おっさんの異世界生活は無理がある。
第42話
翌日、俺はロイドと共に闘技場の前へやって来ていた。マホはスマホのなかで俺が買ったラノベを読みふけっている。どうやら本の情報をインストールして読めるようにしたらしい・・・・マホしか読めないけどな。
どうやら電子書籍の様に俺が読める物では無いらしい。マジでマホの為の機能でしかないという事だ。そんな訳で、マホには読んでる間は話しかけないようにと言われた。あいつマジで俺のサポートする気あるのか?まぁいいや、そんな事より・・・
「うん、いつみてもデカいな。ただ、今日はあんまり人がいないな。」
「まぁ特にイベントもやっていないからね。今度のイベントに応募する人しか来ていないんじゃないかな。」
「なるほどな。じゃあ今、闘技場から出て来た奴らは敵になるって事か。」
「まぁ、当選したらって事だけどね。」
「・・・そうなんだよなぁ、まず当選しないといけないんだよなぁ。じゃあさっさと応募しに行くか。」
「そうだね。応募は闘技場内にある受付でする事が出来るよ。」
「なるほど、じゃあ受付に行くか。」
俺達は闘技場の正面から中に入っていった。前回とは違い、関係者入り口からではないから何か新鮮な気分だな。でかいゲートの下をくぐって真っすぐ行くと、中はかなり広い空間だった。・・・ん?何か壁際に機械がずらっと並んでるな。
「なぁロイド、あの機械って何なんだ?」
「ん?あぁ、あの機械は賭けに使う機械だよ。お金を入れて、勝つと予想した方のギルド名をタッチするんだ。そうすると券が発行されるのさ。それが当たったら払い戻し用の機械に入れてお金を貰うんだ。ほら、あっちに置いてあるだろ?」
ロイドが指さした方には、別の機械がずらっと並んでいた。
「なるほどな。まぁ、聞いても一生使わないと思うけどな。」
「ふふっ、確か九条さんは賭け事は弱いんだっけ?」
「あぁ、かなりな。だから俺は絶対に賭け事はやらない。」
「それは残念だね。是非とも闘技場に貢献してほしかったんだけどね。」
「だからこうして貢献しに来たんだろ?選手としてな。まぁそれも当選されればって話だけど。ほら、受付に行くぞ。」
俺達は正面奥にある受付に向かった。受付には数人の若く美形の男女が作業をしていた。・・・何なんだこの街の受付は!若い美形しかいないのかよ!はぁ・・・美形は近くにいると精神的に疲れるんだよなぁ。今まで画面越しでしか関わってこなかったからな・・・まぁ、ロイドで慣れて来たし大丈夫なはずだ!よし、行くか!
「あ、あのー・・・」
「あ、ようこそいらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?あ、もしかしてイベントに応募の方でしょうか?」
「あ、はいそうです。今度のイベントに応募したいんですけど・・・」
「かしこまりました。それでは手続きをいたしますので、そちらの席にお座りください。」
俺とロイドはお姉さんに言われるまま、受付前の椅子に腰かけた。
「それでは応募に当たって、注意事項を幾つかご案内させていただきますね。まずはレベルについてご説明しますね。この闘技場では、イベントに参加する選手は全員レベル10が上限値になっています。参加当日までにどれだけレベルを上げても、レベル10のステータスになりますので注意してください。」
「つまりレベル20でも30でも必ず10になると。」
「はい、ですから高レベルの人は結構大変なんですよ。高い分ステータスもかなりダウンするので調子が出なくて初戦で敗退、何て事もありますから。失礼ですがお二人のレベルは?」
「俺はレベル12です。」
「私はレベル8だね。」
「それだと、そちらの方はレベルが2下がった状態で参加することになります。よろしいですか?」
「はい、大丈夫です。」
まぁ、2ぐらいなら何とかなるだろ。そこまで大幅に下がるって訳でもないし。ただ、一応注意はしておくか。
「かしこまりました。それでは次に戦闘に関する注意事項ですね。この闘技場の試合会場は特殊な魔法で囲われています。その中では闘技場が支給している武器しか使用する事が出来ません。
この武器は特殊な物で、相手に一切の外傷をつけません。ただ、普通の武器で攻撃された時と同様の痛みが襲います。また試合会場では、魔法も武器同様に外傷は残りませんが痛みは襲いますので注意してくださいね。」
「分かりました。・・・あの、防具なんかはどうなんですか?それも支給されるんですかね?」
「いえ、防具は何を装備していただいてもかまいません。」
「え、そうなんですか?」
「はい。支給される武器は身につけている防具を無視して貫通しますので、何を身に付けても意味が無いんです。武器は武器でないと防げない仕様になっていますので。」
「つまり、敵の攻撃は防ぐか躱すしかないって事だね。」
「その通りです。ですから躱しやすい様に動きやすい防具の方がお勧めですよ。」
「分かりました。参考にさせてもらいますね。」
「それでは最後に応募方法と、結果発表の事をお知らせしますね。まず応募するにギルドに参加している事が必須になっています。それは大丈夫ですよね?」
「はい、ちゃんとギルドには入ってます。」
「それなら問題ありませんね。では次にお二人の持っているカードをお預かりさせていただきます。そのカードに、専用の機械を使って応募情報を入れます。するとギルド名の所が赤枠で囲まれますので、これで応募が完了したことになります。
そしてイベント開催の1週間前になると、枠の色で結果をお知らせします。当選したら赤枠が青枠になります。外れたら赤枠のままになりますね。」
「なるほど。えっと、次のイベント開催日は・・・」
「10日後になりますね。」
「じゃあ3日後に結果が表示されるんですね。」
「そうなりますね。赤枠はイベント開催日になると自動的に消えるのでご安心下さい。これで基本的な説明は以上になります。それでは応募なさいますか?」
お姉さんに聞かれた俺は、ロイドの方をチラッと見た。ロイドは俺の目を真っすぐ見るとしっかりと頷いた。・・・はぁ、覚悟決めるか。
「じゃあ、応募させてもらいます。」
「かしこまりました。それではカードをお預かりしますね。」
俺達がカードを預けると、お姉さんは受付に置いてあった機械にカードを入れた。少ししてカードを取り出したお姉さんは俺達にカードを返してくれた。
カードを見ると、確かに文字が赤枠で囲われていた。
「あの、今現在で応募している人ってどれくらいですか?」
「そうですね・・・大体40組ほどですかね。ただ、この後も応募者は増えると思いますので恐らく50組くらいになると思いますよ。」
「50組か・・・それで参加できるギルドの数っていうのはどれくらいなんですか?」
「そうですね、次回のイベントに参加できるギルドは8組ですね。」
「うわぁ、かなり当選確率が低そうな感じだな・・・まぁ、外れた時はしょうがないよな!」
「何だか凄い嬉しそうにしているね・・・」
「いやぁ、これだけ多いと?やっぱり?外れる可能性の方が高いなぁと思ってね!」
まぁもしも外れたら?ソフィには申し訳ないけどご縁が無かったという事で!正直、痛いも辛いのもマジ勘弁だからな。一応、応募するって義理は果たしたからな。後は神のみぞ知るって事で。
「では、他に質問したいことはございますか?」
「あ、いえ大丈夫です。ありがとうございました。」
「いえいえ。それではお二人のご参加を楽しみにていますね。」
それから俺達は、ギルドの外に出た。すると、突然脳内にマホの声が聞こえ出した。
(うーん!このライトノベル凄く面白いですね!読んでるだけで冒険をしている気分になっちゃいました!あ、イベントへの応募は終わったんですか?)
(あぁ、いましがたな。てか、今の今まで読んでたのかよ・・・どんだけ集中してたんだよ。)
(いやぁ、主人公の王女を想う心がとても素晴らしくて!この先がどんどん気になります!)
(へぇ、それは面白そうだね。九条さん、家に帰ったら私にも貸してもらえるかな?)
(いやまぁ別にいいけどさ、ってそんな事よりこれからの事だよ。イベントは10日後に開催だけど、これからどうすっかな。)
(え?クエストを受けたりって事じゃダメなんですか?)
(いや、俺って今レベル12だからこれ以上は無理だな。下がった時の反動がでかくなるから。)
(そうだね。じゃあ私はしばらく女の子達とレベル上げをするよ。最近構ってあげられなくて、寂しい思いをしているかもしれないからね。)
(はいはい、そーですか・・・・)
何なんだ?何故そこで女の子と一緒なんて選択肢が取れるんだ?イケメンだからか?イケメンだから出来るのかこの野郎!あ、野郎じゃねぇや。・・・・じゃあ何て言えばいいんだ?もういい!知らない!
(ご主人様、すねないすねない。)
(おい、話しかけてないのに心を読むんじゃねぇよ。)
(ご主人様の考えてる事くらい大体わかりますよ。)
俺のプライバシーってどこに行ったのかしら?
(まぁいいや。それじゃあ俺は適当にのんびりと休養するかな。買ってきたラノベも結構面白いし続きも買って読みたいし。)
(あ!じゃあ今すぐ本屋さんに行きましょうよ!そして続きを買いましょう!)
(じゃあ私も本屋に行こうかな。最近新しい本も買っていなかったし。)
(・・・じゃあとりあえずこれから本屋に行くか。)
それから俺達は本屋に行ってそれぞれが欲しい本を買って家に帰るのだった。
どうやら電子書籍の様に俺が読める物では無いらしい。マジでマホの為の機能でしかないという事だ。そんな訳で、マホには読んでる間は話しかけないようにと言われた。あいつマジで俺のサポートする気あるのか?まぁいいや、そんな事より・・・
「うん、いつみてもデカいな。ただ、今日はあんまり人がいないな。」
「まぁ特にイベントもやっていないからね。今度のイベントに応募する人しか来ていないんじゃないかな。」
「なるほどな。じゃあ今、闘技場から出て来た奴らは敵になるって事か。」
「まぁ、当選したらって事だけどね。」
「・・・そうなんだよなぁ、まず当選しないといけないんだよなぁ。じゃあさっさと応募しに行くか。」
「そうだね。応募は闘技場内にある受付でする事が出来るよ。」
「なるほど、じゃあ受付に行くか。」
俺達は闘技場の正面から中に入っていった。前回とは違い、関係者入り口からではないから何か新鮮な気分だな。でかいゲートの下をくぐって真っすぐ行くと、中はかなり広い空間だった。・・・ん?何か壁際に機械がずらっと並んでるな。
「なぁロイド、あの機械って何なんだ?」
「ん?あぁ、あの機械は賭けに使う機械だよ。お金を入れて、勝つと予想した方のギルド名をタッチするんだ。そうすると券が発行されるのさ。それが当たったら払い戻し用の機械に入れてお金を貰うんだ。ほら、あっちに置いてあるだろ?」
ロイドが指さした方には、別の機械がずらっと並んでいた。
「なるほどな。まぁ、聞いても一生使わないと思うけどな。」
「ふふっ、確か九条さんは賭け事は弱いんだっけ?」
「あぁ、かなりな。だから俺は絶対に賭け事はやらない。」
「それは残念だね。是非とも闘技場に貢献してほしかったんだけどね。」
「だからこうして貢献しに来たんだろ?選手としてな。まぁそれも当選されればって話だけど。ほら、受付に行くぞ。」
俺達は正面奥にある受付に向かった。受付には数人の若く美形の男女が作業をしていた。・・・何なんだこの街の受付は!若い美形しかいないのかよ!はぁ・・・美形は近くにいると精神的に疲れるんだよなぁ。今まで画面越しでしか関わってこなかったからな・・・まぁ、ロイドで慣れて来たし大丈夫なはずだ!よし、行くか!
「あ、あのー・・・」
「あ、ようこそいらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?あ、もしかしてイベントに応募の方でしょうか?」
「あ、はいそうです。今度のイベントに応募したいんですけど・・・」
「かしこまりました。それでは手続きをいたしますので、そちらの席にお座りください。」
俺とロイドはお姉さんに言われるまま、受付前の椅子に腰かけた。
「それでは応募に当たって、注意事項を幾つかご案内させていただきますね。まずはレベルについてご説明しますね。この闘技場では、イベントに参加する選手は全員レベル10が上限値になっています。参加当日までにどれだけレベルを上げても、レベル10のステータスになりますので注意してください。」
「つまりレベル20でも30でも必ず10になると。」
「はい、ですから高レベルの人は結構大変なんですよ。高い分ステータスもかなりダウンするので調子が出なくて初戦で敗退、何て事もありますから。失礼ですがお二人のレベルは?」
「俺はレベル12です。」
「私はレベル8だね。」
「それだと、そちらの方はレベルが2下がった状態で参加することになります。よろしいですか?」
「はい、大丈夫です。」
まぁ、2ぐらいなら何とかなるだろ。そこまで大幅に下がるって訳でもないし。ただ、一応注意はしておくか。
「かしこまりました。それでは次に戦闘に関する注意事項ですね。この闘技場の試合会場は特殊な魔法で囲われています。その中では闘技場が支給している武器しか使用する事が出来ません。
この武器は特殊な物で、相手に一切の外傷をつけません。ただ、普通の武器で攻撃された時と同様の痛みが襲います。また試合会場では、魔法も武器同様に外傷は残りませんが痛みは襲いますので注意してくださいね。」
「分かりました。・・・あの、防具なんかはどうなんですか?それも支給されるんですかね?」
「いえ、防具は何を装備していただいてもかまいません。」
「え、そうなんですか?」
「はい。支給される武器は身につけている防具を無視して貫通しますので、何を身に付けても意味が無いんです。武器は武器でないと防げない仕様になっていますので。」
「つまり、敵の攻撃は防ぐか躱すしかないって事だね。」
「その通りです。ですから躱しやすい様に動きやすい防具の方がお勧めですよ。」
「分かりました。参考にさせてもらいますね。」
「それでは最後に応募方法と、結果発表の事をお知らせしますね。まず応募するにギルドに参加している事が必須になっています。それは大丈夫ですよね?」
「はい、ちゃんとギルドには入ってます。」
「それなら問題ありませんね。では次にお二人の持っているカードをお預かりさせていただきます。そのカードに、専用の機械を使って応募情報を入れます。するとギルド名の所が赤枠で囲まれますので、これで応募が完了したことになります。
そしてイベント開催の1週間前になると、枠の色で結果をお知らせします。当選したら赤枠が青枠になります。外れたら赤枠のままになりますね。」
「なるほど。えっと、次のイベント開催日は・・・」
「10日後になりますね。」
「じゃあ3日後に結果が表示されるんですね。」
「そうなりますね。赤枠はイベント開催日になると自動的に消えるのでご安心下さい。これで基本的な説明は以上になります。それでは応募なさいますか?」
お姉さんに聞かれた俺は、ロイドの方をチラッと見た。ロイドは俺の目を真っすぐ見るとしっかりと頷いた。・・・はぁ、覚悟決めるか。
「じゃあ、応募させてもらいます。」
「かしこまりました。それではカードをお預かりしますね。」
俺達がカードを預けると、お姉さんは受付に置いてあった機械にカードを入れた。少ししてカードを取り出したお姉さんは俺達にカードを返してくれた。
カードを見ると、確かに文字が赤枠で囲われていた。
「あの、今現在で応募している人ってどれくらいですか?」
「そうですね・・・大体40組ほどですかね。ただ、この後も応募者は増えると思いますので恐らく50組くらいになると思いますよ。」
「50組か・・・それで参加できるギルドの数っていうのはどれくらいなんですか?」
「そうですね、次回のイベントに参加できるギルドは8組ですね。」
「うわぁ、かなり当選確率が低そうな感じだな・・・まぁ、外れた時はしょうがないよな!」
「何だか凄い嬉しそうにしているね・・・」
「いやぁ、これだけ多いと?やっぱり?外れる可能性の方が高いなぁと思ってね!」
まぁもしも外れたら?ソフィには申し訳ないけどご縁が無かったという事で!正直、痛いも辛いのもマジ勘弁だからな。一応、応募するって義理は果たしたからな。後は神のみぞ知るって事で。
「では、他に質問したいことはございますか?」
「あ、いえ大丈夫です。ありがとうございました。」
「いえいえ。それではお二人のご参加を楽しみにていますね。」
それから俺達は、ギルドの外に出た。すると、突然脳内にマホの声が聞こえ出した。
(うーん!このライトノベル凄く面白いですね!読んでるだけで冒険をしている気分になっちゃいました!あ、イベントへの応募は終わったんですか?)
(あぁ、いましがたな。てか、今の今まで読んでたのかよ・・・どんだけ集中してたんだよ。)
(いやぁ、主人公の王女を想う心がとても素晴らしくて!この先がどんどん気になります!)
(へぇ、それは面白そうだね。九条さん、家に帰ったら私にも貸してもらえるかな?)
(いやまぁ別にいいけどさ、ってそんな事よりこれからの事だよ。イベントは10日後に開催だけど、これからどうすっかな。)
(え?クエストを受けたりって事じゃダメなんですか?)
(いや、俺って今レベル12だからこれ以上は無理だな。下がった時の反動がでかくなるから。)
(そうだね。じゃあ私はしばらく女の子達とレベル上げをするよ。最近構ってあげられなくて、寂しい思いをしているかもしれないからね。)
(はいはい、そーですか・・・・)
何なんだ?何故そこで女の子と一緒なんて選択肢が取れるんだ?イケメンだからか?イケメンだから出来るのかこの野郎!あ、野郎じゃねぇや。・・・・じゃあ何て言えばいいんだ?もういい!知らない!
(ご主人様、すねないすねない。)
(おい、話しかけてないのに心を読むんじゃねぇよ。)
(ご主人様の考えてる事くらい大体わかりますよ。)
俺のプライバシーってどこに行ったのかしら?
(まぁいいや。それじゃあ俺は適当にのんびりと休養するかな。買ってきたラノベも結構面白いし続きも買って読みたいし。)
(あ!じゃあ今すぐ本屋さんに行きましょうよ!そして続きを買いましょう!)
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