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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第41話

あれから何とか家に帰ってきた俺は、ひとまず風呂に入る事にした。だって走り回って汗だくになって気持ち悪かったんだもの。そして風呂から出た俺は、夕飯を作り一人で食事をした。なんか一人で飯を食うって久しぶりの感覚だな、こっち来てからはマホが一緒だったからなー。
そんな事を考えながら食事を終えた俺は、使った食器を片付けて自室に戻った。そしてソフィと知り合うきっかけとなったラノベを手に取ると、ベッドに寝転がり読み始めた。それからしばらくして・・・・

「ふぅ・・・」

俺は読み終わったラノベを閉じて息を吐く。久しぶりにガッツリとラノベを読んだな。そして結構面白いぞこのラノベ・・・王女に一目惚れした勇者が不器用ながらもアタックするシーンは何か読んでて恥ずかしくなっちゃったし、戦闘になると敵を圧倒する王女ってのも面白かった。しかもそのシーンの挿絵のカッコよさよ!いやぁ続きが気になるな・・・2巻も買っとけばよかったな・・・なんて考えて、他のラノベを読もうかと思った時、玄関が開く音がした。

「ただいま帰りました!」

「ただいま、今帰ったよ。」

部屋の外からマホとロイドの声が聞こえて来たので、俺はベッドから起き上がると自室を出て玄関に向かった。そこには出かけた時とは別の服の綺麗なワンピースを着たマホと、私服姿のロイドが立っていた。多分ロイドは一回家に帰って着替えたんだろうけど・・・・

「二人共おかえり。マホ、どうしたんだその服?」

「あ!聞いてくださいよご主人様!実はリリアさんのご自宅に行ったら私にってお洋服をくれたんです!昔着ていたけど今は来ていない服を!それがどれも可愛くて綺麗で!その中でも一番気に入ったワンピースを着て帰ってきました!」

「なるほど、良かったなマホ。今度会ったらリリアさんに礼を言っとかないとな・・・ってかロイド、お前の家は隣だろ。何でうちに帰ってきてただいまなんだ?」

「あぁ、すまないね。毎日のようにここに来ているからつい。迷惑だったかい?」

そういうロイドは何やらニッコリとしてこちらを見ていた。はぁ、俺が何て答えるか知ってるって顔だな。

「んな訳ないだろ。ただ、ちょっと思ったから聞いただけだ。別にただいまと言われたからって迷惑じゃねぇよ。」

「それは良かったよ。ここはもう私にとって自宅みたいに居心地が良いものだからね。」

・・・かわいそうにロイドの自宅。まぁ定期的に掃除する人が来て綺麗にしているらしいから良いけどさ。

「なら良かったよ。二人共、風呂がまだだったら先に入ってこい。その後ちょっと相談したいことがあるから。」

「相談?それって一体何なんですか?」

「だから後で話すよ。ほら、行ってこい。」

「はーい。あ!ロイドさん一緒に入りましょうよ!」

「あぁ、それは良いね。じゃあマホ、行こうか。」

「はい!あ、お風呂あがったら冷たい飲み物が欲しいので準備しておいてくださいご主人様!」

「はいはい。・・・これじゃあどっちがご主人様何だか。」

それから俺は二人の為にアイスティーを準備して、リビングで待っていた。しばらくして風呂から上がった二人がリビングにやってきて、そのままテーブル近くの椅子に座った。なので俺はアイスティーをテーブルの上に置く。

「ほら、ご注文の品だ。」

「ありがとうございます!ゴクッ・・・ゴクッ・・・はぁー!美味しいですね!」

「まぁ喜んでもらえて何よりだよ。」

「じゃあ私も頂くとしようかな。・・・うん、とても美味しいよ。」

「そうか、なら良かったよ。んで、相談なんだがいいか?」

「あぁ、一体どうしたんだい?」

それから俺は今日あった出来事を説明した。本屋に行ってソフィに出会い、追われ、逃げ、そしてソフィの願いを聞き、闘技場に応募しようと思っている事を。
俺が話し終えると、まずマホのため息が聞こえた。

「はぁ・・・ご主人様はどうして平穏に過ごせないんですか?」

「・・・そんなもん俺が聞きたいわ。」

俺も別に好きで面倒事に巻き込まれるわけじゃないんだよ。ただ、どういう訳かそう言う事に巻き込まれると言うか・・・俺も平穏に過ごしたいわ。

「・・・まぁ、もう起きてしまった事は受け入れましょう。それで?結局の所、ご主人様はどうしたいんですか?」

「うーん、応募はするつもりだ。そんで、こっからがロイドに相談したい事なんだが・・・」

正直、今回は俺一人で応募した方が良い気がしている。ロイドはただでさえ有名人だ。そのロイドが闘技場に参加して、もし初戦敗退なんて事になれば色々と不名誉な噂が広がると思う。それに斬られれば同様の痛みが襲うらしい。それにロイドを巻き込んで良いのか俺は悩んでいた。しかし、そんな俺を見てロイドは余裕の笑みを浮かべこちらを見ていた。

「九条さん。多分、私を巻き込んで良いのかって悩んでいるんだろ?」

「・・・まぁな。今回の事は俺が勝手に引き受けた話だ。それなりに危険だし、もし初戦敗退なんて事になればロイドの家の名に傷がつくだろうなとか、色々考えてな。」

「九条さん、私は仮にも冒険者だ。危険なんて常に隣り合わせの生活を送っている。それに・・・」

「・・・それに?」

「女の子の頼みを聞くのは、騎士として当然の事だろ?だから遠慮せずに、私を頼ってくれて良いんだよ。」

そう言ってにっこりと笑ったロイドを見て、俺は胸がきゅんきゅんしてしまった!な、何なんだこのイケメンは!いや、風呂上がりのロイドはどちらかというと美少女だ!いや、そういう事じゃなくて!もうやめて!おっさんはときめいたって手汗しかでないわよ!
俺は内心ドキドキしているのがバレない様に、真剣な表情を取り繕いロイドを見る。

「・・・ありがとう。じゃあ遠慮なく頼らせてもらう。ロイド、俺と一緒に闘技場に応募してくれ。」

「あぁ、勿論だよ。」

ロイドがカッコよく頷いてくれた所で、マホは椅子から立ち上がり拳を天井に向け気合を入れていた。

「よーし!じゃあ早速、明日は闘技場に行って応募しましょう!そしてナインティアの名をこの街にしらしめてやりましょう!」

「いや、目立つのはちょっと嫌なんだけど。」

「えぇ!?だって半年間無敗の王者を倒そうって言うんですよね!?嫌でも有名になると思いますけど・・・」

「えぇ?なーんかやる気なくなっちゃったな・・・・」

「何を言ってるんですか!ソフィさんの願いを叶える為に頑張りますよ!ね、ロイドさん!」

「あぁ、全力で行こうじゃないか!」

「・・・はぁ、当選しませんように・・・!」

それから俺達は明日に備えて寝る事にした。うん、ロイドはまたうちに泊まるんだって。最近空き部屋のひとつにロイドの私物が増えてきているので、そろそろ空き部屋じゃなくなりそうな気がする。

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