おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第50話

試合開始のブザーが鳴ると、俺はソフィに接近する為に一歩前に踏み出した!しかしその時には、ソフィは既に俺を攻撃できる範囲にまで接近していた!?ソフィは武器を逆手に構え、俺の胴体を狙って斬り付けてきた!俺はその攻撃を防ぐ為に慌てて下から斬り上げる!次の瞬間、武器が接触する感触がしたと思ったら目の前からソフィの姿が消えた!?

「後ろだ!」

焦る間もなく背後からロイドの声が聞こえ、後ろで武器を弾く音が聞こえた!まさか、あの一瞬で俺の背後に回ったのかよ?!
急いで振り返ると、俺達から距離を取る為に後方に大きくジャンプしているソフィの姿を発見した!ロイドはすかさず、空中にいるソフィに向かって魔法を発動した!

『ロイド選手!距離を取る為に空中に飛んで王者に、鋭く尖った氷の塊を大量に向かわせました!これには王者も対応できないか?!』

しかしソフィは表情一つ崩さずに、同じように氷の塊を出現させるとロイドが向かわせた氷を全て破壊していく!俺はその隙を狙って、着地点に急いで向かう!そしてソフィが着地したと同時に、俺はソフィに向かって武器を振り下ろした!
しかしソフィは俺の攻撃を素早く横に飛んでかわすと同時に、こっちに向かって炎の球体を撃ってきた!?

俺は咄嗟とっさに武器を盾にして身構える!次の瞬間、炎の球体が爆発して物凄い爆風が俺を襲ってきた!俺はその爆風を受け、後方へ引きずられるように転がっていく!って言うか、熱いしメチャクチャ痛てぇ!でも、まだ耐えられる!

俺は急いで体勢を立て直しソフィの方を見ると、すると今度はロイドの方に接近していた!俺はソフィがロイドに接近するのを阻止しようと魔法を使おうとしたが、それより速くソフィは攻撃を仕掛けていた!駄目だ!あんな近いとロイドまで巻き込む!俺は痛みに耐え、急いでロイド達の方へ向かう!

『ナインティア!見事な連携で王者に攻撃を仕掛けましたが、王者はその全てを退け反撃に出ました!九条選手が魔法で後方へ吹き飛ばされた直後!王者はロイド選手に接近戦を仕掛けました!ロイド選手は何とか王者の攻撃を防いでいますが、それでも徐々にポイントが削られています!その二人も元へ、九条選手が急接近していきます!』

その実況を聞いた直後、ソフィがロイドの懐に潜り込んだ!直後、ロイドの体が俺の方に吹っ飛んできた?!俺は飛んで来たロイドの体を何とか受け止めると、そのままの勢いで後ろへ引きずられた!

『何という事でしょうか!ロイド選手の一瞬の隙をついて懐に潜り込んだ王者が、魔法を使いロイド選手の体を九条選手に向けて吹き飛ばしました!九条選手は吹き飛んできたロイド選手の体を受け止め、後方に引きずられて行きました!この攻撃で、ナインティアのポイントが2割近く削られました!』

俺は吹き飛ばされながらも足に力を入れて踏ん張ると、何とか止まる事ができた。しかし安心したのも束の間、今度はソフィが出現させた氷の塊が大量にこちらに向かっている!?ロイドは俺から離れ体勢を立て直すと手を前に出し、一瞬にして同量の氷の塊を出現させると正確にそれらを破壊していく!

俺はその攻撃に合わせ地面に手を付けると、巨大な植物の根を2本出現させソフィに向かわせていく!しかし俺の出現させた根はソフィが即座に出現させた炎のうずに飲み込まれ、燃やし尽くされてしまった!そして根が焼け落ちると同時に、ソフィがこちらに向かって物凄いスピードで接近して来た!

俺はロイドの肩を掴み入れ替わるように前に立つと、ソフィの攻撃を防いだ!しかし防いだと思った次の瞬間には、ソフィは俺の死角を狙うように移動をしていた!
だが何度もソフィの攻撃を食らったおかげで、経験値を得た俺はソフィの動きを何とか追う事が出来るようになり次の攻撃も防ぐことが出来た!

その瞬間、ソフィが驚きの表情を見せ動きが止まった!多分、追いつけないと思っていたんだろう!その隙を見逃さず、ロイドはソフィの足元から魔法を発動させようとした!
しかし魔法が発動するその瞬間、ソフィは攻撃を防いだ腕を蹴り飛ばし後方へ大きく飛んで行ってしまった!その一瞬後、地面から石の槍が大量に上空に向かって行った!だがこれで終わらないのがロイドの魔法!槍は空中で向きを変えると、着地したソフィに向かって勢いよく飛んで行く!

しかしソフィは、冷静にその槍に向かって魔法を使う!直後、空中で巨大な爆風が発生し槍の何本かがこちらに吹き飛ばされてきた!ロイドは後方に飛んでかわし、俺は武器で槍を斬り落としていく!そして全てを斬り落とすと、俺は後方にいるロイドに向かい叫ぶ!

「ロイド!サポート頼む!」

「了解!スピードを上げさせてもらうよ!」

ロイドの声と共に、俺の全身を覆うように風が吹き荒れる。ロイドのサポート受けた俺は、ソフィに一直線に向かって行く!その時ソフィの方を見たら、彼女の周囲にも風が吹き荒れ始めた!だがソフィは、その場で止まったまま俺が向かってくるのを静かに見ている!

『おぉっと!九条選手と王者の周りに風が現れたと思ったら、九条選手が物凄いスピードで王者へ向かって行きました!しかし王者はその場から一歩も動きません!!これは余裕の表れなのでしょうか?!それとも何かを狙っているのでしょうか!』

俺は嫌な予感がしながらも、ソフィに勢いよく攻撃を仕掛ける!しかしソフィはとても冷静に、俺の攻撃を受け止めやがった!?マジかよ?!そして次の瞬間、驚く間もなくソフィから物凄いスピードでの反撃が襲ってきた!
だが何度も攻撃のやり取りをしてるおかげで、俺はソフィの攻撃を完全に防いでいく!そしてロイドのサポートのおかげで時々は反撃が出来るんだが・・・・!

一瞬でも瞬きをしたら確実に負けるという確信が俺を襲ってくる!それ程までにソフィの攻撃は素早く怖い!!
これは経験値どうこうで勝てる相手じゃないだろ!?動きは何とか読めるし、防ぐ事もできる!だが反撃しようにも、スピードが圧倒的に違いすぎる!確実にこれはステータス負けしてるだろ!?

『な、何という激しい攻防でしょうか!!王者の素早い猛攻が九条選手を襲います!しかし九条選手は何とかこの攻撃を防いでいます!未だにこの攻防でポイントが減っていない所を見ると、両者の実力は拮抗している様です!』

拮抗なんかしちゃいないっての!だってこっちは必死になって防いでいるって言うのに、向こうは余裕な表情なままなんだからな!どうする、このまま全てを防ぎきるなんて無理だ!しかも反撃出来たって1,2発が限界だ!こんなのどうすりゃ勝てるってんだよ!?そんな焦りを感じていると、ソフィは攻撃しながら俺を見て小さく笑った。

「凄いね。私の攻撃をこんなに完璧に防ぐ人初めてだよ。」

ぐっ!喋りかけて来るとか随分と余裕だな!俺には言葉を返す余裕なんてどこにもないんだが!それに完璧に防げてたって反撃するチャンスがないんだよ!
・・・そうか、完璧に防げてるって事はそこを狙えば!いやでも、このアイデアって俺にとってかなり最悪なんだが・・・・畜生!他に何も思い浮かばねぇ!なら・・・やってやる!

俺はソフィの攻撃と同時に、思いっきり武器を弾き返す!自称勇者の得意技を食らい、ソフィは後ろへのけぞり体勢を崩した!だが、どうせここで攻撃した所で無駄なのは分かってる!だから俺は、武器を持ってない方の手をソフィへ向け巨大な光の球を出現させる!
ソフィはその光を見た次には、後方へ大きく飛んで距離を取り腕で目を隠した!俺もそれに合わせ、腕で目を隠しながら後方へ飛ぶ!そして、後ろにいるロイドに向かって叫ぶ!

「ロイド!目を隠せ!」

俺が叫んだ直後、出現させた光の球が爆発し周囲にまばゆい光をまき散らす!その瞬間、会場内から沢山の叫び声が聞こえて来た・・・本当に申し訳ない!

『ぐっ・・・九条選手、王者の攻撃を思いっきり弾くと同時に巨大な光の球を出現させました・・・その球が爆発した直後、我々にも襲い掛かるほどの光が会場内に溢れました・・・!観客席からは、沢山の悲鳴が聞こえてきますがこれも勝負なので自己責任でお願いします!』

俺はロイドの隣に立ちソフィの方を見る。彼女はこちらを見て立ち止まったまま動く気配がなかった。・・・こっちから仕掛けるのを待っているのか?王者としての余裕って事か、だったら都合がいい。今の内にロイドに思いついた作戦を伝えるか。てかそれよりも・・・

「はぁ・・はぁ・・疲れだ・・・」

「大丈夫かい九条さん。大分息が切れているみたいだけど?」

「あぁ何とかな・・・それより聞いて欲しい事が2つある。」

「聞いて欲しい事?それは何だい?」

俺はロイドに、戦いの中で気づいたことを説明する。

「まず1つめ。俺はソフィに対して接近戦では対抗できるが、魔法に関してソフィの方が一枚上手だという事。」

「2つ目は?」

「2つ目は、ロイドはソフィに対して魔法の発動スピードや正確さでは互角だが、接近戦ではソフィの方が上だという事。つまり・・・」

「私と九条さんが力を合わせて、やっとソフィ1人になるって事か。」

「あぁ、そう言う事だな。そんで1つ作戦を思いついた。上手くいけば勝つことが出来ると思う。」

「分かった、聞かせてくれ。」

ロイドは真剣な表情で、俺が思いついた作戦を聞いている。

『おっと!九条選手、ロイド選手と作戦会議を始めました!もしや勝つための作戦を思いついたのでしょうか!?そんな二人を、王者は静かに見つめています!攻撃を仕掛けないという事は、王者としての余裕と絶対的な自信を表しているのでしょうか?!ナインティアは、この王者の余裕と自信を打ち崩す事が出来るのでしょうか!』

実況が会場を盛り上げる中、俺はロイドに作戦を伝え終える。ロイドは俺の作戦を聞くと、片手で額を抑えると静かに怒っているような声で確認してくる。

「・・・九条さん、それは本気で言っているのか?」

「あぁ、本気だな。正直このまま試合を続けたって、どっちかが苦手な攻撃を食らってポイントを削られて負けるだけだ。だったら、ポイントが無くなる前に何としてもソフィを倒すしかない。」

「でもだからって、そんな作戦!」

ロイドは、珍しく声を荒げていた。武器を持つ手もかなりの力で握られているのか、小さく震えているようにも見える。

「落ち着けよ。この作戦は闘技場だからこそ出来るんだ。まぁ、だからって俺もやりたい訳じゃないがな。ただ他に作戦も思い浮かばないし、時間もポイントも無い。だったら、腹くくってやるしかないだろ?」

まぁ、こんな作戦を思いつく時点で俺もだいぶ狂ってるんじゃないかと思うがな。
いや、狂ってると言うかオタク的な発想か?まぁどっちでも良いか。ここまで来たんだから、どんな事をしたって勝ちたいと思うのが普通だろ。そんな風に考えていると、ロイドがこちらを見てデカいため息を吐いた。・・・失礼じゃない?

「はぁ・・・分かったよ。こういう時の九条さんは無駄にやる気に溢れているから、文句を言った所で無駄だろう。その作戦で行こうじゃないか。」

「ふっ、ありがとな。ロイドならそう言ってくれると思ったよ。」

俺はロイドの方を見てニヤリと笑う。ロイドはそんな俺の表情を見て、苦笑いを浮かべて肩をすくめる。

「はいはい。まぁ、後でマホに怒られる覚悟だけはしといてね。多分、私も怒られるけどね。」

「だろうな。よし、じゃあ・・・」

俺は覚悟を固める為、持っていた武器の切っ先をソフィに向け大声で叫ぶ!

「ソフィ!どういう理由で静観していたのか知らないが、おかげでお前に勝つ作戦を伝えることが出来た!ありがとう!ってな訳で、負けて後悔したくなかったら全力でかかって来い!」

俺の言葉が会場内に鳴り響いた瞬間、客席から物凄い大歓声が聞こえて来た。
さぁ、もう後戻りはできない。俺は覚悟を決め、武器を構える。その時、向こうにいるソフィの口元が笑ったように見えた。まぁそう見えただけで、今はこちらを睨むように見ているだけなので勘違いかもしれないけどな。

『九条選手!王者に向かって勝つ作戦を思いついたと宣言しました!対する王者は、冷静に武器を構えると九条選手を静かに見つめています!ロイド選手はサポートに徹する為なのか、九条選手から一歩下がった所で王者を見ています!さぁ、運命の瞬間が訪れようとしています!!勝つのは無敗の王者か!それとも初挑戦となるナインティアなのか!?一体、どちらが勝者となるのでしょうか!?』

実況の声が会場内に響き渡り、客席から熱と歓声が伝わって来た瞬間、俺の体を風がおおう!ソフィの方を見ると、彼女自身も風におおわれていた。そして俺とソフィが武器を構え視線が合った瞬間、俺達は同時に相手に向かい一瞬にして接近していく!

互いが攻撃範囲に入った瞬間、先にソフィの攻撃が襲い掛かって来た!と言うか、さっきまでの攻撃とスピードも威力も段違いなんだが!?って事は、やっと本気になったって事か!俺は歯を食いしばりながら、ソフィの攻撃を防ぐ事に徹する!
って言うか、一瞬でも気を抜いたら確実に息の根を止められそうな殺気が伝わってくるんだが?!だが、こんな事で負けてられるか!そんな覚悟をして防御に徹しているが、本気になったソフィの攻撃は凄まじく、じわじわとかすり傷のダメージが襲ってくる!

『おぉっと!九条選手、本気になった王者に手も足も出ません!何とか攻撃を防いでいる九条選手ですが、完全に防ぎきることは出来ずポイントが削られて行きます!ナインティアの残りポイントが7割を切ってしまいました!』

7割か!だったら頃合いだろうな・・・あぁ畜生!やりたくねぇがやるしかねぇ!俺はソフィの攻撃を防ぎながら、チャンスをうかがう。しばらくして、ついにその時がやって来た!ソフィは右手の武器を逆手に持ち、俺の心臓を狙うように襲ってきた!よし、もうここしかねぇ!

直後、俺は迫るソフィの攻撃に合わ左腕を心臓と武器の間に出す!その瞬間、俺の人生経験で初めてともいえる様な痛みが襲ってきた!ソフィのショートブレードが、俺の左腕を貫通して心臓まで後数センチの所で止まった!その光景を見たソフィは、驚いて動きを止めた!
その瞬間、俺は痛みで全身から冷や汗が噴き出て、血の気が無くなるのと周囲の音が遠くなるのを感じながら、絞り出す様に大声を出す!

「ロイドオオオオオ!!!」

俺が叫んだ瞬間、俺の腕が貫通した武器ごと石化していく!それを見たソフィが慌てて武器から手を離そうとしたが、ロイドの魔法の方が一瞬早くソフィの手を持っていた武器ごと石化させた!
ソフィは驚いた表情でこちらを見ると、すぐに冷静さを取り戻したのか動ける方の手をこちらに向けて来た!魔法を使って俺の意識を刈ろうとしているんだろう!だが、俺は歯を食いしばって一瞬速くソフィの体を上から斬り裂いた!!

「かはっ!」

・・・ソフィは吐き出すような声を上げるとゆっくり膝から崩れ落ちて行き、そのまま動かなくなった。そしてソフィ動かなくなった瞬間、俺の腕を覆っていた石が消えていった!っていうかもう無理!

「だらぁ!!!!」

俺は左腕を貫通していたショートブレードを一気に引き抜くと地面に倒れこみ、腕を股の間に挟みさすりながら魔法で思いっきり冷やしていく!!痛い痛い痛い痛い痛い!!!!血は出てないし傷跡も何も無いけどメチャクチャ痛いんですけど!!!!
そんな死ぬほど痛い思いをしていると、突然実況のバカでかい声が会場に響き渡った!

『しょ、勝者!ギルドナインティア!!!!』

実況がそう言った直後、会場内からバカでかい拍手と歓声が聞こえて来た!そっから実況による、俺達がどんな風に戦ってきたのかとか、どうやって王者に勝ったのかという話が始まったが正直それどころではない!!

俺は泣きそうになりながら、ってか若干泣きながら貫通した個所を冷やし続けていた!!あぁもう!死ぬほど痛いんですけど!!こんな痛いとは思わなかったよ!やっぱり実際に経験してみないとわからないよね!分かりたくなかったけどさぁ!!
てかさ、ラノベやアニメやゲームの主人公とかよく平気な顔して立ってられるよね?!しかもあいつら、そんな状態でカッコいい事言ったりすんだよ!とてもじゃないが、俺には無理ですね!てか二度とやるかこんな事!
そんな馬鹿な事を考えながら腕を冷やす俺の近くに、ロイドが呆れ顔でやってきた。そして、俺を見ながらゆっくりとしゃがんで話しかけて来る。

「全く、そんな痛い思いするならやらなければ良かっただろう?」

「う、うっさいわい・・・こうでもしなきゃ勝機が見えなかったんだから仕方ないだろ・・・うぅ・・・痛い・・・死ぬ・・・」

「ふふっ、それだけ元気に喋れるなら死なないさ。」

「ぐっ、にこにこしやがって・・・」

俺は涙目になりながら、にこにこしているロイドを睨む。しかし、ロイドは一切そんな事気にせずにこちらを見て笑っている。

「ふふっ、まぁもうしばらく我慢しているしかないね。この闘技場で受けた痛みは試合が終わった時点ですぐに無くなるけど、ダメージが大きければその分痛みが無くなるのも遅いからね。」

「まぁ・・・腕を貫通なんてダメージ遅くなるわな・・・ただ、若干痛みは消えてきた気がする。」

「それは良かったね。なら、もう立てるかい?」

そう言ってロイドは立ち上がると、俺に手を差し伸べて来た。はぁ、まだかなり痛いが何とか立てるレベルか・・・俺は、ロイドの手を取るとグッと引っ張られ立ち上がった。

「さて、王者を倒した感想はどうだい?」

「何言ってる、ロイドが一緒だったから倒せたんだろうが。」

「うん、ありがとう九条さん。でも、最後に決めたのは九条さんだろ?その感想は?」

「・・・正直、痛みでほとんど覚えてない。」

「あらら、それは勿体無い。」

そんな風にロイドと話していると、会場内に係員が入ってきて気絶しているソフィを担架に乗せて出て行ってしまった。

『さぁ!それではこの後は、ギルドナインティアの勝利を祝して表彰式を執り行いたいと思います!お二人は会場の中央で待機をお願いします!』

「はぁ、俺はとっとと控室に戻って休みたいんだが。腕も痛いし。」

「まぁまぁ、ここで帰ったらここにいる人の印象が悪くなってしまうからね。我慢して待機していようか。」

「まぁ、そうだな。」

それから俺達は会場の中央へ向かうと、表彰式が始まるまで待機をしていた。

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