おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第31話

翌日、いつも通りの朝を迎えた・・・いや、ロイドがまた泊っていったのでいつも通りではないが朝を迎えた。今日はマホが朝食を作る日なので俺は自室でベッドにくるまっていた。朝食を作るのは良いんだが、こういうのんびり出来る朝も俺は好きなんだよな・・・なんて考えていたら部屋の扉がノックされしばらくして開いた。
そこから足音が聞こえ、部屋のカーテンを開けると俺のベッドの近くに来た。あぁ、もう朝食が出来てマホが起こしに来たのか・・・・しかたない、起きるか。

「おはようマ・・・ホ?」

「おはよう九条さん。マホじゃなくて私が起こしに来たんだごめんね。」

・・・・目を開けると、そこには太陽に綺麗な金髪を照らされて微笑む美形が微笑んでこちらを見ていた?

「・・・・うおっ!」

俺はいきなりの事に驚いてベッドから飛び起きた!その俺を見て、ロイドはまた笑っていた。

「おや、そんなに驚いてどうしたんだい?」

「・・・・いや、慣れない経験のせいで一気に覚醒しただけだ。」

あぁー心臓に悪い。ゲームやアニメでは何度も見たが実際にこんな事が起こるとマジで驚くものなんだな・・・少し自分が情けない。

「ふふっ、マホに朝食が出来るから起こしてきてほしいとお願いされてね。」

「あぁ分かったよ。着替えたらすぐに行く。」

「うん、それじゃあ失礼するよ。」

そう言ってロイドは優雅に部屋から出て行った。・・・何しても絵になる奴って言うのは凄い事だと思いました。
それから何事もなかったかのように朝食を済ませると、俺達は斡旋所へと向かった。約束の時間より少し早めに着くと、斡旋所の前の人物がいた。
1人はリリアさんだがもう一人は・・・あれ?見た事あるな・・・

「あぁ!ロイド様おはようございます!今日もとても凛々しいお姿ですわ!」

「ありがとう。リリアさんも今日もとても綺麗だよ。」

「ありがとうございます!私とても感激ですわ!あら、九条様おはようございます。」

「うん、テンションの切り替えが素敵すぎるね。それより隣の子は・・・」

「あ!おはようございます!今日はよろしくおねがいします!」

そう言ってお辞儀をした女の子は、ボスがいる部屋にわざわざ謝る為にやってきた女の子だった。

「ご紹介しますわね。彼女は『ライル・スティリア』さん。今回私とパーティを組んでいただく方です。確か、お二人とは面識がおありですたよね?」

「あ、あぁまぁ・・・」

これはちょっとまずいかもしれない。彼女はボスと戦った時の真相を知っている人だ。だから街で流れているロイドがボスを倒したという噂の真相を知っている。
どうしたものか・・・と悩んでいるとライルさんがこっちに来て小声で話しかけてきた。

「あ、あの。街で流れている噂について私は余計な事は言いませんから安心してください。」

「え?」

それだけ言うとライルさんはリリアさんの隣に戻っていった。・・・急に耳元で話しかけられたからドキドキしてしまう俺はこれでいいんだろうか?しょうがないね、非リアには耐性ないものと自分に言い聞かせる。

(はぁー・・・ご主人様。)

(・・・言いたいことがあるならハッキリいったらどうだ?)

(いーえ別に。ご主人様を傷つけたくないですから。)

(いや、その発言でもう傷ついたわ。)

(二人とも仲が良くて羨ましいね。)

脳内でマホやロイドとそんな会話をしていると、リリアさんが不思議そうな顔でライルさんと会話していた。

「何を話していましたの?」

「いえ、ちょっとした事ですのでお気になさらずに。」

「そうですか・・・まぁいいです!今日の勝負絶対に負けませんからね!」

「あぁ、それはいいんだが彼女は戦えるのか?確かこの間までレベルが2とか3ぐらいだった気がするけど。それと昨日いたお付きの人は?」

「彼女の事ならご安心を!彼女はロイド様と冒険にいってから私の所に強くなりたいのでレベル上げを手伝ってほしいとお願いにきましたの。そのおかげで彼女は今レベル6です!なのでダンジョンに行く分には問題ありませんわ!
それと昨日いた私のボディーガードは今回連れてきていません。何故なら今回は私達とロイド様達の勝負!そこに大勢ボディーガードを連れてきたら卑怯ですからね!」

「なるほど、心遣い感謝するよ。ところで二人の関係はどういうものなんだ?」

「彼女の家と私の家は古くから付き合いがありますの。それに彼女もロイド様のファンクラブのメンバーなので自然と仲良くなりましたわ!」

「あ、そうなんだ。」

「は、はい!ロイド様はとても優しくて美しくて私の憧れなんです!だからファンクラブの話を聞いた時に入会しました!」

「ありがとう。憧れと思ってくれるなんてとても光栄だよ。」

「そ、そんな滅相も無い!」

ロイドが微笑んでお礼を言うと、ライルさんは身の丈ほどある杖をギュッと握って直立した。っていうか今思ったけどでかい杖だなぁー・・・流石異世界。
一通りの挨拶が終わった所でリリアさんが手をパンパンと叩いて、しきりなおしをしてくれた。

「それでは、これからダンジョンに行く申請をして勝負を始めたいと思います。勝負はダンジョンの最奥に行き街に一番最初に戻って来た方が勝者とします。
最奥に行ったかどうかはマップを確認すれば一目瞭然なのでお気を付けください。」

まぁずるい事は出来ないって事だな。それから俺達は受付で誓約書を書き腕時計を貰うと街の入り口に立った。腕時計を見る感じ、日没の時間には結構余裕があるな。

「それでは私が合図をしたら勝負開始ですわよ!よーい・・・・ドンですわ!」

自分で合図を出したリリアさんは走って街の外へと行ってしまった。その後を追うようにライルさんも走っていった。

「さて、それじゃあ俺達も行くか。」

(ちょ、ちょっとご主人様!何をのんびりしてるんですか!私達も急がないと負けちゃいますよ!)

(いや、ダンジョンの場所ってここから結構遠いんだよ。そこに行くまでに何匹かモンスターと戦うだろうし、それにダンジョンに入ったからと言ってすぐに最奥に行ける訳でもない。体力は温存していくべきだろ。っていうか走るのしんどい。)

(何を情けない事言ってるんですか!)

(まぁまぁリーダーがそう言うなら従おう。それじゃあ私達も出発しようか。)

(全く!お二人共頑張ってくださいね!)

頭の中にマホのエールを聞きながら、俺達はダンジョンを目指し街の外に出た。

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