋に入るマホを見送り、俺は自室に戻りベッドに倒れこんだ。はぁ、何というかマジで大変な夜だったな。さっさと裏で手を引いてるやつを叩き潰さないとな・・・そんな事を思いながら俺は眠りについた。

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